修理現場で見たパソコンの故障し易いパーツとその理由

パソコンの部品でPC本体故障の原因になる事が多い順。

多くのBTOメーカーでは自作PCと似たようなパーツを採用しており、メーカーはDELLやHPなど自社(下請)製造を除きOEM止まりが普通。OEMとは、そのメーカー用に製造されたオリジナルでは有るものの、多くは市販品に手を加えた程度。

故障し易いパーツと、そうでも無い物をPC初心者用に解説。

私が修理現場に居た時期は既に3年以上前。

CPUやビデオカード(以下、グラボ)など著しく性能が進化をした物は有れど構造は変わらず、未だに発展途上な精密機器がパソコン。設計は昔から大して変わっていないという事です。

体感で申し訳無いけれど、私が担当した約3900台(内、ノートは千台以上くらい)より、故障し易い順にパーツを5種類並べ、簡単な解説を入れて参ります。

 

パソコンの故障し易い部品ワースト5

自作マニアが時々使う短縮表記も入れておきます。

メーカーの修理報告で「M/B」など不親切な書き方は無いと思うものの、ショップブランドの場合や「HDD」「RAM」程度は有るかも知れないとして覚えて損は無いかと。

1.HDD(ハード ディスク ドライブ)

私が修理現場に入り2ヶ月くらい後、自宅のPC環境が最も変化した箇所がHDDの本数とコピー用のバッチファイル(簡単なプログラム)。その後、NASも導入しバックアップ変態と化している理由がHDDの壊れ易さ。

修理依頼ユーザの申告症状で「電源が入らない」「画面が映らない」など書かれていたなら、とりあえずセーフ。「Windowsが起動しない」など書かれている場合はアウト率が高まり、嫌な気分で検査を開始しておりました。

その、Windowsが起動しない場合に最も多い不具合がHDDの故障。Windowsが起動しても検査するとエラーが出たり回転数の異常な低下、読み書きがやたら遅いなども有り。

HDD故障で多い症状は、Windowsが起動しない。

HDDがパソコン内のハードウェアで最も故障する事が多く、デスクトップに限らずノートも同様。嫌になるほどのデータ初期化の確認をしておりました。

2.M/B(マザー ボード、メイン ボード)

通称マザー、2ch風にいうとママン、古い人はPCB(プリント基板の事)。一般的には現在はマザーボード、少し前はノートの場合やメーカーによりメインボードと言われるメイン基板。

電源が入らない=電源ユニットの故障、よりマザーボードが故障している事が多め。電源ユニットの故障と思って電源を買い換える自作ユーザは多そうです。

私が修理していた頃は電解コンデンサ(液体コンデンサ、液コン)が多く、現在は若干進化したか固体コンデンサが多く見られる仕様。

私が自宅用に5年くらい前に購入したPCのマザー。

915g_com_l.jpg

source:MSI 915/925マザーボードシリーズ

点在する銀色の円形で外周が黒丸の物が電解コンデンサで、熱により寿命が短くなるらしく、万一破裂する事を考えて頭部に切れ込みが入っております。破裂する事は滅多に無く、膨張して寿命を迎える物が多め。

変わって現在私が使っているマザー。

X58-Extreme3.jpg

source:ASRock > 製品紹介 > X58 Extreme3

同じく点在の、銀色で上1/3くらいが水色の物が個体コンデンサ。熱に強いと言われておりますが、正直メーカー修理はマザーを自作PCのように交換するのみな為、詳しい事は知らず。

マザー故障で多い症状は、電源が入らない。

HDDの次に故障し易い物がマザーボード。HDDも同様にノートでも2番目に故障し易いと感じております。 

3.VGA(ビデオ グラフィック アクセラレータ)

グラフィックボードまたはカード、ビデオカード、通称グラボ。

マザーボードと比較し1つランクを落とした理由は、単に必須では無い為で搭載率が低い為。昔ならインテルとAMD共通でオンボードと言われるマザーボードにグラフィック機能が載っている物が多く、現在で言うとインテルならCore iシリーズ、AMDならFusion APUのようなCPU内蔵(統合)のグラフィックが有る為。

