富士通が2012年の春モデルを発表。
今月から来月に掛けては年に3~4回有るモデルチェンジの時期。今年は富士通が真っ先にプレスリリースを撒いたので釣られて見る次第。富士通に限らないけれど、有名メーカーのパソコンの新発売がどのくらい高額かご覧有れ。
普通の人やPC初心者の人に知って欲しい事。
お約束がてら一応断っておくと、私は富士通が嫌いなわけでは無く、他のメーカーが推奨とも言ってはおらず。以下は判断材料の一つとして鵜呑みせずどうぞ。
発売予定はいずれも2012年1月19日。未来から来た人も、富士通クラスのメーカーがどのくらい高額なのか価格を率として比較してみましょう。
富士通ノート「LIFEBOOK」春モデル3シリーズ
ライフブックは2010年夏頃にBIBLO(ビブロ)から変更された富士通ノートの新ブランド名。今回は3種類の画面サイズで発売予定。
【PC Watch】 富士通、スペックを強化した「LIFEBOOK」春モデル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120112_503725.html
10.1型のMHシリーズが店頭予想5万円くらい。13.3型のSHシリーズは価格不明。15.6型、AHシリーズは19万円と17万円の2機種有り。
今更ネットブックサイズはどうかと思われ、13インチは中途半端。15.6型の17万円な機種はテレビ機能に特化されているようなので19万円の方で参りましょう。
主な仕様を一覧形式へ。太字はマニアックな人が5秒で読む用。
「LIFEBOOK AH77/G」店頭予想価格:約19万円
- OS:Windows7 Home Premium 64ビット
- CPU:Core i7-2670QM(2.20G-3.10GHz、4コア/HT、6MB)
- グラフィック:Intel HD Graphics 3000(CPUに内蔵)
- チップセット:HM65 Express チップセット
- メモリ:8GB(4GBx2)※最大8GB(DDR3 PC3-10600)
- モニタ:15.6型ワイド(解像度:1366x768)
- HDD:約750GB(SATA、5400rpm)
- 光学:Blu-ray Discドライブ BDXL対応
- LAN:有線1000BASE-T対応、無線IEEE802.11b/g/n準拠
- 端子:USB3.0x2、USB2.0x3(電源オフUSB充電機能付)
- バッテリ駆動:約7.0時間(充電:約4.3時間)
- 重量:約2.9kg
Windows7は一般的なHome~の64bit。
CPUはノートにしては高性能な方で、クロック(GHz)の右はブースト時の最大。4コアx2スレッド有れば現在は充分、キャッシュ6MBもノートにしては大きい方。
グラフィックは増設では無くCPUに統合されているGPUで通常用途なら問題無し。このCPUのシリーズ(SandyBridge)ノートは全部3000。デスクトップのHD~3000とは違うので御注意有れ。
チップセットはスルーし、メモリ4GBx2でスロット2なので上限。やはり今なら8GBも有れば充分でしょうな。
モニタは実用的な15.6インチ。解像度は15型程度でもフルHD(1920x1080)が出ているものの、個人的にはHDがバランス良くフルHDでは高解像度故に表示が小さすぎると感じております。
HDDはノートの場合、2.5インチの1TBが先日出たばかりなので750GBはその次に大容量。ブルーレイはBDXL対応と書かれており、普通の読み書きブルーレイより単品やBTOカスタマイズでは数千円高め。
有線LANは文句無しのギガLAN、無線も高速なb系n、USB3.0x2もノートには必須と考えており優秀。
バッテリ駆動は大容量と宣伝されるものの短めになっており、全体的に高性能かつHDD搭載な事が7時間まで下げており重くなっている原因かと。富士通もJEITA測定なので、例として無線LAN接続でYouTubeを視聴しながら別の事をやると7時間は無理でしょう。
構成には特にケチの付け所が無く、この性能ならバッテリ7時間(以下)は優秀やも知れず。問題は価格。
発売前の1月14日現在、価格コムの最安は既に約175千円。
source:価格.com - 富士通 FMV LIFEBOOK AH77/G FMVA77GB [シャイニーブラック]
需要と供給がでかそうな黒で。店頭予想価格の基準が判らないけれど、既に1.5万円下がっております。
同じく価格コムで性能がAH77/Gを上回るよう条件設定し検索。
約7~8万円で2番目に安いHP以外は全てビデオカード搭載。
性能が上回るよう、と書いたものの、実際にはバッテリ駆動が4時間程度まで落ちており、ブルーレイも隙間を突くようなBDXL対応ノートは無し。
富士通ノートの価値が差額の10万円くらい有ると思うならライフブックも有り、とは全く思えない。その理由は昨年の秋モデルがこの価格。
source:価格.com - 富士通 FMV LIFEBOOK AH77/EN A77EN7_A010 価格.com限定
バッテリ駆動は2時間、ブルーレイはBDXL非対応、メモリ4GBまで落ちるけれど、他は同じような仕様。春モデルとの価格差は現在9万円くらい。
もしかしてバッテリで実用するかも知れず、大容量ブルーレイが必要になるかも知れず、メモリ4GBで足りないかも知れないなら新製品の方が良い でしょうか。私には理解出来ない感覚。
スリムケースなデスクトップ「ESPRIMO DH」
ノートと同じ時期にDESKPOWER(デスクパワー)からブランド名が変更されたエスプリモの新製品。
一体型はノートと同じ比較状態になるのでスルーし、ナショナルブランドでは最近珍しいと思えるセパレート(モニタと本体分離)タイプより。
【PC Watch】 富士通、デザインを一新~デスクトップ2012年春モデル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120112_503742.html
2機種有り、価格差が比較的出にくいと思う安い方より。
