HDD(ハードディスクドライブ)の転送速度について。
タイトルの件で質問のお便り兼ネタ振りを頂戴。以前、Quadro VS GeForceという良く解らない対決をやらかした際、M.Yさんから4機種ものベンチ結果を画像で提供して貰った借りが有るのでお返しする次第。
結論から行くと私にも答えは解らないので期待せず。
メールの内容より、意味を変えず要点。
概要
- 対象のHDD容量は1TBの1パーティション ※分割無しの意味
- OS+プログラム等:150GB / 画像データ等:300GB / ※空き550GB
- 問題として、めちゃくちゃ動作が遅い
変化
画像データ等の300GBを外付HDDへ移動、要するに内蔵1TB HDDから削除すると、驚くほど動作が快適になった。
疑問
- OSとデータはパーティションを切った方が快適に動作する?
- OSなどの再インストール無しでパーティション分割は可能?
- 分割せず物理的に別HDDをデータ領域に置いた方が快適?
HDDのパーティションや空き容量と転送速度の関係
3つの疑問へお答えして参りましょう。
Q1.OSとデータはパーティションを切った方が快適に動作する?
A.条件により多少は関係有り
パーティションを分割すると、HDDのプラッタ(ディスク部分)外周からドライブが分けられて行くもので、3分割なら下のようなイメージ。※AとBはFDD用なので無し、Dを光学ドライブとした場合
OSやインストールしたプログラムはCドライブ。キャッシュなど一時ファイル用にD、データ用をEとしましょうか。
Cドライブは外周なので高速。Dも内周とは言えEよりは高速。やや古いけれど、良い検証データが有るのでこちらをどうぞ。
source:DOS/V POWER REPORT | Impress Japan
第1パーティションは上の画像でいうCドライブの部分にあたり、パーティション分割無しと同じくらいの速度。対して上の画像でEドライブにあたる所が第4パーティションで2割弱の速度低下が起こっております。
パーティション分けると後ろのドライブが低速化するので損な気がするものの、1TBを均等に3分割して各333GBとなった場合、Eドライブは667GB辺りからの開始。
という事は、パーティション分割無しで667GBくらいを超える使い方をするなら、仕切りが無い為、Cドライブのプログラムファイルの動作に影響する可能性が出るわけですな。
逆に合計333GBを超えない使い方なら、1パテならデータが全部外周寄りになるとするなら、分けるとかえってEドライブが初っ端から低速化してしまう。
Windows Vistaからは自動でデフラグしているらしい為、断片化の問題は少しは解消されるとしても、使用期間の長さに比例しデータは内周へ分散してしまう。
イメージとしては、
- OSインストール
- プログラムを入れる
- データが出来る
- プログラムを入れる
- データを消す
3~4を繰り返す事でプラッタ上のファイルが分散し、HDD内のヘッド(読み取り部分)が色々な場所へアクセスする為、速度の低下や騒音に繋がるという。
これを防止する意味で、CドライブはOSとプログラムとし、パーティションを分けてデータは別ドライブに入れる人が結構居るはず。
とある当サイトの某TakaQさんのようなHDD変態になると、デフラグツールで外周へ寄せつつ断片化を解消されております。
そのデフラグソフトの名は、Ultimate Defrag。
DiskTrix
http://www.disktrix.com/index.php
私の探し方が悪いのか無料版が見当たらず、製品の試用期間30日しか見えない為、フリーソフト版を探して来たものがこちら。
UltimateDefrag Freeware Edition - CNET Download.com
http://download.cnet.com/UltimateDefrag-Freeware-Edition/3000-2094_4-10582157.html
上の画像は私のPCへインストールし、Cドライブを表示しております。インストール後に何か聞かれるので2回とも「No」を選択。
簡単な使い方は、
- デフラグするストレージを選択
- 「Analyze」を押して分析
- 「Auto」を選択し「Start」
確か「Fragmented files only」は外周へ寄せるだけ。「Auto」は断片化も解消してくれるはず。私はデフラグしない派な上、CドライブはSSDなので更にしない派。寿命や消耗、時間の無駄さが気になる為。
しかし、パーティションを切り、ツールでデフラグしつつ外周を使えども体感で驚くほど速くはならないと思う。
Q2.OSなどの再インストール無しでパーティション分割は可能?
