2021年4月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
4月までに税込表記へ切り替わるはずなので3月現在の税別価格は参考的に。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
期間限定か、2千円の値引き中。
デスクトップ用ならばCPUがCeleronでも問題無い、ということはモバイル用は問題アリなモノもある、というわけで同じCeleronでもデスクトップ用はデュアルコアながら処理速度3.5GHzもあるのでゲームなど特殊なことをしないなら全然使える。
安さ重視なのでメモリは4GB、SSDは240GBに抑えており、足りないとか不安ならばプラス1.8万円して次の2番なCore i5搭載機にしましょう。
パソコン詳しい人は4GBは無理、最低8GB、16GBは欲しいというかも知れないけれど、使い物にならない構成でパソコン工房が売るわけなく、私が勧めるわけもない。
ネット利用のメインがスマホで、何らかの用途で画面がデカい方が良いなど、パソコン側をサブ機の感覚で利用し少しでも安く抑えたいなら。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
こちらは価格据え置きな第10世代Core i5搭載機。
なぜここまで割安なのかよくわからない部分がCPUの時点で判る、1番のCeleron G5905が42ドル、対してこちらのCore i5-10400は182ドル、差額140ドルは1ドル110円換算で15,400円。
一応価格コムの実売最安も見て来ると、4,286円、18,480円、差額14,194円。ということは残り4,126円差でメモリとSSD容量が2倍になるわけで、1番の本体価格が通常の39,480円ならば2,126円差でしかございません。
Celeron搭載機の方が高いのではなく、こちらの本体価格が安い。5.6万円ならCPUはせいぜいCore i3、i5ならば6万円台でも全然おかしくないと感じるほどコスパ良好。
長時間何かをコンバート(変換処理)するとか、グラボ必要なゲームをするなどのコアな使い方をしないならこの機種をおすすめ。むしろ普通にオーバースペックとも思う。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
通常96,880円、値引き後91,880円。
一見するとゲーミングPCの割に10万円切れておりお得と思いがちながら結構大きめな値上げとなっており、前月は83,980円だったので通常価格1.3万、値引き後との差8千円くらい上乗せ。
通常、値上げする場合は型番を変更して別モデルにする、その際に少し構成を変更して全く違う機種にするところ型番も仕様も同じで価格だけの変更。
理由は簡単、深刻なグラボ不足なのでGTX 1660 SUPERの仕切り上昇が値上げの引き金。価格コムを見ても在庫なしばかりながら、価格推移は見えるので数機種見たところ、安い頃は2.5~3万円が、最安の最高値が現在3.6~4万円まで高騰しておりました。
価格コムは在庫販売なので、品薄となり競合が少なくなれば調子に乗り値上げするも商売。と思っていたけれど、パソコン工房が堂々と値上げするということは仕入れ値の時点で値上がりしていると推測。
5年前のグラボが再新発売でこの価格なので仕方ない。
CFD販売株式会社は「玄人志向」ブランドで、GeForce GTX 1050 Ti搭載のビデオカード「GF-GTX1050Ti-E4GB/SF/P2」を3月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は2万727円(税別)前後。
話を戻すと、安さ重視なのでメモリ8GBとSSD 480GBは普通として、気になる箇所はCPUがCore i3な点かと。前月の画像を再び。
source:i3-10100 & GTX 1660 S | Bottleneck calculator | PC Builds
5%は許容範囲。パソコン工房がCore i3を標準構成とし、私もそれで納得し、計算機でもOKと出ているので大丈夫。だいたい1660 S程度のグラボでフルHD超えゲームしようと思う方がおかしい。
注意点はCPU性能を絞っているため、何年か後にグラボを高性能なモノへ換装するつもりならやめておきましょう。メモリやSSDは増量できても数年後にB450マザーに合うCore i5以上が(中古を除き)手に入るとは思えない。
