擬似Chromebook(Chromium OS)の入れ方と使い方(前編)

2014年3月12日

Chrome OS仕様のPCは国内未発売。

日本でChromebookを使うには輸入するか秋葉原などで探す事になるものの、Chrome OS仕様の利点と言える安さが薄れてしまう為、Chrome OSの元となっている無料のChromium OSにて使用感などをレビュー。

前編はダウンロードからHDDへのインストール方法、起動するまで。

Chrome OS(Chromebook)とは?

箇条書きにて。

  • Chrome OS・・・Googleが作った無料のOS
  • Chromebook・・・Chrome OS仕様のノートPC
  • Chromium OS・・・Chrome OSの原型や亜種のような感じ

特徴を簡単に書くと、

  • WindowsでもMac OSでもない
  • 基本的にChromeブラウザ上で操作
  • ソフトはGoogleウェブストアのアプリを利用
  • Chrome OSは無料でアップデートされ続ける
  • Chromium OSは無料のオープンソースプログラム

ChromeとCromiumの違いは、

  • Chrome OS・・・GoogleがPCメーカー用に完成品として搭載
  • Cromium OS・・・Googleが無料でソースを公開し自由に改造可

大きな違いは、ChromeはGoogleが最初からパソコンに入れて売る形態。Chromiumは配布している形がプログラムのソースなので、開発者がコンパイルという作業でWindows用などのファイルへ変換しなければ使う事が出来ない点。

というわけで、私のような「コンパイル?ぷよぷよの?雑誌の名前?」とか言い始めるような素人には使う事が出来ないOS。しかし、コンパイル済のファイルもばら撒いて良いようで、それを利用させて貰えば素人でも利用可能。

PC初心者でも分かるように、Chromium OSが簡単に使えてしまうよう解説しているつもりで参ります。

難関かも知れない点を挙げておくと以下。

  • USBメモリを元に戻す(フォーマットが普通と違う)
  • ブートデバイスの変更(BIOS設定または起動直後の選択)

先に以下をざーっとお読み有れ。意味不明ならやらない方が安全。

 

Chromium OSのダウンロードとインストール

インストールに関する詳しい解説が不要ならこちらをどうぞ。私も1の説明を参考に作業しております。 

Chrome OSをパソコンに導入する手順解説スレ : IT速報
http://blog.livedoor.jp/itsoku/archives/37343445.html

省略されすぎて良く分らない人や見るだけな人用にここから細切れにて。

準備する物は、

  1. 容量3GB以上のUSBメモリ
  2. USB端子の付いたWindowsパソコン
  3. 古すぎないパソコン ※2と共用可

有った方が良い物は、

  • 上の2とは別のパソコン
  • USB3.0対応メモリや端子

Chromium OSのファイルが2.5GBくらい有るので、それが入るUSB接続の記録媒体が有れば他には別のパソコンが有れば良い程度。

流れと時間を先に書いておくと、

  • Chromiumダウンロード・・・20分くらい ※下り100Mbpsの場合
  • 圧縮ファイルを展開・・・数十秒 ※PC性能による
  • USBメモリへ書込・・・5分くらい ※USB性能による
  • Chromium OSの起動・・・30秒くらい

1時間も有れば余裕。

Chromium OSのダウンロード

2chまとめ1の解説通り、こちらからChromium OSをダウンロード。スクリーンショットはChromeブラウザにて日本語翻訳したもの。

Chromium OS Builds
http://chromium.arnoldthebat.co.uk/

Chromium OS Builds 日本語訳

説明の下には3種類のフォルダが有り、dairy、special、weeklyから適当にdairyをクリックして一覧を表示。

chromium-os-build

ブログの解説を読むと毎日や毎週で自動コンパイルされているようなので、どれでもよろしいかと。普通は最新版でしょうな。

ここでは、「Camd64OS-(日付).img.7z」をクリックしてダウンロード。64はおそらくCPUが64bit対応という意味と思われ、64bit対応していない、目安として7年以上くらい前のパソコンならCx86OS~で試してみましょう。

7zは圧縮ファイルなのでフリーソフトの7-zipなどで展開。利用中の解凍用ソフトが7zに対応しているかも知れないので確認してみましょう。

ダウンロード時の圧縮ファイルは270MBくらい、しかし展開すると2.6GBくらいのイメージファイル(Camd64OS-(日付).img)が1つ出て来るので油断されぬように。

起動出来る形態でUSBメモリへ書込

イメージファイルが出来たならUSBへ書き込む準備を。そのまんまUSBメモリへコピーしても何も起こらず、起動出来るようUSBメモリを丸ごと書き換える必要がございます。