A.可能
私は海外のフリーソフトでやっているけれど、
パーティション変更が簡単に出来るフリーソフト - BTOパソコン.jp
https://bto-pc.jp/repair/partition-resize-free-soft.html
Windowsの標準機能でも分割は可能。
Windows でパーティションを増やすには?
http://support.microsoft.com/kb/944248/ja
縮小すると開放された空き領域が出来るのでドライブを増やせる仕様。
なぜ私がフリーソフトを使うかは、データを入れたまんまでWindowsの機能では領域の容量変更が出来ない為。
但し、上の画像。CとDドライブの「システムで予約済」の容量が違うように、この部分を変更するとWindowsが起動しなくなったので369MBから変更していない、出来ないという。
また、Windowsでやる際も操作をミスったり勘違いによりデータの有る領域を開放とかフォーマットすると中身は全消しになるので充分ご注意有れ。
ちなみにふっ飛ばした直後なら、良いデータ復元ソフトなら丸ごと戻せる可能性が高い事も覚えておきましょう。個人的なお勧めはR-studio。
Windows 用ディスク復元ソフトウェアおよびハードドライブ復元ツール
http://www.r-studio.com/ja/
領域開放やフォーマット直後なら、何度か100%の復元成功実績有り。
Q3.分割せず物理的に別HDDをデータ領域に置いた方が快適?
A.その通り
HDDの容量がデカくともプラッタが複数有れどもアームは1本。
HDD1台は右手だけでキーボードを打つようなもので、両手で打った方が速いという物理的な問題ですな。キーボードは2台も要らないけれど。
但し、HDDの動作は元から高速。2台に分散したからと、やはり驚くほど高速になるわけは無いと思う。
空き容量とHDD高速化の関係が解らない(まとめ)
冒頭よりもう一度。
画像データ等の300GBを外付HDDへ移動、要するに内蔵1TB HDDから削除すると、驚くほど動作が快適になった。
この謎が解決しておりません。
おそらく、パーティションを切れども外周へデータを集めても、Cドライブにデータを置かないとかやったとしても、驚くほど動作が快適までは行かないはず。
HDD使用量450GBの内、データ300GBを外へ出すという事は、空き容量が550から850GBへ増えただけ。パーティション分割は質問される程なのでまだやられていないはず。外周やデフラグの話も出ておらず。
100GBクラスの動画ファイルを同時に3個開き編集する際、300GBレベルの一時ファイルが出来て空き容量が不足し、メモリのスワップアウト(HDDへの書込)が出来なくなったとか特殊な状況なのか。
もう一つ考えられる事は、画像ファイル等なので、この「等」の中にプログラムの動作に関係する断片化したファイルが有り、外付へ一気に逃した際に再配置で最適化されたのか。
もしかするとHDDが故障しかけており、外付HDDへ300GBのデータを移したショックで一時的に治っているとかかも知れないけれど、私の知識や経験の範囲では原因不明。
念の為に内蔵HDDの速度を測ってみた方が良いと思う。
CrystalDiskMark - ソフトウェア - Crystal Dew World
http://crystalmark.info/software/CrystalDiskMark/
画像の数値はSSDなので、やたら速い点は気にせず。
Seqの左、Readの値がノートPCなら50MB/s以上、デスクトップなら70MB/s以上を1つの目安として。1TBは比較的新しいので、昔のHDDならもっと遅いという違いはございます。
故障しかけたHDDの場合、この数値が30以下(5~25)へ低下する現物を修理現場で何度か見たので、あまりにも遅いならHDDの故障を疑ってもよろしいかと。
その他、考えられる事が有ればコメントお待ちしております。
>デフラグツールで外周へ寄せつつ断片化を解消
全CドラのSSD化により も、もうやってませんから(震え声)
ちなバックアップのドライブイメージ保存先みたいな数百GBの巨大なファイルですと、シーケンシャルがモロに効くので外周に寄せるのはアリだと思いますよ
モノによっちゃ単純に倍くらい違うものと思っていいかと
http://www.btopcshop.com/info/parts/hdd.html
なお4TBクラスの大容量だと中心付近過ぎても速度が落ちにくい模様
http://ckworks.jp/blog/archives/2013/02/4tbhdd_benchmark_part2_hdtunepro.html
長い3行で とか思わない人用
http://d.hatena.ne.jp/sleepy_yoshi/20111029/p1
こちらはオンゲでのグラボ劣化(?)捜査班だ。
実は一昨日、ゲームランチャーのフルアップデート(見た目から変更)ありまして
「治りましたーっ!!」(ポカーン
