パソコン遠隔操作ソフトAnyDesk(エニーデスク)。
TeamViewerの代替になりそうなリモートコントローラ、個人ユーザなら無料で利用可能な点も同じ。今回、ダウンロードから使い方は当然ながらアンインストールやセキュリティについても説明申し上げる次第。
パソコン初心者から上級者向け。
項目多いので目次。今からAnyDesk使う人は、これらのページ内ジャンプは押さずに飛ばしましょう。
- AnyDeskのダウンロード
- インストールしなくても使える
- 無人で遠隔操作も手軽に可能
- パソコンと同時に起動する方法
- AndroidとiPhone(iOS)用アプリ
- セキュリティの点ではやや甘い?
- アンインストールとレジストリ関連
- 有料版がある点もTeamViewerと同じ
- 遠隔操作ソフトの使用に不安がある人へ
冒頭で初心者から「上級者」向けと書いた理由は7番の「レジストリ関連」のみで、他は難しくはございません。
AnyDeskダウンロードや使い方を解説
1.AnyDeskのダウンロード
公式サイトはこちら。
高速リモートデスクトップアプリケーション – AnyDesk
https://anydesk.jp/remote-desktop
トップページで画像のようにダウンロードボタンが表示されているので押せばOK。画面が変わった直後に自動でダウンロードが始まるはず。始まらないなら移動後の画面にダウンロードボタンがございます。
2.インストールしなくても使える
ダウンロードしたプログラムファイルをクリックやタップで実行。
警告が出たな実行ボタン。
するとインストールが始まるのではなく、いきなり実行。少し驚いた。
後で説明する無人で遠隔操作する予定ならば、上のようにAnyDeskアドレスは他人にはバレないようにした方が良いかも知れない。
3+3+3の9桁の数字が表示されており、上段のこのワークスペースは操作する側の端末、下のほかのワークスペースが接続先の端末。
私は無人で操作はしないのでここからモザイクなしで。
AnyDeskの窓の右上の三を押すと設定がございます。ここから無人遠隔操作などの設定が可能。全部日本語なので読めばわかる。基本的に何も変更しなくとも普通に使える状態。
話を戻して接続ボタンを押したところ。
待機中。
相手側の画面。
もちろん相手もAnyDeskを実行中でなければつながらない。接続されても良いなら緑の承諾を押す。
すると、セキュリティとしてファイアーウォールどうするか聞いてくるかも知れない。
自宅など安全な場所で接続しているならアクセスを許可するボタンを。
接続後は承諾ボタンが消えて終了ボタンだけになる。
押せば切れる。
操作する側から見た画面、接続先の画面全体が表示されており操作可能。
ウィンドウのサイズを最小の横900pxにしているため、接続先の全体が小さめに縮小されて表示されております。
見づらいのでWindowsの設定を遠隔操作でいじり解像度をフルHDへ変更。
右上のモニタ型のアイコンを押すと、遠隔操作する側をフルスクリーンへ切り替え可能。
フルスクリーンにするとあらゆる操作アイコンが見えなくなる。
何もない画面の中央上へマウスのポインタを移動すれば3種類のボタンが現れるので、中央の窓が重なったアイコンを押せば窓表示へ戻る。
上の画像は右の赤いアイコンのメニュー、フルスクリーンで設定を開くと表示がおかしかったところ。無料版なのでそうなのか、有料なら大丈夫なのか、私固有の環境で起こるのかは不明。
3.無人で遠隔操作も手軽に可能
設定から左のセキュリティを選ぶと無人用の設定がございます。
有人用との違いは、上で接続した時の承諾ボタンを押さなくとも接続が可能になる、その代わりに当然ながらパスワードの設定が必要になるのが上の画面。
同じパスワードを2つ入れて適用ボタンを押せば設定完了。これでAnyDeskアドレス+パスワード入力で、接続先がパソコンとAnyDeskを起動していれば繋がる。
4.パソコンと同時に起動する方法
無人で接続するためにはAnyDeskが起動していなければならないため、Windowsが起動する時に同時にAnyDeskが起動すると楽。また、再起動した後もAnyDeskが起動してくれなければ無人ならつながらなくなってしまう。
インストールしていない状態のAnyDeskを終了すると、このようなインストールのお誘いが出るはず。
はいを押せばインストール開始。
設定は特にいじらなくて良さそう。同意してインストールするを押す。
AnyDeskへようこそ、4.1はバージョン。
右のパスワードを設定するは無人操作用。中央のエイリアスとは3+3+3の9桁の番号ではなく、オリジナルの名前をつける場合。
なぜそうするかは、9桁の番号はおぼえにくいため、例としてエイリアスを「jitakupc2」とかにしておけば、会社からその名前と設定したパスワードで接続できる感じ。
インストールした後はスタートアップへ登録すればWindows起動時にAnyDeskが同時に起動可能と言いたいところ、設定でできるかと思いきや、そういう項目はなかったので面倒ながら手動で。
Windows 10なら、左下の田アイコンを右クリックして出るメニューの中から、ファイル名を指定して実行を選び、名前の枠内にshell:startupと入力。
Windows 7の場合は、左下のカラフルな田を押し、すべてのプログラムのリストの下の方にスタートアップというフォルダ(のショートカット)があるので、それを右クリックして開くを選ぶ。
するとスタートアップのフォルダが開く。下の画像はWindows 10。
AnyDeskのショートカットをここへ右クリックでドラッグし、コピーを選ぶ。元のショートカットが不要なら移動でも同じこと。
これでWindowsが起動する際、このフォルダの中にあるショートカットが全部実行されるため、LINEとかブラウザとかも起動したいならショートカットぶち込んでおけばOK。
5.AndroidとiPhone(iOS)用アプリ
ダウンロード説明時に紹介しなかった理由は、スマホでAnyDeskの公式トップへ行けば、ダウンロード先が自動でアクセス中の端末用になるため。なのでストアから検索しなくとも、GoogleでAnyDeskを検索して公式へ行けばよろしい。
対応しているOSの種類が多い。
FreeBSDとラズパイ対応は珍しいと思う。
6.セキュリティの点ではやや甘い?
