技適マークについて。
技適とは技術基準適合証明(または認定)の略で、スマホやタブレットは標準的に認証されていなければならず、パソコンも無線LANやBluetoothに対応しているなら国内利用時に必要となるマーク。
にっちー さんのコメントを転載。
元ネタはこちらの記事へのコメント。
中華端末は技適マーク無いスマホあり違法どうする? - BTOパソコン.jp
https://bto-pc.jp/repair/technical-standards-compliance.html
画像はiPod touchのもので左の郵便のような絵が技適マーク。
丸ごと転載するだけでは芸がないため、ただでさえ解りやすい解説をもっとわかりやすくなるよう補足を入れて参ります。
私からの補足部分は左にインデント(余白)を挿入し、読みやすくなるよう見出しを入れたり文字形成も。
コメントで埋もれてしまうにはもったいない良記事。
>転載ここから
技適の意味や仕組を無線関連に詳しい人が解説
アマチュア無線の免許取って、自分で基地局開局申請をすると技適について凄い判りやすくなるんですが
技適は無線装置+アンテナのセットで申請
技適って正確には「無線装置(PCの場合はWiFiカード)」と「専用アンテナ(WiFiの周波数や出力に対応したもの)」の2個1セットで申請するんです。無線装置に接続するマイクやデータ機器は無関係。
無線装置を駆動する電源装置も余り関係なし(ただ、電源が安物で電気の質が悪くて電波に影響が出たらダメ)
だからなんでWiFiカード自体に技適が無い場合があるかと言うと、PC製造を思い出すとわかりますよ。細かいわずかな仕様違いの量産PCを作る場合、WiFiカードは同じものを使う。
本当は無線装置を組み込んだ筐体毎に申請したり認証審査を受ける必要があるんだけど…、
- メーカー「PC本体の仕様違い毎に申請したり技適シール作ってたらやってらんない」
- 総務省「じゃあ、カードに技適シールつけておいて『事前申請した専用アンテナとセットで組み込むなら良いよ』(緩和策)」
つまり、バルクでWiFiカードだけを買った場合、本当はそのWiFiカードとセットで技適申請されている「アンテナ」と一緒に使わないとダメだったりします。
デスクトップやノーパソの取り付け場所とか位置は関係なくて、ノーパソのあの画面の枠内にある基盤形状のアンテナとセットで使う必要性。
※ノートを液晶パネル単位まで分解したことがある人でなければ想像が難しいと思う、ノートPCに無線LANが内蔵されている場合、そのカードに接続された2本のアンテナの配線は多くの場合液晶パネルの両側のベゼル(枠、フチ)内へ伸びております。
たまーに、カードに技適が無くてPC本体に技適がある場合は、
- 同じ型番のPCでもアンテナが特殊か
- PCの型番が同じでもWiFiカードだけ違う型番にして、同じ量産PCでもちょっとだけ差別化されているか
- あとは、技適緩和以前の古いPCだったか
私もノーパソの技適の仕組みを不思議に思って、数年前に調べた時はこんな感じでしたよ。
それにしても、期間限定付きとは言えだいぶゆるくなったんですねw
外国人に媚び過ぎなのか、日本の電波法が時代の流れに追いつけず改良せずにいるがために、ドローンや自動運転車への対応が遅れるのか…(苦笑
デコトラ無線がなぜ違法だったのか?
