Googleが基調講演を開催。
過去にはモバイルファーストと称したスマホなどの携帯端末を優先していたところ、今後は人工知能ファースト。今回のファーストの意味は優先というより並行して最も注力する、のような意味だと思う。
やはりこの企業は発想が普通と違う。
モバイルからAIファーストなGoogle I/O 2017
上から分かり易いと思う順。
- AIファーストへ移行のGoogle I/O 2017、ダイジェスト-Engadget
- Google I/O 2017基調講演レポート | BUSINESS INSIDER JAPAN
- Google I/O 2017基調講演まとめ 「AI First」 - ITmedia NEWS
Engadgetを元に3つの記事を混ぜつつ、まとめを更にまとめ。
Gmailへスマートリプライ機能追加
スマートリプライとは。
Android/iOSアプリどちらにも対応し、受け取ったメールへの簡単な返信文をAIが3つほど提示
予測変換の更に上を行く推測提案。
AI(人工知能)が着弾したメールの内容を理解し、返信内容を考えて提示してくれるという人類の頭がどんどん悪くなりそうな便利機能ですな。選ぶのは人類なので完全な馬鹿にはならないだろうけれども。
これの精度が上がれば上がるほど、人間がメールを出した後はAI同士が勝手に返信し合い、いつの間にか結論が出ていた、とかまで行くのだろうか。
マジで人間要らなくなる感が凄い。
GoogleアシスタントがiOS対応
その必要性があるのかは音声認識を利用しない私には不明ながら。
iPhoneにはすでにSiriがいるので、Googleアシスタントはあくまでアプリとしての提供
とは言えども、Siriが「ヘイシリ」やホームボタン2度押しで起動するに対し、「OKグーグル」もアプリを常駐させておけば起動すると思われ、どちらが良いかの選択肢が出来る点はユーザにはありがたそう。
Googleの狙いは、音声認識やAIの精度がAppleを上回ればiPhoneでは無くAndroidの方が便利とか楽だと判断するユーザの取り込みかと。なぜAppleがOKグーグルをOKしたのか解らない。
Google Home
これは画像がある方が分かり易いので公式より。
source:Google Home – Made by Google
Amazon EchoのGoogle版ですな。
室内に設置しておきネットワーク接続済ならば、音声認識により様々な操作や情報を得る事ができる多機能機器補助装置。プラス、出勤前に渋滞しているなら教えてくれるなどの秘書状態も可能だとか。
Amazonとの大きな違いは価格で、Echoが179ドルに対しGoogle Homeは129ドル。但しAmazonはEcho以外にもモニタ付の250ドルくらいなやつや100ドルを切る別の機種もあるので一概に高いとはいえない。
2015年発売なので新しくは無い割になぜ基調講演に出たかは、日本含む英語以外の国の言語にも対応、しかも年内発売の可能性が高い為かと。
国内で1.5万、税込1.7万円くらいならギリで冗談で購入しても良さそうな価格と感じているので、マジで1.7万、または切るなら人柱レビューしてみたい。
Google Lens
これも画像で。
左から、カメラの映像を認識して画像検索していると思われ、次は店の外観を映し出せば評判が分かり、右はSSIDなどのバーコードを自動で認識し読み取りWi-Fi接続しているのだろうと思う。
他にも、「たこ焼き 6個入り 130円」の看板を認識すると、「octopus dumplings 6pieces ¥130」へ変換するなど、アプリを切り替えずともユーザが何を求めているのかAIが判断して情報提供してくれるという。
これもiPhone対応という、Google得とは思えない方向性。
Googleフォトの顔認識強化
これはやや余計なお世話、しかし必要な人には便利そう。
写っている人や場面に応じて自動的に写真をシェアするよう勧める共有サジェスト機能や、特定の相手に特定の内容の写真を自動シェアする共有ライブラリー機能が追加
Facebookの友達だけに公開、Twitterの鍵ありアカウントのような使い方が自動で出来てしまう感じですな。Instagramは知らないけれど、写真メインならばインスタが最も近そう。
どの辺りが余計な世話かは、たいして親しくも無い人が一緒に写っていた場合に共有とか面倒すぎる。また、共有したくない人へ公開するか聞かれるならば鬱陶しいと思い。
Android OとAndroid Go
Oの方はコードネームなので正式な名称では無く、開発者向けの第2弾が公開されているそうな。こちらはAndroidの新機能や速度強化版。
Goの方はカプセルを投げるのでは無く、機能を制限して超低性能な端末でも動くようにした簡易版Androidで、端末が超低価格になれば発展途上国でもAndroidが普及するだろうという目論見バージョン。
現在20億台のデバイスが同社の無料OS Androidをベースとして動作している
ベースなのでAmazonのKindle FireやChrome Castなども含むと思われ、1人で複数台持っている変態もいるだろうけれども、世界の人口約70億人に対して3割近いとは凄まじい。裾野を更に広げるものがGoになるのか。
DayDreamの上位版
デイドリームはGoogleが開発したVR機能で、HTC(Viveのメーカー)とレノボが開発するそうな。Googleは自社でハードウェアは滅多にやらない、大手にお任せなあたりは平常運転。
Kotlinが公式にサポートへ
開発言語が従来はJAVAなところ、今後はロシア生まれのKotlinという言語にも公式で対応するらしい。
Cloud TPU
AIの強化用としてTensor Processing Unit(深層学習専用プロセッサ)の新バージョンができたとの事。
YouTubeの機能強化
360度動画対応、投げ銭システム導入。360度はモニタがなければ意味が無く、投げ銭はITmediaの表現と思われ、私に言わせるとニコニコ動画のスポンサーのような感じに思えた。
以上。開発者向けは読めども意味が良く解らないので省略。
Googleと「今の」AppleやMSとの違いは何なのか?
