Surface RT発売予定は3月15日、国内PC市場が更に混沌

2013年3月 5日

マイクロソフトが日本でもSurface RTの発売を発表。

発売予定日は3月15日(金)。読み方はサーフェス(またはサーフィス)。Windows RTとはARMプロセッサ搭載で、Windowsという名が付いていても従来のWindowsとは違う、要するにデスクトップ画面の操作がメインのWindowsと互換のない物。

情報が色々と流れて来たのでまとめ。

Surface RTの仕様詳細と本体やオプション価格

価格はEngadgetが分り易い。

マイクロソフト Surface RT タブレット仕様詳細 - Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2013/03/01/surface-rt-32gb-4-9800-32gb-touch-cover-5-780/

surface-cyan-touch-cover-620-wide.jpg

本体価格は2種類。

  • 32GBモデル(ユーザ領域 約16GB)が 4万9800円
  • 64GBモデル(ユーザ領域 約45GB) が5万7800円

約5万と6万円。

ユーザ領域とはWindows RTがストレージを使用した後の空き領域の事。16GBと45GBは少なく見えるけれど、従来のWindowsソフトは利用出来ず、AndroidやiOSのようなアプリになるとするなら十分なのかも知れない。

保護カバーと感圧式キーボードが一体化した Touch Cover は単品 9800円

本体の背もたれと薄っぺらいキーボード部分の事で、本体を立てつつキーボードも使うなら約1万円というオプション価格。但し本体とセットなら割安になり、8千円の上乗せで追加可能。

別売りのオプションでペラペラでは無いキーボードもございます。

カバーと機械式のキーボードの Type Cover は単品1万980円

画像をマイクロソフトのSurface公式より。 

suface-Type-Cover-ms-off.jpg

source:Get more done on Surface with Type Cover, Touch Cover and Trackpa

こちらをセットにした方が良いと思ったけれど、タブレットPCとしての利用が主となるモバイル用としてペラペラ標準なのでしょうな。

省略しまとめると

  • 32GB版・・5.0万(K/B付:5.8万)
  • 64GB版・・5.8万(K/B付:6.6万)
  • ペラペラK/B・・1.0万
  • 機械式K/B・・1.1万

仕様はコンピューターワールドが見易い。

マイクロソフト「Surface RT」を3月15日より販売開始 | Computerworld
http://www.computerworld.jp/topics/577/206591

surface-rt-jp-spec.jpg

サイズはA4用紙より小さく、重量はiPadと同じくらい。iPadは約24x19cmなので縦横比が変わった程度で面積は若干大きいか、ほぼ同じくらい。

CPUは現状のタブレットPCとしては高性能なクアッド(4)コア仕様。動作周波数は1.6~1.7GHz、キャッシュ1MBと低めなものの、タブレットPCとしてなら上げ過ぎると熱問題が有り難しいのでしょう。メモリ2GBはTegra3の最大。

画面解像度はソニーがVAIOで無茶をするようなHD解像度となっており、10.6インチでこれはどうなのか。タッチ操作しづらくならないのか。

インターフェイスはタブレットPCとしてなら充分と思われ多くは要らないでしょう。無線のa/b/g/n、Bluetooth4.0、バッテリ起動8時間も優秀な方。

そしてオフィス2013 RTが標準でプリインストールされており、日本だけとの事。オフィスが必要ならお得感が有りますな。

本体の機能解説はこちらが分り易い。

surface-rt-2013-03-15.gif

source:日本マイクロソフト、「Surface RT」を発売:CodeZine

特徴と言える箇所はカバー端子とHDビデオ出力で、一般的なタブレットPCとは違いキーボードがドッキングする形式。外部へ映像出力するならパソコンのようになるわけですな。

Surface本体で画面を見つつ操作し大画面で確認。何の意味が有るのか良く分からないけれど今はまだ考えない事に。

 

Surface RTは「ペースカー」か「レースカー」か?