※私が勝手にそうイメージしているだけでデコトラが全て悪いわけではないし、デコレーションしていなくとも違法な無線機の使用はあったはず、として。
source:デコトラ - Wikipedia
昔のトラックの大出力電波(違法CB無線って名前)が何で悪かったかっていうと、アマチュア無線流行りすぎてトラックの殆どが付けて遊んでた時代があって(遠くの知らない人とチャットできる今のスマホの感覚)
source:総務省|東海総合通信局|不法市民ラジオ(不法CB)
でも、無線って電波の出力が強いほうが遠くに飛ぶっていうのもあるんだけど、受け手側が弱い電波出してる所よりも優先して電波が入るんですよね。
(スマホにWiFiアナライザーアプリ入れて眺めた時のアレです。家の中の電波の弱いルーターよりも、家の外の電波の強いルーターの電波を先に拾っちゃう)
※以下はとある豪邸の電波の強弱で、緑>黄>赤の順。この場合は機器によるけれど有能な端末は緑の範囲を出すルータに接続する。
source:無線LANの電波強度と速度と範囲の改善策を考える
誰もが色々な人と会話したい欲求が強くなったり、モバイルバッテリーの数字のデカイほうが凄い!クルマのエンジンの出力の数字がデカイほうが凄い!みたいな感覚で、電波法が厳しくなる直前は高出力化を競うように。
「キロワッター」っていう言葉が出たぐらい無線機の出力がkW単位だったらしいですw(普通はミリワットないし1~数百ワット。kWはテレビ局レベル)
※総務省のページより。
不法設備
送信出力 本体で5W程度 ブースタを付加した場合は1kWクラスのものもある。
そんなんだから、国道沿いの家ではトラックが通る度にテレビはバグるし、固定電話には干渉するわで大問題に…。
そして、みんなが使う周波数を大出力の人がいつも占有している状態。みんなそれぞれ電波を飛ばして使いたくても、干渉したり要らない電波が入ってうんざり。
前置きが長くなったのと、細かい計測方法は省きますが、
「じゃあ、どうやってそういう違法電波を取り締まるか?」
海外の違法WiFi探しと同じ、簡単な3点測量ですよ。通報を受けたら、まず大まかに3箇所で受信する。受信範囲を示す丸い円が3個重なった中央が問題の場所。
source:三点測位をやってみた~TriThingPulse~ - 人間になりたい類人猿
アマチュア無線やテレビ局や技適申請した企業(スマホやノーパソを作る側)が支払う「技適申請料」や「電波利用料」
これってただの総務省の利益じゃなくて、そのお金を使って全国で取り締まれる装置や電波を探す車両を用意したり維持したりしてるらしいです(総務省の電波利用料のページをご参照ください)
総務省 電波利用ホームページ | 電波利用料制度
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/
普段何気なく見ているテレビでも大手キー局は年間数億円の電波利用料を払っていたり、スマホや携帯電話も一応無線装置なので、知らないところで電波利用料を払っていたり、調べると面白いですよ。
スマホは今まだミリワット程度だし、星の数ほどあるし、取り締まれなくは無いけど取り締まってたらキリがない。(警察の速度取締同様、その端末が違法電波を出していた期間や量を時間を掛けて調べて証拠を揃える必要があるので)
でも一応は定期的に取り締まってますよ
総務省の調査担当の人が街中を計測器と一緒に定期的に見回って、明らかにおかしい出力は注意。それでも改善しない場合は罰金を実際に科してる事例もありました。(地下の飲食店が、2004年頃なら携帯電話の電話増幅中継装置で取締対象に)
税法と同じで、役人が本気のガチで取締したり電波(税ならお金)の出入りまで監視しようとしたら、本当はそれは不可能じゃないです。(街中にある携帯のアンテナと装置を逆に利用して常時監視だってできる)
でもそれをしないのは、人って必ず脱法を思いついたり悪用したりと結局抜け穴を探すし… 何よりも全て完璧にルールで縛って人々を抑圧すると、ストレスでみんな疲弊するし
そもそも、ある程度「人々が持つ善意や良識を信用信頼」しないと、誰もが常に罪を犯す前提で疑われ続けたら嫌だよね?っていう話になって。
法や常識もそうだけど、「ルール」ってそれは「色々な認識や価値観や(地方ルールみたいな)常識」を平均化したひとつの「指標、目安、参考値」であって
とりあえずルールは最低ライン守るべき「みんなが他人へ思いやる事が出来る良いルール」なんだけど…
それは、時代と共に常に改善していくべきだし、「最初に作ったルールが完璧で良いものだったか?」って言われると、それはとりあえず色々な不測の事態を考慮した机上論や理想論から生まれたものかもしれないし。
- なんでルールや常識があるかを考える。
- そしてルールや常識は守る。
- でもルールや常識は常にそれが本当に今正しいのかを疑う。
- 「ルールや常識は破るためにあるもの」っていうのは、常に最善策を模索できる人が使う言葉。
蛇足になってしまいましたが
法もそうだけど自分が正しく理解して、自分がそれに合致した日常を送っていれば他人にあら捜しされた時や、ルールを誤解釈したり悪用した連中に揚げ足取られても胸を張って違うと言える自信がつくので。
見えないところで頑張っている総務省の人の苦労すら思いやることが出来たら、国家や法という何よりも強い後ろ盾で守ってもらうことも出来ますよ。
ただ、本当に定期的に色々な事を勉強し直さないと、気づいたらルールが変わっているっていうのはよくあることで…w
生涯学生宣言とはよく言ったもの!
