何でもストリーミング化の時代が来るか。
映像コンテンツはフルHDからAmazonが4K・HDRに対応したFire TVを出したところまで進化。似た形でゲームまでストリーミングでプレイできる時代が来るのは間違いなさそうだけれども主流になるのか。
考えつつ最後にアンケート。
ゲームのストリーミング化が主流になる時は来るか?
元ネタ各種。
家庭用ゲーム機は次世代で実質的に最後のハードウェア更新となり,マルチデバイスのストリーミングサービスにその座を譲ると信じている。
source:Ubisoft CEO「ゲーム機の最終世代が近づいています」 - GamesIndustry.biz Japan Edition
この話はGoogleと共同で既に米国の一部でテスト開始しているやつ。
GoogleとUbisoftは10月1日、Googleが開発中のストリーミング技術Project Streamのテスト運用として、『アサシン クリード オデッセイ』をGoogle Chrome上でプレイするユーザーテストを実施する旨を発表した。
アサクリと聞いてPCゲームかと思った私は家庭用ゲーム機をプレステ2より後は持っていないためで、プレステ4でも最新アサクリは出ているらしく、それをフルHD60fpsでストリーミングしているのでしょう。
マイクロソフトはXboxでストリーミング。
米Microsoftは8日(米国時間)、クラウドゲーミングサービス「Project xCloud」を発表した。2019年より公開試験を開始する予定。
source:Microsoft、スマホでXboxやPCゲームが遊べる「Project xCloud」 - PC Watch
リンクタイトルに「スマホで」とも書かれているように端末側は高速なネットワークで映像さえ出るならOKであり、GoogleとUbisoftはChromeブラウザで、マイクロソフトはアプリでやるのだろうと推測。
ストリーミングでゲームといえばソニーが提供中。
クラウドサーバーに格納された幅広いジャンルの“PlayStation 4”および“PlayStation 3”タイトルを、対応デバイスからストリーミング経由で遊ぶことができます。
無料期間のみ試したが、問題は料金設定。
PS Nowに月額2,500円の価値はあるか?
数百タイトルあろうとも私好みのゲームが少なく、やり込むなら1ヶ月以上同じ1タイトルしか遊ばないこともあるだろうから種類の多さは意味が薄く、単純に週6日利用で考えると1日100円のプレイ代となり、高くはないけれど個人的には月額4桁に抵抗感。
なので例としてAmazon Fire TVの中にNetflixがあり、それも利用するなら月数百円とかのサービス提供の抱き合わせ、プライム会員なら無料などなら普及すると思う。
PCゲームのストリーミングは可能か?
こちらが本題。
Ubisoft CEOの話を勘違いしているのか、2chまとめではPCゲームだと思われているようで話がすり変わっており、上から3レス引用。
- 130:そういうのはどうせ月額制になるだろうからそれでも俺はPCを組み続ける
- 144:PC自作erからしたら面白くない傾向だろうね
- 219:gpuのどれがいいだとか選んでられるのは幸せなんだろうな。
source:汎用型自作PCまとめ
というわけながら、「PCゲームまでストリーミング主流になる時は来るのか?」と思い、問題点をいくつか考えた。
1プレイヤー1台のゲーミングPCを用意?
家庭用ゲーム機ならば原価数万円程度、またはクラウドサーバで処理するなどでストリーミングできそうながら、PCゲームとなると1人1機あたりのGPU処理能力が高くなければならず、そのようなPCまたはスーパーなコンピュータを用意できるのかが疑問。
GPU性能別で月額が変わる設定は可能?
例として、グラボがRTX 2080 Tiまたは相当ならば月額6千円、GTX 1060相当なら1千円とか。現在のグラボ単品相場が前者18万円、後者3万円なので6倍差にしてみた。
グラボ代だけで単純に計算すると、RTX 2080 Tiが18万円相当ならば6千円x30ヶ月となり、提供側は2年半経過しなければ利益にならない。ところが2年半後ともなれば次世代RTXが出ているだろうから月額6千円では厳しいため、実際には損益分岐点が30ヶ月以上後となり無理がある。
しかし、誰もが24時間ぶっ通しで使うわけではないため1プレイヤー8時間ならば3人分、しかいプレイする時間は夜間や休日でかぶるだろうから空き状況確認したり予約が必要になりそうなので、友達とマルチプレイするなら無理がありますな。
時間で課金すれば問題は無くなるのか?
