2021年5月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
日本HPより一番左の32,780円のやつ。
ちなみに通常54,780円が打ち消されているけれど、そこまでの価値は無くせいぜい4万円少々が適切と言えるただの二重価格。DELLやLenovo含む外資系あるある。
家庭用ならWindowsはHomeでヨシ。このPCの凄いところは価格が安い以外にCeleronでもデスクトップ用、更にGの付くやつなのでクロックが高く3.5GHzまで出せるデュアル(2)コア仕様。
ノートPCのCeleronと性能を比較すると混乱できる。上がデスクトップ用、下がモバイル用。
- Celeron G5905(3.5GHz、2コア、TDP 58W)
- Celeron N4120(1.1-2.6GHz、4コア、TDP 6W)
一見するとモバイル用の方が2.6GHzまで出るしコア数2倍で省電力性は何と10倍になるけれど、処理速度の速さ、いわゆる軽さを求めるならば3GHzのラインが重要。
私を例にすると、歴代デスクトップ用CPUは3.3~3.5GHz、コア数1~4で10年以上前から4つのCPUを体験したところ、14年前のPentium 4と現行のXeon(第4世代Core i5相当)の違いがわからないほどクロック(GHz)重視。
これらデスクトップ用と比較すると、1.1GHzしか出なかったCeleronやAtomは2~4コアでも体感で重いとわかるし、第4世代Core i5搭載ノートも上記デスクトップ全部より遅いとわかる。同じ名前でもそのくらい違うし3.5GHzが優秀。
メモリ4GBとSSD 128GBが少なめながら、ここ上げるといくらでも高くなってしまうし、3.3万円という安さに価値があるわけで。足りないなら次で紹介する実用機もご覧あれ。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
日本HPより、掘り出し物を発見。
小型PCに分類される大きさ、CPUが省電力版、しかも世代が古い、なので自作PCユーザが嫌いそうな形ではあるものの、ゲームするわけでもなく見た目ダサくないデスクトップが良いならかなりアリでしょう。
「このケースまだあったのか」と思い探したところ、2016年9月の記事でネタにしていたので4年半前。2016年記事のCPUはCore i5-6700Tなので私が気付かなかっただけで売り続けて後継が出た可能性大。
CPU性能を書き出してみましょうか。
- Core i5-7400T(2.4-3.0GHz、4コア、TDP 35W)
体感では1番のCeleron G搭載機と同じくらいと推測しつつ、TDP低いのでファンの回転音がCeleron Gは高負荷時にうるさそうに対してこちらは静音なはず。
こいつの凄いところはCPUから下で、メモリ16GBは盛りすぎ、そしてSSD 512GB+HDD 2TBも太っ腹。通常価格115,280は値引き前提のウソだとしても、税込76,780円でこの構成はコスパの良さが光りまくる。
「本体が特別価格」と書かれていたり、CPUの世代が古い、そしてやたらコスパ良いところを見ると在庫処分でしょう。新CPUにしたいのか、このケース売り切ってもうやめたいのか。
そのケースにも付加価値があり、画像の見た目からしてスピーカー感があるでしょう。こいつ本当にスピーカー。しかも55mmは内蔵のオマケにしては大きい方。
更にB&Oサウンドシステムとは、Bang & Olufsenの略でHPが提携している海外では有名らしい音響メーカー。多分、BOSEとかONKYOなどと同等、平気でスピーカー20万円とかで売っております。
このB&OスピーカーはHPの一部のノートでも採用されており、日本HP本社で現物の音を聞いたところ、ノートとは思えない音質と大音量。音が割れたりしない。
大きさわかりやすい画像を公式より。
キーボードとマウスはBluetoothなど無線だとしてもモニタも無線?Alexaのロゴもあったのでスマートスピーカーとして使えるのだろうか。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
フロンティアより、ゲーミングPCで税込10万円切りはお見事。
珍しくチップセットも主張しているので突っ込んでおくと、自作PCユーザならば舌打ちしそうな最下位のBシリーズながら、このランクはWindowsではなくPC本体で遊んでしまうような変態にしか関係ございません。B=安い=正義。
CPUは最新世代のCore i5で文句なし。ここをもう少し削れば、とも考えたけれど削らす10万円切りしているところがポイント高いとも感じる。
メモリも盛られた16GBは、ここも8GBへ削ればとも考えたけれど同上。中途半端にCore i3の8GBにして84,800円などにするとインパクト無い。
SSDもケチらず512GB、しかも高速なNVMe仕様となっており、ここもSATAにすれば(もういい
そしてグラボはGTX 1650で、ハイエンド変態には鼻で笑われる現行グラボのGTX最下位レベルながら、Steamの統計によると利用率上位5つは、GTX 1060>1050 Ti>1650>2060>1050と続くので謎の安心感。
