React OS(リアクトオーエス)の話。
万人が喜びそうなWindows互換の無料OSな割になぜ話題にならないかは、まだ完成度が低くほぼ使い物にならないため。今回はアルファテスト状態の最新版が出たらしいので入れて使ってみた。
難しい箇所は飛ばして気軽にどうぞ。
Windows互換の無料OSなReact OS
公式はこちら。
Front Page | ReactOS Project
https://reactos.org/
トップページの目立つ位置にダウンロードボタンがあるので押すとダウンロードページへ。Boot CDはインストール用、CDに焼いて起動するならLiveCDの方を落とす。
70~100MBくらいのzipファイルを解凍(展開)するといずれもISOファイルが出て来るので、CDに焼くなり何なりと。
仮想環境の日本語モードで動作確認
使っていないパソコンはたくさんあるけれど、Windows消すとかストレージ入れ替えなど面倒なので仮想環境、VMwareにて。
- 仕様:Xeonの1コア、メモリ1GB、HDD 20GBを割当
- 動作:LiveCDをマウントして直接起動
- モード:ノーマル
XP同等ならこの程度の性能でよろしいかと。もしやってみたいならISOをCDへ焼いてブートをCDからにすればインストールせず使えるかも知れない。※PCとの相性による
そしておもむろに起動。
Live CDを選択しEnterすると、しばらく固まった感じで10秒くらいインストール中のようなメッセージ窓が出るので待つ。おそらくメモリへ展開しているのだろうと予想。
そして再び改めてどうするのか聞いて来るのでRun~Live CDを選ぶ。ここでインストールを選んでもCDからの起動用なのでエラーが出た。
次は言語の選択。日本もございます。
Nextボタンを押すと3秒くらいロゴが出た後すぐにデスクトップ画面へ。
日本語部分が文字化け風にロ表示になっている件。
日本語対応していないのかフォントが無いのかと思ったけれど、同じバージョンの0.4.6で日本語表示できている人がいたので私の環境、仮想PCが原因かも知れない。英語でも多分判るのでやり直し。
かなりXPに近い状態で動く事を確認
Windows XPというより2000に近い印象。見た目はXPとかVista風に変更できるので、したいならすれば良いけれど面倒なのでスルー。
この段階で判明している不具合らしき箇所は、左のアイコンの最下段、Readmeテキストの関連付けが外れており、右下の時刻表示が正しく設定できなかった。日本時間へ変更してもなぜかマイナス8時間。
動作は普通にWindowsに似ており、仮想PCのせいかマウスのポインタの動きが少々ぎこちない感じはした。コマが飛ぶ、ポインタだけfpsが低いような。
解像度を今時な1366x768へ変更してみる。
ちなみに後ろの2つは見ての通りで、デバイスマネージャとペイント。
HD解像度へ変更完了。縮小していないので拡大は横1366ピクセル注意。
左上から右へ、マイコンピュータのプロパティ、コマンドプロンプト。左下はノートパッド、日時設定、タスクバーとスタートメニューの設定。いずれもWindows風ですな。コマンドプロンプトのipconfigも普通に使えております。
ところでネット接続は出来ていてもブラウザが無ければ何もできない。探しまくった結果、Cドライブの中にiexplore.exeを発見。名前とアイコンからしてこれくさいので実行するとWine Internet Explorerなるブラウザが起動。
しかし左の小窓がおかしいようにブラウザの表示もおかしい。
http://google.com と打つと https://google.co.jp へリダイレクトされたので動作はしているはず。しかし https://bto-pc.jp と打てども https://bto-pc.jp/ へリダイレクトしてくれないので正常動作していない。
どうしてもやってみたい事があるのでインストール版へ切り替え。
インストール版を入れブラウザが開けた
インストールもWindows XP時代風。
フォーマットして再起動するとインストーラが起動して進める形。
通常起動すると今度はブラウザが無いというオチ。デスクトップ画面が出た直後にデバイスやツールのインストールに失敗した感じの表示が出たので再起動してセーフモードで起動するとブラウザ発見。
実行してみると真っ白な画面になり、当サイトのURLを入れると開けた。縮小したくないので適当に左上を切り取っております。
