マザーのBIOS更新失敗で対応を拒否しドスパラ敗訴?

メールにてネタのタレコミ、有り難う御座います。

ここでは量産系としているBTOメーカー、ドスパラが販売したマザーボードでユーザがBIOSアップデートに失敗し裁判へ。タイトル通りドスパラ側が敗訴したとの事で、何が起こりどのような結果になったのか。

PC初心者でも分かるよう解説して参ります。

マザーボードのBIOSと更新する意味

規格がかなり古いものの画像で見ると分り易い。右奥に書かれている「BIOS ROM」という黒い物が今回の話に出ているBIOS(バイオス)。

motherboard-bios-rom.jpg

source:1201 マザーボード

最近のマザーは位置がCPU付近になっていたり超小型で分かり難くなっている物も有るけれど、これを物理的に改造するわけでは無し。

BIOS ROM(リードオンリーメモリ)と表記されている通り読込専用では有るものの、USBメモリ棒やSSDのようなフラッシュメモリとしても機能し更新、言い換えると書換が可能。

これを書き換えると何が良いか代表的なものを挙げると

  • BIOS設定の項目が増えたり詳細が変更出来るようになったり
  • 古いマザーでも新CPUに対応出来る事が有る
  • 新しい方が気分的に良い など

具体的には、私が以前所有していたサイコムPCではMSI(マザーボードのメーカー)より提供されるBIOSアップデートでファンコントローラーが追加。

CPUはインテルやAMDが新製品を出し、マザーボード側がCPUの機能や性能に対応する為にアップデートを公開するなど。新しい話で極端な例は、同じくMSIのSandyBridge用マザーがBIOSアップデートによりIvyBridge対応になるなど。

BIOSに限らずドライバやファームウェアもバージョンは新しい方が気分的に良く、特に意味は無いけれど上げる人も居られましょう。ちなみに私は不具合が出ると面倒なので、意味無く更新しない派。

タレコミ頂戴した元ネタと通報者の心理

ソースというより元ネタはこちら。 

価格コムで2009年9月に問題発生の投稿。2011年2月に裁判でユーザが勝訴。それを発見したと思われる1が2012年2月に2chでスレ立て。

タレコミメールは一言「ぜひ記事にしてください」なので転載も要約も無いけれど、受け取った私から見るとドスパラが嫌いなのかという印象。

この話はドスパラとユーザどちらも悪く、どちらも悪くない部分有り。個人的には良い判決になっていると感じております。

面倒なのでここから、サードウェーブ=ドスパラで。

 

BIOS更新失敗の対応拒否でドスパラ敗訴?

価格コム掲示板に書かれたユーザの投稿を読みつつ流れを書いて参ります。

自称パソコンに詳しくない人は、段を落としているカッコ内はやや難しいのでスルーしても問題無し。

  1. ドスパラで購入したマザーでBIOSがポスト(起動)せず
  2. CMOSクリア(BIOSリセット)も駄目でドスパラへ返品依頼
  3. ドスパラが検証し起動、良品なので着払いで返送との事
    (原因はジャンパピンがCMOSクリア側になっていた)
    (マニュアルに誤記が有りユーザが間違えたらしい)
    (今回はドスパラ側が送料を持つ事でユーザも納得)
  4. 新CPUを搭載したいがBIOSのバージョンが古いので更新
    (起動せずCMOSリアしても駄目、ドスパラへ連絡)
  5. ドスパラ側はBIOS更新の不具合は対応しないと一点張り
  6. 販売店の責任では無いにしてもユーザに問題が有るとも思えず
  7. ユーザがドスパラを提訴
  8. ドスパラ側は商品代金のみ返すという和解案を提示
  9. ユーザは慰謝料と訴訟費用も払って欲しいので拒否
  10. ドスパラ敗訴。商品代、慰謝料、裁判費用を負担

ユーザが得たものは商品代の約7千円、慰謝料2千円。数万円と思われる裁判費用はドスパラが負担。消費したものは労力や時間以外に精神力。

個人的にはユーザ側を賞賛したい事件、しかしそれは内容や結果では無く方針。自分が正しい、間違っていないと判断したなら金や時間の問題では無く司法が認め相手方も認めさせる事。天晴でございます。

しかし古くからの自作ユーザはこう思っている事でしょう。

ドスパラ敗訴はユーザが「ゆとり」なのか「普通」が変わったのか

上記1~5の流れは自作PCを組み立てるユーザなら普通に有る事。

昔ながらの組立マニアならBIOS書き換えは自己責任で、アップデートに限らず書き換えは改造やダウンデート(ダウングレード)も含まれており改造のようなもの。ドスパラも古いメーカーなのでそれが普通として規約にも書いていたのでしょう。