「怪しいと思ってたんだよ、オレも」(唇プルプル
危うくもう一枚ってとこだよ・・・。
内容的にはフルインストール必須のアプデなのでHDD内の断片化解消の可能性もあるっちゃあるが、断片化での速度変化を実感したことがないのでなんとも。
どちらにしても原因は迷宮入り。
捜査中に気になった記事貼ってきます。
(捜査班の今回の実績はお掃除のみ・ちなみにその際カードのロック爪折りました・・・)
・microSD adapter刺さってると起動が遅い
http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000248008/SortID=14225503/
「へぇ~、そうなんだ~」
はっ、そういや親爺のASUS(8)ノートに刺さってた!(まだ検証してない
・4096の倍数になってないと
http://d.hatena.ne.jp/consbiol/20120422/1335086418
「なんだか良くわからんが効きそうだな、まっ後で!」(その前に事件解決
>私は海外のフリーソフトでやっている
AOMEI Partition Assistant - 窓の杜ライブラリ
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/aomeiparti/
自分も以前コメントで紹介されていたこちらを使っています。日本語対応なので使いやすいかも
>その他、考えられる事が有ればコメントお待ちしております。
アクチュエータの異常かスイングアームの異常で、特定の位置からスイングアームの移動が鈍り読み書きが遅くなる為、スイングアームが正常に稼働する容量まで減らした事で快適になった、なんてのを思い付きましたw 375GBプラッタ~1TBプラッタの製品を想定しても有り得るのではないかなぁと思います
ハードディスクの構造とパーティション by eslab
http://park12.wakwak.com/~eslab/pcmemo/hdisk/index.html
故障寸前だと危険ですし、判断材料を増やす為にCrystalDiskInfoで情報見てもらってもいいかもしれませんね
TakaQさんがわざわざコメントしてくれたにも関わらず、突っ込みが無いという事は迷宮入りですな。HDD以外での問題も考えられそうと思った。
いずれにしても、こういうのはPC現物や実際の動作を見なければ判らないでしょうな。見ても判るかどうか分からない珍しい症状。
う〜ん、何でしょう?環境が不明なところで思いつくのは今更感のあるPIO病くらいですが、違いますかね〜。
>対象のHDD容量は1TBの1パーティション
>OS+プログラム等:150GB / 画像データ等:300GB / ※空き550GB
OSが入っている分だけ相談者さんの方が遅くなるでしょうけれど、私のPCに搭載されている1TBのHDDは1パーティション、500GBプラッタ2枚仕様、空き容量183GBで以下くらいの速度。遅いと感じた事はなし。
Sequential Read : 70.431 MB/s
Sequential Write : 74.199 MB/s
Random Read 512KB : 15.471 MB/s
Random Write 512KB : 42.736 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 0.221 MB/s [54.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.914 MB/s [223.0 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 0.207 MB/s [50.5 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.461 MB/s [112.6 IOPS]
Test : 500 MB [E: 80.3% (747.9/931.5 GB)] (x5)
OS : Windows 7 Professional SP1 [6.1 Build 7601] (x64)
WDC WD10EADS-00M2B0(1,000GB)
もう一度、言う。遅いと感じたことはなし。
何だか負けた気がするので、急遽データをバックアップ。空き容量550GB(相談者さんと同じ状況。ただしOSやソフトは無しでデータのみ)にし、CDMを実行した結果が以下。
Sequential Read : 61.761 MB/s
Sequential Write : 65.178 MB/s
Random Read 512KB : 15.591 MB/s