使用してみて気になったところは無人操作用の設定。
パスワードの設定のみで、アカウントを作成してそちらでログインがない。
どういうことかは、番号とパスワードだけでアクセスできてしまうなら、適当に9桁の番号を打ち、ありがちでAnyDeskが安全としているパスワードで逆BFA(総当たり攻撃)できてしまえそう。パスワードを1つ決めて9桁を変更するので逆BFAとした。
ちなみに上の枠内のパスワードは、「1qaz2wsx3」で、キーホードの左上から下へ連続で打って行くだけの弱いやつ、な割に十分安全とか出てしまっている件。
また、エイリアスの変更画面で使われていると表示された場合は実在がバレてしまうため、そのエイリアスに対してBFAすればよいとも考えられましょう。
おそらくこれ設定しておけば安全なのだと思う。
しかしそのプレースホルダーが何なのかわからない。「?」や「*」がワイルドカードとしても@から後ろは何なのか。メールアドレスでも、まさかTwitterのアカウントでもなさそうというボケを書いておくしか・・・
7.アンインストールとレジストリ関連
消し方はインストールしていないならダウンロードしたファイルを消すだけ。インストールしたなら、プログラムのアンインストールから消しましょう。
Windows 7ならコントロールパネルから、10なら設定(田を押した後に歯車アイコン)からアプリと機能へ行けば後は見ればわかるはず。
設定をクリアにチェックを入れてアンインストールボタン。
完了するとこの画面になった。
おそらくこれでも正常に消せているはずなので、気にせずOKで終了してよろしいかと。ここから一時的に上級者用なのでわからなくても斜め読みで大丈夫。
*.anydeskが気になるのでレジストリ内の「anydesk」を検索。
してみた結果、これらを検出。
- コンピューター\HKEY_CLASSES_ROOT\AnyDesk
- コンピューター\HKEY_CLASSES_ROOT\.anydesk
- コンピューター\HKEY_CLASSES_ROOT\Local Settings\Software\Microsoft\Windows\Shell\MuiCache
- コンピューター\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Regedit
- コンピューター\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Search\RecentApps\{22DCB611-56F6-41DB-B082-FBA02F6E5FF7}
- コンピューター\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\Compatibility Assistant\Store
ドット付のanydeskは2番のみ。中のフォルダとファイルを見たけれど、特に消さねばならないものはないと思われ、やはり気にしなくて良さそう。
8.有料版がある点もTeamViewerと同じ
個人向け以外は有料になるのはTeamViewerと同様。
競合することは良いことですな。
また、無料ユーザとしても有料版があるということは突然サービス終了などしないだろう、インターフェイスが有料版と同じなら不具合にもすぐに対応してくれるだろう的な安心感がある。
遠隔操作ソフトの使用に不安がある人へ
遠隔操作ソフト関係のキーワードで検索していると、頻繁に「大丈夫だろう?」かと不安になっている人の質問掲示板の書き込みを見かける、その気持はわかる。
考えるポイントは主に3つ。
1.相手が信頼できる人か
いくら友人や兄弟や配偶者であろうと悪意がないとは限らない。信頼性に欠けると思うならば、面倒でも別の方法を探すべきでしょう。
2.信用できるソフトウェアか
私が最近実際に利用し信用して良さそうと思うソフトはTeamViewerと今回のAnyDeskの2つ。有料プラン出しているようなビジネスで信用失うようなことはしないだろという判断基準。
聞いたことのないソフトや最悪その相手がオリジナルで作ったとか怖すぎるため、自分が信用できると判断したもの以外は入れないこと。
また、相手に悪意があった場合、Windows 10ではない、セキュリティソフトも入れていないなら、トロイの木馬(バレずに遠隔操作)やキーロガー(キーボードのタイピングを隠れて保存)などを仕込まれる可能性がないとは言えない。Win~10は標準でディフェンダーが付いているので多分それで大丈夫。
