MM総研が2019年度上期のPCなどのメーカーシェアを公開。
MM総研はJEITAとは違い国内ほぼ全てのPCメーカーからの出荷台数を把握しているようで、年に3回(上/下/通期)しか発表は無いものの精度で言えばJEITAやBCNより高いと思われる本物の国内出荷台数シェア。
適当に見て参りましょう。
国内PC出荷シェア2019年度上半期版
MM総研の場合の上半期は洋式なので1~6月の範囲。
2019年度上期国内パソコン出荷概要 | 株式会社MM総研
https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=377
HPと富士通が入れ替わっており日本HPが2位へ。
グラフを目視するだけでわかる、NECレノボと富士通レノボとホンハイdynabookなど元国内メーカーな中華系メーカーが押され、Appleを除く米帝軍が拡大しております。
数年前にDELLやHPの売上の8割は法人向けと言われていたため、相当な数の企業でWindows 10への置き換えが進んだのでしょう。個人はとっとと無償アップグレードしたか、故障してナチュラルに10仕様へ買い替えている人が多そう。
なぜApple(Mac)が小さくなったかは売上が落ちているとは限らず、Windows関係ないので維持しているだけ、市場規模が一時的にデカくなり分母が肥大しているのでMac出荷シェアの%は自動的に減る。
それを頭に入れて改めてグラフを見ると、富士通は少し小さくなった割にNECは大きさに変化ない、ならばNECのレノボ製品もお役所などでバカ売れ、あるいはアホほどリースされまくっているのかと。
日本HPがどのくらい伸びたかは2017-2018年度のグラフ見るとわかる。
2017~2018年度で日本HPとDELLの面積があからさまに増え、日本HPだけ2019年上半期で更に増えております。
話を戻しましょう。
「個人系ルート」が22.8%増の205.4万台、(中略)「ビジネス系ルート」が63.0%増の582万台
マシマシですな。合わせて787万台、仮に下半期も同じくらいの数値とすると1500万台を突破することになり、この数値は2011年頃のパソコン売れまくっていた時期と同じ規模の出荷台数。
2020年は短期的に反動減となると予想される。
私としては少なくとも2020~2022年頃の3年、もしくはそれ以上の反動減になると予想。
普通の人はパソコンを故障するまで使う、普通の企業は故障するかサポート切れるまで使う、ならばサポートが続く限り故障しなければ買い替えは無くなり、XP終了後の氷河期は3年以上続いたので今回もそうなると見ております。
スマホ利活用によりパソコン離れが進んでおり、
特に進んでいないことは他社や総務省の調査で証明されているけれど、MM総研も思い込みや流言飛語に惑わされるレベルなのだろうか。
何となく今回のMM総研のレポートはPC市場よくわかっていない人が書いた印象がございます。
日本HPの売上高は2千億円クラス
外資系なのでデータは無いはず、と思いきや普通にあった。決算公告は見づらいと思うので売上推移2016-2018年度のグラフ、締め(決算月)は10月。単位は億円。
source:日本ヒューレット・パッカード株式会社の決算 - 起業ログ
パナソニックが売上急上昇して好調を宣言していた時期でさえ1000億円程度、レッツノート1本で1000億は凄いけれどPC市場としてはグラフの通り小さく、日本HPが2000億ならば面積比較で今は1/5くらいとすると2018年度のパナは400億。
ではなく、レッツとHP製品では単価が違い、HPがJEITA基準以下の単価7万円くらいならばレッツは3倍くらいの価格設定なので台数は1/5くらいでも売上は3倍、とするとパナの売上は1200億くらいになるはず。
ところが2019年度上半期ではパナソニックの文字は無く、その他へと統合されてしまったのならばレッツノートは買い替え需要から外れている、もしくは早々に買い換えられ影響が出ていないとも。
ここで妙なことに気付いた。
「その他」は量産系BTOパソコン?
