パソコンに取り付けるSSDの選び方、後編。
前編は某SSD変態の人(以下、TakaQさん)がコントローラの特徴などを挙げられており、後編はメーカーや機種別での評価。全文読み、私もSSDの勉強になったので、興味が有るなら是非今回もお付き合い有れ。
文字まみれなので、苦手なら休憩しつつどうぞ。
本文は見出しを除き、ほぼ丸ごと転載。転載部分の黒文字はTakaQさん、灰色は私が後付した箇所。
この記事はTakaQさんが自己満足で暴走 当ブログを経由し質問者殿へ回答してくれたもので、判断や解釈は自己責任。
以下、目次。
最初から全部読むならこのリンクはスルーで。
Plextor(PLDS)
コントローラはMarvell、ファームウェアは自社、NANDは東芝・IMFT ※IMFT・・IntelとMicronの合弁会社、IM Flash Technology
影響度軽微なトラブルはあるがIntel、Crucialのような致命的な問題(まともに動かなくなるとかデータが飛ぶ)等は発生したことが無い。
シーケンシャル速度が高速でIntel純正コントローラのSSDに比べて速度低下が大きいが、独自の各種GC機能により自動的に回復が行われる。 ※GC(ガベージコレクション)機能・・不要になったメモリ領域を自動的に解放する技術
低消費電力、低発熱、軽量とノートPCに向いている感あり。
光学ドライブの時代からファームウェアの作り込みには定評があるので、その機能に任せ、デフラグ等余計なことはせずにそのまま使用するのが良さげ。
インテルのSSD510はここ(PLDS)のOEM製品
現行機種
- M5Sシリーズ(後期) 東芝19nm(TSOP)+Marvell 88SS9174
- M5Pシリーズ(後期) 東芝19nm(TSOP)+Marvell 88SS9174
- M5Mシリーズ 東芝19nm(BGA)+Marvell 88SS9174 ※BGA>TSOP
※ふと実はあまり知られていないかもしれない気がしたので触れますが、Plextorというのは社名ではなくてブランド名、SSDそのものを製造しているのはPLDS社というところで、販売はリンクスインターナショナルというところが行なってます。
詳しくはWikipediaのプレクスター/SSDの項参照
東芝
コントローラは自社・SandForce、ファームウェアとNANDは自社
ファームウェア不具合が殆ど無いうえ、出せばどれもこれも全てにおいて安定。
国内メーカーPCへの搭載実績は多いがSSD単体の個人向け直販はやっていないので、IO-DATA、SuperTalent、Kingston・CFDなどのOEMとバルク品のみ。
スペックに特に眼を引くようなところは無いが、逆に弱点も一切無い。
THNSNS***GBSPという型番のシリーズは通称「砂芝」と呼ばれるもので、砂コン搭載のため消費電力が高く、総書込量増大に伴うシーケンシャル速度の低下も激しい。
また「0fill詐欺」により圧縮不能データを扱うと速度が半減する。ただし、ランダムアクセス性能は現行製品中上位でありシステムドライブ向き。 ※0fill詐欺については前編の砂コン解説にて
現行機種
- HG5 一部ショップからバルクとして販売中
- HG5d 19nm 2012年夏ごろからOEMとして出荷され一部メーカPCに搭載
CFDからSSD S6TNHG5Qシリーズとして以下のものが販売中
- CSSD-S6T128NHG5Q 128GB コントローラ非公開(Marvellベース東芝カスタム)
- CSSD-S6T256NHG5Q 256GB コントローラ非公開(Marvellベース東芝カスタム)
- CSSD-S6T512NHG5Q 512GB コントローラ非公開(Marvellベース東芝カスタム)
他THNSNH***GCSTはHG5dのバルク
Intel
コントローラは自社・SandForce、ファームウェアは自社、NANDはIMFT
ファームウェアとハードウェア両面で、かなり強烈な不具合を発生させたことがあるが、さすがに世界的な規模の大手企業だけあり、発売後一年程度経ったものであればファーム不具合もハードウェアレベルの欠陥もほぼ全て解消されている。