ご丁寧にブログから書込ツールへ誘導されていたので素直にこれを使いましょう。ダウンロードページが分かり難かったので直リンク。

Win32 Disk Imager /Archive at SourceForge.net
http://sourceforge.net/projects/win32diskimager/files/Archive/

win32diskimageダウンロード

上から3番目のようにダウンロード数の多いバイナリファイルのリンクをクリック。すると別ページでカウントダウンが5秒くらい有り、自動的にWin32 Disk Imagerが落ちて来るので、zipファイルを展開し Win32DiskImager.exe を実行。

win32 diskimager USB起動用に書込

青いフォルダアイコンを押し、先ほどダウンロードしたimgファイルを選択。その右(Device)のドライブ名(上の画像ではGドライブ)がUSBメモリになっている事を確認し、Writeボタンをクリックすると書込開始。

書込前に注意書きが出るので、該当ドライブの中身が全部消えて良いならOKを押すとプログレスバーが右へ動いて行き、私のPCとUSB2.0メモリでは5分くらいで完了。

これでUSBメモリがChromium OS起動用ストレージという事になり、Windows上からはアクセス出来なくなったはず。フォーマットが違うのでWindowsからは認識出来なくなる為、この点が不安ならやめておきましょう。

USBメモリを元に戻す方法

ここまでやったなら、USBメモリの中身がえらいことになっているはず。

chromium-usb-format

上の画面は、「コンピューター」を右クリックし「管理」を選び「ディスクの管理」を表示した所。上から10個とGドライブがUSBメモリで、下の表示(ディスク8)で分断されているように細切れに。

コンピューターを開きUSBメモリをフォーマットしても1GBになってしまい、先にボリュームの削除などをしなければ全体が使えなくなってしまうという罠がございます。

戻す方法は、私は面倒なのでパーティション変更するフリーソフトで削除。

パーティション変更が簡単に出来るフリーソフト
https://bto-pc.jp/repair/partition-resize-free-soft.html

意味が分らない場合、USBメモリを元に戻せなくなる可能性が有るので、この点だけは充分ご注意有れ。Chromium OS USBメモリとして永久保存版にするなら問題ございません。

ドライブやボリュームを削除する際は、下手するとHDDなどを消してしまい兼ねない危険な作業という認識を。

 

Chromium OSの起動とHDDなどへのインストール

USBメモリからChromium OSを起動

USBメモリをChromium OSで起動したいパソコンへ挿し、ブートデバイスをUSB起動へ変更。ブートの変更はBIOS設定から、またはPCの電源をオンにした直後からファンきションキーを連打。これはマザーボード(BIOS)により違うので「このキー」とは言えない。ちなみに私のノートは「F7」。

荒業としては、DVDなどは入れずHDDを全部抜いてしまうという手も有りますな。それならUSBから起動するしか無くなるという。Chromium専用PCにするなら有りかと。

USBメモリから起動すると、私のCeleronノートでは30秒くらいで起動。

Chromium OS起動

最初に言語とかを設定し、無線LANで接続するかなどを問われるので適当に設定を変えて次へ。

Chromium OSログイン

ログインするか聞かれるので、いつも使っているGoogleアカウントでログインしてみましょうか。

アイコンの選択

すると左上にアイコンが出るはず。どうでも良いけれど信長公に設定。

エクステンションの同期

ログインすると画面のロックが解除され、Chromeブラウザが開き、Chromeブラウザへログインして同期していたなら、自動的にブックマークや拡張もこちらで使えるという便利な仕様。

左下のボタンを押すとアプリのショートカットもこちらで利用可と判明。

シェルフの表示

設定は右下のアカウントアイコンを押すとChromeブラウザにて変更可。Windows用のChromeとはやや違い、ここでOSとしての設定も出来るわけですな。

Chromium OSのゲスト利用 

Windowsのようにフォルダやショートカットなどがデスクトップ画面に有るデザインでは無く、基本的にChromeブラウザ上で何でもやるという設計。

HDDなどへのインストール

私はSSDへ入れたのでHDD「など」としております。これをやるとHDDなどの中身は即座に消えてしまうので充分ご注意有れ。USB起動で良いならこの作業は不要。

USBからChromium OSを起動した状態で、Ctrl + Alt を押しつつ「t」キーを押してターミナルとやらを起動。

Chromium OSをSSDへインストール

crosh> と表示されるので install と入力してEnter。

Chromium OSをSSDへインストールその2

Password: の後に password と入力してEnterしております。上の画像は黒塗りしているのでは無くpasswordの文字が非表示。タイピング中は見えないけれど文字は入っているので気にせずEnter。

