ドスパラ、ツクモ、フェイスがBTOでCore i7 2700Kを搭載し新発売。
新CPU発売と同時に販売開始するメーカーは、いつもなら、ドスパラ、パソコン工房、マウスコンピュータと並ぶ所が今回はマウス無し。フェイスはパソコン工房系(ユニットコム)なのでいずれ工房やTWOTOPにも同じ物が出ると予想し、本文では「パソコン工房(系)」としております。
i7-2700搭載PCの価格と構成の比較、そしてBTOパソコンとしての考え方。
Core i7 2700K搭載BTOパソコンが3社より発売
ソースは今来たリリース、PC Watchより。
【PC Watch】 TSUKUMO、フェイス、ドスパラからi7-2700K搭載PC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111024_485392.html
上位モデルはオリジナル要素が強く比較が難しい為、最安構成より。
パソコン工房(「系」は以下省略)とその他の価格差は約1万円。PC工房はフェイスがさぼっているのか未だ販売ページの掲載無く、カスタマイズページが見えないので電源容量が不明。
細かい所は見なかった事にし、価格差は主に、チップセット、グラフィック(以下、グラボ)性能の違い。ドスパラのみHDDが2TBは単純に利点。1TBの在庫が捌けて来たのか、宣伝用なので競合を意識し2TBとしたのでしょう。
一覧に載っていない各メーカーの特徴を解説。
ツクモのケースはこだわりのオリジナル仕様(らしい)
どう見ても量産型のケースではあるものの、夏頃しきりに宣伝していたケースも同様にツクモのオリジナル。夏版は窒息ケースかと思ったけれど、今回の物は良さそう。内部の写真は無いけれど。
防塵フィルタを付けているらしいので汚れるなら掃除は短期間がお勧め。中にホコリが入りにくくなる代わりに吸気に問題が出る為。
マザーボードはASUS、HDDはWesternDigital、電源はTopower。それぞれ型番表記有り。メーカーは個人の趣味ではあれど書かれている事は良い事。
ちなみに書かないメーカーや詳細の無いパーツは、安く仕入れられる物などに随時切り替わる為。書かないのでは無く在庫の都合で書けない。ツクモの仕入が小規模という事でしょう。
パソコン工房はケースがクラマス、マザーもおそらく写真が掲載
詳細どころかi7-2700Kの機種が載っていないので解らない事が多め。しかしPC工房系は詳細でマザーボードの写真が掲載される為、インターフェイスなどが知りたい人にはよろしいかと。
ケースはクーラーマスター。使用詳細に「CM690ⅡPlus (RC-692-KKN1)」と有り、市販の最安は約11千円。メーカーや価格という見方では無く、構造も良いケース。
電源は不明。カスタマイズに上がれどワット数のみ書かれる為、メーカーにこだわる人は無しでしょう。ちなみに私はこだわらないので有り。
ドスパラはクーラーやケースまでカスタマイズ可能
マザーやグラボなどあらゆるパーツの詳細が判らないドスパラ。イコール駄目だという意味の判らない人も居られますが、電源のみDELTAと書かれておりました。私に言わせるとだから何だ程度。
ドスパラの特徴はケースをカスタマイズという、サイコムやショップブランドのような変更が特徴。それなりの価格ではあるけれど、本当にケースを変えたいなら自作や改造するとCPU、クーラー、メモリ以外は全分解になるので、見た目にこだわりたいなら変更しましょう。
以上のような見方をしつつ物足りないなら自作しろと。
BTOパソコンとしてi7-2700Kモデルを各種比較
価格の比較用として、上と同じ表に7行追加。
本体のみではPC工房系と他の2社が約1万円の差。
送料を込にするとツクモが最高値
ドスパラは本来有料なものの年中無料キャンペーンなので0円としております。パソコン工房は時々無料。
以前協力戴いたアンケートでは送料は気にしないという人も結構居られ、それはそれで良いけれど、物が高価なだけに金銭感覚を狂わせないように。
ポイントを使う前提ならツクモよりドスパラが高め
私はポイントは忘れる派なので、購入する際にポイントが有れば気付き、失効しても気付かないパターン。
BTOパソコンを購入するという事は、パーツ単体を買わない前提になる人が多いと思われ、ポイントが有れど意味が無いならスルーし損した気分にでもなっておきましょう。
長期保証(有料)はドスパラが工房の2倍、ツクモは劣化注意
ドスパラは約1年前の改悪で保証費用が約2倍に値上げとなり、据え置きなパソコン工房が安目。ツクモは2年目以降の補償額が下がる仕様なので高性能PCは要注意。
P込はポイント相殺込、無しは含まない総額。個人的には長期(+2年延長)保証を勧めてはおりますが、故障しない自信(主に運)が有るなら無しで良いでしょう。
更にBTOパソコンとして突っ込んで参ります。
CPU、グラボ、チップセットの差について考える
先にドスパラのHDDについては、1TBと2TBの価格差がほぼ無く、仕入れは知らないので市販価格で言うと1TBが4千円台、2TBは6千前後なので大差無し。録画なら別として、パソコンで1TB以上使う人はそう居ない事も有り。
電源も容量に余裕が有るからメーカーが積んでいるわけで問題無し。電源ユニットのメーカーにこだわるなら自作しろ、で。
ではCPUとグラボとチップセットについて考えて参りましょう。
BTOパソコンでi7-2600Kとi7-2700Kの性能差は微妙
2700K発売前までの最高性能は2600K。上回った性能はどこが違うのか比較すると、微妙過ぎて利点とは思えず。
- i7-2700K・・3.50GHz/TB最大3.90GHz、4C/8T、L3:8MB、TDP:95W