Random Write 512KB : 40.304 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 0.221 MB/s [54.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.844 MB/s [206.2 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 0.207 MB/s [50.6 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.438 MB/s [106.9 IOPS]
Test : 500 MB [E: 40.9% (381.2/931.5 GB)] (x5)
OS : Windows 7 Professional SP1 [6.1 Build 7601] (x64)
WDC WD10EADS-00M2B0(1,000GB)
確かに速くなりました。Random Read 512KBだけ。誤差とも言う。そして消せるデータを全消去し、空き容量831GBにした結果が以下。
Sequential Read : 61.049 MB/s
Sequential Write : 64.330 MB/s
Random Read 512KB : 15.256 MB/s
Random Write 512KB : 40.814 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 0.215 MB/s [52.5 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.879 MB/s [214.6 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 0.210 MB/s [51.3 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.333 MB/s [81.4 IOPS]
Test : 500 MB [E: 10.7% (100.1/931.5 GB)] (x5)
OS : Windows 7 Professional SP1 [6.1 Build 7601] (x64)
WDC WD10EADS-00M2B0(1,000GB)
何だかSIRENを思い出します。どうあがいても絶望。
とりあえず私の環境では、空き容量に関係なく速度は一定でしたね。というか遅くねーかコイツ、という知らなくて良い事を知るはめになる面白い結果に。キャプチャを保存しておいた意味は無くなりました。
さてこれから数時間かけてデータを戻す作業に移ります。
>Ultimate Defrag
リダイレクトが掛かるフリーウェア版のページには「The Free Public Domain Version Of UltimateDefrag Is No Longer Available. Redirecting you now to the free 30 day trial of the latest version.」と表示されますから、フリーウェア版はVersion2くらいまでで消えたのでは。現在DLできるのはVersion3と4ですが、どちらもトライアル版のみですね。
Version1.72はWindows7に正式対応していないと思いますが、問題なく動きましたか。それは安心。
>さてこれから数時間かけてデータを戻す作業に移ります。
そこにシビれる!あこがれるゥ!(アレッシーがボコボコにされるのを見ながら)
いや、コメに割くリソースが無いんや(白目)
以下仮説
ページファイル(pagefile.sys)の設定がデフォルト(ファイルサイズが不足したらダイナミックにサイズを拡大していく設定かつ、ファイルサイズは物理メモリの1.5倍だったかと)であったとすると、pagefile.sysが拡張されるたびに断片化していくので、スワップの発生する場合はレスポンスが酷いことに
さらにOSデフォルトの自動デフラグがかかっても、巨大ファイルに隙間を埋められてるから再配置されないまま
ところが間を埋めてる巨大ファイルが削除され、まとまったサイズの隙間ができたところへOSデフォルトの自動デフラグが走行、再配置が効いて断片化していたページファイルが連続した領域になってレスポンスが改善とかでどうかな(適当)
実はXP時代に似たことを経験しとりまして、Windowsのゴミ箱はどこまで中身を削除せずに頑張れるのかやってみた的なことを試したことがあってですな、確か当時250GBのHDDがシステムドライブで、中身を殻にせずに半年だかゴミ箱に捨て続けた結果、ゴミが40GB弱くらいに達したところでどうにもレスポンスが耐えられないレベル(テキストファイルのファオルダ間コピーすら砂時計になるんですがソレは)に達し、一気にゴミ箱の中身をカラにしたところ、レスポンスが普通に戻ったという経験がございまして
アレはゴミ箱の中身(つまりリサイクルフォルダ)が徐々に肥大していくことで断片化が激しくなり、削除で一気に隙間が開いたところへ自動デフラグが効いてページファイルをはじめ再配置で連続領域化できたんじゃなかろうかなんて考えてみたり