2021年6月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
日本HPの激安シリーズながら左から3,300、1,320、3,300円の値上げ。
それでもこれが安くて実用最低限の性能や容量を維持しており、モニタが家にあるなら左、無ければ真ん中でも良いけれど17型はノート並に小さいので別売りモニタでも良いし、オフィスが要るならパッケージ版より割安な右。
毎回書いている気がするけれど、デスクトップ版のCeleronはノートのCeleronとは全然性能が違い、モバイルのCore i3か下手するとそれ以上に快適な可能性さえある高いクロック(処理速度)。
メモリ4GBも最低限だけれども、ライトユーザには8GBはムダだという検証結果を先日上げた通り、3Dゲームしたり動画のエンコードやRAW現像とかしないなら普通はこれで充分。
SSD(HDDより高速な記録装置)128GBの時点で足りないなら、次で出る2番の実用本命機も検討を。せっかくデスクトップなのだからUSB接続で外付する手もありかと。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
ここからパソコン工房なので価格は税込と税別の色や大きさを勝手に編集してお送りしております。
税込8万でこれは中々豪華かと。意味わからなければ以下4行飛ばしてどうぞ。
- CPU:Core i5-10400(2.9-4.3GHz、6コア/12スレッド、TDP 65W)
- メモリ:16GB(8GBx2、PC4-21300)
- SSD:500GB NVMe
- 電源:650W 80PLUS GOLD
グラボ搭載していないのに6コアCPUで最大4.3GHzはゲームでもするのかと思える性能ながらTDP 65Wなので騒音に悩まされることはなさそう。うちのサブ機の初代Core i3で73W、これにintel純正クーラーでほぼ音しない。
この価格帯なら8GBにケチられそうなメモリが豪快に16GBとなっており、一体何に使うのかわからない大容量。
SSDもケチらず500GB、しかもNVMeなので超高速と思い込めば気分的によろしいかと。実際には長時間の処理とかしなければSATA(普通の)SSDと体感差はほぼないくらい。
そして割とどうでも良いところで電源がこれまた容量デカめな650Wを搭載しており、しかも80+GOLDがこれまたケチられておらず好印象。
そしてこのケース、以前からあるので知っている、底面の透明な部分がLEDで光るとか、ケース天面に標準で無線充電器が備わっているなど要らない人にはムダな機能も。
内部の画像を見るとケース小さい割にグラボが搭載されていたため、上記の仕様ならばRTX 3060~3070を挿してもイケるのではなかろうか。保証はしない。
難点はマザーが小型なmini-ITXという規格なため、もし自力でマザー交換しようとしても種類が少ないのでそういうことしない、修理はメーカー依頼でやる人向け。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
今月もフロンティアの99,800円かなと思えば1万円値上がりしており、パソコン工房のゲーミングではない普通のデスクトップPCとして並んでいたこれをおすすめ。
2番の8万円PCと比較するとグラボ代はどこから出ているのか疑問になる安さ。いくらCore i5よりRyzen 3の方が安いと言えども差額は3千円程度、メモリが-8GBでも3~4千円。
現在のグラボ高騰期にこれは価格間違えているのかレベルで、値上げしたフロンティアの価格の方が適正と感じてしまえる。
いくらGTXといえども1650は無いだろうと言えていたのが昨年までで、今年は主要グラボが2~3倍値上がりしているので底の隙間を付く感じで。但し画質設定は落とす前提にて。
ところでいくら現行GTX最低クラスな1650とはいえ、Ryzen 3で大丈夫なのか?と計算機で試したところフルHDでGPUボトルネック率1.16%という優秀なバランス。パソコン工房も計算して出しているのだろうか。
ただ、1650とバランス良いということは、今はこれでしのいでグラボ価格が安くなりアップグレードしようとするのは無理があるでしょうな。1650程度でゲームができれば良い、上は目指さない人向け。
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
何と2万円もの値上げ。
さすがに冗談ではないとフロンティアやツクモなどを見て回るも、どこもRTX 3070構成は24万円前後で笑えず、3070ごときが20万でも安い方なのかと驚いた。
どうして3070かは、上下の3080と3060のコスパが悪いと判断したためで、他の量産系BTOでは3070しかないメーカーも多く、パソコン工房は高くても3060,3080も取り揃えている印象。
また、パソコン工房はCPUの性能(というか価格)を抑えて来るので他社よりも全体では安くなる特徴がございます。あえてintel(Core i)ではなくAMD(Ryzen)を採用する。
そして変なバランスの構成をまずやらないため、標準構成のまんまカートへぶち込めば良いのだけれども、機種数が多すぎるので自称PC初心者なら選びきれない人が多そう。
本当に今はゲーミングPCの時期が悪いのか、あの時に買っておけば良かったになるのか。そういう意味ではおすすめはこれだとしても、何とも言えない。
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
今回掲載の無かったDELLなどを含めても、グラボとか関係なくパソコンの価格が全体的に値上がりしており今後どうなるのか。
昔はもっと高かったのだから回帰するだけとかアホなことは言わないけれど、個人的にはハードウェアのオーバースペックかつ激安化が一旦止まれば、皆が冷静になり自分に合う適正な性能と価格を真剣に見るようになるのでは、と期待していたり。
おそらくそこらへんのPC詳しいおっさんにお勧めを聞けば、CPUはCore i7が良い、メモリは16GB以上で、SSDはNVMe、デスクトップPC、電源容量は余裕がある方が良い、などと言いそう。
私は逆で、ライトユーザなら5万も10万のパソコンも変わらない可能性が高く、ゲームとかしないなら予算は10万円以内でOK。
ゲームはSteamで最も使われているグラボが本体総額12万円程度なのだから画質にこだわらないなら最低限で。予算盛るなら好きにすれば良いけれど、コスパ考えるとここで止めるべき、のような。
過去の安さ慣れした私らには今の価格は何かと厳しい。今後もっと上がるのか落ち着くのか誰にもわからない。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
>安さ重視のライトユーザ向けなPC
真ん中のPCに標準で付いてくるモニタがコレ。
日本HP|17インチスクエアモニター P174
https://jp.ext.hp.com/monitors/business/p174/?jumpid=st_cm_p_sh_gg_bra_dsamoni
17インチ、1,280×1,024、TNパネル、VGA(D-Sub)入力のみ。以上で価格は「14,080円」とのこと。プラス3,520円で以下のモニタへ変更可能。
日本HP|23.8インチワイドIPSモニター P24v
https://jp.ext.hp.com/monitors/business/p24v/?jumpid=st_cm_p_sh_gg_bra_dsamoni
23.8インチ、1,920×1,080、IPSパネル、VGA&HDMI入力。以上で価格は「23,760円」とのこと。14,080+3,520=17,600円なので、どうしても総額55,000円をオーバーしたくないので無い限りは変えた方が無難。