BunBackupなるフリーソフト。
先日のPC Wathのバックアップ記事にて、ライターの先生方が使っていると読み興味が出たので私も使ってみた。初心者から上級者まで納得のバックアップツール決定版と言えるかも知れない。
PC初心者向けとして使い方を解説。
簡単に差分バックアップ可能なフリーソフトBunBackup
作者殿のページはこちら。
Nagatsuki - BunBackupやBunCalcなどのフリーソフトを公開しています
http://nagatsuki.la.coocan.jp/index.htm
リンクはトップページ、画像はそこからたどると行けるダウンロードページ。
ZIP形式が意味分からないならインストーラー、手元のWindowsが64bit版だと判る人は64bit版がおすすめ。ちなみに通常版も64bit版Windows 7で使えております。
3段階で参りましょう。
1.環境の確認
用意する物はもちろんWindowsパソコン、そしてWindowsが起動するCドライブのSSDまたはハードディスク(以下、HDD)以外にもう1台の内蔵または外付SSD/HDDが必要。
やや特殊だけれども私のメインPCのコンピューター内。
Cが起動ドライブ、DはCのバックアップ用、Eはデータ、Fはそのバックアップ。
メーカーPCならCドライブ以外から起動しないのでバックアップ元はCで、DドライブがDVDなら外付HDDはEになっているかも知れないので確認を。
今回は差分以外にミラーリングという方法を設定する為、間違えると最悪データが全部消える可能性がゼロでは無いので慎重に。理由は後で。
なお、ここでは最低限の設定で自動バックアップする方法までの説明であり、全ての機能は紹介しきってはいないので知りたいならセルフで。
2.基本的な使い方
画像はバージョン5.0なので未来から来た人なら少し画像変わっているやも知れず、しかし基本的なデザインは変更されないはず。また、説明用の画像は合成しまくっているので全く同じ画面にならない辺りはご注意あれ。
起動したなら左上の緑のプラスボタンを押す。
するとバックアップ元と先の入力が出るので設定。上の画像は説明用にCとDドライブ直下へtestというフォルダを作った後。
赤枠右のボタンを押して選択しても良いけれど、窓枠の外から指定したいフォルダをドラッグ・アンド・ドロップしてもOK。但し絶対にバックアップ元と先を間違えずに。
次にメニューのバックアップからバックアップ開始を押す、またはファンクションキーのF9を押せば処理開始。これだけ。
処理が終わると結果表示。
テストフォルダには空のフォルダと空のテキストファイルを各1つ入れておいたので上のようになっております。左から、コピーしたファイルなど、エラーが出たもの、削除したものの3種類。
そう、削除にも対応しているので要注意。バックアップなのになぜ削除するか分からないならこれも後で。
テストはやめて、どのファイルをバックアップすれば良いかは以下。
CドライブのUserフォルダ内、1226は私のアカウント名なので自分の名前に脳内で置き換えてどうぞ。
ここはドラッグ・アンド・ドロップでは無く、ボタンを押した方が分かり易い。上はWindows 7の場合で、上からデスクトップ、ライブラリの下に自分の名前のフォルダが出ているはず。
ここにはユーザのデータ、ドキュメントフォルダやデスクトップ画面で散らかしているショートカットなど、果てはブラウザのブックマークなどが入っております。
バックアップ先フォルダは最初に説明したDドライブかEドライブか、またはF以降かも知れない、バックアップ用HDDを指定しましょう。
「D:¥」とかにするとHDDの直下にフォルダの中身がばら撒かれるので、あらかじめ下の画像のようにフォルダを新規作成し、Backup-1226 とか名前を付けておく。
上はCドライブのユーザフォルダをDドライブ直下の Backup-1226 フォルダへ。Eは丸ごとFドライブ直下へバックアップする場合。
Cドライブを丸ごとにするとWindowsのシステムフォルダも巻き込んでしまい、アクセス制限のあるファイルでエラーが出る可能性と、単に無駄なのでおすすめ不能。丸ごとバックアップしてもバックアップ側HDDからWindowsが起動出来るわけでは無い為。
設定が完了したなら設定ファイルを保存。
メニューのファイルから名前を付けて保存、すると別窓が開くので設定を保存するフォルダを指定し適当な名前を付けて保存ボタン。
インストーラー版で入れたならドキュメントフォルダ、ZIP版ならBunBackupのフォルダにでも保存しましょう。自分が分かるならどこでもOK。
余談:普通のコピーと何が違うのか?