RTX 2080 Ti相当の利益が早く出るよう月額を1.2万円として、ストリーミングPCまたはサーバーをワールドワイドな利用とし、24時間フル稼働するとしましょうか。すると1時間あたり33.3円くらいになり現実的。
もう少し高くして1時間100円ももらえば月総額3.6万円であり18万のグラボでも5ヶ月で元が取れる計算。GTX 1060ならば1ヶ月もかからず元が取れてしまうレベル。会員登録しクレジット決済にしてログインして遊んだ分だけ後払い。
但しこのやり方には根本的な問題があり、なぜゲーセンが廃れたかと共通するところで、ゲーセンは店まで行かねばならないに対し、ネットが普及し家庭用やゲーミングPCも普及し、多くの人のプレイスタイルが1コイン1ゲームではなく、時間をかけてやり込むプレイスタイルが主流なので、時間で金取られるのは現状のプレイスタイルに合っていない。
だいたいファミコン時代からソフトは買い切り、時間をかけてスルメのようにやり込むゲームが多く、現在のPCゲームも多くがそうなっております。毎日10時間やるゲーマーなら月額3万円。「ゲーミングPC買うわ」になってしまう。
では33.3円にするかといえば、それでも月額1万円。しかもこの計算にはグラボ以外の経費が含まれていない上、故障率0%の皮算用なので無理がありすぎるし、ゲーム代さえ入っていないので1時間33.3円では無理。
月額課金+従量課金なら実現できるか?
個人的に最も現実的だと思う方法がこれで、わかりやすくSteamを例にすると、現在は1ゲーム数十円から数千円など幅広い買い切り型。
これにプラスして月額数300円で3時間ほどRTX 2080 Ti相当のサーバでストリーミングできる、時間もっと欲しいなら1時間100円、逆にGTX 1060なら月額300円で18時間使える設定もアリかも知れない。
そしてやはり問題点があり、そんな短時間しか使えない、使えば使うほど金かかるならば「ゲーミングPC買うわ」になってしまうため元の木阿弥。
「なぜゲーセンは1回100円が成り立っていたのか?」は関係ないので、最後にオマケとして書きましょう。
高画質をあきらめる人が増えるなら普及しそう?
個人的には「しない」と思う。
現在でも家庭用ゲーム機はプレステ4やXbox、任天堂のSwitchなどあり、いずれもハイエンドなゲーミングPCとはかけ離れた低性能。それに合わせてソフトを作るので動いているわけで、ソフトに合わせてハードを盛るPCゲームは逆。
もし高画質にこだわらないゲーマーが多いならばゲーミングPCが売れないだろうし、Steamの同時接続ユーザ数がここまで増えることもないわけで。
source:Steam: Game and Player Statistics
誰もが画質にこだわっているわけではなく、単にPC版でしかまともにPUBG遊べないからなど理由はそれぞれだろうとしても、家庭用ゲーム機本体1台分どころか、10万円超えるグラボが普通に売れまくるのだから画質にこだわるゲーマーは多いはず。
また、最近はモニタが60Hzではなく144Hz以上を求めるゲーマーも増えている気がするため、そういうのはスマホとかテレビとか家庭用ゲーム機で代用は難しく、結局はローカルPCへ一周回ってお帰りなさいしそう。
以上。皆さんどう思われるか、ゲーマーではないなら「わからない」でもOK。ゲーマー関わらず分母が欲しい。
投票後に経過表示、投票せず経過のみ見るなら View Results をどうぞ。※2018.11.14 締めて画像へ差し替え
おまけ:なぜゲーセンは1プレイ100円が成り立ったか?
