2019年4月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
今月のおすすめは、やはりインテルではなくAMDの最安デスクトップ。
どうしてもインテル入っていなければ気が済まない人は、先月紹介したCeleron G4900搭載PCでもよろしいかと。4千円高くなるだけで性能差は皆無。
BTOパソコンがなぜ家電量販店のパソコンより安いかは、利益率が低い以外に販管費などの経費を低く抑える、そしてAMDを簡単に採用してしまうからとも言える。
AMDが安いというよりもインテルが高すぎる。なぜ高いかは、CPU代の何十%かを広告費としてPCメーカーへキャッシュバックのような形をしているため、その分上乗せされてしまう。
多くの人が見たことあると思う例としては、テレビCMでNECなどが最初や最後に2秒くらいインテルロゴ出しているアレは、インテルが厳密に決めたロゴの出し方やBGMなどを指定し、それを使えばCM代の一部か全部を出してくれる。
誰が金出しているかはインテルの前に菱洋エレクトロなどの代理店、の前に私ら消費者。どこで払っているかはNECなどのパソコン買えばNECの利益となり、NECがインテルのCPU採用する流れ。
話を戻すと、消費税や送料込にしても5万円くらいで買えてしまうデスクトップで、CPUは3.5-3.9GHzというライトユーザには盛りすぎな印象さえある性能の高さ。
SSDはHDDより高速、240GBならばWindowsなどが占める部分を除く空き容量は200GB以上のはず。メモリ4GBで足りないと思うなら、もう1ランク上の、次で紹介するやつも検討を。
パソコンの知識ある人がメモリ4GBで足りないと言うのは、お前がそうなだけで私の周囲で4GB超えが必要になるのは時々画像や動画編集する私とゲーマーな友人くらい。他は皆4GB、中には7年前のPCで2GBでもストレス無いとか言う人さえ存在。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
デスクトップPC買う、ゲームはしない、そう言われた場合に私なら無難なこれをすすめる。
先月号ではこれより2千円高い機種を推奨としたけれど、意外と皆さん2ストレージ構成の意味がお解りではない、SSDとHDDの計2台搭載していてもHDDを何に使うかわからないのか空のまんま放置する人が目についた。修理現場で。
中身は見なくてもわかる。空き容量と総容量が同じサイズなのだから。当時はSSDまだなかったので、「なぜHDD2台で購入したのに2台めを使わないのか?」意味がわからない。
これがHDDx2ではなく、パーティションを切り2ドライブにしてCとEがあるのにEが空っぽはもっと多かった。
2台あるなら私はこう提案する。
- SSD:起動ドライブ、通常のデータ保存用
- HDD:SSDのバックアップとバックアップ不要なデータ保存用
HDD容量は肥大化して行く対し、SSDも安くはなって来たものの容量的にはまだTB単位が一般的ではなく500GBまでが主流。ならばSSDからHDDへ丸ごとバックアップ、しても空き容量確実に余るため、iPhoneで撮影してiCloudで同期し、それをiTunesでパソコンにもバックアップ。
こうすれば3ヶ所にデータがあることになり、核戦争でも起こらなければどこか1つは残る。また、HDDが壊れても痛くない、そういう使い方をする用。
そういう使い方をしない、バックアップは考えていない、ここまで書いたことの意味がよくわからないならば、今月のデスクトップPCを推奨。
違いは、先月の機種はCPU性能が下から3つ目で上から3つ目のシリーズ+SSDに加えてHDDも搭載。今月の機種はCPUが下から4つ目で上から2つ目、CPUは高額化しつつもHDDを搭載していない分安くなるので2千円安い。
先月のCore i3+HDDも搭載、今月のCore i5搭載、いずれにしてもパソコン詳しい人が見たなら、きっと「この人は構成の選び方上手い」そう思われるくらいバランス良いし内容に意味がある。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
安定のマウス、2017年当時の部品とはほぼ全部入れ替わっているはずながら金賞を引っ張る販促は上手い。いや、そういう話ではないか。
CPUにしても何にしても全体的に非の打ち所がない、価値は無いとしてもBTOパソコン.jpプロダクトアワード2019年4月金賞を差し上げるレベル。
一覧を引っ張り説明しましょうか。OSと電源は省略。
- CPU : インテル Core i5-9400F・・・GPU非搭載で割安
- グラフィックス : GeForce GTX 1060・・・標準的なグラボ
