過去記事、修理現場で見たパソコンの故障し易いパーツの派生。
前回はメーカーの修理工場から見ると何のパーツが故障し易いかという順位と解説。今回はパソコンを自力で修理する場合にどのような難しさが有るか。自作や改造した事の無いユーザ、今から自作しようと思っている人用に書いて参ります。
メーカー修理とセルフリペアの違いとして。
私が過去に購入したPCは、サイコム>サイコム>自作。
サイコムと言えばBTOパソコンでは有りますが、メモリやHDD無し、グラボ必須の構成でも無しに出来る未完成(動かない状態)でもカスタマイズ可能。これをやると自作とそう変わらず。私の場合、メモリ、HDD、ODD、グラボなどは流用し続けております。
サイコムに半完成品を組立代行して貰った理由は、当時CPUの取り付け方や規格の種類が良く判らず自信が無かった為。初代が約12年前、2台目は6年くらい前に購入。自作は昨年末の話。
BTOの時と順序を変えず、自力修理の内容をやや詳し目に。
パソコンを自力で修理する際の利点や難点
前回の故障し易いパーツの順で書いて行きます。
1.HDD(ハード ディスク ドライブ)
自作PCユーザならHDDを1本しか所有していない事はまず無いと思われ最低2本。PCを2台以上組立てた、または1回以上代替わりしているなら2本以上持っているものです。
パソコンを始めたいから構造を知る為に作ってみるとか、仕事用に自宅でもパソコンが要るから自作する、のような特殊な人を除く。ちなみに私は過去1年に動作確認したHDDは10本以上、ジャンクや故障を入れると20本以上所有しております。
さて、HDDが故障した場合。電源が入らないとかクラッシュ(異音)など、認識しない状態になったHDDをAとし、データ用HDDをB、使用済み予備HDDをCとすると。
いきなり新品を購入する手も有るけれど、パソコンが使えない状態がリアルタイムにピンチなので、応急処置としてCの内容をBへコピーし、Cをフォーマット。CをAの代わりとしてOS再インストール。
多くの自作ユーザはOSとは別のHDD(B)へデータを保存しており、Aが故障しても大して痛く無い事。私の例ではBをCへバックアップ、CをネットワークのHDDへ同期しており、HDD故障は日常的とさえ思っております。
メーカー修理との違いはHDDを複数本内蔵しており、代替えHDDを所有しているなら数時間で復旧出来てしまう事。
自作以外のユーザに「バックアップしよう」と良く書く理由が、普通の完成品PCはHDDが1台構成の為。自作ユーザでもデータをAに入れて飛ばして後悔する人も居るかと思いますが、バックアップするほど重要でも無かったデータとして諦めるのでしょう。
当ブログのBTOカスタマイズの例として、必ずと言えるほど2ndにHDDが追加で入っているのはその為です。
2.M/B(マザー ボード、メイン ボード)
自作で最も困ると思われる故障箇所がマザーボード。
不具合症状の多くは「電源が入らない」「画面が映らない(映像出力しないのか、BIOSが起動しないのか不明)」の2種類で、予備のマザーボードを所有しており、それと交換を試せる自作ユーザは滅多に居ないかと。OC変態など除く。
マザーボードが故障していると感じてもどうにもならず。
「電源が入らない」なら、電源を交換してみる、電気の知識が有るなら電源ユニットに直接テスターを当ててみる。その他、配線の抜けが無いか一応確認。
「画面が映らない」なら、メモリ、グラボ、その他PCIなどに挿さっている増設ボードを外す。確率は極小なものの、HDDやODDなどを外して行き最小構成に近付けて行きます。最小とは、マザー、電源、CPU(+クーラー)、メモリ1枚、Beep用スピーカー。
自作PCを組立した後、修理する際に増えるパーツがまず電源ユニット。上記の例では、テスターが使えないなら電源ユニットを交換してみるしか無く、予備電源として価値有りとして、自作するなら別に1本は持っておくものです。
「電源が入らない」場合、電源ユニットを交換しても駄目ならマザー故障の可能性が高まり、購入から時間が経っているなら、「マザーを交換するならCPUなど一式変えるか」という思考になり、予備パーツが一気に増加したり。
「画面が映らない」場合、電源交換で駄目ならメモリのスロット変更、グラボを外してBeep音が鳴るかを確認し、それでも駄目ならマザー「かも知れない」程度。上と同様、マザー交換するなら~となり、自作PCは更に金が掛かります。
また、マザーボードが保証期間内なら、本当にマザーが故障しているか判らず販売店に出すは博打になるものの、試す価値は有るかも知れません。
しかし多くの自作ユーザはそこまでしないでしょう。面倒、かつ新PCが組立出来る理由が出来る為。
3.VGA(ビデオ グラフィック アクセラレータ)
グラボはマザーボードの仕様次第で結構簡単に切り分け可能。
私が所有していた先代、MSIの915マザーの場合、マザー側に映像出力は無いものの、グラボを外して電源を入れるとBeep(ピッ とか ピポ)音が鳴る為、グラボが悪ければ外す事で機械音が聞こえる仕組。
Beepスピーカーが無い、鳴らないマザーの場合は切り分けが難しくなり、結局はグラボを別途購入し交換してみるという手順になるかと。
マザーと違いグラボは規格が変わっていなければ(2011年現在、PCI-Express x16接続が普通)、使用中のグラボより安くなっている可能性が高く、故障していなければ予備パーツが増えるのみ。
