ツクモが久々のニュースリリース。
シャープが開発したIGZO、4K解像度のディスプレイをセット販売にしたBTOパソコン。価格はCPUにXeonを搭載したワークステーションかも知れない方が約80万、Core i7搭載でも約60万円というぶっ飛んだ設定。
BTOパソコンとしてはどうでも良いので適当に見て参りましょう。
TSUKUMOがシャープの4K2KモニタセットPCを発売
なぜかPC Watchでは無くGAME Watchに載っております。
TSUKUMO、シャープ4K2Kモニター搭載PCを発売 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20130626_605193.html
販売はツクモの通販、または池袋のヤマダ電機LABI。PC本体は驚くほどバランスの悪い構成となっております。
安い方(約60万円)の主な仕様を引用。
eX.computer「4Kモデル」RA7J-A51/4KS
- CPU:Core i7-4770
- ビデオカード:AMD FirePro W5000 / ビデオメモリ2,048MB
- メモリ:8GB PC3-12800 DDR3
- HDD:1TB(シリアルATAIII)
- 電源:700W(定格650W)80PLUS BRONZE対応
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ
- OS:Windows 7 Professional 64bit
- 価格:598,000円
CPUとグラボは高性能、Windowsは上位エディションになっているけれど、1TBのHDD、メモリ8GB、DVDスーパーマルチはどうなのか。
ここまでやるならSSD追加、HDD は2TB、メモリは16GB以上、ブルーレイの読み書き対応にしておいた方が罠にはまってくれる映像マニアに対して良心的と思うけれど、価格を上げたくなかったのか。
ツクモの通販ならBTOパソコンなのでカスタマイズに対応しており、上のような仕様変更は出来るけれど、これヤマダ電機の店頭で売ってしまうのか。デモ機のような扱いで、本当は売る気が無いとか。
さすがに60~80万でこのようなPCを買う人は居ないと思ったけれど、価格コムのこのモニタのクチコミを見ると2件の評価が入っており高評価。
なぜ高いかはCPUやグラボのせいも有るけれど、GAME Watchの記事によると、モニタ単品の価格が約45万との事。
「PN-K321」は、実売価格45万円という文字通りのハイエンド液晶モニタ
但し最安は現在34万円くらいなので、上のモデルはPC本体価格が26万円くらい。
どう見ても20万円は超えないと思われ、私の脳内価格コムによる最安合計は16万円くらいなので、10万くらい載っておりましょう。モニタの差額と合ってしまった。
ではモニタは単品で購入し、PC本体は他社などで買えば良いのかと言えばそういう問題でも無く、自称PCに詳しくない人はご注意有れ。この解像度に合うビデオカードを探すのは結構難しいはず。
4K2Kモニタがどのような物か、調べて来たので次で。
4Kモニタの仕組や特徴、利点と難点
4K解像度とは、Wikipediaより。
4K解像度(よんケイかいぞうど、フォーケイかいぞうど)とは、横縦の解像度を意味する4K2Kと呼ばれることもあるように、横4,000×縦2,000前後の解像度に対応した映像に対する総称
source:4K解像度 - Wikipedia
ツクモがセットにしている液晶ディスプレイの画面解像度は3,840×2,160なので、フルHD(1,920x1,080)の縦横2倍となり広さは4倍へ。
今見ているモニタがフルHDなら、それを縦横2x2にして4つ分にしたような。ノートなどでHD解像度(1,366x768)なら縦横が約2.8倍なので7.84倍くらい。
4Kは32型が最低サイズかも知れない
しかし物理的には大きくなっておらず、ツクモのセットモニタは32V型。フルHDで逆算すると、16V型モニタ4枚分なので、15.6型ノートのモニタを4枚くっつけたような見え方になるのでしょう。
そう考えると4K解像度は32型という大きさが最低かも知れない。これ以下にすると、例として23型まで落としてしまうと、11.6型のモバイルノートでフルHDにしているくらい表示が細かくなってしまうはず。
テレビのように映像が主で、文字が大きめに表示されるものなら良いけれど、パソコンは文字が小さい為、もし32型を切った4Kモニタが出ると解像度を下げるはめになりそう。
4Kと2Kの差は画像で見ても良く解らない
比較が載っているサイトが有ったので2つ。
source:ソニーのテレビブースでは4K BRAVIAが公開 : ギズモード・ジャパン
左が4K、右が2K(フルHD)との事。
私の目では明らかに色や輝度調整がおかしいと感じており、左は緑が強く輝度が高め、右は赤が強くコントラストを下げているだけのような気が。
もう一つ。
source:注目の4Kテレビの印象を藤原陽祐さんが最速リポート | Stereo Sound ONLINE
左が2K、右4K。
視野角の問題もあるが、その違いは写真でも歴然
視野角の問題と思われ、右は明るいだけと思ってしまった。
そして問題はここ。