同様にその規模の大きさからサポート体制はSSDベンダー中随一であり別格。
日本語完全サポート、不具合のある商品の回収交換等の他、関連ツールやデータシートの提供も充実している。
どちらかというとランダム性能重視の傾向があり、消費電力高めで重量も重くノートPCには向かない印象。
現行機種
- SSD330 25nm SandForce SF-2281搭載
- SSD335 20nm SandForce SF-2281搭載(330の後継機種)
- SSD520 25nm SandForce SF-2281搭載(330の高性能版)
- DC S3700 25nm SSD710の後継機種(高耐久性のHET-MLC採用)
- DC S3500 20nm DC S3500の廉価版
※DCは久方ぶりのIntel純正コントローラ
Crucial(Micron)
コントローラはMarvell・Indilinx・Phison、ファームウェアは自社、NANDはIMFT
なぜかファームウェアの更新が途中までしか提供されなかったりするので、正規リテール品ユーザーであってもバッサリ切捨てられる可能性ありw
さすがにPCメーカーに出荷されるものについては最新のファームウェアが搭載されるが、そもそもかなり強烈な不具合を連発していて、m4の場合は発売から2年以上経過してようやくファームウェアが安定してきたような有様w
シーケンシャル速度は高速だがインテルに比べて速度低下が激しいうえ、独自GCによる回復も期待できない。
消費電力が高めなのでノートPCには不向き(いや、まあHDDよりかマシだけれども)と思われ、サポートは公式フォーラムが英語なので、そのなんだ、頑張れとしか言えないw
素敵な仲間たち
- C300 34nm Marvellコントローラ搭載
プチフリ、ハングアップ、SATA LPM問題等不具合多数、現在も一部未対応。 - m4 25nm Marvellコントローラ搭載
プチフリ、5184時間問題、SATA LPM問題等不具合多数、現在も一部未対応。 - v4 25nm なぜかMarvellでなくPhisonコントローラ
しかも今時3Gbps仕様。何故出したのか謎な誰得SSD、廉価版の価格なりというかランダム性能が低くプチフリもある模様 - m500 20nm Marvellコントローラ搭載、現行最新モデル
これアレや、ヘタに期待するとフラグなるやつや。知らないふりしとこ。
Samsung
わかんねーし、知らねーし、そもそも論外だし
【地雷SSDを】進撃のコントローラ【駆逐してやる】
東芝>Intel≧Marvell>SandForce ← 憲兵団
=====とりあえず安心して使えるSSDの壁===== ← ウォールシーナ
Indilinx>INITIO>JMicron ← 駐屯兵団
=====怯えながら使えなくもないSSDの壁===== ← ウォールローゼ
eastWho>PHISON ← 調査兵団
=====冒頭死亡フラグが成立するSSDの壁===== ← ウォールマリア
Samsung ← 訓練兵団初日で壁外調査
何を言ってるかわかないと思いますが、私もわからないです。いや、わかる人にはわかるというか、ニュアンスは伝わるだろ的な何かw
SSDの現行機種別で評価(まとめ)
ここから下は、相談者殿が250GBクラスのSSD選びで迷っているとの事で、私が価格コムの人気上位から250GB前後を抜き出し、リンクをTakaQさんへばら撒き評価を依頼した為、やや偏っております。東芝のみ128GB、他の機種は250GB前後。
CFD CSSD-S6T256NHG5Q
価格.com - CFD CSSD-S6T256NHG5Q
http://kakaku.com/item/K0000495565/
コントローラはTC58NC5HA9GST、公式アナウンス非公開ながらおそらくMarvell製コントローラベースで東芝の手が相当入ったカスタム版、従来の東芝製SSDは公表値の速度がぱっとしないのが普通なところ、Marvell製ベースなせいかやたら好成績という掟破り感がスゴイw
スコアがぱっとしないけど弱点ナシから → スコアトップレベルで弱点無しに!