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
こちらも値上がり。前回153,880円なので2万円ものプラス。
ご多分にもれずグラボ不足の影響による全体的な値上げが反映されているのでしょう。RTX 3070発売当初の価格は税込7万円前後が現在は価格コム在庫あり2種類の最安が12~13万円、いつも安いドスパラのPalitでさえ92,800円なので+2万は妥当。
とはいえ本当に妥当かはPCパーツとしては不自然、発売時より値上がりの時点で異常なわけで「今は時期が悪い」ことには違いございません。どうしても今必要なら。
ただ、今後どうなるかは誰にもわからないわけで、半導体不足はまだまだ続くという噂、いくらマイニングリミッタが付いたりマイニング専用GPUが出たとしてもこれ以上の値上がりは無いとは誰にも言い切れない。
話を本体の中身へ戻すと、RTX 3070がRTX 2080以上の性能とするとCore i5では性能低く感じるもののバランスはほぼ完璧。
Average bottleneck percentage: 0.08% (CPU bottleneck)
source:i5-10400 & RTX 3070 | Bottleneck calculator | PC Builds
将来的にグラボ載せ替えるならCore i7以上をおすすめ。そういうことしない、完成品として5年以上は戦うつもりならコスパは(時期的に良くないけど)よろしいかと。
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
今月のおすすめは2番>1番>なし。
2番の異様な安さは第11世代Core i5を在庫処分しているのか、または加えて処分したいメモリやSSDをまとめて構成したのか。コスパおかしい2番と同時に、わずかながら2千円安い1番もバランス良い。
問題はゲーミングPCで、RTX 3千番代の供給安定&適正価格化を待つべきか、または最近妙な新発売となってしまったGTX 1050 Ti、RTX 2060の搭載を待つべきか。いずれにせよ高め、コスパ悪め。
ここはおとなしくSwitchやプレステでも買うべきかも知れないけれど、Steam慣れしてしまうと家庭用ゲーム機はどれもソフトがクソ高く見えてしまう。
しかしPS5本体があの性能で5万は絶対赤字。ソフトで利益を出すのはコンシューマの昔ながらな売り方。逆にPCゲームは本体代で割を食うのはユーザ側なのでソフト売る側は関係なし。
更にいうと、Swichなら任天堂、プレステならソニーがそれらハードウェアの正規ソフトウェアと認定するライセンス商売まで今もあるならば、PCゲームがなぜ割安なのか納得行くかと。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
>安さ重視のライトユーザ向けなPC
マザボにM.2スロットが1つあるので、その気になれば250GB前後のM.2-SSDを買い(4,000~6,000円くらい)、標準SSDの中身を複製してM.2側を起動SSDにすれば、バックアップ元も先もSSDな高速PCが構築できますね。
SSD同士でRAID1を構成したら、HDD1台より遅くなるのでしょうかね。
>だいたい何でもできる実用的本命機
私的には「Core i3機が4.5万円くらいで欲しい」と思うところ。セレロンの上がCore i5は性能が跳ね上がり過ぎ。
>だいたい1660 S程度のグラボでフルHD超えゲームしようと思う方がおかしい
私はRX 570を使い4K解像度でゲームしております。その他の設定を詰めれば何とかなる。30FPSくらいしか出ませんけれど。なおRX 570の性能は、GeForceで言うと GTX 1650以上GTX 1650 SUPER未満、といったところ。DirectX 11世代ならGTX 1060より下。
>セレロンの上がCore i5は性能が跳ね上がり過ぎ
それ。Pentiumもi3さえも無視されるほど価格差数千円か1万円前後になると完成品BTOパソコン売る側はi5にしたくなるだろうし、見ている方としても「そうなるよね」になってしまうほどデスクトップ用のCeleronの性能高すぎる。
この中間に上手いことAMDがアホのように安いAPUぶち込んでくれると面白いのだけれども、最近のAMDは調子に乗りすぎているのかIntelぶっちぎるほどのコスパの良さが無くて寂しい。