私も現在はBTOやメーカーPCでは無く自作状態でASRockマザー、サブPCでGIGABYTEマザーを使っており、もしBIOSを書き換えたいなら自己責任として起動しない場合は買い替えが前提。

どうやら2012年現在では違う御様子。しかしここまでは価格コムのO氏の投稿を斜め読みした人から出そうな意見。

BIOSの書き換えがドスパラ敗訴の原因とは書かれていない

2chのスレッドタイトルやここまでを読むと、ドスパラが「BIOS更新の失敗に対応しなかった」事が敗訴の理由と取れましょう。

しかし、O氏が投稿で書いている通り

裁判所は、商品表示欄に記載したCPU対応表などのリンク先内容にドスパラが一切責任を持たない行為は、過失による不法行為であると断定

販売している商品の表示内容をドスパラが無視している事が不法とされ、ユーザが新CPUに対応するBIOSの書き換えサポート非対応が不法とは言っておらず。

BIOS書き込みの失敗を一方的に消費者の責任にすることは消費者契約法第10条に反するという私の主張は、今回は判断なしという結果に終わりました。

ソースになるリンク先ページや実際の記載内容が不明なので想像になるけれど、ドスパラがマザーボードの販売ページから対応CPUが掲載されていたページへリンクしていたという事かと。

簡単に言えばリンクしていなければドスパラは対応するとは案内していなかったわけで、購入者の為の親切が仇となったと言えましょう。ここまで想像。

これ(BIOS書換)が消費者契約法10条で通ってしまうと、自動車のコンピューター(ECU)書換による不具合もディーラーの責任になるので無理が有ると見ておりますが判断無し。判断無しという事は不法では無いと個人的には解釈。

自作PCは誰でも可、但し自己責任では無いのか?

先にドスパラ側の立場になり、どうすれば今回の事件を回避出来たか考えると上記の通り、パーツを販売する場合は余計な事を書かず

  • 写真が全てです
  • 詳細は箱やマニュアル参照
  • 弊社規約外のサポートは製造メーカーや代理店へ直接どうぞ

こうしておけばハードルが高くなり必要な情報は購入する側が自力で調査。判らなければ諦めて購入しないが正解。

商品表示やリンクなどで案内していなければ、こうなったはず。

  • 販売店としてBIOS書換はサポート対象外
  • BIOSの書換は規約通りユーザの自己責任
  • 訴訟する相手は新BIOSのファイル提供元

私がドスパラ側というより古い自作PCの考え方なので今回のようなユーザ側の立場になれないけれど、販売する側は余計な事を案内したり、聞かれた事に全て答えると危険という判決。

ヤフオクのように「写真が全てです」と書き、情報は価格と型番とリビジョン(バージョン)のみで良いでしょう。部品が変わるかも知れないので写真には「画像はイメージです」がお勧め。

上の小見出しで「ゆとり」という言葉に置き換えたけれど、それが標準になりつつ有るならパーツを売るメーカーや既存の自作ユーザも考えなおさねばならないでしょうな。

匿名掲示板やタレコミ内容を信じるか否かも問題

今回の事件が事実なら問題無し。しかし一部でも嘘が有った場合はドスパラ側から訴えられる事も考えられましょう。

それを踏まえ、O氏の書込内容から人柄や思考を想像するに私は個人的にこの書込は真実と捉えており、ドスパラ敗訴は事実と判断。しかし証明出来ない為、タイトルに「?」を付けております。

話を戻しタレコミ送信戴いた人が何を考えて私に送ったかも問題。

  • BIOSアップデートと商品説明についてこの判決をどう思うか、BTOパソコン.jpのブログで「ぜひ記事にしてください」
  • ドスパラが嫌いなので嬉しい、BTOパソコンで何か敗訴したっぽいのでブログで面白おかしく「ぜひ記事にしてください」

どちらかは知らないけれど、ドスパラ敗訴=ドスパラが負けた=嫌いなので嬉しい、などと考えているなら意味が違う。

ユーザは試合に勝ち勝負で負け。ドスパラは雇った弁護士と仕事中の社員が対応、ユーザは余暇で時間を取る必要が有りユーザの消耗は甚大。

これは自作ユーザに親切にし過ぎると、パーツ販売店が萎縮したり古い自作PCユーザに迷惑をかけてしまうかも知れないという興味深い事件。

と、捉えたので期待した内容と違っていたり、私の気のせいなら失礼。いずれにしてもネタ提供には感謝。

 

BTOパソコンのBIOSは書換えてはいけない

今回の事件は自作用のマザーボード、パーツ単品の話なので自作ユーザ以外にサイコムやショップブランドのような市販マザーを載せているなら似たようなもの。下手にマニュアルなどで詳細を書くと危険。