まずWindowsのコピーを使うと、上書きして良いかとかロックされていたら一旦停止、これらが無いので快適。
大きな違いは差分バックアップ(差がある分のみ上書きコピー)なので、一度やってしまえば次からが高速。バックアップ元と先が全く同じなら、ファイルチェックのみで終わってしまえる。
3.自動化とミラーリング
さて、設定ファイルを保存したので、それを読み込めばいつでも同じ処理が出来るのだけれども、せっかくなのでもう少し簡単かつスマートに変更してみましょう。
メニューの設定から機能表示設定へ。
BunBackupは初心者向けなので機能の大半が隠されており、ここで表示したい機能にチェックを入れなければ普段は見えない仕様。上の画像の通り、ミラーリングと自動バックアップにチェックしてOKボタンで閉じる。
次にバックアップリストを選択しスパナのアイコンをクリックし、詳細ボタンを押すと別窓が開きミラーリングのタブが出ているはず。ミラーリングするにチェックを入れましょう。
ミラーリングとは読んで字のごとく鏡写しにするわけで、Cドライブが変更されたならDドライブも同じ状態にする。Cドライブのファイルが増えた、変更された、そして削除されたならDドライブからも削除。
CとD、バックアップ元と先を逆に設定してしまいDドライブが空だったなら、Cドライブのフォルダ内がミラーリングで消されてしまうのでウルトラ要注意。
BunBackupの場合は元のファイルが消されると先も消える、しかし先のファイルが消されても安全の為に元のファイルは消されないという、完全なミラーリングでは無い親切設計。
なぜミラーリングにするかは、これをやらねばバックアップ元のファイルを消しても先のファイルが延々と残るので無駄に容量が増えてしまう。
そして次はWindowsが起動した時に自動でバックアップするように。
メニューの設定から環境設定へ行き、左の別窓に自動バックアップのタブが出現しているので自動バックアップにチェックを入れる。
同じ窓のスタートアップ・タスク設定ボタンを押すと右の窓が出るので、スタートアップを選びましょう。OKして終了。
これでWindowsを起動する都度、自動で設定ファイルのバックアップをしてくれるように。パソコンの電源を切らないPC変態はタスクで時刻を設定しましょう。
以上、初心者向けの説明終わり。
ヘルプを読むと分かる、このソフト凄く細かな設定も出来るので、バックアップ変態でも満足可能。世代管理やコマンドラインなどにも対応しているので、私のようにバッチファイル作る変態も納得の高機能。
作者の優しさを感じる洗練されたバックアップツール(まとめ)
実際に設定から動作まで使ってみると判る、随所でユーザの事を考えられた設計や自動化が心地良いと感じる。
偏見かも知れないと前置き、どうしてもプログラマ1人が作成したソフトというものは、レイアウトやデザインが見づらかったり、めまいがするほど高機能で使い方を覚えるまでが大変な事があるある。
しかし、BunBackupはあえて高機能部分を最初は隠しておき、初心者でも分かり易くなるよう考えられており、使いたいなら出せば良いという通常とは逆の発想が素晴らしい。
おそらくだけれども、普通は開発しているうちに自分だけが使い易いよう作ってしまったり、高機能でドヤってみたい気持ちが出てしまうものなのか、それらが全く感じられないソフトは珍しい気がする。
私はFastCopyに慣れてしまった上、シャットダウン時にバッチ処理したいので乗り換えないけれど、もし他人に勧めるなら今後はこのソフトを指名すると思う。
もし今は必要無くとも要る時が来たならBunBackup、または「バンバックアップ」もしくは「ブンバックアップ」を覚えておき検索してみましょう。
「BunBackupはなんて読むんですか?」と聞かれると、とりあえず「ブンバックアップ」と答えています。まあ、英語読みだと「バンバックアップ」かもしれませんし、「ビーユーエヌバックアップ」でもいいのかもしれません。覚えてもらえれば何でも良いかと思っています。
source:BunBackup: 2006年7月
ここまで多機能で使い易いなら一部機能を制限してシェアウェアでも良さそうなところ、誰にでも使える、多くの人にバックアップして欲しいからこそフリーソフトにされているのでしょうな。
どうしても金を払いたくなったなら解説書が税別800円、しかもPro付。
この解説書をご購入いただいた方には、特典ソフトとして「BunBackup Pro」をご提供いたします。BunBackup Proは、通常のBunBackupに「高速ファイルコピー」「ミラーリングから除外」機能が追加になっています。
source:BunBackup解説書
買おうかと思ったけれど、A4で201ページは文字嫌いな私には厳しい。
>BunBackup
Ver.1.0が2003年5月に公開という事で、13年間も更新し続けているとは驚き。
>間違えると最悪データが全部消える可能性がゼロでは無い
デュプリケータでコピー元とコピー先を逆にセットするような失敗、考えただけで恐ろしい。考え出すとバックアップのバックアップのバックアップ……、のループに陥るため危険ですが。
>コピーしたファイルなど、エラーが出たもの、削除したものの3種類
3ペインに分かれて表示されるのは見やすいですね。ログが単に文字の羅列になっているソフトもありますから、この点は非常に有能。
>上書きして良いかとかロックされていたら一旦停止
確かコマンドプロンプトから、エラーを無視してコピーするくらいしか、Windows単体だと回避方法が無いのでしたね。xcopyだとか言うコマンドだったはず。robocopyでも出来たような気もしますが、コマンドを覚えるのが面倒でほとんど試した経験は無し。
>めまいがするほど高機能で使い方を覚えるまでが大変な事があるある。
私が思いつくソフトだと、動画編集ソフトの「AviUtl」ですかね。高機能なのは分かりますが、初心者お断りの雰囲気が色濃く漂うソフト。プラグインを入れてもまだマトモに動かない、ソフトの初期設定はPCの性能によって最適な値が違う、フィルタを掛ける際は効果により順番を入れ替える必要があるなど、途中で諦める方が続出しそうな勢い。
>デュプリケータでコピー元とコピー先を逆にセット
これ本当に怖い。デュプリケータ使う時に指差し確認するほど怖い。
>AviUtl
昔々、MMOの対戦動画を録画し編集してアップロードしていた頃に使った記憶が。Susieどころでは無くプラグイン入れが面倒だった。
ところで、思い直して先程Vectorで解説書を購入。詳細を知りたいわけでは無く、Proバージョンが欲しいわけでも使う事も無いとは思うものの、フリー版を私の周囲の人達のPCで複数使わせてもらうと思えば1千円程度の寄付は妥当と判断。
購入するとPro版BunBackupが落とせる以外、パスワードかかっていないPDFファイルが用意されていたり、ここでも作者殿の優しさを感じた。気分良く金払えて満足。投げ銭のような感覚。