タブレットPCというより一体型パソコン。
通常と違う所はOSがWindowsでは無くAndroidな所で、見た目は一体型PC、中身は板PCやスマートフォンのような物。Windowsが載らないお陰か価格が安くなっており、Androidなので性能や容量が低くて良く更に安価。
ネタや罠に見えるけれど、個人的に良いと思うので適当に紹介。
毎回書くのが面倒になって来たけれど、この記事は私の日記で有り、神代から依頼されたり金を貰った宣伝ではございません。
タッチ操作対応21.5型Android 4.0搭載モニタ「Smart Display」
詳細を見るだけならIT mediaかPC Watchがお勧め。何故かやたら興奮している記事が良いならASCIIをどうぞ。
- KOUZIRO、Android 4.0搭載21.5型液晶「Smart Display」-ITmedia
- 【PC Watch】 KOUZIRO、フルHD 21.5型のAndroid 4.0タブレット
- 世界最大級、巨大すぎるAndroid端末がKOUZIROから - ASCII
21.5インチという大きさがノートユーザには分かり難いと思うけれど、ネットブックのような10~11型液晶モニタと比較すると縦横が2倍で面積は4倍、7型のタブレットPCと比較すると縦横3倍で面積は9倍のサイズ。
画面解像度もフルHDと高いので、実際の表示で比較すると更に大きくなるでしょう。ちなみに23型モニタと比較すると、縦横が各2cmくらい小さい程度。
主な仕様を引かせてもらうと
- OS:Android 4.0 ※Google Play対応
- CPU:TI OMAP 4428(1GHz、2コア)
- メモリ:1GB(LPDDR2)
- ストレージ:8GB(eMMC)
- モニタ:21.5型ワイド液晶光沢(解像度:1920x1080)
- 無線:IEEE802.11b/g/n、Bluetooth2.1+EDR
- 有線:USB2.0x2、Micro USBx1、100BASE-TX、Micro HDMI入力
- その他:マルチタッチ(2点)、microSDカードスロット(SDHC対応)
- サイズ:幅512.8x奥24.8x高353.0mm
- 重量:約5kg ※ACアダプタ含む
以前叩き売っていた7型の妙な板PCとは違いAndroidは4.0、しかもPlayに対応は大きいでしょう。逆にいうとGoogle Play非対応端末の意味が私には不明。
CPUは良く解らないけれどやや高性能と思われ、スマートフォン仕様でメモリが1GB有れば充分かと。ストレージはHDDでも行けそうなもののNANDフラッシュ。
モニタは見た目がでかいだけでは無く高解像度。同じく大きさに関わると思う箇所は、スマホ仕様の割に100Mbpsでは有るものの有線LAN有り、MicroなもののHDMI入力可。普通サイズの端子からの変換は700円くらいで売っております。
この性能や拡張性で約3.5万円は高いとは言えないでしょう。私の感覚では安いとも思わないけれど。
フロンティアの「Smart Display」の利点と難点
各3つで利点から行きましょうか。
デスクトップユーザには省スペース化
例として私の場合はデスクトップPC2台を23型モニタに接続しているけれど、これをSmart Displayに置き換える事で若干サイズは小さくなるものの、Androidまで付いて置き場所はほぼ同じ。
やや苦しいけれど、タブレットPC分のスペースが省略出来るので、でかいモニタを元から設置しているなら利点と言えましょう。やらないけれど23型とデュアルにすると贅沢。
タブレットPCより性能や拡張性が高い
性能はフロンティアの発売と思えない抜け目の無さで、性能にケチの付け所が無し。ストレージ8GBは少なく感じるけれど、私がGALAXY Tabで20個くらい適当にアプリを入れても1GB行かないくらい。
拡張性は増設の方では無く、無線LANのn付き以外に有線も有り100Mbpsに対応。Bluetoothも2.0ながらケチってはおらず、USB2本は物理的に大きい為かと。安くするなら削る所を特に無くしていない辺りは、後の増設(改造)がほぼ不可能なので利点。
比較的安くAndroid環境を導入出来る
モニタのサイズや性能を見ると、PC用モニタなら1万円強くらいの価値。Smart Displayは3.5万円なので2万数千円で高機能なAndroid端末を購入出来る事になり現状では安めな方。
中国直輸入で1万円前後や2万円を切る物も有るけれど、Androidのバージョンが低かったりGoogle Play非対応、その他操作や表示に難が有ると噂されており安いなりの物。それを踏まえると国内メーカーのサポート有りなら安いと言えましょう。
難点も3つ。
アプリがどこまで対応しているか不明
OSのAndroidはARMプロセッサという低性能CPUでも動作するよう作られており、Google PlayはスマートフォンやタブレットPCなどの低解像度用が多め。実際、タブレットPCでアプリを探していると解像度が合わず使えない物がございます。
フルHDという高解像度は良いけれど、フロンティアの公式ページを見るとAndroid使用中は解像度の変更は不可となっており、どのような弊害が出るか不安。
電話や板PCと比較すると用途が限定
上とかぶるけれど、元々Android OSは移動用端末に向けて作られている為、カーナビや地図のような機能が標準で付いていたり、タッチ操作前提としてソフトウェアが提供されております。
さすがにバッテリ無しの幅50cm以上で5kgも有る物をモバイルするわけには行かず、固定で設置したAndroid端末にどこまで価値が見出だせるか。携帯端末より用途は限られ、メールやウェブブラウザ専用に近くなるのでは。
固定設置ならWindowsで良いのでは?
Androidの利点はWindowsより起動が早い事。しかしそれはWindowsでいうハイバネーション(休止状態)のようなもので、本当に電源を切り起動すると(GALAXY Tabの場合)SSDに入れたWindowsくらいの起動時間が必要。
移動しないならデスクトップPCで良く、省スペースが良いならノート。持ち歩きたいならタブレットPCやスマホで良いという、中途半端な形態と言えましょう。
フロンティアより21.5型タブレットPCが約3.5万円(まとめ)
バランスを取る為に利点と難点をそれぞれ3としておりますが、私が思う最大の難点はモニタを立てて固定した状態のタッチ操作に無理が有ると思う事。
デスクトップでもノートでも良いので、今パソコンでこれを読んでいるならモニタを人指し指でタッチやドラッグしてみましょう。爪が当たるはず。爪の長さによりモニタの角度を付けなければ操作に難有り。
更にそこから人差し指と親指で拡大(つまんで広げる)操作をしてみましょう。出来ない事は無いけれど、更に爪が当たるのでモニタに角度が必要。
タッチ操作は端末を水平に近くした状態で考えられている為、モニタを立てると操作が難しくなる仕様。更にモニタと目の距離が腕の長さになるので、かなり近付いて操作する事になり不自然。
性能やインターフェイス、価格だけを見ると割安で面白そうな端末では有りますが、万人受けでは無く需要の限られる特殊な機器。他社がやらないのは用途と需要を考えての事でしょう。
それを無視してリリースしたフロンティアはある意味凄い。いつもより宣伝(プレスリリースの拡散量)が多いのは売れると思っているのでしょうか。
自分ならこの端末をどういう用途でどこに設置し何をしたいのか考えてみましょう。それがWindowsでも出来るなら、やたら高く低性能な小さめ液晶モニタになるのでスルーが正解。
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