こう考えると、ゲームなどしないならグラフィックはオンボードやCPU統合が良さそうに思えますが、グラフィック機能がマザーに載っているならマザーが故障する可能性が高くなり、昔は一概にどちらが良いとは言えず。CPU統合なら良さそうでは有りますが知りません。
グラボが載っている自作ユーザなら、新品に交換出来る言い訳が出来たとして問答無用で交換する(買い足す)ものでしょう。
4.PSU(パワー サプライ ユニット)
マザーボードの項目で書いた通り、一度でも「電源が入らない」不具合が出たなら、その時点で電源ユニットは予備を購入するはめになっております。
ちなみに私は予備で400Wを1本、300Wを1本、20<->24pin変換を1本所有しており、他人のPCが不調で呼ばれた際は300Wと変換を持って行き最小構成で試行。
自作ユーザが近くに居るなら電源は借りる手もありますな。
5.RAM(ランダム アクセス メモリ)
メモリ不具合の切り分けは簡単。
最近は大容量かつ低価格化されており、1GB千円など自作ユーザの感覚で言うとゴミのような価格。適当に予備を持っていても良いけれど、無い場合の確認のやり方。
症状、PC起動せず画面真っ暗な場合。
- メモリ2枚以上、スロット2本以上・・メモリを1枚ずつ抜き起動を試す
- メモリ1枚、スロット2本以上・・スロット変更、駄目なら予備メモリ購入
メモリが2枚同時に不具合を出す事は落雷や相性以外に考えられず、突然おかしくなったなら1枚ずつ抜いて起動。正常起動した時に手に持っているメモリ、または抜いたスロットが不具合を起こしている可能性。
メモリ1枚の場合はメモリ不良の場合は新品を購入する事になるものの、スロット側の不具合なら変更する事で改善される可能性。要するにマザーボード側の不具合ですが、このパターンは結構有ります。
メモリを抜いて起動したなら、敢えてもう一度戻してみましょう。接触の問題なら元通りに戻しても正常起動する事が良く有ります。
メモリ1枚で無ければそのまま、1枚なら予備が1枚必要。出費は少なく作業も簡単。症状は「画面が映らない(BIOSが起動しない)」事が多め。
その他のパーツが故障した場合
前回の記事と同じ並びなので分かれているのみ。意味はございません。
液晶モニタはPCのアクセスランプを見る
モニタが映らない場合、PC本体側かモニタ側の故障か不明と言いたい所ですが、余程の変態マザーボードやグラボで無ければ、最近のパソコンはモニタを接続しなくともWindowsは起動するもの。
ノートも同様、暗過ぎるなどモニタが映っていなくとも、パソコン本体側が起動し(HDDの)アクセスランプが点滅しているならモニタ側の問題。スピーカーが有るならWindowsの起動音もするでしょう。しないならPC本体側が故障の可能性大。
ちなみにデスクトップを2台使っておりモニタも2台有るユーザなら、予備が有るようなものなので、端子が違うなら HDMI=DV=Dsub 変換も考えておきます。
光学ドライブは認識しなくなる程度
DVDドライブなどの不具合は認識しないなら買い替えで良く、読み取らないなどは本体やメディアに原因が有る為クリーニングしたり。
IDE接続(昔の規格)では、稀にPOSTでエラー表示される事も有ったもけれど、何番がおかしいか表示されている為、故障しているなら外せば終了。
CPUの故障は滅多に無い
BTOのメーカー修理と同様、CPUの故障は滅多に無く。
自作PCの方が故障率が高いと思う原因としては、私はやった事は無いけれどオーバークロックなどでしょうか。どのように故障するか知らないので不明。
もう一つは、物理的にCPUをぶっ壊してしまう事で、SandyBridgeでクーラーをきつく締め過ぎ焼いていた人が居たり、CPUの向きを誤り電源を入れてマザーを巻き添えにして故障など。それは私です。(2台前のサイコムPCにて自爆)
Windowsが壊れたなら再インストール
メーカーに依頼するわけも無く、普通にHDDをフォーマットしたりパーティションを切り、Windowsを入れてドライバを入れてアプリケーションを入れて完了。
頻繁にOSを入れ直す癖の有る人は、セットアップ完了時のイメージを取ったりフリーソフトでパッケージするユーザも居られます。私は面倒でも毎回入れ直す派。
自作PCの自力修理まとめ
自力で修理する場合、大抵こうなります。
- ハードディスクを複数本所有している
- 予備の電源ユニットが1台以上有る
- 使っていないメモリを何故か在庫中
- 故障しているか良く判らないグラボなど持っている
- 所有(在庫)パーツを持っている理由が分らなくなる
総額でおおよそ2万円程度。組み直しで規格が変わると一気にゴミになるパーツも有る為、数年毎に1~2万円の維持費が要るとも言えます。私のように予備HDDをおかわりしまくったりなど。
自力で修理する暇や趣味が有るなら結構ですが、無いならメーカー修理が無難。BTOパソコンのデスクトップなら、ナショナルブランドのようにHDD交換5万円~などは有り得ず、取られてもリカバリ含め2万円前後。心配なら保証を延長しましょう。
以上、自作は面倒という話では有りますが、興味が有り自由になる金が有るなら、趣味にすると面白いかも知れません。
『FF14』を遊ぶために自作PCを作る生放送で8時間以上も格闘する男! ファンの向きが逆? - ガジェット通信
http://getnews.jp/archives/75202
楽しそうですな。
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