2013年3月現在、Windows RT仕様のタブレットPC(またはパソコンもどき)はNECが出しているLaVie Yのみ。今回のMS純正RTタブレット、Surfaceで今後の市場がどう変わるか、またはマイクロソフトが変えようと必死なのか。

Surface発表祭りがPC Watchに上がっております。

Surface RTはコース上に現れたペースカーか、レースカーか?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/20130304_590196.html

日本語にすると、SurfaceはWindows RTまたはWindows RT仕様のタブレットPCの牽引役か、または競合なのか。

記者会見終了後、日本マイクロソフトの社長に、直接、この質問を投げかけてみた。

「Surface RTは、ペースカーである(キリッ」

これが、社長の回答であった。

社長名は省略。キリッは私が勝手に追加。失礼。

ここで「レースカーだ」などと言うわけが無いでしょう。言ったら日本中のPCメーカーを敵に回してしまう=Windows RTでは無くAndroidが採用される可能性が高まるという意味。

日本MS社長のコメントを引用。

パートナーであるPCメーカーと競争するというよりも、Windows陣営と、そうでない陣営(Apple陣営やAndroid陣営)との競争がメインとなる。

競争に参加させて貰えると思っている時点でおかしいと思う。

今は、トータルとしてWindowsを盛り上げていかなくてはならない時期にある

それならWindows8を出さなければ良かった。

日本では250機種以上のWindows 8搭載PCが製品化されており、今回発表したSurface RTは、SKUでもわずか4機種。たくさんあるPCの中の1つにすぎない。

機種の数という比較はおかしいと思う。販売規模が問題。

販売店側からも歓迎の声が挙がる。Surface RTは (中略) ビックカメラ(グループ会社のコジマ、ソフマップを含む)、ヤマダ電機(グループ会社のベスト電器を含む)、ヨドバシカメラの合計約1,000店舗の店頭で販売される。

Windows8発売後、ハードウェアに詳しくない一般PCユーザが「Windows8を入れても画面がタッチ操作にならない」と冗談のような事を言っておりましたな。嫌な予感しかしない。

そして量販店で売るマイクロソフトの頭のおかしさがここ。

量販店には、Surface RTを押したい理由がある。今後、成長が期待されるタブレット市場において、最大シェアを誇るAppleのiPadは粗利率の低さが課題

逆に考えると、Surface RTの粗利率が高いと解釈するなら、ポイントや値引きは大きくなると思われ、32GBなら49,800円以下になるという事でしょう。

どうにかして49,800円固定にしたとしても、それなら普通の人はiPadを選ぶかと。本物のWindowsと互換性は無い、別のOSなのだから、iOSでは無いとしてもAndroidになるはず。

そんな価格でPCメーカーがWindows RTを入れてまでタブレットPCを出そうと思っているのか。マイクロソフトは自社OSだからこそできる、比較的低価格かも知れない未成熟なタブレットPC。

ぶどう農家が自家製で鮮度の高いジュースを1杯50円でスーパーマーケットで直販し、百貨店に対して「お前らもこのくらいやれ」と言っているようなもの。Windows RTやオフィスRTをPCメーカーへ無償提供でもするつもりなら別だけれども。

(MS)社長も「最新のWord、Excel、PowerPoint、OneNoteを標準搭載しながらも、49,800円からという価格を実現した。価格競争力を持ち、比較にならないほど高いバリューがある」と自信をみせる。

PCメーカーはビビって、または白けてしまいRT機器を製造できない。

そしてMS社長いわく。

Surface Proの投入については、「時期が来たときにお話ししたい」

やってしまうと本当にWindows8はPCメーカーに見放されると思う。

文末より。

つまり、見方を変えれば、日本マイクロソフト全社のあらゆる部門がSurfaceに取り組むことになる可能性が高いのだ。そうなった場合、Surfaceは「ペースカー」でいられるのか。

ペースカーでいられるか、レースカーになるかは、マイクロソフトが決めるのでは無く、PCメーカーでしょうな。

もうひとつ、私とは逆の考え方をされている人も居られます。

Surface RTに期待する理由 | Computerworld
http://www.computerworld.jp/blogs/d/206600

本文前半が意図の良く分からない知識のお披露目、はいいとして、期待されている理由をまとめらしき辺りから引用させてもらうと

マイクロソフトは、企業クライアントに関して20年を超える経験を持つ。運用面での改善はWindows NTのZAW構想(Zero Administration Windows)が登場した1997年から15年、Active Directoryとともに登場したグループポリシーも10年を超える歴史を持つ。

