2020年8月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
今回はインテルで行きましょうか。パソコン工房の最安デスクトップ。
前月はマウスのAthron搭載39,800円を紹介しており、今回は3千円高いもののSSD容量が約2倍な点で比較するとどちらもコスパ同じくらい良いとも言えましょう。SSD容量240GBを取るか、128GBでも3千円安い方が良いか。
何度でも書くけれど、現行のデスクトップ用インテルCPUはクソ性能と言えるものが無く、最下位ブランドなCeleronでさえ普通に使うならば何も問題ないほどの性能。
私の体感だけれども、左がノート・・・右デスクトップ。
- Atom(系Celeron含む)・・・※該当なし
- Core i3・・・Celeron、Pentium
- Core i5・・・Core i3、Pentium
なのでノートの場合はCeleronでもAtom系のクソ性能は普通にあるものの、デスクトップ用CPUの場合はクロック高めのデュアルコア当たり前なので同じCeleronでもデスクトップなら全然使える。
ちなみに私もブログ書いていなければこのクラスでも使い物になると思われ、今は画像編集が頻繁で動画編集も時々やるのでメモリ4GBではもたつく。そういうことしなければ普段遣いとしてこれで良いほど。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
先月のおすすめはパソコン工房在庫切らしたので違う機種でマウスコンピューターより。
実用機はだいたい6~7万円で来たところこいつはギリ6万円切りなため、さすがに安すぎないかと不安になるやも知れず。なぜ安いかはSSD容量が500GBではなく約半分。
そして大きな違いはCPU(APU)がAMD製品なので単純にインテルよりコスパ良く、内蔵グラフィック性能がインテルより上なので何となく安心。
そのAPU、Ryzen 5 3400Gの性能が意外と凄い。
source:PassMark Intel vs AMD CPU Benchmarks - High End
第4世代Core i7>8世代 Core i5>このAPU>第10世代Core i3の順なので、最新版Core i3以上、2世代前Core i5未満な高性能。
ゲームもしないのにここまで必要か?と思いつつな内訳は、クロック(処理性能)3.7-4.2GHz、4コア/8スレッド、TDP64Wとなっており、目安としてクロックが3GHzを超えると普通の用途には充分な感じ。
コア数とスレッド数は同時に処理できる本数だけれども、4つでさえ同時進行とかまずしないでしょう。私を例にするとYouTube垂れ流しつつ画像編集したりブラウザで何か見る程度なので4コア/4スレで全然不満を感じない。
このAPUをもう少し調べてみたところ、Ryzenはコアとヒートスプレッダがメタルグリスらしいソルダリング。翻訳すると、CPUの中身と放熱板の間が溶接されている、なので熱伝導は素晴らしく良いと推測可能。
たいていの人はSSD 256GBで足りると思うけれど、時々子どもの写真や動画、DVDリッピング(違法)しまくりパンパンになる人も居られる。そういう人は500GBにしても1TBにしても満タンになると思うので、おとなしく外付けHDDを購入するべきかと。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
この機種販売していたのかと今気付いた、マウスの8万円ゲーミングPC。
なぜ先月は無いと思っていたかは、マウスの検索機能が手抜きメンテされており、GTX 1650 SUPERが無いためで、今回検索するとGTX1千番台が何も出なかったのでさすがにそれはおかしいと手動で探して来た。
赤枠のグラボはデスクトップの検出なし、ノートは2060に2機種だけ。
こういう探し方をする人間が私くらいしか居ないので放置されているのかも知れないけれど、ある機能は使えなければ東証二部の会社の公式サイトとして恥ずかしくないのか、使えないなら外せば良いとか余計な世話を考えてしまう。
話を戻し、CPUのRyzen 5 3500はインテルでいうCore i5-9400と同等かやや上、その割に価格が少し安いのでマウスも8万円切りできたのだと推測。性能は3.6-4.1GHz、6コア、TDP65W、ちなみに中身は溶接状態なソルダリング。
グラボはGTX 1650>この位置>GTX 1660なのでGTX下から2番めなものの、Steamで使用者の多い機種なので問題なく、但し高精細はもちろんきついので設定は控えめに。
メモリ8GBは2chのPC変態おじさんからクレームが出そうながら、ゲームするなら重要なのはVRAMの方、メインメモリも必要になるのはRTX上位機種なので8GBで足りないならそれはゲームの問題ではないはず。