- i7-2600K・・3.40GHz/TB最大3.80GHz、4C/8T、L3:8MB、TDP:95W
違いはクロック周波数のみで通常時とターボブーストの最大が0.1GHz。
この差を見て「2600Kを買うんじゃなかった!」と思う人間は、K付の特性を生かし趣味でオーバークロックの限界に挑戦している自己満足ユーザのみ。しかしそのような人は2700Kを喜んでおかわりするので問題無いでしょう。
箱売り単品の価格差は、価格コム最安で(10/24夜現在)
- Core i7 2700K BOX・・約28千円(販売店舗:1、ドスパラのみ)
- Core i7 2600K BOX・・約24千円(販売店舗:39、ドスパラは約25千)
価格差は約4千円。ドスパラ基準にすると3千円。競合するショップが増え時間の経過で2700Kは値下がりするでしょう。
話を戻すと、定格(オーバークロックしない)の状態で体感で差が解る程の変態は居ないと思われ、私なら間違い無くどちらが2700Kまたは2600Kか判らない自信有り。
そしてBTOメーカーPCでは2600Kでは無く2600が多め。倍率ロックされているだけで性能は2600「K」と同じなので、やはりオーバークロック遊びに興味が無ければ違いは誤差程度。
BTOパソコンで標準搭載のグラボに大した意味は無し
なぜグラボが載っているかは、パソコンが全体的に高性能な構成になると、メーカーはバランスを取りたがりそれなりのグラボを搭載するという、昔ながらの定石や談合でも有るのでしょうか。
悪く考えると、BTOパソコンを買うようなユーザはパソコンの事を良く解っていないはずだから無駄でも載せておく。または、バランスが悪い(高いパソコンなのにゲームが出来ないなど)とクレームを言われても困る、とかでしょうか。
ゲームをする前提ならゲーム推奨PCとして出せば良く、しないならi7-2700K内蔵GPU(グラフィック機能がCPU内に有る)でよろしいかと。
パソコン工房はP67なので無理としても、Z68のこの構成でグラボ無しとかやると、私が個人的にビビる上手い売り方。GTX560、Ti付いずれも(玄人志向を除くと)最安で相場は現在約2万円。カスタマイズで抜けない不思議。
ちなみにPassMarkでビデオカードのベンチマーク統計を見ると
- GTX560Ti・・2968
- GTX560・・・2735
- GTX550Ti・・1882
性能差は有るけれど、ゲームをするならそのゲームに合わせてグラボを選ぶ物と思われ、とりあえず付けておくというやり方は、深く考えるとどうかと思われます。
BTOパソコンでチップセットの違いはかなり意味が無い
Z68とP67の違いをBTOパソコン用として簡単にすると
- P67・・映像出力(端子)が(マザーボードに)無い
- Z68・・映像出力有り、SSDキャッシュ化(SRT)が可能
いずれもグラボ無しはカスタマイズで不可なのでZ68で使えるCPU内蔵GPUを使わなくなり、インテルSRT仕様のカスタマイズは上記モデルでは無い為それも意味無し。
気分的にZ68の方が良い、今後改造する予定が有るなどなら結構ですが、保証期間内にやらかすなら修理に出す際は元に戻すという手間がございます。
チップセットの違いにこだわるくらいなら、ドスパラのようにマザーボード詳細不明は納得行かないと思われ、ツクモやパソコン工房のようにメーカーが決めたマザーも駄目という人が多いでしょう。そう、自作でやれ。
Core i7 2700K搭載BTOパソコン3社で比較まとめ
例として先日書いた記事、ドスパラのFF11推奨パソコンの構成。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit版
- CPU:Core i7-2600 (3.40GHz/TB最大3.80GHz/4コアHT対応)
- マザーボード:H67 Express チップセット ATX
- グラフィック:NVIDIA GeForce GTX550 Ti 1GB
- メモリ:4GB(DDR3 SDRAM PC3-10600 2GBx2)
- HDD:1TB(SATA6Gb/s対応)
- DVD:スーパーマルチドライブ
今回発売のi7-2700Kとの主な違いは、CPU、チップセット、グラボ、ついでにメモリとハードディスク容量。
CPUは先に書いた通り、オーバークロックしないならi7-2600で良く0.1GHz差が体感出来る変態以外には違いが判らないでしょう。
チップセットはゲームをしないならの前提で、H67ならCPU内蔵GPUで出力可能。上のFF11パソコンならグラボ抜いても映像出力できる仕様。
そして価格は約8万円(79,980円)。ドスパラなので同メーカーで比較すると約2万円の差。HDDとメモリも違うけれど、1TB以上や4GB以上が必要か否かでしょう。
というわけで、今回のCore i7 2700KはBTOメーカーが宣伝のネタとして出している物で良く有る事。特に進化したわけでも無い自作PC用のCPUです。
2chまとめでチラ見したコメントでは、これで2600Kが値下がるという意見が有ったものの、過去を見るとインテルが決めねば値下がりは無い御様子。リプレース(2600Kが消滅)という線も有りましょう。
要するに待てば待つほど安くなり性能も上がると。
自作パソコンでオーバークロック前提なら大有りな構成かと思うけれど、BTOパソコンとしては今回の新製品はほぼ意味の無い仕様。
なぜ宣伝しているかは新製品やゲームが出た時くらいしか販促や広報ができないBTOメーカーの苦悩が見える気がするけれど気のせいかも知れない。
そう思うとマウスはCPUを熟慮したのか。否、単なる出遅れでしょう。
コメントする ※要ユーザ登録&ログイン