パソコン工房より新製品。
BTOの場合は大手メーカーのような季節ごとにモデルチェンジするものでは無く、完成したなら随時で新製品が発表され発売され、いつの間にかフェードアウトして行くという流れが平常運転。
今回の製品は少し珍しい形。
パソコン工房がやや小型なPCを約7万円からで発売
プレスリリースをPC Watchより。
ユニットコム、容積1LのスリムデスクトップPC - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1057420.html
超小型とは言えない、高さ17cmくらいの小型PC。最近のPC Watchは仕様が見易くなったのでそのまんま引用。
- CPU: Core i3-7100T(3.4GHz)
- GPU: Intel HD Graphics 630
- チップセット: Intel H110
- メモリ: DDR4-2400 SO-DIMM 8GB
- ストレージ: HDD 500GB
- 本体サイズ(幅×奥行き×高さ): 約174×182×36mm
- 重量: 約1.3kg
- OS: Windows 10 Home
- 直販価格: 70,178円
価格は税込に直されており、パソコン工房での表示は64,980円。何となく割高な気がしてしまうのはOSのライセンス代の違いと予想。
Atom搭載のような小型PCやタブレットはマイクロソフトがWindowsをタダ同然でバラ撒いているに対し、これはやや性能高めなノートPC並なので、10 Homeなら1万円くらいは原価に乗っているはず。
仕様は全てノートPCのパーツとなっており、キーボードとモニタの無いノートと思えば良く、デスクトップPCには普通付いていない無線LANを内蔵していたり、Bluetoothまで最初から入っていたり。
3種類ある中の最上位モデルは約10万円でCPUがCore i7、HDD容量が1TBへ増えただけなので、もしマジで購入を検討するならCore i3モデルをメインとして考えると良さそう。
ところでこの筐体、どこかで見たと思えばECSのベア。
source:ECS - LIVA One
「さすがヒツジ先輩、PC変態過ぎる」と思ったなら違う。PC変態は認めるけれど、パソコン工房の販売ページの画像のファイル名がliva_one~になっていたので検索できただけ。
おそらくCPUまでは付いているだろうけれど、HDDやメモリなどは別売りの後のせタイプ、この中途半端な半完成品が昔からベアボーンと称されております。
自力で中国などへ設計から依頼し製造して大量に仕入れてズッこけるよりは、ECSからベアを仕入れた方が数と価格の点で安全なのでしょう。知らないけれど多分そう。
STYLE-IL11の特徴から見える利点色々
難点は2つで価格が高め、性能低め。
中身がノートPCのパーツなので普通サイズのデスクトップPCより高額化し低性能化するは当然であり、これらが嫌なら普通のデスクトップにしろという話なのでスルーし、ECSにしては完成度高めと思うので特徴を抜き出しましょう。
CPUの性能が高めな仕様
小型PCといえば、安い->Atom->クソ性能->窓から放り投げる、が一般的なところ、このLIVA One型は最低でもCore i3、最上位でCore i7を搭載するのでAtomとは比較にならない高性能。
最下位のi3でさえ2コア/HT対応、クロックは最大3.4GHzまで上がるので2GHzを切るような安物とは違う、インテル公式価格117ドル、価格コム最安1.4万円前後の製品。
AtomやAtom系Celeron、Pentiumがいくら4コアだろうと、いつ4コア使う機会があるのか分からない、なればなったで今度はクロックが思い切り下がるので意味が無い。この点は小型PCという割に6万円クラスのノートPC並には使えそう。
有線ギガで無線はac対応
やはり小型PC、安物の場合はCPU以外にネットワークもケチられるもので、有線LANは無く無線のみとか、付いていても100BASEな仕様が目立つ。無線も今ならac無しのb/g/nが散見されるものの、このPCは高性能ノート並な1000BASE対応かつ無線はa/b/g/n/ac対応の全部載せ。
しかもBluetoothまで内蔵しており、LEでは無い4.2なのでマウス接続するだけ以外に速度もLEより速い。
小型とはいえ、固定設置となるデスクトップPCならば有線LAN1Gbps対応は価値が高め、企業用の業務PCとしてもストレス無く使えそう。
USB3.1のCタイプポート付
やはり小型PCといえば拡張性は低めで、筐体が小さいので物理的に端子の数も限られがちなところ、こいつはやや大きめな17~18cm四方あるのでUSB3.0が背面に4本もあり、前面には3.1 Type-Cを1本装備。
今後もUSBは3.1から進化して行くだろうけれども、端子の規格は表裏の区別無く、薄型端末にも付くType-Cへと統一されて行くと思われ、USB接続機器をCへ変更して行くなら良い仕様と言えるかと。
2ストレージ構成へ変更可
個人的高感度上昇の2ストレージ構成可能な設計。
2.5インチ2本では無く、2.5インチは1つ、もう1つはM.2スロットとなっており、SSDをM.2(転送速度はSATA)へ挿してHDDは2.5インチで行けばOK。この大きさで2ストレージは素晴らしい。
SSDからHDDへバックアップ、有線LAN速いはずなのでNASへバックアップ、無線LANも速めなのでクラウドへバックアップ。せっかくSSDを搭載してもCPUがしょぼいとかメモリ少ない、回線遅いではボトルネックのオンパレード。が、どこにも無い。
小型でも分解は簡単と予想
なぜそう思うかは、元々LIVAシリーズは小さいモノ好きなガジェットマニアが本体部分のみ購入し、自力でSSDを載せたりメモリ盛るなどして遊ぶ製品。