VGA故障で多い症状は、画面が映らない。

体感で言っている為、同じ数で比較するとマザーボードより故障率は高いかも知れず。CPU(GPU)とメモリ(VRAM)が載っている小型ボードという構造より。

製品毎に故障する数(担当品かつ体感なので率では無い)でいうと、高性能かつ冷却ファンのしょぼい物や、性能は低くともファンレス(ヒートシンク(放熱フィン)のみでファンが無い)方が良く交換していたと記憶。

4.PSU(パワー サプライ ユニット)※電源ユニット

ノートを除くデスクトップ系で、ファンの付いている電源ユニットを内蔵している物。逆に言うと、ACアダプタは故障し難い。

PSU故障で多い症状は、電源が入らない。

BTOメーカーの修理現場だから電源ユニットが故障し易いという事は無く、私も自宅PCでは何度か交換しており、経年で劣化して行く消耗品。

電源が入らない以外に、電源は入るも時々Windowsが起動しない(HDDを認識しない)なども稀に有り、電圧が低下すると他のパーツにも影響すると思われます。

電源が確実に故障する特殊な例は落雷による障害。

落雷は、電源ユニット>マザー>CPUとメモリが同率、くらいで故障しており、メーカー修理保証の規定により保証対象にならない事が有るので注意。

保証対象で無ければ「落雷が原因かも」などとは書き忘れると良いかも知れず、保険が効くなら「落雷が原因」と断定しても良いかも知れませんが推奨しているわけではございません。

5.RAM(ランダム アクセス メモリ)

私が修理現場で驚いた故障がメモリで、メモリが故障するとは思っていなかった為。何が原因か不明では有りますが、5番目くらいに交換する事が多め。

故障で多い症状は、これと言って無く様々。

  • 画面が映らない
  • 真っ黒な画面で白い文字で止まる(BIOS起動、POSTの段階)
  • Windowsの起動途中で強制的に再起動
  • 青い画面に白い文字で停止、または強制再起動(ブルースクリーン)
  • Windowsは普通に使えている割にファイルが時々壊れる
  • リカバリ、OS再インストール、ドライバインストールに失敗

今思い付くだけで上記のように症状は多め。

画面が映る状態ならmemtest86+でテストすると、画面が真っ赤になりエラーと判明する事もございます。

修理現場で稀に有った事が、ユーザのメモリ増設による相性問題。他のPCでメモリ単体で検査するもエラーが無くとも、相性により別のPC(マザー)では動かない事や、memtest86+で真っ赤になる事も有ります。

 

その他のパーツが故障する際の特徴

上記5つに入れなかった物とその理由。

液晶パネルと光学ドライブはロットで違う?

?マークを付けている理由は正解か不明な為で、修理現場では故障の原因までは調べず、その数値を出す仕事が無かった為。品質管理や検証は別の担当。

液晶パネルとはLCD(リキッド クリスタル ディスプレイ)、画面のパネル部分の事で、光学ドライブはODD(オプティカル ディスク ドライブ、CD/DVD/Blurayドライブ)本体の事。

LCDはメーカーでは無く、特定の型番や製造ロットで当たり外れが有るようで、ノートでは同じ型番でもLCDやマザーボードのリビジョン(バージョンのような)により、縦にラインが良く入る、緑が切れる不具合、などございました。

デスクトップ用の外付けモニタは分解しない為、細かいところまでは判らないものの、特定の型番では同じ不具合が良く出るなど。根拠が無い為メーカーなどは書かない。

ODDはレーザーとかでは無く、やはり型番やロットによりトレイが出てこない、Ejectボタンの手応えが無くなる、などが有りました。

現在でいうとSSDに似ており、メーカーというより型番やロットにより不具合が出るような感じかと思われ、初期不良や短期間で故障する仕組。

メーカーのオリジナル液晶モニタなら運では有りますが、市販品なら価格コムなどのクチコミやレビューを参考にしましょう。

最近のCPUは高温に強く故障は滅多に無い

私が最も交換しなかったハードウェアがCPU。

最悪な状態は、Pentium4搭載PCで掃除をせず、CPUクーラーを中心にホコリが詰まりまくり、CPUの温度が数十秒から数分で100度を超えて電源が落ちるもの。それは極端な例としても、良く有るクリーニング不足による高熱でもCPUが故障している事はまず無し。