(y/N)? の問い合わせが出るので、HDDの中身を全部消してChromium OSを入れても良いなら y と入力。

するとインストールが開始し、私の環境では約7分で以下の表示で停止。

Chromium OSをSSDへインストール最終確認

crosh> でコマンド待ちになるので、この状態になったならUSBメモリを抜いてパソコンの電源を入れ直してみましょう。うまく入ったならHDDから起動するはず。

 

Chromeブラウザ利用前提のクラウドモバイルOS(まとめ)

Chromium OSをしばらく使ってみた感想は、用途がウェブブラウザの機能+アプリで良く、それ以外のWindowsのソフトなどを使わないなら問題無いと言えるOS。

特にGoogleアカウントで何でもやってしまう人なら最適。

長くなったので動画は次回に持ち越すけれど、USB起動でも30秒くらいなので、Windowsを入れた直後のHDD起動並に速く、パソコンの前でOS起動を待ってイライラする人にも最適でしょうな。

逆にHDDへ入れても30秒切れるだけで大した恩恵は無い為、HDDはWindows、USBからはChromiumという使い方が合っていると感じております。ちなみにSSDなら7秒。

となると、このOSの使い方はパソコン丸ごとモバイルでは無く、USBメモリでモバイルという超小型携帯OS入りストレージとも考えられましょう。

もっと言えば、移動先のパソコンの持ち主がChromiumを持っているなら、何もモバイルせずクラウドのみで100%自分のPC環境が利用出来るという、モバイルを超えたクラウドの本質的な利用価値を体験可能。

個人的には、LinuxのGoogle版亜種、オープンソースらしい良く解らないOSという印象が有ったものの、Googleアカウントを使いこなすならChromeブラウザで何でも出来てしまえる為、条件さえ合えば完成度は高いと感じており「これがタダなのか?」と感心した次第。

というわけで、今回はインストールと利点ばかりを書きまくったけれど、後編では難点が盛り沢山。期待せず明日の続きもどうぞ。


2014年10月18日追記:今週上がる記事でも書くけれど、安定版を国内でビルドしたというお便りを頂戴したので、意味が判る人はこちらもどうぞ。

Chromium OS Canalビルド
http://www.canal.mokuren.ne.jp/ChromiumOS/usb.html

コメント(3)

>「コンパイル?ぷよぷよの?雑誌の名前?」
わたし的にはセガに代わって以降の作品は好きじゃないな

>Chrome OS・・・GoogleがPCメーカー用に完成品として搭載
こっちを単体で配布せぇよとつくづく思う件
広告屋商売なのにそんなにハードが売りたいのだろか?

>古すぎないパソコン ※2と共用可
∩`・◇・)ハイッ!! Prescott機は「古すぎ」に入りますか

>USB3.0対応メモリや端子
それじゃまず用意するUSBメモリ自体を3.0対応のヤツにせんとイカンね
というか、そうでないと意味ないですねw

>圧縮ファイルは270MBくらい、しかし展開すると2.6GB
そういえばネットワークインフラ系のログアーカイブの中から、20MBのZIPファイルを何も考えずに展開したら5GBが全テキストなログファイル爆誕!ってなったことがありますなw

>先にボリュームの削除などをしなければ全体が使えなくなってしまう
>戻す方法は、私は面倒なのでパーティション変更するフリーソフトで削除
ん? いや、だからフリーソフト使わなくてもdiskmgmt.msc(ディスクの管理)上から全部ボリューム削除してやればいいのじゃないの?
そうか! たくさんあるから一個一個やるの('A`)マンドクセってことかw
いやいや、いちいちアプリ立ちあげて削除するのもよっぽどじゃなかろうか

>HDDなどを消してしまい兼ねない危険な作業という認識を
これはR-Studioが捗るなw

>「このキー」とは言えない。ちなみに私のノートは「F7」
F11、F12あたりが多い印象(適当)

>無線LANで接続するかなどを問われるので適当に設定を変えて次へ
初心者はその「適当」を知りたいのじゃなかろうかと思ったりw

>すると左上にアイコンが出るはず。どうでも良いけれど信長公に設定
デフォルトで選択肢に入ってると思われるからヤメぃw

>ログインして同期していたなら、自動的にブックマークや拡張も
それじゃ既存のChromeアカウントでダッシュボードから同期設定してないヤツは、設定降りてこない(同期しない)んですかね?