4K収録ソースを2Kのテレビ(左)と4K(右)で同時に再生
元の映像が4Kなら4Kがきれいで当然だろうと。
ドット単位での表現なので画像では良く解らないという事にしておきましょうか。4Kテレビなら普通に家電店で販売されている為、比較するなら3Dのように現物を見た方が良さそう。
4K解像度は対応映像がまだ無い
どこから大型と言えるか定義を知らないけれど、私の感覚では40か50型以上。なぜ解像度を上げるかはテレビ用でしょう。
理由はこれ↓。
source:X9200Aシリーズ | 商品ラインアップ | 〈ブラビア〉 | ソニー
フルHDなら横は1,920ピクセル。という事は50インチのテレビなら横110cmくらいに1,920個のドットが並んでいる事になり、1ドットの幅は0.57mmくらい。半分にして25型ならドットの幅は0.29mmくらいなので、当然ながら1ドットの面積は4倍違うという。
4K解像度はフルHD面積の4倍なので、50インチでも25インチ並のドットサイズになりきれい、という事なのでしょう。
しかし上の画像に書かれているように、元の映像がフルHD用(ハイビジョン)なら意味が無く、単純に4ドットを1ドットとして扱うなら意味無し。
こういう事になるかと。左がフルHD、右が4K。
それをアップスケーリング(拡大)し、ソニー独自の技術でボケないよう上手く誤魔化して処理するという機能をブラビアは搭載しているわけですな。
4K解像度をPC用に使う利点と難点
思いつくまま利点3つ。
- 高解像度デジカメ画像の表示がきれい
- 設置空間や場所を取らず作業領域が広い
- モニタの繋ぎ目無くフルHD4画面分の表示
この程度しかひらめかない。
現在、4Kに興味を持っていたり購入し満足されているユーザはカメラが趣味の人が多いようで、4K解像度で撮影した写真をそのまんま4K解像度のモニタで見て楽しむという。
省スペースについては、フルHDな15.6型ノート4枚くっつけているようなものとして、フルHDモニタ4台をアームでやるよりスマートでクールかも知れない。
また、CADなどで細かい割に広い作業領域が必要な職人なら、繋ぎ目無しのフルスクリーンは良さそう。
難点も思いつくまま。
- 4K対応のコンテンツが無い
- 従来より表示が小さくなる(フルHDの1/4)
- モニタそのものが桁違いに高額
- マウスのポインタが速くなり操作しづらい(と思う)
- アイコンが小さくなりタッチパネル操作がしづらい(と思う)
- 高いグラフィック性能が必要となり高額なグラボが要る
1は、ここまで高解像度に対応する一般向けの何か(コンテンツ)は現在はデジカメ画像くらいしか無いと認識。
2は解像度は上がったけれど相対的に物理的なサイズは小さくなっている為、同じインチ数ならフルHDサイズの画像でも画面の1/4表示になってしまいましょう。強引にアップスケーリング(拡大)するとボケると思う。いや、知らないけれど。
3は、1~2年前まで4Kテレビ50インチが150万前後で、現在は50万円くらい。PCモニタも約34万円くらいなので下がってはいるけれど、普通の人が買う価格では無し。
4と5は、ポインタの移動速度や加速をどう設定するか。遅くすると移動が遅くなり、速くすると移動は良いとしても精細な操作が難しそう。表示サイズが1/4くらいになるので、フルHD用に作られた小さめのアイコンはタッチが難しいとか。
6については次のまとめで。
PCのグラフィック性能は追い付けるのか?(まとめ)
ツクモの4KモニタPCに載っているグラボは、AMDのFire ProというNVIDIAで言うQuadroのような位置付けで、主にワークステーション、3D処理を要するデザイナや映像編集のプロ用のグラフィックボード(以下、グラボ)。
当初、デザイナ用ワークステーションなのかと思ったけれど、探してみると4K解像度に対応しているグラボそのものが見当たらず、FirePro W5000は最安6~7万円。これでも価格を抑えたのでしょう。
いきなり4倍なので、特にゲームや動画編集の4K対応はすぐには難しいと思われ、インテルやAMDがCPUに内蔵し始めたGPU(グラフィック機能)は性能が追いついて行けるのか。
4Kどころか近い将来、8Kになると言われており、そうなると4Kの4倍なので2K(フルHD)の16倍。
そうなるとグラボのみでは無く、CPU性能やメモリ容量なども不足するやも知れず、PC用4K解像度には疑問を感じているけれど、いずれ4Kとか8Kになって行くのでしょう。
PCモニタでは無いけれど、中国製のやたら安い4Kテレビが海外で発売。
50インチで1500ドルを切る4K2Kテレビで話題を呼んだ SEIKI Digital が、今度は39インチ版の4K2Kテレビを米国で販売します。価格は699ドル。
4Kや8Kは3Dのようにマニアのおもちゃになるかも知れないけれど、普及し、IGZOのコストを抑えられず中国製などとの違いが明確に無ければシャープがやばいでしょうな。しゃべる掃除機とか作って遊んでいる場合では無いと思う。
以上、私は映像マニアやモニタ屋では無い為、何かおかしい事を書いていたり補足など有れば btopc.com@gmail.com までタレ込んで貰えると幸い。
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