キーボードが小さく見えるけれど実際に小さいようで、上のイメージはモニタサイズが20インチワイド。ノートと同じキー数や配置になっており、カーソルキーの3列が省略されております。PC本体がやたらでかいわけでは無し。
店頭予想は14万円強。発売前の最安は同じく14万円強。
source:価格.com - 富士通 FMV ESPRIMO DH54/G FMVD54G [ラグジュアリーブラック] 価格比較
一見すると法人向けかと思ったけれど、そのような表記は無く、一般向けな性能そしてモニタのセット品。
仕様を一覧へ。
「ESPRIMO DH/54G」価格コム最安:14万円強(2012/01/14現在)
- OS:Windows7 Home Premium 64ビット
- CPU:Core i5-2300(2.80-3.10GHz、4コア(HTなし)、6MB)
- グラフィック:Intel HD Graphics 2000(CPUに内蔵)
- メモリ:4GB(4GBx1、PC3-10600)
- HDD:約2TB
- 光学:DVDスーパーマルチ
- モニタ:20型ワイド(解像度:1600x900)
- LAN:有線1000BASE-T対応、無線IEEE802.11b/g/n準拠
- オフィス:MS Office Home and Business 2010
- その他:USB3.0x2、USB2.0x6
どう見ても孔明の罠です。
面倒になって来たのでさらさらと行くと、CPUは中程度の性能でグラボ無しの内蔵GPUはHD~2000。そしてメモリ4GBx1。軽めの用途なら充分な高性能と言えるけれど価格が戴けない。
価格で言うと何故ここまで高い割にDVDなのか、20型しかも1600x900という半端な解像度が意味不明。LCDが余ったとか安かったのでしょうか。
BTOカスタマイズで26千円相当のMSオフィス、USB3.0x2、デスクトップなのに無線LAN標準は必要な人には利点でしょうな。
私はBTOパソコンと比較している為、HDDはケースを大きくするなら複数台搭載、無線LANは有線の速度にはかなわず、オフィスが要らない人にはHDD容量の無駄なので抱き合わせに見えております。
価格を比較する前にモニタとオフィスがセットになっているのでそれらを除外。モニタを高めに見積もり2万円、オフィスを2.6万円とすると本体は95千円くらい。
今更なi5-2300はBTOメーカーが既に在庫を持っていないようで、更にスリムケースという無理な設計も種類が少なく、パソコン工房で発見した近い構成より。
主な仕様を一覧。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit(DSP版)
- CPU:Core i5 2400(3.1-3.4GHz、4コア/HT無し、6MB)
- グラフィック:Intel HD Graphics 2000(CPU統合)
- チップセット:インテル H61 Express(ECS-H61H2)
- HDD:500GB SATA2
- メモリ:DDR3 1333 4GBx2(計8GB)
- DVD:スーパーマルチドライブ
- その他:有線LANギガ対応、無線LAN無し、USB3.0x2、
HDD容量が足りないので2TBにするとプラス約17千円。無線LANがどうしても必要ならUSB接続の物がAmazonで1千円くらい。速度を求めるなら有線でしょう。
計、約18千円を足しても67千円になり、富士通のPC本体との差額は約28千円。モニタを三菱の23インチで17千円、カスタマイズでオフィス追加は26千円。これらをセットにすると合計11万円くらいなので差額は3万円少々。
無理にスリムにしなければBTOメーカー側は更に安くなりましょう。
有名メーカーの新製品は実売価格に盛り過ぎ(まとめ)
富士通などの有名メーカーPCには特長が有り、要らなかったりユーザが何か判らない物でも有った方が良いかもという提案が基本。
地デジ(+リモコン)、ブルーレイ、MSオフィス、無線ディスプレイ(WiDi)、そしてバンドル(最初からインストール)されている大量のソフトウェアなど。
店頭スタッフに聞けば売る為に「あった方が良い」と答えるかも知れないけれど、価格の高さはそれ以前の問題。ちなみに価格コム限定で無くとも最安は約86千円。
ノートの例では富士通の秋モデル(価格コム限定)が約83千円になっていたけれど、同機種の発売時の価格は約17万円。3~4ヶ月で半値近くなり、新製品の性能は大して変わらず。
新品で購入する人がどう思っているか妄想すると。
- 富士通だか心、店員が良いというから、高いから安心
- 高額なので故障しても仕方ない、安物はもっと故障するはず
- (富士通は)国産だから良い
高い物が良いという感覚は否定しないけれど、富士通とパソコン工房の差をてきとうに考えても人件費や広告費が桁違いで製品代に乗りましょう。家電店の店員にはNEC何台、富士通何台以上のようなノルマが有るので勧めて当然。
20万円のPCが故障し修理代5万円は安いという感覚も否定はしないけれど、BTOメーカーなら修理費用は格段に安く交換パーツは同じような物。逆に安物(BTOパソコン)を買うユーザは、7万円のPCに修理代3万円が高すぎとクレームになるのかと。
富士通は最近やたらと国産と宣伝しているけれど、どこまで国産なのかは分解してみなければ判らない。CPUはインテルなので東南アジアが多め、HDDも現在富士通は製造していないはずなのでタイや韓国など、ケースや電源を国内製造出来ないことは無いけれど理由が希薄なので疑問。
高額だから故障しにくいわけでは無く、国内製造もどこまでか不明で国産だから故障し難いという根拠は無し。
- ノートは半年前後の型落ちとも比較
- デスクトップはBTOメーカーとも比較
- 本当にその性能や機能は必要か、価格は適正か?
10万や20万円が100円200円のようなセレブなら結構。しかし月給20万円や小遣い3万円なら、価格と性能から物の価値として考えてみましょう。
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