わかる範囲で各社の売上高。
- 株)マウスコンピューター:399億円(2019/03)
- パソコン工房(株)ユニットコム):324億円(2019/03)
- ドスパラ(株)サードウェーブ):420億円(2019/07)※グループ全体
ドスパラのPC事業単体の売上が不明ながら、3社合わせて1千億円は軽く超えるとすると、日本HPと単価が同じくらいとしたならば、MM総研の日本HPのグラフの半分くらいの大きさでこれら3社が入っていることになり、それが「その他」か。
しかしそうなると過去に単独でグラフに名の出ていたAppleと同じくらいのシェアの時もあったASUSと日本Aacerが入りきらない。また、100億円規模ながらVAIOも入っているのか。
こう考えて行くとMM総研の出荷概要は3社だけで1千億円を超える量産系BTOメーカーは漏れている気がしてならない。
スマホの出荷シェア2019年上期も発表
話は変わり、ついでにケータイのシェアも出ていたので少々。
比較用に2018年上期も。
source:2018年度上期国内携帯電話端末出荷概況 | 株式会社MM総研
ソニーが落ちてSAMSUNGと入れ替わり、Huaweiが落ちてその他入りして富士通と入れ替わった模様。
陰りを見せているメーカーは一強のAppleで、これは所有率などではなく出荷数でシェアを出しているため、今どうなのか、売れているのかがわかる図。このiPhone 11を見て税込8万円少々出したい人は居るのか。
source:iPhone 11 - Apple(日本)
裏はこれ。エグザイルかよ。
価格に弱気が見え隠れしており、Xより高性能や高機能ならばなぜ10万円を切らせたのかと問える謎設定。
ここまで見た目が劣化すると、リンゴのロゴマーク無しにするとAndroidと間違えられてもおかしくないほど個性もセンスも無い。
公式ページの説明で利点と解説される何かはカメラの性能が9割くらい。それがApple製品なのか、Appleのスマホがそれで良いのか疑問しか残らない。
ドコモらのiPhoneゴリ押しが総務省のハンマープライスにより使いづらくなった今後、続けてiPhoneを使う人はiOSからAndroidへの移行が面倒、もしくはできない人が劣化iPhoneに金を支払い続けて行くのだと思う。
iCloudやMusic縛りから抜け出せない人らが気の毒でならない。
「市場の展望―2020年度は反動減が」来る
PC関連興味あるなら誰もが予想するであろうことが、今年売れまくったならば来年は反動で売れなくなる。
見出しはMM総研のPC版記事の締めで使われていた文字、しかし中身はこの部分以外無いも同然なほど見当違いな内容となっており読む価値無し。
2020年度は、急激な駆け込み需要に対する大幅な反動減が予測される。
私の過去の予想では、小規模で体力不足なメーカーやショップから倒れて行くと書いたものの、マウス(MCJ)のような大企業の方こそマズいのでは、と思い始めた。
私が勤めている中小企業は資本金1億円以下なので前期が黒字でたっぷり納税しても次期が赤字ならば繰戻し可能。おおよそな例として2018年度が1億円の黒字で3千万円納税し、2019年度が1億円の赤字ならば3千万円-7万円くらい還付される。
ところが1億円を超える場合はそれが適用されない、ならば赤字になるであろう次期をどう持ちこたえるかが問題。と思い調べると、マウスが攻撃範囲内になっている気がする。
- 株式会社マウスコンピューター:1億円(株主構成=MCJ:100%)
- 株式会社ユニットコム:9800万円(株主構成=MCJ:99.98%)
パソコン工房(ユニットコム)の方は資本金1億円以下でMCJ100%ではないのでOK、しかしマウスは1億円以下だけれども資本金36億級のMCJ100%出資なので繰戻しできない可能性。正直、よくわからないので話半分で。
節税的に商売というものは大きく赤字と黒字を繰り返すのではなく、毎期0に近付ける努力を維持し続けるもの。控除後に0かマイナスにできれば最低限の納税(7万くらい、都道府県による)になるため。
どうすれば黒字を0に近付けられるかは設備投資などでカネを消費すればOK。ところが約1年間、ほぼ1期分の限定的な大幅黒字に対して投資先を決めるには時間が無さすぎる。
誰が悪いかは、そう、Microsoftのせい。
自社都合でサードパーティに薙ぎ払いレーザーしているようなもの。しかしこれ故意なのではないかとも見ております。
Microsoftが何を目指しているか、Appleのように自社端末を伸ばしたい傾向が見られ、市場規模を現状維持しつつ徐々に丸ごと自社化を目指している印象ある。
自作や組立代行BTOのようなPC変態はスルー、DELLとHPは最後まで残しておき、中途半端な規模のメーカーから潰して行きSurfaceへ置き換える、というエスパーは妄想だろうか。
マウス関連に投資しているものです。初めて書き込み失礼します。
いつもこちらのブログの業界情報は参考にさせてもらっています!