ゲーセンとはゲームセンターの略で、昔は専門店以外にデパートの屋上や駄菓子屋の店先などにレバーとボタンのついたゲーム筐体が設置されており、だいたい1プレイ100円、東京なら有名店だったミッキーが50円など1回いくら。
1プレイはゲームや人によるけれど、格闘の対戦は2~3分、エンドレスなシューティングなら開店から閉店までは極端ながら、実際そういう大学生とか居た。
なぜそんな時給のクソ高いゲーム機に金をぶち込んでいたかは、ゲーセンに行き3時間なら3時間遊び倒すわけではなかったため。
多くの時間は他人のプレイを見ていたり、常連と仲良くなり他人のプレイ見ながら雑談したり、時には2~4人同時プレイのゲームをしたり、3時間滞在したならプレイ時間は数分~長くても1時間も遊ばないのが私の子どもの頃。
だいたい私は中学校時代の小遣いが1日100円だったため、毎日ゲーセンで3時間いても100円使うか、使わず繰り越すか。それでも友達がいたり、上手い人のプレイ見たりが楽しかったので通っておりました。
それを思い出すと、観戦モードはYouTubeの録画以外にプロゲーマーや素人のストリーミングによる動画配信での生中継となり、共闘や対戦はSteamのフレンド機能へ移行したと思えば、今は自宅がゲーセンになった印象。
PCゲームのストリーミングに1コイン制やMMOのような月額制は価格的にもハード的にも無理があると思うのだけれども、NVIDIAが再びオーパーツを発見したなら話は変わるかも知れませんな。※オーパーツとかそんな事実はない(一応)
シミュレーションやクイズ、パズルゲームのようなラグというかpingというか遅延が関係しない物は別ですが、アクションやシューティング、FPS、TPSのような物は自分のPCとサーバーの間の遅延の有無で大きくプレイ感が違うはず。
ゲームにならない物が多いと思うので、無理だと思います。
ソロプレイ前提でもこんな状態ですから、マルチプレイの場合はさらに無理ゲーとしか。
また、MMORPGのように自分のPCにグラフィックや音声、BGM等のデータを置いているのであれば別ですが、ネットでやり取りをするデータ量が膨大な物になるゲームが多いはず。
ネットのデータ転送方式?回線の太さ?等で余程画期的な技術が実用化されなければ絵に描いた餅としか思えません。
シングルプレイはいいとして、どうしてもマルチプレイなTPSの場合(例としてPUBG)はどうなのだろう。
相手ら---<サーバ>---自分
ならば通信速度として、
相手ら---<サーバ>---自分
であり同じことだと思われ、ストリーミングかローカルか関係なさそうと思うのだけれども。通信速度が同じ(間に合うレベルに高速)ならば良いのでは。
仮に今版ストリートファイターは、GPU性能低いとか描画設定を高くしているならローカルでの描画が遅くなるだけで自分が不利になるだけのような。
上手く言えないけれど、ストリーミング性能とローカルPC性能による違いや価値観でPCゲームストリーミングの可能性が変わりそう、あるいは全然変わらなさそう。
steamを開くとストリーミング中のゲームを宣伝していますし、YouTubeもライブ配信中の動画を宣伝して来ますね。グダグダなプレイになっても上手い実況で盛り上げられるなら、ストリーミングもアリかなと思います。
>PS Nowに月額2,500円の価値はあるか?
1年で3万円。面白いゲームなら1タイトルで短くても3ヶ月くらいは遊べるはず。ということは「月額2,500円を支払い1ヶ月で最低10タイトルは自分に合うゲームを探して退会する」のが正しい利用法か。
>1コイン1ゲームではなく、時間をかけてやり込むプレイスタイルが主流
その難点を克服したのがガチャシステムですか。悲しい限り。
>月額300円で3時間ほどRTX 2080 Ti相当のサーバでストリーミングできる
レベルを分けると良いですかね。
1.ゲームデータの3割をクラウドサーバに置き負荷を軽減する:100円
2.ゲームデータの5割をクラウドサーバに置き負荷を軽減する:200円
3.ゲームデータの7割をクラウドサーバに置き負荷を軽減する:300円
4.GTX 1060相当のGPU支援を行う:100円
5.GTX 1080相当のGPU支援を行う:200円
6.GTX 2070相当のGPU支援を行う:300円
7.GTX 2080相当のGPU支援を行う:400円
これで1~3と4~7を組み合わせる形の課金方法。
>3時間滞在したならプレイ時間は数分~長くても1時間も遊ばない
格ゲーで勝ち続けると100円で1時間くらい持つこともありますね。乱入上等な対戦台だと、けっこう長々とプレイできました。私が得意だったのはKOF、鉄拳、マーブルVSカプコン、餓狼、月華の剣士あたり。乱入が多かったのはKOF、鉄拳、マーブルVSカプコン。対戦で打ち負かした後にカツアゲされるまでがデフォ(嘘では無し。小学生1人に中学生なら3~4人、高校生なら2人くらいで絡んでくることが多かった)。