- SSD変態A「ファッ!?」
- SSD変態B「ちょw、おまw、攻守最強で無双じゃねーかソレw」
- SSD変態C「レジェンド レジェンド アンド レジェンド」
まさに「僕の考えた最強のSSD」具現化してんじゃねーよな品。
だからなのかどうかは知りませんが、現在やたらと売れているご様子。強いて難点を上げるとすれば保証が3年なところとCFDのサポってどうなの?な点。
価格もむしろ安価な部類だし、おそらくMarvell製コントローラがベースではあるので、東芝純正コンのSSDとは特性が別物と考えたほうがいいかもですね。
ファームウェア含め東芝がどこまで作り込んでるのかがキモだと思います。
- 速度★★★★★ ← 読書共に500超はさすがMarvell的なアレ
- 安定★★★★ ← Marvellベース東芝カスタマイズという観点で
- 耐久★★★★ ← 東芝NANDに東芝ファームなら悪くはなかろう的な
- 保証★★★ ← 3年なので妥当なところ
- サポ★★★ ← CFDは良いとも悪いとも聞かない印象
- 価格★★★ ← 格安ではないが割高でもない
サムスン 840 Series MZ-7TD250B/IT
価格.com - サムスン 840 Series MZ-7TD250B/IT
http://kakaku.com/item/K0000431725/
- TakaQ 「検討したことすら無いのにこんな時どう答えたらいいか解らないの」
- 碇シ○ジ「笑えばいい思うよ」
いや、もうホントわかんないんだってw だから以下適当なw
安いといっても圧倒的というほどでもないので、差額もたいしたことないし、耐久性とか速度とかモロモロ考慮すると、どう考えても840 PROのほうを買ったほうが良いと思うのですがいかがでしょうか。
- 速度★★★ ← 読込は早いが書込が遅い印象
- 安定★★★ ← いいとも悪いとも聞かないのでそれなりなんでしょう
- 耐久★ ← TLCェ…耐久テストの結果
- 保証★★★ ← 3年なので妥当なところ
- サポ★★ ← Toolやマニュアルが日本語対応したのが最近?
- 価格★★★★ ← 品質が品質だし実は言うほど安くもないような・・・
東芝 THNSNH128GCST
価格.com - 東芝 THNSNH128GCST
http://kakaku.com/item/K0000492563/
簡単に言うとS6TNHG5Qのバルク品、厳密に言うとHG5dと呼ばれるHG5に若干改良が加えられた新しいほうのヤツだと考えればよろしいかと。 ※S6TNHG5Q・・2つ上のCFDのSSD
東芝クライアントSSD
http://www.semicon.toshiba.co.jp/product/storage/built-in/client_ssd/
性能その他はほぼ同じか気持ち優れているといったところでしょうから、むしろ問題なのはバルクだと保証が無い可能性が高いということでしょうか。
RMAが効くなら要は保証と同じことなので気にすることも無いのですが、RMAがあるか否かは確認しておいたほうがいいでしょう。 ※RMA・・メーカー直の交換保証
特に価格もそう違わないのであれば、あえてバルク品のこちらではなく、リテール品のS6TNHG5Qのほうでいい気がします。さほど違わないのであれば確実に保証がある方のがいいと思いますので。
一時リテール品が品薄で入手性が低かった時もあったので、そういうリテール品が入手できないとかいう状況でない限り、あえてこっちを選ぶ必要は無いかと。
- 速度★★★★★ ← S6TNHG5Qとほぼ同じ
- 安定★★★★ ← S6TNHG5Qとほぼ同じ
- 耐久★★★★ ← S6TNHG5Qとほぼ同じ
- 保証★ ← バルクだと無いと思われ
- サポ★ ← バルクなので期待できない
- 価格★★ ← リテールとそう違わないなら割高感はある
インテル 335 Series SSDSC2CT240A4K5
価格.com - インテル 335 Series SSDSC2CT240A4K5
http://kakaku.com/item/K0000434136/
さあ、どうしましょうかw SSD耐久テストの結果次第というか結果待ちw
TLC以下のMLC疑惑が解消されればアリだと思いますが、まずそれが前提条件。その上で砂コン特有のクセの強さが気にならなければという感じでどうぞ。
砂コンであってもベンダーはIntelなので、仮に保証期間内に逝けばまず間違いなく交換対応してくれるでしょうし、砂に効果が微妙とはいえToolBoxがあるので、他ベンダーの砂コンSSDに比べれば遥かに安心感があると思います。
- 速度★★★ ← 砂コン仕様0fill詐欺で書込が遅く速度低下後の回復も微妙
- 安定★★★★ ← ファームアップデートによるバグ潰しは確実
- 耐久★☆ ← TLC以下MLC疑惑が晴れていないので保留
- 保証★★★ ← 3年なので妥当なところ
- サポ★★★★★ ← Tool類の充実っぷりとIntelサポートの安心感は随一
- 価格★★ ← 円安影響下の現状だと砂にしてはの割高感アリ