>株)マウスコンピューター:399億円(2019/03)
>パソコン工房(株)ユニットコム):324億円(2019/03)
細かくなりますが、両子会社の半期ベースの売上げ(百万円)
マウス PC工房
2018/9半 18,245 14,620
2019/3半 21,688 17,733
2019/9半 22,262 17,909
最後の2行を足して、2019/09での年間売り上げは、
株)マウスコンピューター:440億円(2019/09)
パソコン工房(株)ユニットコム):356億円(2019/09)
半期ベースでの対前年売上げの伸びは両子会社とも22%強でした。
PC業界全体から見るとかなり劣後しています。
言い換えると9月までのWin10移行需要と消費税駆け込みはMCJグループは控えめだった。
> MM総研の出荷概要は3社だけで1千億円を超える量産系BTOメーカーは漏れている気がしてならない。
パナソニック、ASUS、Acer、VAIO、マイクロソフトだけでも出荷台数でHPの半分くらいはありそうですので、それだけで「その他」は埋まりそうです。
さらに1千億円オーバーのBTO各社は無理ですね~~~!!!
> マウス(MCJ)のような大企業の方こそマズいのでは、と思い始めた。
実はここ数年のMCJグループ内での稼頭は、欧州iiyamaという海外子会社です。
主に液晶モニタの販売で、グループ全体利益の4~5割を稼ぎ出しています。
よって、日本のPC販売が少々の赤字になっても、グループ全体として赤字になる可能性はかなり低いのです。
(欧州iiyamaが全グループ経常利益の120%を稼ぎ出す!とかは有りうるw)
それとここ数年、(株)マウスはかなり莫大なTVなどへの広告宣伝費を垂れ流ししているので、これをカットしてなんとか黒字を確保してきそうではあります。
長文御免。
タイムリーすぎる。ちょうど先程MCJへ280万円ぶち込んだ記事を仕上げたところで、本当は2日後公開予約にしていたけれど入れ替えて明日公開へ。
>PC業界全体から見るとかなり劣後しています。
そう見えるのかやはり、と思うのが正直な感想。PC業界全体としてならばNEC、ついでに富士通、そして大御所DELLと日本HP、これらの個人3に対する法人シェアは6割どころではなく7割近い。
逆にマウスや工房は法人に種を巻き続けているものの芽が出てふくらまないレベル。MCJもサードウェーブらもNECなどが代理店を牛耳っており法人市場には足の親指の指先ほども、何年待てども関与できない枠外でございます。
全体で言えばNECやHPが強いは当然。ただ、私はIT業界の面ではなくPC市場の点で見ており、その点さえわかっていないギャンブラーを相手に売り抜けられるなら爽快かも知れないとエスパーしているわけで。プロの投資家は森を見て木や林を見ず、素人な私は木と林までは見ても森までは見ていない。もっと言えば森に興味がない。
>欧州iiyama
私がぶち込んだのは長野県の飯山ブランドを抱えているMCJなので、そういう点での見方は全体を見ている横瀬兼元さんとは視界が違う。ただ、視界の違い、見方の違い共有できるのはクソ面白いですな。
余剰金は全部MCJへ突っ込んでみる(期間限定)
>NECレノボ
なぜかレノボのPCって、10台中2~3台は2年以内に不調をきたしませんかね。弊社は安いからか年間20台くらいレノボPCを買って(8割ノート。非リース)いますけれど、買った当初から調子の悪い個体が必ず1~2台、2年以内にストレージが吹っ飛ぶ個体に2~3台ほど当たります。これは今のところ100%の確率。
>お役所などでバカ売れ、あるいはアホほどリースされまくって
Win7からの買い替えなら、Win10のライセンスだけ買ってアップグレードか新規インストールの方が安そうではありますがね。Win7がデフォルトで入っているモデルなら、CPUは初代か第二世代Core、メモリは4GBほどありそうですからWin10も余裕で動くはず。
>レッツノート
高性能で軽量小型なうえ頑丈、野暮ったいデザインはご愛嬌だったはずが、頑丈さのハードルを下げたモデルなんぞ出して日和ったため、ユーザ離れが加速しましたね。
>このiPhone 11を見て税込8万円少々出したい人は居るのか。
月額5,000円で自宅のメインPCをレンタルしていると考えれば、それを「月額料金は変わらず最新性能へアップグレード」したいと思わないでも無いです。どうせ月に同額を支払い続けるなら高スペックの方が良い、というような。