Aさんは市役所で勤続年数20年を超える経験を持ち、土木工事部署で15年活躍し、部長としての歴史は10年もある。だから市長としてふさわしい、ような感じでしょうか。私には年数による価値が全然分からないので意味不明。

また、こちらの筆者殿は企業クライアントとしてこう書かれております。

こうして見ると、Surface Proの方が有利に思える。しかし、私としては導入するならSurface RTであると考えている。

え?と思った理由は、私が先程のPC Watchの解説で納得していた為。

Surface RTでは、PC市場において約51%の販売構成比を占める法人向けルートを完全に封印しているが、Surface Pro発売時に、それが解禁されれば、市場カバー率が大きく広がることになる。

オフィス程度でまだ何も揃っていない状態でWindows RT(Surface)を企業が導入する理由は微塵も無く、説得力がございません。

いくらマイクロソフト信者、または提灯持ちとしても強引過ぎないだろうか。

Surface RTはどうか。「アプリケーション互換がないなら、iPadでもNexusでも良かろう」という意見もあるだろうが、私はそうは思わない。

個人としての意見なので良いと思うけれど、コンピューターワールドという大手の権威あるニュースサイトのコラムでこれはやり過ぎと感じております。

言い方を変えると、個人ブログでやれば良い程度の提灯まみれ。一人でねぶた祭でもするつもりなのか。それは言い過ぎですな。失礼。

 

Surface RT発売で国内PC市場が更に混沌(まとめ)

混沌する大きな理由は、Surface RTが大手家電量販店で売られる点。

これがツクモやパソコン工房系のショップなら、聞かれなくとも「Windowsのソフトは使えませんが良いか?」くらいは言うでしょう。知らないけれど。

量販店で従来のWindowsアプリケーションとの互換性が無いと説明できる店員がどのくらいの率になるかが問題。100%は無理だと思う。

その理由はスタッフの教育以前に、例として土日にPCコーナーで人が足りない時、白物(洗濯機、冷蔵庫など)や黒物(テレビ、AV機器など)からヘルプが来る事もあるでしょう。昨日採用されたばかりの見習いや派遣が来るかも知れない。

となると、ポップやスペックシートへ「Windows8までのWindowsアプリケーションは使えません」と大きめに説明を入れるか?

常識で考えるとそうかも知れないけれど、量販店の責任者が売りたい一心、ノルマが有ったりするなら「そんな事はどうでもいい、書かない方が売れる」と考えるかも知れない。

もう一つの混沌は何故かオフィスを標準で入れた点。これには2つのリスクが考えられ、2行にすると。

  • NECなど有名メーカーの標準オフィス入りPCと競合する
  • キーボードが標準で付属しない割に特長としている

RT用のタッチ操作でオフィスがどこまで使い物になるか知らないけれど、PC用と同じレベルならオフィス入りで5万円。オフィスの価値を2万とするならSurface本体は3万円。メーカーPCの在庫処分、最終価格並と言えましょう。

そしてキーボード(Touch Cover)は別売り。本体のみ購入した人はキーボード無しでオフィス入りPCもどきを購入する事に。基本的にタブレットPCいうSurfaceの特徴をマイクロソフトが矛盾させているわけですな。

以上を踏まえ、斜め明後日の方向へ邪推すると、実はマイクロソフトの狙いはキーボードやマウスが無ければオフィス(パソコン)使い難いでしょう?タブレットは駄目だろ?という自虐マーケティングなのかという憶測。

しかしそれが見当違いと言える理由はWindows8の設計。マイクロソフトは本格的に狂っていると思う。利益の為に売りたいになっており、需要を無視しておりましょう。

Surface RT発売。量販店での大量販売で騙される人が1人でも少ない事を特に願ってはおりませんが、周囲に興味を持ちそうな人がいるなら「従来(7まで)のWindowsとの互換性は全く無い」と前もって教えてあげましょう。

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※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

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