- メモリ : 8GB PC4-19200・・・グラボ搭載なので8GBで良い
- SSD : 240GB・・・起動用に高速で240GBは現在コスパ最強
- ハードディスク : 1TB・・・バックアップ用HDD標準搭載
1番のCPUは比較的新しい、最近登場した末尾にFが付くCore i5で、グラフィック機能を省略しているのでCore i3並の価格。2番のグラボあるのだからCPUにGPU内蔵する意味ないので正しい設計。
グラボのGTX 1060はSteamで最も人気あるシェアの高い機種なので標準的なと表現したものの、マウスのGTX 1060はVRAM 3GB、なのでVRAM容量6GBでなければダメならスルー推奨。
3GBと6GBに性能差はほぼ無いので価格差もほぼ無い。3GBにツッコミ入れる人が居るけれど、このクラスのグラボに何を期待しているのかと逆にツッコミ入れたくなる。
メモリ8GBは私もこの容量。普段使う分には何ら問題ないくらい大容量と感じており、しかしSSDと並行してメモリも値下がりが止まらないので精神的に安心したいなら16GBでもよろしいかと。但し多分金のムダ。
SSDは飛ばして5番のHDDは、ゲームしないならバックアップ用とか消えても良いデータ用くらいの用途だけれども、ゲームするならSteamなどでダウンロードしたソフトはHDDに入れた方が良い。最近のゲーム平気で数十GBとかあるので。
どうしてもロードの長さが気になる、そういうタイトルだけは厳選してSSDへ入れてもよろしいかと。ちなみに私は全部HDDへぶち込んでおります。もしロード時間長いゲームにハマったならRAMディスク作るのでやはりSSDには入れない。
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
※公開当日追記:タイムリーにパソコン工房からマウスと同じ構成なのに約1.9万円安い機種が発売。なぜこの価格で販売できるのか意味不明なコスパの良さ。
私のコメントとしてはマウスPCで書いたものがそのまんま当てはまる。GTX 1660無印が出たので1060のVRAM 3GB版処分だろうか。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
ラストは金突っ込んででもこだわりたいハイエンドゲーマー向け。
このレベルの価格帯まで行くと、ゲームのために20万円以上もパソコン代出すとかマジキチと言う人が居られる、私も昔はそうだった。なぜかはその人には必要ない、その人はこだわらないというだけな価値観の違い。
大人の趣味と言えばゴルフとすると、クラブセットは安いモノなら3万円程度からある。しかしハーフ(クラブ7~8本)なので安い、フルセットで有名メーカーなら10万でも珍しくなくなる。
そしてパターにこだわり単品で数万、ドライバーも欲しくなり数万、やはり全部こだわりたくなり数十万、更にはプレーするためには金がかかり練習にも小金が必要。高価なゲーミングPCとSteamでジャブジャブ積みゲーするのと似たようなものでしょう。
私も昔はビリヤードが趣味だったので、ハウスキューに不満が出て練習用の3万円のキューを経てブランド品の10万のモノを使うようになり、仕舞には見た目まで重視し始めビンテージキューに15万とか、一体いくら使ったのか不明。プールバーもタダで利用できるわけでもなし。
という置き換えをすると分かりやすい。要らない人には絶対ムダなほど高額で高性能なモノがハイエンドなゲーミングPC。ゴルフしない私にクラブは高いだけで使いみちない、ビリヤードしない人にビンテージのキューなぞ高いだけの変な棒。
私がもしこの24万のゲーミングPCをメインPCにして違いがわかる箇所は、SSDがNVMeなので気のせいか少し速くなったかも程度かと。他は違いがわからない自信がある。
そうではなく、Core i5とか冗談じゃない、GTX 1060なぞ片腹痛い、メモリは8GBで足りるわけないだろう、という用途で図の構成に24万+税とか出せるならどうぞな感じ。
毎月書いている気がする、GTX 1080以上の1千番台が消滅したのでGTX 1070を超える性能を求めるなら、使わない率高そうなレイトレーシング対応の2千番台しか現状ございません。
GTX 1660と1660 Tiが出たのでGTX 1680とか出るのかも知れないけれど、おそらく出ないと思う。今それやると2千番台が無かったことになってしまう。
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
私が選ぶ時はマウスよりパソコン工房の方が見やすいので工房から2機種としたけれど、トップページから行くなら、パソコンあまり詳しくないならマウスのトップページやメニューの「デスクトップ」で開く所からの方が良いはず。
