過去にこのブログでは様々なデータ復旧業者を叩き斬って参りました。
いずれにも共通する、私が気に入らない項目は以下の通り。
- 復旧費用が曖昧、上限無しになっており青天井
- クリーンルームなどの設備が果てしなく嘘くさい
- どのような作業、何をしているのか判らない
- 2chなど匿名掲示板での評判が悪過ぎる
- プロ集団、軍事レベルなど意味不明な表現
キャンセルし続けると費用が数百万円から10万円前後に落ち着いたなどという、ひどい業者も有りました。約1年半このブログを書き続け、まともな業者は無いのかと諦めていたというか忘れていたところ、聞いた事の無い業者を発見。何かのフリーソフトを検索中の偶然です。
一応前置きますが、この記事は有限会社IUECに宣伝してくれと依頼されたわけでは無く、金を貰って書いているわけでもございません。私が勝手に評価するいつものやつです。
初っ端から理解不能なフリーソフト「HDD故障予測ツール」
常々書いているように、ハードディスクは消耗品というより運で故障するため不具合などの予測は不可能。S.M.A.R.T.情報を表示させ、それらしく見せるフリーソフトや市販のアプリケーションは有りますが、どれも意味は無いとして来ました。
故障を予測出来るなら、PC製造メーカーが既に採用しているでしょう。
しかしこのツールは、そういう考えを覆す程の説得力が有ります。
大容量ハードディスク&SSD S.M.A.R.T.に加え、次世代故障予測スキャンとの連携 FromHDDtoSSD
http://www.iuec.co.jp/fromhddtossd2s/
説明は要らずダウンロードするならこちら(FromHDDtoSSD Ver2.x)
主な機能を書き出すと
- HDD(SSD)の完全スキャンで不良セクタなどを検出
- 不良セクタを予測するシミュレーション
- ベンチマーク
- S.M.A.R.T.情報による故障予測
- バックアップツール
どこにでも有りそうな内容に見えますが、2番の不良セクタの予測が気になり調べて行くと、本当かよと思える事が書かれております。
将来発生する不良セクタを検出いたします。事前予防交換などに最適です。
おいおい。そんな事出来るわけが無いだろう。しかし
ポイント:「近い将来の状況」は予測ではなく、「実測」です。
※ ただし、解析ゲージを利用した場合は予測も含みます。
つまり、ここに異常なセクタが出た場合、近い将来・・必ず不良セクタとなります。(断言できます)
今は正常だけど、近い将来壊れると「実測値」で分かる・・・迷いなく交換しましょう。
私はメーカーの現場でパソコンを修理していましたが、それは部品交換という自作ユーザレベルの作業内容。HDDの不良セクタが原因までは調べる事は有れど、修復したり予測などもちろんしないし出来ない。
実際に不良セクタを予測(実測)出来るか、HDD4台で実行したものの残念ながらというか幸いな事に故障予測は出ず。画像撮り忘れたのでリンク先より拝借。
殺風景な画面ですが、内容は非常に細かく書かれており、結構詳しめな人間で無ければ全てを理解出来ないかと。しかし要点は見易く表示されるため、私程度でも意味は分かります。
重要な事は、有限会社IUECが不良セクタを予測(実測)出来ると断言している事。フリーソフトは通常、サポートや責任は持たない前提で実験や趣味で提供される性質が有りますが、データ復旧業者が言い切っているという自信。万一嘘だとしたら信用問題。
そのようなリスクを負ってまでフリーソフトを公開する理由は普通無いでしょう。私なら個人名で公開し、何か有れば自分を切り捨てて企業に迷惑を掛けないようにします。だが、それが無い。
私のブログ以上に文字が多いものの、ソフトウェアの解説を隅々まで読みツールを利用してみると分かりますが、データ復旧業者として技術力を誇示していると同時に、ハードディスクへの気遣いというか心配りが見て取れます。
まあ使って見て下さい。意味が分かります。
本当にクリーンルームで作業している有限会社IUEC