パソコン工房もSSDおかわり、メモリ増設、HDD変更などのカスタマイズが普通に掲載されている為、おそらく私程度の自作PCユーザならば簡単に中身の入れ替えや盛りは可能と推測。
パソコン工房のカスタマイズが高い、けれどSSDは載せたいメモリ盛りたい、ならば自力でも出来そうな点は改造になるものの判る人には大きな利点。
VESAマウント2種類に対応
不思議な事にパソコン工房はこの点に全く触れていないと思う、VESA規格の100x100と75x75mmで両対応。VESAとはモニタの背面の穴の位置の決まり、規格で、モニタとPCどちらもVESA対応なら固定可能。
安く手軽に一体型PCごっこが出来るので、そうしたい人にはやはり利点。
以上。難点は最初に書いた通り、価格と性能、要するにコスパ。
しかしそれを納得済で小さい事に価値があると思う人がこの手のPCを買うのだろうから、無駄に高性能デスクトップPC使う人間がノートPCを馬鹿にしても意味が無いと同様、嫌ならデカいやつにすれば良い、という事に。
疑似一体型PCとして販売した方が良いのでは
一般/個人向けデスクトップPCは、国内BTOメーカーは分離型のセパレートが主流なところ、DELLなど外資系は一部一体型、国内大手は一体型なオールインワンで出すが主流。
なぜそうなっているかは、国内BTOの場合は価格性能コスパ重視、一体型は見た目重視で販売される為でコスパ悪いし安い機種は性能低め。
パソコン工房のLIVA One型はこういう事も出来るPC。
モニタの裏が丸見えになる設置場所では意味が薄いものの、後ろが壁などで見えないなら一体型PCとして売れば良いのでは無かろうか。
モニタ背面にカバーを付けてPC本体を完全に隠すという意味では無く、上の画像の状態で出荷できるよう緩衝材(この場合は発泡スチロール)を作り、短いHDMIケーブルを最初から接続しておく。
PC本体とモニタの電源プラグさえコンセントへ挿せば使える状態にしておけば、配線が分からない、自信の無い人にはウケそうな気がする。ついでに無線キーボード&マウスまでセットアップしておけばパーペキ。
せっかくVESA規格対応、上の画像のような事が出来る割にパソコン工房の販売ページを見る限りでは背面への取り付け方法の紹介は無く、VESA規格対応とさえ書かれておらず特徴を潰しておりもったいない。
この辺り、販促や提案はやはり親会社マウスの方が上。マウスなら子会社のiiyamaを動かしてカバーを取り付け、カバーに通気口と端子を付けるくらいやりそう。一体型にもなる小型PCとモニタセットとか良さそう。
良さそうと言いつつ他人へ勧める気にはならない、それが小型PC。
構成から見ると、小型仕様で7万円なら妥当な価格ですね。一般的なミニタワーで考えると割高ですが。
マウスコンピューター - LM-iHS320B 仕様詳細
http://www.mouse-jp.co.jp/desktop/lms/lm-ihs320b_spec.html
スリムタワー、Win10Home、i3-7100、8GB(空き1)、500GB
以上で 71,064円(送料税込)
マウスコンピューター - LM-iH440BN 仕様詳細
http://www.mouse-jp.co.jp/desktop/lm/lm-ih440bn_spec.html
ミニタワー、Win10Home、i3-7100、4GB(空き1)、500GB
以上で 62,424円(送料税込)
ドスパラ - Slim Magnate IE 基本構成
http://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=2&tc=149&ft=&mc=6593&sn=0&st=1&vr=10&tb=3#tabContents
スリムタワー、Win10Home、i3-7100、4→8GB(空き3)、500GB
以上で 61,538円(送料税込)
ドスパラ - Magnate IE 基本構成
http://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=2&tc=50&ft=&mc=6541&sn=0&st=1&vr=10&tb=3#tabContents
ミニタワー、Win10Home、i3-7100、4GB(空き3)、500GB
以上で 56,138円(送料税込)
>Core i3-7100T(3.4GHz)
これTDPが35Wと低いくせに、最低でも2.40GHz、最高で3.40GHzという高性能ですね。私が使っているCore i3 2100Tは型落ちな上に2.50GHzがマックスですから、勝負になりません。
>ベアボーン
一時期はベアボーンそのものも色々なサイトで販売されていましたが、売れなかったのか、最近は全く見かけなくなりましたね。あっても「お取り寄せ」がデフォ。
>安い->Atom->クソ性能
棒PCやタブレットのみならず、事情があり業務でネットブックを使う機会が多々あった私ですが、断言できます。AtomはPCとして使うなら間違いなくゴミ。最大の難点は、負荷が掛かると動作が鈍くなるものの、Atom機の筐体は小さいため、冷えるのにも時間が掛かる点。
>2ストレージ構成へ変更可
搭載できるSSD、CrucialのM.2接続で275GBですから、少し古いですけれど「CT275MX300SSD4」な模様。いま買うとそれなりに高いですから、13,000円でプラスできるのはけっこうお得。
CFD - CT275MX300SSD4:Crucial MX300 シリーズ M.2 SSD (275GB)
http://www.cfd.co.jp/product/ssd/ct275mx300ssd4/