>Windows用のChromeとはやや違い、ここでOSとしての設定も出来る
>基本的にChromeブラウザ上で何でもやるという設計
じゃあとりあえずは画面スクショ用のアプリでも入れましょうかw

>SSDへ入れたのでHDD「など」としております
さては砂じゃないほうのIntelだな? アレは優秀だから問題ないなw

>crosh> と表示されるので
くろシェルとでも呼ぶのだろうか? なんかちょっとカッケーなおいw

>それ以外のWindowsのソフトなどを使わないなら問題無い
でも実はソレが一番ハードル高いというか、何かしら使いたくなるんだコレがw

>特にGoogleアカウントで何でもやってしまう人なら最適
さすがに「何でも」ってわけにはいかないから困る

>パソコンの前でOS起動を待ってイライラする人にも最適
それはもうWindowsかChromeとかの問題じゃなくて、ストレスがマッハ的に考えて体に悪いだろうからPCやめたほうがいいと思うのw
てか、常時稼働にしろ(正論)

>USBからはChromiumという使い方が合っていると感じております
挿しといて邪魔にならんタイプのUSBメモリ(長くないの)がいいですねw

>ちなみにSSDなら7秒
さすがに純正Intelは違うな(小並感)

>USBメモリでモバイルという超小型携帯OS入りストレージ
紛失してもローカル上に個人データ無いから情報流出もしないしなw

>移動先のパソコンの持ち主がChromiumを持っているなら、
>何もモバイルせずクラウドのみで100%自分のPC環境が利用出来るという、
>モバイルを超えたクラウドの本質的な利用価値を体験可能
いや、(Windows上の)Chrome使えればそれでいいんで
というか、むしろソレのが望ましいのでw

>LinuxのGoogle版亜種、オープンソースらしい良く解らないOSという印象
もっさり感はどうです? ubuntuあたりはあのもっさりが気に入らない

普段はこのサイトとfeedlyとTwitterしか使っていないので、Chrome OSでも十分そうですね。
IE6ではfeedlyが使えない(Twitterと違ってWindows用のfeedlyクライアントアプリもない)のがネックでしたが、解消されそうです。
これならXPサポート終了しても大丈夫ですね!

>古すぎないパソコン ※2と共用可
Celeron M、メモリー512MB、HDD100GB、MOBILITY RADEON 9700のXPノートPCは大丈夫ですか?

私のPCだと、デスクトップ2台とノート1台、共に起動さえしないのですよね。UbuntuやKNOPPIXなど、Linux系のOSはUSBブートできるため、設定が間違っているわけでは無い模様。やはりFirefoxをメインブラウザに使用している事を恨んでいるのでしょうか。


>Chromiumダウンロード・・・20分くらい ※下り100Mbpsの場合
私の下り1GBbps環境だと、平均DL速度7.26MB/sで所要時間は32秒でした(いま計測)。時間帯によっても大きく左右されそうですね。

>圧縮ファイルは270MBくらい、しかし展開すると2.6GBくらい
こちら、解凍したファイルをZIPで再圧縮すると、サイズは330MBくらいになりました。ソフトによっても圧縮率は微妙に異なるでしょうが、7zの優秀さを改めて確認。

>上から10個とGドライブがUSBメモリ
初めてここを確認しましたが、確かに凄まじい状況ですね。誤って違うストレージにインストールしたら悲惨。

>戻す方法は、私は面倒なのでパーティション変更するフリーソフトで削除。
私はHDDGURUというメーカが提供している「HDD LLF Low Level Format Tool」を使用しています。クイックフォーマットも出来ますが、名前からも分かる通り、ローレベルフォーマット用のツールです。英語オンリーですが動作は高速で、特に私の環境では、動作が怪しげになったUSBメモリでもこれまで100%フォーマットに成功しているため、時間が掛かっても完璧にフォーマットしたい、という方にはお勧め。

HDDGURU 「HDD LLF Low Level Format Tool」
http://hddguru.com/software/HDD-LLF-Low-Level-Format-Tool/

ちなみにローレベルフォーマットの場合、私の環境では4GBのUSBメモリで10分くらい掛かります。


>荒業としては、DVDなどは入れずHDDを全部抜いてしまう
これSDカードにChromium OSを入れて、PCに接続されているメディアカードリーダに入れておけば起動できるのでしょうかね。SDカードは8GBでも1,000円くらいで買えますし、USBコネクタを潰す必要が無くなるため、SDカードから起動できるならノートPCだと便利かもしれません。


これインターネットへ接続していないと、ログインができない仕様で合っていますかね。それだとネットワークアダプタのドライバが当たらないとログインできない、ネットワークアダプタが壊れるとログインできない、ルータが壊れるとログインできないと、やや使い勝手が悪いような気もしますが、ブラウザが使えれば良いライトユーザはその辺りは割り切って使用するのですかね。

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