会社法が改められ現在は有限会社を作る事は出来ず、多少歴史は有るのでしょう。しかし資本の小さい会社だろうと勝手に想像。クリーンルームは数千万掛かると聞いた事が有り本当に設備が有るのか?と探すと有りました。
株式会社トクホウという企業と提携しており、借りているようです。
作業中の様子を撮した動画も複数有り1個拝借。要Flashプレイヤー
- https://bto-pc.jp/2010/05/03/hdd-repair-1.swf
※Googleがうるさいので貼付中止。リンクもできないため再生するならURLコピペ、またはIUECの元のページでどうぞ。(2018年3月23日改変)
事例も紹介されております。
クリーンルームを利用するデータ復旧成功事例をご紹介いたします
http://www.iuec.co.jp/recovery/2/clean_room.html
更に作業報告例までダウンロード出来る始末。
冒頭で書いた2件が解消しました。
- クリーンルームなどの設備が嘘くさい>本物らしい
- どのような作業をしているのか不明>いつでも分かる
作業は経過として常に表示されており、いつでも何をしているのか、後何日かかりそうかが常時見える状態になっております。
おおよそ4日以内で作業完了しているようで、数件は8日以上なっております。
有限会社IUECがなぜ信用出来るのか
上から順に私が見ていった順路で勝手に紹介しましたが、サイト内の案内を読めば読むほどこの業者の方針や接客態度が見えて来ます。おそらくサイト制作の担当が相当気を遣っているのか、または素でやっているのかと思えます。
時間が有ればトップページから気になったリンクをたぐって行って下さい。気が付けば数十分経っていたのは、それは私です。
こじつけに近いものの気に入らない所を挙げるならこれら3点
- 専門的な内容な割にサイト内の情報が分散し過ぎ
- レイアウトやデザインが突然変わり迷子になる
- 文字が多すぎて(普通の人間なら)読み疲れる
デザインやレイアウトはデータ復旧やハードディスク修理などに無関係では有るものの、受付でこのような素人仕事は勘弁して欲しい所。しかし、情報の質や量、どうしたら困っている人を助けられるのかを書き綴った結果と見ます。
私もブログのデザインは素人レベルなので人の事は言えませんが・・
そして、個人的にIUECを高く評価させて貰う点はまとめて5つ。
- データ復旧商売と同時に故障してほしくないという考え方
- どうしたら安くデータ復旧出来るかを考え実行している
- 技術的な情報や不具合の事例を分かり易く解説
- 検査ツール(フリー含む)をユーザのフィードバックで改善し続ける
- 進捗や価格などが分かるような、ユーザ視点が多い
文字数が多く慣れていなければきついかと思いますが、本当に重要なデータが吹き飛んだりHDDやSSDが故障した際、文字が多いなど言っていられないでしょう。
曖昧な表現は無く、本当に技術力が高い事はページの至る所から見て取れます。またIUECで検索するも、悪い評判は出ず、しかし良いという話も出ておりません。
ここまでは有限会社IUECへ問い合わせる前に下書きした文章。
一つだけまだ分からない事はデータ復旧料金。
1記事のみで終わる予定でしたが、メールで「こういう状態で故障した場合はいくら?」と問い合わせると回答が返って来たので次回公開します。
同時に他2社へ同じような内容で一応問い合わせをしましたが、自称のパソコン修理業者同様に「物を見てみなければ分からない。とりあえず送ってくれ」という、まあそりゃそうだろうという返信が有った事を付け加えておきます。
以上は私の感想なので鵜呑みにせず、他の業者へのデータ復旧依頼する手ももちろん有りです。故障したHDDが多少の時間経過で腐ったり更に故障したりは無いため、急がないならじっくり比較し検討を。
IUECに関する口コミやデータ復旧の体験談など有れば、ぜひコメント下さい。良い評価のみでは無く、もし失敗したり駄目だったなど有れば、そういう情報も書かれて結構です。但し根拠有る状態でお願い致します。 つづく
有限会社 IUEC
http://www.iuec.co.jp/
この「HDD故障予測ツール」は1年半ほど前でしょうか、窓の杜の以下の記事で紹介されておりました。