パソコン工房は機種が多すぎる、同じ価格で構成がほんのり違うとか当たり前にあるのでPC初心者なら混乱できるはず。逆にパソコン詳しい人は細かく標準構成探せるので工房の方が合う、なので私が選ぶとそうなってしまう感じ。
また、ゲーミングPCもパソコン工房には無いわけではないけれど、これもマウスの方がわかりやすい。工房もゲーミングPCあるけれど、私でさえわかりにくい。
普通のパソコンはCPUから選ぶところ、ゲーミングPCはまずグラボ(ビデオカード)、次にCPUとは言い切れず全体のバランスを見るのでマウスわかりやすい。
当サイトでは毎月4機種のみ挙げるため、たったの4種類だけ?と思うかも知れないけれど、逆にわかりやすいでしょう。ライトユーザ向けに「この3種類のどれか」とかするとPC初心者にはどれが良いかわからないだろうから決め打ち。
BTOメーカーはその辺を考えていないため、当サイトにこのコーナーが爆誕したとも言えるほど販売ページがPC初心者向きになっていない。
販促の上手いマウスでさえこれ。2019年決算セールのページより。
当サイトと似た感じで4+4カテゴリにわけているものの、その分け方が売る側視点になっておりましょう。
左上、豊富なカスタマイズや拡張性が高くても、カスタマイズするとどんどん割高になるし完成品PCで拡張性はUSB接続以外に何かあるのか問い詰めたい。自作なら関係あるけれど、これ昔から謎。マウスに限らず拡張性を持ち出すので何も考えず定番的に書いていそう。
その下、仕事でも自宅用としてもメインで使える、これは当記事でいう実用本命機にあたるのだけれども、クリックすると10機種もあり、その中には価格が似たような8万円台が4つ。
羅列されているだけでそれ以上の説明が無く、下にCPUが何とか書かれているものの、それ見て選べるのは私のようなPC変態がかった人くらい。マウスに限らず全メーカーそう、昔からこんな。
買う側の視線で売り場を見直して欲しい、とか上から目線で書いてみる。
メーカーの中の人、この記事見ているならパソコン詳しくない人に貴社公式と当サイトのこの記事、どちらがパソコン選びやすいか聞いてみればいい。別に金出してモニタ募集しなくても生産工場のマダムに聞けばいい。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
>安さ重視のライトユーザ向けなPC
映像出力がD-sub、DVI、HDMIの3つある点は良いですね。低価格帯ですと今どき「D-subとDVIだけ」とかありますし。
>パソコンの知識ある人がメモリ4GBで足りないと言う
自分で入れた常駐ソフトはアンチウイルス、Dropbox、TeamViewerくらいの私、OSを起動しただけでメモリ消費量は3GBを超えます。搭載量が多いとWin10って大量にメモリを確保でもするのでしょうかね。
とりあえず頻度の差はありますが、仕事場で私が使うノート2種とデスク1台は、起動直後のメモリ消費量が2.5~3.1GBくらい。用途はMSオフィスと画像の簡易編集。メモリ4GBでは足りず8GBへ増設済。
>計2台搭載していてもHDDを何に使うかわからないのか空のまんま放置
・1台目で容量は十分
・バックアップする意識がない
・必要なデータはサーバ上にあるから自分で保管する必要がない
とりあえず3番目なら「2台目のHDDは無駄だった」で完ですけれど、HDDの2パーティション目がガラ空き、1パーティション目がギリギリ、は確かによく目にしました。「56GB/60GB:0GB/386GB」とかシビれる展開。
>貴社公式と当サイトのこの記事、どちらがパソコン選びやすいか
それ言うなら薬局に置く風邪薬もシャンプーも化粧品も4種類しか要りませんし、スーパーに置く弁当も牛乳も刺し身も4種類で良い、靴屋に置く運動靴も革靴も4種類で良い、スーツもネクタイもワイシャツも4種類で良い、という話になるのでは。
選択肢を減らして選びやすくするすることが、そのまま欲しいPCが必ず見つかることに直結はしないでしょう。で、個別のモデルに本記事と同じくらい解説を入れると膨大な文量になるでしょうし、ならば今の形で妥協するか、という姿勢が今なのでは。
>>貴社公式と当サイトのこの記事、どちらがパソコン選びやすいか
>それ言うなら薬局に置く風邪薬もシャンプーも化粧品も4種類しか要りませんし、
生鮮コーナーでモヤシくらいしか買ったことがない私が広大な売り場見ても無意味で、モヤシがどこにあるのか広すぎて探すのが面倒。モヤシがどういう商品なのか知っていれば選べるとしても、知らなければ聞けば良いけれど聞けないのが通販。
モヤシは4種類も要らない。
1.激安
2.食感良好
3.本格中華用に
4.コスパ度外視でOK?
私が選ぶモヤシは1か2。そういう人間に3とか4はオーバースペック。4種類さえ多い。