量産系BTOメーカーなら話は代わり、とあるBTOメーカーの修理現場に居た人間からの情報として注意する事を書くと。

  1. PCメーカーのBIOSはオリジナルが多い(特にOEM)
  2. BIOS更新する必要は無く、改造なので保証対象外
  3. BIOS以外にグラボやファームウェアも更新は不可

上記は全て保証対象以外にもメーカー修理をあてにしている場合で、メーカー修理やサポートが要らないならほぼ問題無し。

1は、富士通やNECなどの有名メーカー以外にエプソンやマウスコンピューターのようなOEMマザーの場合、BIOSはマザーの製造段階でPCメーカーオリジナルになる事が有り、似た型番でアップデート出来たとしても不具合の元。

OEM専用BIOSはマザーボードの製造メーカーとPCメーカーとのライセンス契約で機能を制限していたり、似ている物が有ってもアップデート用ファイルは別として制限が有るので起動しなくなる事がございます。

2は、今回の自作ユーザのように新CPUに対応する為などの目的が完成品のBTOパソコンに有るわけが無し。BIOS更新も改造、CPU交換も改造、保証や修理規定に記載が有るはずなので良く読みましょう。ドスパラ敗訴の話とは別の問題。

3は、一部の例外を除き何もしない方が安全。私は見ていなかったけれどマニアックな修理担当者やメーカーによりドライバやファームのバージョンを改造していないか確認する事も有り。品質管理が修理現場で抜き取り検査のようにチェック(こちらは生産工程のミスを発見)する事も有り。

一部の例外とは、古くはSeagateのHDD、最近ではインテルやCrucialのSSDのように製造時の不具合がファームウェアで改善される場合。通常は本体丸ごと修理扱いになるけれど、ユーザの希望が有ればセルフサービスさせてくれるメーカーもございます。

BTOパソコンとは、BTOメーカーが大人買いしたりOEM(自社専用)として市販より安く仕入れたパーツを組立代行してくれるサービス。自作PCとは違うので、納品された状態からハードウェアの性能や機能を変えず使う前提。

変えたいなら故障や不具合時はメーカー修理に頼らず、そのまんま改造し自作PCとして好きにしましょう。もちろんBIOS書換の不具合も誰も助けてくれない前提。

 

ドスパラや私が時代遅れな考え方の可能性(まとめ)

当記事は一方的に私個人が書いており、コメント欄は2012年3月現在機能しておらず。もしかするとどスパラや私(ヒツジ先輩)が現代の「普通」では無い可能性も有りましょう。

その為に小見出しで新しい考え方を「ゆとり」という言葉に置き換えており、自作PCに対する考え方が変わったのでは無かろうかと。

ドスパラはこのサービスもやめた方が良いかも知れない。

dospara-self-repair-service.jpg

ドスパラがDOS/Vパラダイスの略と知っている時代の人用のサービスなら通じると思うけれど、パソコンが故障した=ドスパラが悪いと解釈する世代には仇になる可能性。

パーツのみ届けて交換出来るユーザなら問題無し。下手に「メモリの交換作業の簡易マニュアル」や「マザーボードのマニュアルを同梱します(誤記有り)」などやらかすと敗訴。

パソコンが使えない時間を大幅に短縮する親切なサービスが、ドスパラが手抜きをしてユーザに修理交換させる汚い商売とも言われかねない。

ドスパラのような量産系BTOメーカーはPC初心者でも安心して購入可と紹介して参りましたが、BIOS書換が自己責任と思わないように、訪問してパーツ交換作業をしろとか言われそうですな。

ドスパラに限らずパーツを扱うクレバリーやツクモ、フェイス、その他サイコムやショップブランド、秋葉原を含む実店舗では不特定多数に販売する際は表記やリンクに注意しましょう。

リンク用ソース

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BTOパソコンメーカー比較

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初心者や実用重視のPCユーザー向け。デスクトップ以外にノートも多数有り価格と性能のバランスが良く選びやすい。全国に実店舗が多数有るBTO PCメーカー。

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デスクトップPCならパソコン工房とマウス以外にドスパラも見る価値有り。秋葉原に本拠地を構える昔ながらのBTOパソコンメーカーで知名度はマウス並に高い。

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2011年頃から安く無くDELLを選択肢に入れる理由が薄く回線抱き合わせ販売の価格がまぎらわしい。ゲームPCのAlienwareは見た目重視コスパ最悪なので要注意。

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高性能ノート以外は見る価値が薄く高額なLenovoという感じ。早々にWindows 7を捨て8に切り替えたので7が必要なら行っても無駄。2012年後半から迷走中。

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ヤマダ電機による買収後はマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。BTO PCは機種が少なくやや割高。ツクモファンなら選択肢へ。

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プロフィール

ヒツジ先輩

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BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。