量産系BTO PCメーカーから特徴的な新製品が数機種発売。
BTOパソコンは大手PCメーカーのように無駄な機能やバンドルソフトを満載しない為、パーツやゲームなどの新発売と併用されニュースリリースになる事が多め。その中でも特徴の有る物を各ブランドよりいくつか紹介。
量産系BTOメーカーから5月に出た物より。
フェイス、Titan4つ載せSSD約1TBの100万円PC
初っ端から、ぶっ飛んでいる高級品。
フェイス、TITAN 4基を搭載した超ハイエンド構成ゲーミングPC - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1305/31/news131.html
4機種発売の内、最高級デスクトップPCは標準構成で100万円。お前100万円言いたかっただけ違わない気がする宣伝用の飾りでしょうな。
CPUはCore i7 3970X EEで市販の単品価格は最安でも約10万円。グラボはTitanが4つも載っている為、1枚を約12万円とするならこれだけでも48万円。
その他、インテル520シリーズの480GBを2本、RAID-0で数珠繋ぎし高速化しており、このSSD2本だけでも約12万円。
パイオニアのブルーレイドライブ、クラマスのケース、マザーは今これを書いている段階では分からないけれど、他のシリーズと同じならASUSのRampage IV Extremeなので、いずれも高級品。
合計すると100万円にはならず、行って90万強と思うけれど、やはり100万円言いたかったと推測しております。
研究などの専門用途や動画編集のプロ用としてかと思ったけれど、型番は XTREME GAMER TETRA となっており、どうやらゲーミングPCのご様子。
Titanの4way-SLIが活かせるゲームが有るように思えないけれど、「一番いいやつをくれ」が出来てしまう金持ちなら有りかも知れませんな。
フェイスはゲームPCに特化すると言っていたけれど、他の2機種には映像編集向きとされるQuadro搭載PCも出ており、早速ぶれて来たのか。
ゲームPCならフェイス、と言いたかったのかと思っていたけれど、どうやら特盛超高性能なら、という感じになって来ております。
これとか何に使って欲しいのかわけがわからない。約100万円。
CPUとしてXeon E5-2690×2基を搭載した処理能力重視のハイスペックモデルで、グラフィックスカードはGeForce GTX TITAN×1基を装備。メモリはDDR3 128Gバイト、ストレージは400GバイトSSD+4TバイトHDD(以下略)
しかしフェイスの販促が上手いと思う点は、構成を変えるだけで新製品が出来る為、例としてTitanの在庫が4でも、複数のTitan搭載モデルが宣伝可能。需要の低いQuadroとか持ってさえいないかも知れない。いや、1枚は有るとは思うけれど。
また、話題作りとしてニュースリリースを連発しているなら、知名度の低いフェイスならではの上手い無料広告状態とも言えましょう。
ちなみに、フェイスの新製品4機種は全てWindows 7 Prrofessional搭載としてリリース文が書かれております。
ドスパラ、Pocket UltraScope動作確認済PC
ポケットウルトラスコープなる機器の動作確認済BTOパソコン。
ドスパラ、クリエイタ向けPocket UltraScope動作確認済モデル - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1305/31/news079.html
ポケット~が何か分からず調べると、こちらのようで。
source:インディゾーン@オンライン
何に使う物か引かせてもらいます。
放送局クラスのエンジニアが求める技術的精度を実現し、エディターやカラーリスト用にデザインされた世界初のスコープ が登場
(中略) UltraScopeは編集や色補正に必要な全ての機能を搭載し、機能的なユーザーインターフェースにまとめました。
というわけで、映像編集プロ用の色補正機器。価格は約6.5万円。
新製品なのかと思いきや、インディゾーンのページ最下部には
この商品は 2010年7月31日 土曜日 にカタログに登録されました。
と書かれており、3年くらい前に出た物。
なぜ今更これの動作確認済なのか、また、動作確認しなくとも普通に利用出来ると思われ、販売元は宣伝になると思っているのかも知れないけれど、ドスパラのプレスリリースの書き方では他のPCでは相性が出る(使えない)よう感じてしまう可能性がございましょう。
更に良く解らない所はドスパラPCの標準構成。
CPUはCore i5-3470(3.2GHz)、メモリは8Gバイト、HDDは1Tバイト、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブを内蔵した。OSはWindows 7 Home Premiumを導入している。
価格の約9.5万円は構成なりとしても、映像用途としてこの性能はどうなのか。
私は映像編集とか色のプロでは無い為、良く解っていないのだろうと思うけれど、それにしても控えめ過ぎる仕様。
当然ながら上位モデルも有り、約18万円でCore i7搭載も有るけれど、グラボはカスタマイズ出来ず1種類(GTX 650)のみ。
最近のドスパラのニュースリリースはフロンティア程とまでは言わないけれど、本当にパソコンに詳しい人がやっているのかと疑いたくなる物が多め。
クリエイター用なら、個人的にはマウスコンピューターが現在最もやる気になっていると思うので、PCの性能やパーツの意味が判らない人はドスパラのこれはお勧め出来ない(と思う)。
Pocket~動作確認、宣伝用モデルはCore i5、グラボのカスタマイズ無し。私が何か盛大に勘違いしているのかと自分を疑いたくなる新製品と感じております。
ツートップ、節電や低価格WSなど法人向けPC
フェイスと同じユニットコムグループのツートップより。
ツートップ、8万円台からミドルタワー筐体ワークステーション - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1305/21/news060.html
フェイスがゲーム特化と言い始めた頃からツートップは法人向けのワークステーションやトレーダー用PCを連発しており、これもその一つでしょう。