フォントが汚い、Googleの広告がなぜか表示されていない、リンクの背景がズレている(スタイルシート読込不具合?)が出ているのは、まともなフォントが無い&ベースが古いIEなのだと思う。
本当はこの後、Steamへ行ってクライアントをダウンロード&実行してみて動くようならログインして軽いゲームが動くかまで試したかったけれど、ダウンロードが利かないので何もできず終了。
Firefox入れようとしてもFirefoxがダウンロードできない。LAN経由で持って来る手もあるけれど疲れた。
完成度は高まっている(のだと思う)
私は今回初のReact OS体験なので、昔を知る2011年6月の庶民Aさんのコメントを引用。
>ReactOS
そちら、登場した当時から現在まで更新を追って試しているのですけれど、私の環境では一度もデスクトップさえ表示された事が無いのですよね。個人的な意見では、OSと呼べるレベルを100とすると、まだ5にさえ達してないような気がします
6年くらい前は100中の5未満。現在は私に言わせると100中の70~80くらいまでは来ている印象がございます。
不安定とか動かない機能が目立つけれど、コメンドプロンプトやレジストリエディタ、デバイスマネージャなどOSとして動く部分はほぼ問題なし。
気になるところはこの70/100状態でもまだまだアルファテストとなっておりベータにさえ入っていない進捗の遅さ。開発開始から約20年が経過しているので、ベータテストに入るのは2040年、正式版リリースは2060年頃になるのかも知れない。
Windows互換のReact OSはアリかナシか?
見た目や操作感がXP風で中身もその当時の時代な仕様。最新のWindowsがアレなので7サポート終了までに乗り換えたいと思った人が居るかも知れないけれど実用的では無い。
React OSの開発チームがボランティアで面白がって作っているOSであり、業務用としてはもちろん、個人の趣味レベルでも実用は難しい。趣味とか遊びで入れて動かし、高まって行く完成度を見守り感心するものかと。
React OSの歴史は古く1996年あたりから開発を始めたようなので今から20年くらいもの昔であり、その20年前の設計を今でも続けている点では、Windows XP互換OSの完成が目的なわけで、今時XP仕様ではさすがに使いづらい。
しかしカーネルはNT系Windowsなので、もしかするとVista以降の機能を付けて行く事が出来るのかも知れない。もう20年くらい経てば7互換くらいにはなるやも知れず。と言えば分かり易いかと。
また何年かが経過し、せめてベータ版くらいになったなら再び改めてレビューしてみましょうか。その時まで当サイトや私がネット上に居るとは限らないけれど。
私は「仮想環境で動いても実環境で動かなければ無意味」と思っているため、React OSについてはUSBメモリやディスクから起動を試しています。
未だデスクトップさえ表示されない状態は変わらず。念のため書き込みソフトは4種ほど使い、USBメモリ2本で試すこと8回、CDを5枚ほどゴミにした時点で今回も起動は諦めました。
>VMwareにて
ちなみに私の環境だと、仮想環境でも動いた試し無し。起動するかと思われた矢先、OS言語とキーボードを選んだ時点でフリーズ。10回ほど試して結果は変わらず。
>Wine Internet Explorerなるブラウザ
LinuxでWineといえば、Linux上でWindowsのソフトを動かすためのツールだったような。使ったことはありませんから知りませんけれど。
minto.tech - Linux上でWindowsアプリケーションを動かす「wine」の基礎知識と特徴
http://minto.tech/linux-wine/
>現在は私に言わせると100中の70~80くらいまでは来ている
動かない環境は当時より大きく減っているでしょうから、確かに数字的には50以上には達しているやも。ただ雰囲気からすると、例え完成しても「古参のWindowsユーザが好むWindows風」にはならない気がします。どこかでオリジナリティを出したがり、いちLinuxのまま終焉を迎えそう。
どうでも良いでしょうが、上記の最中に私のFirefoxがクラッシュして2度と立ち上がらなくなりました。Firefoxの再インストールを試すも、起動直後にクラッシュレポートが立ち上がり「起動しませんでした」で終。プロファイルを削除しても無駄。レジストリからFirefox関連を全削除しても無駄。なぜかFirefoxPortableは問題なく動くため、FirefoxSyncで環境を戻しつつあるのが現状。
何の因果か。