駄文長文ごめんなさい。
>転載ここまで
私より文章上手い。特に締め方。
技適は無線装置とアンテナのセットで認証される
パソコン大好き人間にはここがポイントですな。
良い悪い例として、私が昔購入したインテル様のCentrino仕様な無線LANカードのN6200。
source:激安で低性能なCeleronノートのパワーアップを試行
DELL製品からの部品取りがAmazonで販売されており、単品で売られているため、いくらDELLが技適していようと関係なし。ちなみに700円くらいで売られていたノーブランドのアンテナを付けるとIEEE 802.11a/b/g/n通信できた。
アンテナ後付しなくとも、元から無線LANカードが内蔵されているノートならばカード交換してアンテナ接続し直すだけで使えてしまうが、にっちー さんの解説の通り技適なしのウルトラ違法となってしまう。
最近はデスクトップPCでも注意した方が良いと思うモノはZ390の仕様。
source:ASRock > Z390 Taichi
右のマザー画像の左上に見える金色の見慣れない端子はテレビの同軸用ではなく、無線LANのアンテナを接続するコネクタで日本国内で販売するためアンテナが付属しているセットであり、acデュアルなのでアンテナは2本、おそらく技適マークがこのマザーボード自体(本体や取説など)に付いているのだと思う。
もしアンテナを紛失したり、ハイパワーを称するモノへと交換したなら技適マークは無効となり違法になるわけですな。知らなかった。
話を戻すと、インテルのN6200カードには技適マークは印字されていないため、おそらくDELLのPC本体、または説明書や保証書などに別途書かれているのだろうと予想。
技適違反となる仕様にすると他人に迷惑をかけていなくともダメなのかと言えば法律なのでダメに決まっている、しかし電波強度が一般的な強さならば、バレなければわからない。
しかし違法は違法。技適マークの意味を知らずに適用されていない製品を使ってしまい問題なかったとしても、意味がわかった私らは積極的に技適なしを使うべきではない、買うべきではない、勧めるべきではない、でしょう。
というわけで、N6200はこんな感じのキーホルダー化決定。
source:CPUとメモリをキーホルダーする方法(Socket478編)
以上。私はパソコンに詳しい方だけれども、何でも知っているわけではなく、この手のマニアックな知識をわかりやすく解説してくれる寄稿を随時募集しております。
>いくらDELLが技適していようと関係なし。
>アンテナ後付しなくとも、元から無線LANカードが内蔵されているノートならばカード交換してアンテナ接続し直すだけで使えてしまう
同じ型番の、中古無線LANカードならば交換はセーフっぽい。
あとは同じシリーズでベゼル同じの上位グレード機種やマイナーチェンジ機種の無線LANカードとアンテナのセットと交換ならばグレーゾーンか。
過去におそらくPCで3~4回交換しましたが、グレーゾーンかセーフっぽいですが、こういう記事は勉強になります。
して、技適マークがついてないスマホはアンテナと装置のパーツに技適マークがついてたらセーフなのでしょうが、仮にアウトでも国内法規の範囲内で設計されているなら積極的な取締は全くされてないってことでしょうな。
「キロワッター」のような著しい逸脱で重い腰上げるレベルみたいなので。
スマホ製造において、メーカーが技適マーク取るのにどの程度金が必要なのだろうか。
そういえば、全然関係ないですが、日本でも売れまくってる「ファーウェイ」、米中貿易戦争問題の影響を日本でも受けそうですね。
無線はもとよりネットワークの知識は皆無に近い私、技適のことなんぞ全く知らない模様。
>左の郵便のような絵が技適マーク
それ「ような」ではなく郵便マークです。電波法の元締めである総務省が、かつて郵政省と一体だったなごりだとか。総務省内の郵政事業庁→日本郵政公社→日本郵政株式会社、という流れ。
>2個1セットで申請するんです
2つ揃わないと通信できないことを考えると理に適った方式。ただ故障したとき自分で修理するのが面倒そうではありますね。
>デコトラ
そういえば昔デコトラのプラモデルがあったな、と思い検索すると現役。ところどころコレはデコトラと呼んで良いのかと疑問に思う型もありますが。
Amazon.co.jp|デコトラ - プラモデル・模型
https://www.amazon.co.jp/s?ie=UTF8&page=1&rh=n%3A2189366051%2Cp_n_feature_three_browse-bin%3A2277507051
私的には単に「トラック無線」に強電波が多かった印象。デコトラより長距離トラックのイメージ。
>気づいたらルールが変わっている
名称とか規格とかも変わっていることは多々ありますね。私的に驚いた一番は「体操競技にABCDEFGHIまで9種の難度が存在する」こと。私の世界はE難度で止まっていました。
>技適マークは無効となり違法になる
日常的に自動車を運転するドライバーだって道路交通法のすべてを熟知している訳では無いですが、交通違反をしておいて「そんな道交法は知らん」は通らない訳で。単体パーツを販売するPC屋は協賛して「これをやると違法リスト」でも作ると宜しい。
技適おじさん「それ技適通ってないやつだぞ!違法だぞ!日本で使うな!」←これ : 汎用型自作PCまとめ
http://www.jisaka.com/archives/31355079.html
技適おじさんっているんですねw