ttp://www.forest.impress.co.jp/article/2009/01/26/okiniiri.html
当時から現在までひとしきり使ってみました上での感想です。
不良セクタスキャンに関しては「HD Tune」あたりと変わらない印象で、ある程度のサイズのブロック毎にスキャンしていって、不良セクタがなければ緑、あれば黄色や赤で表示されるといったヤツです。
時間をかけないように、1セクタずつ馬鹿丁寧に見ていくのではなく、数十MBのブロック毎にざっと見ていくのか、S.M.A.R.T.で言うところのC6回復不能セクタか、C5代替処理保留中のセクタレベルのものでないと検出しない模様です。
ですので当たり前ですが05代替処理済セクタレベルでは検出しません。
私の保持する代替処理済セクタ数4000を誇るもうダメぽHDDでも緑一色ですから間違いないです。
つまり緑色スキャンでは、徐々に増大していく過程の代替処理済セクタは解らないので、それは「CrystalDiskInfo」あたりのS.M.A.R.T.情報ツールを使って確認するほか無いです。
赤色の不良セクタが検出されるなら、BIOS起動時にも毎回S.M.A.R.T.インフォが出るでしょうからスキャンするまでも無い気がしなくもないw
むしろこのソフトの面白いというか個性的なところは、緑色のスキャンの下に表示される黒いバーが左から右へ横一直線にきれいに伸びていれば良好、バーの輪郭が上下に大きく乱れれば劣化と見る機能で、これの感想ですが、おそらくDISKの磁性強度を見ている気がします。(ただのカンですがw、)
なぜかというと、古いものに比べて新しいDISKほど、まっすぐ綺麗な輪郭となる傾向がありましたし、マグニチュード8くらいの勢いでバーの輪郭がブレているHDDを、ローレベルフォーマットしてからもう一度スキャンすると、マグニチュード3くらいのブレに収まるのでw
私の環境ではスキャン結果は緑だが、バー輪郭がブレブレのHDDが1年以上問題なく使えておりますし、逆にそれよりもブレの少なかったHDDが先に死んだりしていますので、あくまで目安ですね。
結論から言うと輪郭がブレてるから確実に故障しますの断言は、ちょっと大げさじゃないかと。
ヒツジ先輩が常々言っておられる「HDDが壊れるのは運」が真理じゃないでしょうか。
もっとも、「CrystalDiskInfo」や「HD Tune」と同様、状態確認の目安として使える、フリーで出来の良いHDD状態確認ツールであることは間違いないと思います。
IUECの会社自体や作業品質については、利用したことが無いのでよく解りません。
ヒツジ先輩のこの先のレポート記事を待ちたいところです。
昔の記事ですが実際にあったことを一応。
こちらの業者、一度訪問して見積をとってみました。
診断結果は基盤故障。ただし内部にまで影響が及んでいる可能性があるので分解の必要があり料金は上限の168,000円の案内。
基盤交換だけなら中度物理障害で安く上がると思ったのですが、思わぬ高額料金。
結局、こちらの業者の利用は避け他社に持って行ったところ約80,000円で作業して頂けました。(宣伝に思われたくないので業者名は書きません)
もちろん故障は基盤故障のみなので、クリーンルームでの分解作業は発生しませんでした。
正直、必要の無い作業を見積もられ高額請求されそうになったと思われても仕方ない対応ではないでしょうか。
この時点では料金に不信感があるものの技術力はあるように思われましたので、その後懲りずに別件の依頼を試しました。というのも他社で修理不可で戻ってきてしまい他の業者にも見てもらおうと思ったからです。
電話をかけて問い合わせ趣旨を話すと、「うちでも多分無理です」とのお答え・・・。
おいおい、他社復旧不能品も自信ありみたいなことHPには書いてあったのに・・・。
私の主観では料金・技術力ともにあまり信頼できないので依頼することはもうないです。
最近はデータ復旧業界も競争が激化しているようで、技術力もあり低価格明瞭会計の業者も昔よりずいぶん増えています。この業者さんは、あまりお勧めしません・・・。