SSD 256GB+HDD 1TBでは容量少ない、ゲーム積めないと思っている人は、今月号ゲーミングノート編の説明をどうぞ。一言でいうと、SteamもEpic~もローカルに購入したゲームを全部入れておく必要なし。
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
引き続きこれを推奨。他社製品なぜか高い、またはパソコン工房安い。
とはいえ春頃よりは若干値上がり、または同価格帯ならグラボが1ランク下になっている、もしくはパソコン工房が7終了祭りセールをやめた影響で現在はこのくらい。
税込にすると20万をほんのり超えるけれど、もっと突き抜けて超えても良いならご自由に上を目指してどうぞ。これはRTX 2070 SUPER搭載、1つ上の2080か2080 SUPERまではコスパまだマシな方。2080 Tiはパーフェクト変態向け。
Ryzen 7 3700Xの詳細も書いておきましょうか。3.6-4.4GHz、8コア/16スレッド、TDP65W、AMDにしてはTDPよく抑えている印象。言うまでもないか、インテルでいうCore i7相当であり、AMDなので割安。
他はメモリが特盛16GBだとか、SSD 500GB+HDD 2TBなどはこの性能や価格帯になるとバランスを取るが量産系BTOメーカーの仕事であり、無難なバランス。
電源が割と大容量なので、来年か噂では年内かとも言われているRTX3千番台へ差し替える機会があれどもすんなり交換できそう。補助電源は8+8pinなのでこれ以上増えることもないでしょう。
余談ながら、10年以上前のゲーミングPCはどれほど高くても20万円行かない、ハイエンドで17万円くらいが今は30万円切れるほどまで高額化。そう考えるとボッタクリな気がしないでもないものの、グラボの進化はCPU以上に止まらない状態なので妥当なのかとも。
考え方としては、ゴルフする時に道具一式を10万円以内に抑えるか、それとも20万か30万かのような、同じコース(ゲーム)でもより快適にラウンド(プレイ)するか最低限で整えるかのようなものでしょうな。
私はそういう感覚わからないのでゲームするなら8万円のやつでいい。ゴルフ用具一式は貰い物なので価格や価値不明。
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
先月は第10世代Core i発売やRyzenのおかわりもあったので新機種が多かったので、今は旧世代を在庫処分しているようなら個人的には安ければそちらがおすすめ。
グラボは1世代違うとかなり変わるとしても、CPUは1~2世代程度ならばコア数が増えても性能(クロック)差がほとんど無いので新製品との差額は新物代くらいの価値しかないと思う。
なぜかはクロックが大昔から頭打ち状態が続いているため。
さすがにアーキテクチャやプロセスルールとか細かい部分では全然性能は違うとしても、私が12年以上前に使用していた当時の上の中くらいのCPUが3.4GHz、2コア/2スレッド。
現在も中堅クラスが3GHz台~ターボ4GHz台、6コアとかあるものの、結局はシングルコアで処理されたり、6コア使うと4GHz出ない、出るとしても使いどころがなかったり。
ゲームをするならグラボの進化について行く必要はあるとしても、CPUの次の世代が出たとしても大差無いと思えば、ゲームしないなら性能不足で買い換えるまでの期間が延びて当然。
ハイエンドゲーマーならばRTX3千番台の噂がガチになる可能性も考えられるので、今すぐ必要でなければ待ちという手も。
ゲームせず今のパソコンで特に支障なければ買い換える必要はなく、「遅い」と思うならばSSDから起動するパソコンへ乗り換えましょう。私が勧めるPCは何年か前からSSDしか認めないほどHDD起動はありえない。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
>現行のデスクトップ用インテルCPUはクソ性能と言えるものが無く
あわせて付属CPUクーラーの静かさも、Core iが登場して以降はどんどん成長して来ましたね。Pentium4時代はもとより、Core 2時代も付属クーラーといえば「冷えないのに爆音」がデフォでしたから。
ついでに、80plus認証が登場したくらいから、電源の質も安定して来ましたね。CPUクーラーと同じく、大きな出力が必要になった際も、冷却ファンは静か。それが3年以上、場合により7~8年も静かなまま使えるとか、ファン性能の向上も相まって嬉しいことです。
>だいたい何でもできる実用的本命機
少し残念な点は「本体前面のUSB端子2つはどちらもUSB2.0」ですかね。3.0×4、3.1×2はどれも本体背面。頻繁にUSBメモリを抜き差しするだろう前面USB端子でこれは少し痛い。