今の、とは昔のAppleやマイクロソフトはそうでは無かったという意味。
- アップル・・・そういうのを待っていた(と思う人が多いだろう的新製品)
- マイクロソフト・・・Windowsを必死にまともなOSへと改修し続けていた
現在はいずれの企業も、「そういうのは待っていないし、要らない何かを付け足すな」を連発しており、CEO交代後のApple唯一のヒット商品とも言えたiPad miniはiPhoneのPlus版に吸収されそうなカニバリズム(共食い)感。
Windowsはクリエイターズアップデートとかいう誰得な大型更新に加え、こっそりコントロールパネルを消すなどの嫌がらせ。更に秋にはクリエイターズの続編をご用意しているというどうでも良い機能ファースト。
Googleは今も昔も、「え?なぜこれがタダなの?」を続けており、ここまで無料にする必要性があるのか使う側でさえ疑問を持つレベルのサービスを連発。但し時々フェードアウト。
2つ気になる事の1つは個人的な事だけれども、今回のGoogleのAIファーストはどれも的を射ている印象があり、現状のAppleやMSとは違うまともな新発想なので素晴らしいはず。
しかし必要かと問われたならば私は全部要らないと思ってしまう、その理由が年取ったとか時代遅れや着いていけていないのかと感じた事。AIは確かに凄い、個人レベルに降りて来るとは想像していなかった、だが断る、とまでは言わないまでもまず要らない。
もう1つは、GoogleのモバイルからAIファーストは良いのだけれども、パソコンは放置なのか、WindowsやMac OSに対抗する気が無いのか。
おそらくMSやAppleはパソコンありきでモバイルへつなげているけれど、Googleから見るとパソコンは端末の1つであり、オマケのような感覚なのでChrome OSがいつまでも進化してくれないのかも知れない。
今までの、パソコンで出来る事が小型端末でも出来るようになれば良さそう、が、モバイルに出来る事がパソコンでも出来ると良さそう、へと代わる気がするのはGoogleの方針の影響や印象だろうか。
今のAppleとMSは素人以下な創造力とするなら、今後両社はGoogleのパクりをし続けて行く方向になる気がしてならない。
私はWindowsユーザなのでMacはどうでも良いけれど、7サポート終了前、2020年直前のWindows 10がどのくらいおかしな事になっているのか不安すぎる。
かと言えども、Googleは私の端末の使い方とは方向性が違うので、PC市場で活躍するのかと思っていた期待が薄れてしまった。
音声認識凄い、深層学習AIスーパー凄い、何かと便利そうでウルトラ凄い、だが要らない、ソレジャナイ感も凄い。
google マップとかもうね
3歩先どころか唖然いうか3Dなっとるやんけなんやねんふふふ
ヒトだってDNAを元に設計された装置な訳で。大量にデータを集めれば、AIである程度は人間っぽい選択肢を提案することは容易でしょうね。重要なことは、高性能なAIを作ることではなく、高性能なAIをどう活かすか、ですけれど。
>Google I/O 2017 基調講演
記事内に「Google フォトのユーザ数は5億人」とありますが、マジですか。私の周りにいるPC&スマホユーザの方々、誰もGoogleフォトを利用していません。私もPicasa時代に少し試用し、使いづらかったためGoogleフォトへ移行後も全く使用せず。それほどユーザが多いなら使い易くなったのかもしれませんし、こんど試してみようかと思います。
>スマートリプライ
よほど切羽詰まっていない限り、メールを定型文で返すことは無いですね。元記事にも「簡単な返信文」と書いてありますし、チャットではなく相手を待たせても問題ないメールですから、AIが返信を考える必要があるかは疑問。ただし
・送信先のGoogle+にある登録情報から、送信元やその家族が誕生日だと教える
・送信元がTwitterやFacebookへ近日中に投稿した内容を集め、禁止ワードを教える
・メール本文とGoogleカレンダーを照らし合わせ、アポに対し可不可を判断する
こういう連携機能をフルに発揮してくれるなら、仕事上は便利になるやも。
>Google Home
Android端末、Chromecast、そしてGoogle Home。自宅にAndroid機が3つあり、連携できるなら、それなりに面白いことはできそうですね。
>Google Lens
>Googleフォトの顔認識強化
例えば警察が指名手配犯の顔写真をGoogleに提供すれば、街中を写した写真から手配犯を見つけ、警察に画像つきでメール送信、という草の根バウンティーハンター行為が可能やも。
>Android Go
低性能と言いながら、メモリ1GB以下の端末がターゲットだとか。メモリ1GBって32bit版Windows10の最低動作スペックですが、これは本当に低性能向けのAndroidですかね。超低性能向けと言うからには「CPUは1.2GHzの1コア、メモリは256MB、eMMCは4GB、ネットワークは3Gのみ」でも快適な動作を実現して欲しい限り。
>投げ銭システム
最低額100円は良いとして、最高額50,000円とは驚きの価格。というか10,000円から上のプラン、全てコメントの色が赤で統一とは雑ですね。せめて最高額の50,000円なら金とかレインボーとかでもしれあげれば良かろうと。