しかし8万円でワークステーション(以下、WS)は無理と思い、何がどうWSなのか仕様を見ると、どうやらマザーボード(チップセット)がWS用のご様子。
マザーはSupermicroのX9SAE、チップセットはインテルのC216という物。C216チップセットが初耳なので調べ、インテル公式より。
中小規模ビジネス向けに設計されたインテル® C202、C204、C206、C216 チップセットは、シングルソケット・サーバー・プラットフォームやエントリーレベル・ワークステーションでインテル® Xeon® プロセッサー E3-1200v2 およびインテル® Xeon® プロセッサー E3-1200 製品ファミリーをサポートします。
仕様を見てもインテル6や7シリーズとどう違うのか良く分からず、ツートップの8.7万円WSはCore i3なので気分的な問題でしょう。これをWSと言って良いのか疑問。
CPUはCore i3、メモリ2GB、HDD 500GB、DVDスーパーマルチとここまでは4万円くらいの構成と思えるものの、Windows 7 Professional、電源がオウルテックの500Wで80PLUS GOLDとなっており、一応特徴と言えるかと。
本命は上位機種で、8万円台の最安モデルは釣り用でしょうな。
下位のWX1200-EはCore i3-3220を、WX1200-S/同-H/同-XはそれぞれXeon E3-1225 v2/同-1240 v2/同-1280 v2を標準搭載。
4機種中の上2種類はQuadro搭載。クリエイター用とは書かれておらず、あくまで法人用なので、WSで決め打ちして来る企業用。
もう一つのプレスリリースも法人向けで5.3~5.6万円。
【.biz】ツートップ、ビジネス向けの省電力デスクトップPC - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/biz/20130528_601236.html
コンセプトはエコ。それならノートPCを使えば良いのでは、と思ったけれど、企業用ならモニタを使い回せた方が良いとか、画面も大きい方が良いのでしょう。
どこがエコかは省電力な構成となっており
- CPU・・TDP 35WのCeleronまたはCore i3
- SSD・・消費電力1~5Wくらい
- メモリ・・シングルチャネル(1枚) ※但し最上位は4GBx2枚
そこまでするならDVDドライブも取り払い、Celeron構成なら5万円を切った方が見栄えが良いと思ったけれど余計な世話ですな。
大企業はイメージを良くする為かやたらとエコエコ言っているけれど、中小企業はPCの性能を落として生産性や作業効率を落とさない方が良いと思う。
ちなみにWindowsは7のHome~またはPro~となっております。
オンキヨー、Surface ProっぽいスレートPC
ラストは久々のオンキヨー。まだスレートPCを諦めていないようで。
オンキヨー、「真・雀龍門」「大戦略WEB」コラボ11.6型スレートPC | マイナビ
http://news.mynavi.jp/news/2013/05/31/161/
外れるタブレットは大手メーカーやマイクロソフト、台湾直送便(Acerなど)が出しているけれど、オンキヨークラスの規模でこれをやるとは思わなかった。
個人的にタブレット兼ノートをやるならこの形が正しいと思っており、スライドとか回転する外れないキーボード側はタブレットとして疑問に感じております。
価格はマイクロソフトのSurface Proより1万円安い約9万円。キーボードはSurface Proとだいたい同じで約1万円なので付けても同じくらいの差額。
しかし、Surface Proは名前の通りWindows 8 Proなので売価基準で8の無印と5千円くらいの差が有り、MSオフィスのHome and~まで入っている為、2.5万円くらいの価値とするなら計3万の価値としてオンキヨーの負け。
しかもCPUはSurface ProがCore i5に対し、オンキヨーはCeleron 887。更にSSD容量は半分の64GB。
追い打ちすると、SSD 64GBは128GBの半分なものの、Windows 8のインストールで30GBくらい占めるとするなら空き容量の差は3倍くらい違うという事に。
宣伝の為にオンラインゲームの推奨をやってみたものと思われ、確実にタイミングを誤った時代遅れな在庫処分。
なぜタブレット兼ノートに麻雀や大戦略を付けたのか、型番で検索してみると元は法人向けとして販売されており、更にはWindows 7も入れて売っておりました。
source:http://onkyodirect.jp/pc/tw3aa35/
7で10点マルチタッチは無理と思われ、注意書きに無いけれど大丈夫なのか。
推測というか妄想になるけれど、法人向けとしてWindows 8仕様でやってみたものの思うようには売れず、7を入れてみたりゲームをセットして何とか在庫をはかせようとしているのでしょう。
二極化して来たWindows7と8仕様PC(まとめ)
性能や用途への提案以外の特徴、または特長としては、最近のBTO PCメーカーのニュースリリースではWindowsが8では無く7が多くなっております。
極端なのはフェイスで、4月頃から出ているプレスリリースはWindows 7ばかりになっており、売り場へ行ってみると8モデル無し率が高い。
ドスパラやマウスは現在も標準をWindows 8としてニュースリリースを撒く事も有るけれど、今年1月頃と比較すると全体的に明らかに7としての告知が増加。
富士通や東芝などは昨年10月下旬より全部Windows 8へ切り替わり、パナソニックなど一部で7へのダウングレード付は有るけれど基本は8。
BTOメーカーは8と7を並行販売しているけれど、リリース文に8では無く7が増えて来た原因は、やはり7を前面に出したいのかと。
Windows 8.1に期待している人も居るかも知れないけれど、2013年6月末にはテスト版が公開されるようなので、購入を急がないなら情報待ちを推奨。
スタートボタンが付くかもとは言え、従来のものとは機能が違うという話。デスクトップ画面から起動しても、何かと飛ばされてしまう邪魔なスタート画面側が消えるわけではございません。
買い急ぐならWindows 7が無難。BTOパソコンなら現在も当然のようにWindows 7 PCを販売しております。
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