JEITAが2016年3月のデータを公開。
日本は4月より新年度になるので今回で2015年度が終了。年間での出荷台数は前年比77.4%らしく2年連続で大きく前年割れ。原因はWindows、正確にはマイクロソフトのせい。
いつも通り前年比から。
国内パソコン出荷台数の前年比推移
ソースはこちら。
JEITA / 統計データ
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/2015/
出荷台数全体の前年比。
徐々に回復傾向と言いたいけれど、2年かけてこの状態はおかしい。
前年との比なので落ち込み始めたXP終了祭り終了の次の年が前年割れしている辺りもおかしい。
大手メディアでも勘違いしているのか考えていないのか知らないけれど、2年連続前年割れという事は2年目は更に数が落ち続けている事を意味しており、XP終了反動以外の原因が有るはず。
種類別。
モバイルが他のカテゴリと比較し多少マシな程度。
オールインワン(一体型PC)はやや好調と思うこと無かれ。元の出荷台数が少ないので上下のブレが大きいだけ。
このような前年比に意味が有るのか、大手メディアや著名人は良く考えた方がよろしいでしょうな。私のような小規模ブログの無名な者でさえ最近はマジレスを強引にひねり出しております。
和式2015年度1年間の前年比と平均での比較
ここからが本題。但し金額はアテにせず。
Windowsがタッチスクリーン対応したりトランスフォームする辺りから単価が上がっている為、Windows 7まで時代とは比較しても意味が薄い。
先月のJEITA記事より私の邪推を引用。
春モデル出荷遅れ?JEITA統計が狂っている?(まとめ)
「2月より富士通が別会社になったので数値取れていないのか、3月もおかしいならば4月から分離する東芝まで無視されるやも知れずJEITA統計はゴミと化す。」
そこまでは言っていないけれど、3月で数値が戻り気味なのでJEITA統計が狂っているのでは無く、春モデルの出荷が後ろへズレたと考えて良さそうな推移。それにしても少ない事には変わり無いけれど。
XP祭りと反動の出た翌年を足して2で割った平均によるグラフ。
上のグラフの右端を見る限りでは、3月ならではの過去1年間トップクラスな出荷台数と言えるものの、他の年度(平均化含む)と比較すると明らかな出荷数減少。
和式年度末の締めなので1年間の構成比も出してみた。
XP->主に7な法人の移行が終わりデスクトップ単体が減少、したのは2014年であり2015年も減っているのでまだ反動が出ていると言えそう。
「2015年度はついにノート率75%、出荷台数の3/4はノートPC」と言いたいかも知れない。しかしJEITA統計はDELLとHP、マウスなどデスクトップPCを売りまくる大手が入っておらず自作PCももちろん関係無いので一概にノート75%とは言えない。
デスクトップPCがノートより多いとは言わないまでも、本当は4割くらいデスクトップPCと憶測しております。
もう一つ、各カテゴリの前年比。
左は2015年の前年比、右は2013+2014年を平均化。
2014年と比較すると全体的に落ちており、XP祭りの2013年を混ぜてみると更に低くなるは当然。
Windows 8系/10がどのくらい失敗しているか(まとめ)
こちらのグラフ、青は無視しオレンジの出荷台数をご覧有れ。
左端はWindows 8リリースから約半年後の4月で、赤枠左からおおよそで2013,14,15年度。
当ページ最初のグラフを見ると8が出た後は微妙に前年割れしていたところ、XPのサポートが終了となる約1年前より祭り開始で歯止めどころか盛り上がった。
大手基準でいうとNECや富士通が本気出し始めた辺りが左の6月頃からで、法人向けのデスクトップ単体が大量に売れたので翌年4月頃までは絶好調。
XPサポート終了後、Windows 7はBTOや法人向けで有るには有ったものの大手メーカーの個人向けPC販売は8.1へほぼ移行。7は一部の知る人ぞ知る状態へ。
そして右の赤枠の7月末に10がリリース。大手も合わせて8.1から10へ移行、7仕様を推していたBTOパソコンでも10仕様が半数を占めて行く事に。
XP祭で売れたパソコンはWindows 7が多く8が売れまくったわけでは無し。7の販売が減ると8.1では売れにくく、10が出ても売れない+無償アップグレードにより更に売れない。
すんなり10へ移行する人も居るだろうけれど、問題は7ユーザのシェアの高さと8以降を嫌う人の多さ。
10アップ無償が終了した後、10仕様でパソコンが売れまくるとは思えず、いくら7が7年前のWindowsといえどもXPが12年使われていたように7から乗り換えたくない人は多い。
10の頭打ちが来た時、国内PC出荷台数は更に厳しくなるでしょう。
PCの買い替え年数は5年を超え、最近は6年くらいまで伸びているそうですね。買い替え理由の50%は故障。2014年にXPから買い替えた多くの方は、多くが2019年くらいから買い換えるのやも。
※下記のデータは個人ではなく2人以上の世帯を対象とした統計。
ガベージニュース:パソコンの買い替え年数をグラフ化してみる(2015年)
http://www.garbagenews.net/archives/2056637.html
内閣府:消費動向調査 - 主要耐久消費財等の長期時系列表
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html#taikyuu
※エクセルで掲載。「主要耐久消費財の買替え状況」内にあり。上記ガベージニュースの元データ。
ほか、2014年に買い換えた方は3年の延長保証が2017年まで有るため、それまでは修理でしのぐ方が多い可能性が無きにしも非ず。
>2015年度はついにノート率75%
自作PCはパーツを単品購入して組み上げるモノですから、メーカからの出荷台数に反映する意味は無いのでは。
>Windows 7
個人的には、メインストリームサポートが終わったOSは、値下げしても良いと思いますね。SPに代表される大規模なアップデートをする必要が無いのですから、サポート中と比べて掛かる金は減るでしょうし。
>すんなり10へ移行する人
自宅で大した作業をしない、私のようなライトユーザならOSが何であろうと問題ないでしょうけれど、特に企業ユーザはおいそれと移行はできず。Win10は10のまま中身をいじくり回して行くそうですから、2020年にどれだけWin7から移行しない企業が出るか見ものです。