PLEXTOR PX-256M5S
価格.com - PLEXTOR PX-256M5S
http://kakaku.com/item/K0000396970/
TSOP騒動以前の前期型ではコントローラがMarvell88SS9174、25nmのMicron製MLCだったんですが、問題の後期型ではコントローラはそのままでNANDが東芝19nm(TSOP)になっておりまして、M5P同様仕様変更はされていますが、こちらは元々がM5Pの廉価版でしたから、相対的に観てM5Pほどのコストダウン化影響はなかったかと。 ※TSOP騒動・・BGAからTSOPへこっそり仕様変更した騒ぎ。詳細は前編にて。
- 速度★★★★ ← 書込が若干低いがMarvellなので砂や寒よかマシな印象
- 安定★★★★ ← マイナーバグはあっても重度のものは無いので
- 耐久★★★ ← こっそり仕様変更で少なくとも劣化したことは確実
- 保証★★★ ← 3年なので妥当なところ
- サポ★★ ← TSOP騒動を見るに期待できない感は相当ある
- 価格★★★★ ← 価格性能比的には割安感アリ
以上。どう見ても変態です本当にありがとうございました>TakaQ さん
次回は「NVIDIAってどうなの?GTX Titanと700番台の謎に迫る(キリッ」をお送りする予定は無い上やらなくて良いので絶対に送って来ないように。
ついでにSSD以外の箇所にも突っ込んでおきましょう。前編よりやや短い為。
- 用途:インターネットなど一般的な事、Adobe CS、DAW など
- 予算:10万円
- 機種:Radiant VX2100B75(サイコム)
http://www.sycom.co.jp/custom/model?no=000045 - カスタマイズ箇所:
CPU:Core i5-3470
CPUグリス:Arctic Silver AS-05
メモリ:8GB
ストレージ:SSD 250GBクラス
3.5インチ増設:Seagate 500GB
拡張カード:玄人志向IEEE1394aポート増設
OS:Win7 Home 64bit
延長保証:+2年
SSDの250GBへの疑問
私が250GBクラスのSSDを購入した当時は、インテル335の240GBが1.4万円弱、120GBが8千円弱と240GBが割安かつ1.4万は手が届く価格なので240GBにしたけれど、本当に250GBクラスが必要か考えてみましょう。
増設HDD 500GBをSSDの丸ごとバックアップ用としデータ含め250GBで足りるなら良いけれど、SSDがOS+作業用、HDDがデータ用ならCドライブに頼ってしまいHDDの存在価値が薄れる印象。
Windows 7は、メモリ8GBならOSインストールで使用される容量は30GBくらい、ちなみにメモリ16GBなら約40GB。128GBでも空き容量は90~100GB程度有るという意味。用途や環境次第なので人によるけれど。
Haswell回避とグラフィック性能
HaswellのUSB3.0問題は噂レベルで、大手メディアでは報じられておらず、真偽が私にもいまだに分からない情報。スリープを使わなければ問題無く、それよりIllustratorやPhotoshop利用でグラボ無しはどうなのか。
Haswellの特長の一つは内蔵グラフィック性能がIvy~までより向上しており、グラボ無しなら新CPUの方がよろしいのでは無かろうかと。しかしHaswellはIvy~より比較的高い為、予算重視ならやはりIvy~+グラボ増設か。
また、数年、長期間使うなら今後は4K以上の解像度が普及するやも知れず、フルHDでもデュアルディスプレイなどやる予定が有りそうなら、用途から考えてやはりグラボは有った方が良いのでは。
後付(改造)出来るならそれでも良いけれど、サイコム系はカスタマイズが量産系より安く、自信が無いなら増設がお勧め、かも知れない。要らないかも知れない。
BTOパソコンやサイコムの利点
製品丸ごと(延長)保証が適用される為、東芝SSDのようなバルクしか出ていない物なら多少得な気分。東芝のSSDが3年以内に故障するとは思えないけれど。それよりサイコムが3年以内に破産しないかの方が心配。
また、サイコムならWindowsはDSP版で市販品と同じ物(のはず)なので、もし3年くらいで買い替える事になれどWindowsは流用可能なので次回は1万円くらい安くなる上、3年後に7が販売されている可能性は低いと思われ、このDSP版の価値は高いでしょう。8がこの調子なら。
以上、ネタ提供有難うございました。改めて、TakaQさんも有難う御座います。
TakaQさんへの礼や感想は btopc.com@gmail.com 宛、件名に「TakaQさん宛」と入れて送信されると私が手動で転送するけれど、誹謗中傷の類は私が見て捨てるので無駄な事はされぬように。なお、転送は 本文テキストのみ、メールアドレスはお伝えしない為、返信は無い前提で。
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