この構成がツクモやパソコン工房なら私が妄想したように、CPUをCore i3、メモリ8GB、SSDはSATAでもっと価格削りたいなら256GBにしているところ。いや知らないけれど。
おそらく意図して削られていないとするなら、RTX 3千番台の価格が落ち着いた後に単品で3070辺りを買い電源容量を大きめにしてもCPUやメモリとのバランスは悪くない。
そんなことするなら最初から右端の3070標準にしておけと言われそうながら21.5万円は高い。フロンティアがボッタくっているのではなく、単品販売以外にメーカーへの仕入れ値まで上がっているため。
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
昨日のノートPC編で「パソコン工房値段見づらいし便乗値上げモロバレなので避けた」と書いたものの、さすがにこれは避けられない。
わかりにくい価格表記は勝手に税込と税別の色と大きさを入れ替えた。
フロンティアの3070標準21.5万円よりSSD容量が半分な500GB、他はほぼ同じ構成と言いたいけれど決定的な差はCPU性能で、これはこれで上手い。3070に対してはRyzen 5 3600で良いとしバランスを取り価格を抑えたのでしょう。
ただし「今は時期が悪い」が数ヶ月前から続いており、グラボは高騰&品切れ多発、半導体全体が供給不足、メモリが値上がり中、これらをどう見るか。
仮想通貨が大暴落してグラボが値下がりすると思うなら待ち、半導体不足により広範囲のパーツで値上がりするならわからない。
仮想通貨の価格が上がりつつ半導体不足やメモリ値上がりも続くならば逆に「買うなら今」なのかも知れませんな。それ予想できたらエスパーながら私はエスパーではございません。
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
今月のデスクトップは日本HPのスピーカーPCがやたらと良く、故障した時の修理代が高そうながら、それも込でこの価格ならアリと判断。
安さ重視のやつは安定のCeleronまたはPentium Gとなっており、CPUが5千円前後と激安ながら高性能。メモリやストレージ容量足りるなら盛るだけ無駄なので3.3万円PCでよろしいかと。
時々目にするのが知識の古い人で「3万円の(デスクトップまたはノート)PCなぞ使い物になるか」とかいう。おそらく5年以上前からタイムスリップして来たと思われ、特にデスクトップPCはこのクラスでも全然使える。
ゲーミングPCが微妙。
パソコン工房の方は上で書いた通り、仮想通貨の相場次第かつ半導体不足どうなるか。もしくはNVIDIAが出す予定のグラボのマイニング機能半減版RTXと映像出力ないマイニング専用GPUがいつ出るか。
逆にフロンティアの1650搭載の方は、今の1650の相場が3万円オーバーとか異様な高騰を見せており、グラボ3万とて他のパーツの価格を脳内相場で足し算すると10万円行くので利益出ないレベルに安いとも。いやグラボが高すぎるだけだけれども。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
>安さ重視のライトユーザ向けなPC
USB端子の色って「2.0=黒色」「3.0=青色」「3.1~=水色」で覚えていましたから、まさかのオール2.0かと思ったら「前面:USB3.2×4、背面:USB2.0×4」だそうで。
地味に気になるのは電源。スペックは「180W」で「80Plus」かつ「変換効率90%以上」とのこと。どの時点で90%か不明ですが、少なくとも変換効率が90%に届く認証は「Gold」の「20%時に87%、50%時に90%、100%時に87%」から上。180W、SFXサイズ、80Plus Gold(以上)、の電源ってかなりレアでは。
>メモリ4GBとSSD 128GBが少なめながら
なおSSDはNVMe仕様という豪華さ。
チップセットB460なのにメモリ最大64GB(ただし2スロット)も凄い。
※庶民Aさんと私がどこを見ているかはこのPDF。
https://jp.ext.hp.com/content/dam/jp-ext-hp-com/jp/ja/ec/lib/products/desktops/spec_pdf/280g5_sf.pdf
ここまで行けるならCPU上のやつに交換してロープロのグラボをとか妄想したけれど、しょせんは電源180Wなところがネックですな。SFXで240W未満は初めて見た。
>180W、SFXサイズ、80Plus Gold(以上)、の電源ってかなりレアでは。
それも。スリムケースの付属電源ごときで80PLUSの時点でまず珍しい上、仰る通りGOLD以上を指しているはずなので珍品すぎる。
M.2のNVMeやWi-Fi内蔵(も可能)、メモリの最大容量が凄い割にB460で180Wなのは法人向けのベアボーンと推測。DELLとHP(Lenovoは知らない)は自社マザーなので何でもアリになっていそう。
※3行くらい上の「(も可能)」を管理画面の編集で追加。