3.相手のソフトウェアに関する知識は高いか
設定やソフトの特徴を理解せずに無人操作OK、パスワードしょぼいなどやられてしまうとマズい。知識以外にいいかげんな作業をしないか言わないかも重要でしょうな。
AnyDeskは信用できると思う
個人的にそう感じているだけなので判断はご自身で。
遠隔操作は国内で大事件になったこともあり、トロイの木馬もありイメージが悪いのかも知れないけれど、使い方を間違えなければ便利な機能。
私は遠隔操作を頼まれる側なので、そちらの視点から言わせてもらうと、例として友人のパソコンが不調、Windowsは起動するなら遠隔操作ソフト入れて欲しい。私は自宅からそのパソコン操作できるなら楽。
逆に断るようならパソコンを自宅へ持って来て立ち会うか、こちらがクソ暇な時に行ってやらんでもない感覚。「不安なら入れた後にアンインストールまでやる」と言えば、今のところ100%でOKされております。私を信頼しているのでしょう。
以上、TeamViewerより操作感が軽くて結構、しかしセキュリティの点では、少なくとも無料版はログインとかできないため、その分TeamViewerが少し良いと思った。
但し、TeamViewerは5月に個人ユーザに対し商用利用していると誤判断した不具合があったため、私のように個人ながら不特定多数のパソコンに接続するならAnyDeskも併用したい。
無人しなければいいだけで操作性はAnyDeskが上。接続先もインストールせず実行した後は削除すればいいだけなので楽。
>AnyDesk
会社名も「AnyDesk Software GmbH」ですから、TeamViewerと同じく専門の会社による専門のソフト(TeamViewerの開発元は「TeamViewer GmbH」)。ならば使いやすいことは予想できますね。
※GmbH=有限会社
公式サイトは日本語表記ですけれど、会社はドイツにしかなく(シュトゥットガルトとベルリン)、開発スタッフにも日本人はもとよりアジア人がいませんでしたが、日本語でサポートに問い合わせたら日本語で返事が来るのでしょうかね。
>2.インストールしなくても使える
個人的にコレは高ポイント。OSにダメージを与える可能性が少ない(だろう)と思えるため、なるべくインストール不要版のソフトを使うのが私の主義。ただし最優先すべきは使い勝手。セキュリティを意識しすぎて使い辛くなるのは本末転倒。
>フルスクリーンで設定を開くと表示がおかしかった
操作しているPCはトリプルディスプレイのメインPCでしょうか。もしそうならマルチディスプレイが原因やも。稀にマルチディスプレイ環境でウインドウをフルスクリーン表示すると、妙な挙動を起こすソフトがあります。おそらく環境依存ですから、他ユーザが同環境で同じ現象を起こすとは限らず。原因は不明。AnyDeskは画面描写にオリジナルのビデオコーデック(DeskRT)を使っているせいやも。
>プレースホルダーが何なのかわからない
AnyDeskはデフォルトで「9桁の番号ではなくアカウント名(エイリアス)を作成すると、末尾に @ad が勝手に付く」という仕様だそう。で、プレースホルダーの意味は「実際には何が入るか知らないけれど、何かが入ることが分かっているから『ここに何かが入る』と確保しておく」だとか。
という訳でAnyDeskの「アクセス制限:プレースホルダに対応」は「特定のアカウント名(エイリアス)からしか接続を許可しない。9桁の数字アカウントからのアクセスも許可しない」という意味かと。
@demoまでは知らず。
>有料版がある点もTeamViewerと同じ
しかしTeamViewerの場合、商用利用するには最低でも月5,000円かかるところ、AnyDeskは年79ドルですから安いですね。
>接続先もインストールせず実行した後は削除すればいいだけなので楽。
とすると用途として
接続元=操作する側
接続先=操作される側
1.接続元が遠隔操作ソフトを起動
2.接続元がソフト内の機能で「接続元のPCのみ遠隔操作を許可する実行ファイル」をメール送付
3.接続先が実行ファイルを起動。接続元が接続先のPCを遠隔操作
4.操作が終了したらソフトを終了する
5.接続元が遠隔操作ソフトを終了した時点で、接続先の手元にある実行ファイルは起動しても機能しなくなる
こういう機能があると便利やも。操作したい、されたいと思った時点でお互いがLINEなりメールなりでやり取りして、操作する側がIDやらパスやらを聞く必要なく操作可能とする機能。