何が不具合の原因か判らない->現場の管理者が詳しく調査=CPUでした、というパターンが少数。

私が交換した数で言うと、約3900台中(ノート含む)の内10個以内。5個以上は交換したと思うものの10個は行っていないという程にCPUは故障しない物でした。

但しインテル率9割を超える為、AMDは不明。

ハードウェアが原因でもWindowsは壊れる

ハードウェアでは無い為ランクには入れておりませんが、最も多い不具合がWindowsの起動障害で、これにはHDD故障以外にメモリのエラーなども関わり、Windowsそのものがおかしくなる以外にハードウェアが原因になる事も有ったかと。

具体的には、HDDのセクタ不良にファイルが乗ってしまったり、コピー中にメモリのエラーが原因と思われる書込エラーなど。プライベートでは無線LANの故障が原因でWindowsが起動しなかったノートもございます。

Windowsは大変親切、悪くいうと貧弱なので、少しでもおかしいなら起動しない。本気で壊れたならもちろん起動しない。Windowsが起動しなくともHDDさえ無事ならデータは残っている為、諦めずに他のPCでバックアップしてみましょう。

 

バックアップとクリーニングが重要な理由(まとめ)

私が過去2年半以上しつこく当ブログで書いている事がこれら2つ。

なぜバックアップとクリーニングかは、この2つ以外に誰にでも出来る故障率を下げる簡単な方法が特に無い為。

HDDは温度や動作時間、S.M.A.R.T.(HDD内部に記録されている情報)を気にする手も有るものの、では温度が高過ぎるから故障率が高いか、何千または何万時間で交換するか、S.M.A.R.T.情報が重要か、と言えばいずれでも無く。

HDDは突然故障する物なのでデータをバックアップ。

クリーニングは全てに言える事で、マザーボードと電源ユニットとグラボは熱により載っている部品の寿命短縮や故障の原因になるもの。特にCPUクーラーとグラボファンの掃除不足は全体の温度を高め、ホコリが湿気ると最悪ショートする事もございます。

故障以外に冷却や静音に関してもクリーニングは重要。

良いケース、高級な電源、高速ストレージ、いくらこだわり金を使えども、バックアップと掃除しなければ故障の際に困る事は安物と同様。

逆にバックアップと掃除さえしているなら、保証期間内で有れば修理は無料。長期保証なら3年以上も無料で修理してくれるわけで、保証の延長もお勧めしております。

おまけ:プロの修理依頼者になる方法

メーカーの修理側も上記2つ、バックアップとクリーニングは重要で、この2つさえやっているならプロの修理依頼者と言えます。

稀に有った、ケースを開けると新品のような状態。本当に使っていなかったのかも知れないものの、綺麗に使われている自社製品は気分の良い物。

そして修理を依頼する際に「120%バックアップしているので、再インストールとか必要なら心置きなくデータはぶっ飛ばしてください(データ消去に同意します)」署名+捺印、これはプロの仕業。

掃除とバックアップ、これら2点が揃っている「保証内の修理」は大変やり易く、次回修理に入る事が有るなら、私なら是非担当したい依頼品。

ユニークな目印(シールなど)を見える位置にワンポイントしておくと良いかも知れません。担当者が修理品を選ぶ方式の場合、私ならシール付を優先する。かも知れない。

そのくらいケース内をクリーニングせずバックアップしていないユーザが多いという意味でも有ります。

BTOパソコン以外でも使えるパーフェクト修理依頼書 - BTOパソコン.jp
http://bto-pc.jp/btopc-com/repair/application-format.html

これが同梱されていたならパーフェクト。かも知れません。

リンク用ソース

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プロフィール

ヒツジ先輩

書いてる人:

BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。