違法なダウンロードが本日、10月1日より刑罰化。
著作権保護が目的というより、音楽や映像業界の利益を保護したいだけに見えてしまう、日本でこのような事をやって良いのかと疑問に思える法律。どのようなものかを適当に見て参りましょう。
本日は更新休止日なので短めに。
簡単かつ回りくどい説明はこちら。
文化庁 | 違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/download_qa/index.html
詳細を分り易く知るならこちらがお勧め。
違法ダウンロード法(禁止法)まとめWiki - トップページ
http://www39.atwiki.jp/dl-ihou/pages/1.html
但し、注意書きにも有るけれど、上記リンク先のサイト管理者は責任を持たず、@Wikiは誰もが編集出来るので確実に正しいとは限らないのでご注意有れ。
要点を引かせてもらうと、気になる罰則は
2年以下の懲役または200万円以下の罰金
となっており結構厳しめ。
また、親告罪らしいので訴える側が居なければスルーになるかも知れないけれど、刑事罰確定になると損害賠償なども発生し、金銭的にえらい事になるでしょう。
ダウンロード禁止法というくらいなので、私は当初著作物なら何でもダウンロードは駄目というのかと思っておりましたが、何故か
CD・DVDや配信等で有償提供されているか、提供が予定されている音や影像を、違法配信であることを知りながら、私的使用のためにダウンロードする行為
要するに対象は音楽CDや映画などのDVDとかで、PC用アプリケーションや本の自炊物などは何故か入っておりません。
意味が判らないけれど大人の事情でも有るのでしょう。法律を私物化出来る音楽や映像関係は凄まじいですな。
補足のような括弧内が分かり難そうなので引かせてもらうと
キャッシュの移動やコピー等を行わない視聴のみの場合を除く
キャッシュの移動やコピーとは、ウェブブラウザの一時ファイルの事と思われ、インターネット上で配信される音楽や映像をローカル(手元のパソコン内)へ意図して保存しなければ大丈夫という意味でしょう。簡単にいうと、YouTubeやニコニコ動画に上がっている著作物をローカルに保存するなと。
なぜ音楽と映像だけなのか、Q&Aより。
Q.なんで音楽と動画限定なの?
A.元々MDとかにかかってる私的録音録画保証金を iPodにかけてくれって いうことを音楽と動画の人たちが要望する会議。そこで なぜかダウンロード違法化が決められたので動画と音楽に限定されてる
最近の若い人用に解説すると、MDはミニディスクという現在のようにCDを簡単にコピー出来る以前に普及していた小型の録音用メディア。
私的録音録画保証金は、CDやDVDなどにも適用されている「音楽用」などのやや高めなメディアの事かと。
これが事実なら本当に音楽業界は怖い。日本の政治と太い繋がりが有るという事でしょうな。
そしてダウンロード禁止法なのに、何故かコピー(バックアップ)も違法へ。
- CCCD(コピーコントロールCD)のリッピングは違法
- DVDはほとんどに保護技術が使われておりリッピングはアウト
CDはCCCDが掛かっている物だけ駄目。昔からAvex系で良く見られるやつですな。DVDは全部駄目なようで。
以上をまとめると
- 有料の音楽や映像を無料ダウンロードなどで入手すると違法
- コピーガード付CDやDVDは利用目的に関わらず複製禁止
- リッピングソフトなどの開発も違法らしく刑事罰の対象
どういう事が起こるか、具体的な例で考えてみると
- CDを購入してもコピーは違法、MP3への吸出しも出来ない
- CDを所有していてもiPodなどで聴く際は別途購入が必要
- レンタルDVDはコピー以前にリッピングする段階で違法
- 映像入りDVDを所有していてもバックアップ出来ない
- リッピングソフト開発側は配布など止めなければ危険
音楽、映像業界の自爆テロ。
音楽と言えば過去にJASRACがインターネット上での規制を厳しく(お金お金作戦に)した為に、オンラインでの創作活動が一気に無くなり、プロが創る音楽そのものにも多くの人が興味を薄れさせたでしょう。
人から金を取るには価値が必要。その価値を消費者側が低く見積る所へ、方向性の誤った法律を投下。今後、音楽や映像業界が廃れて行くのは中学生でも判ると思う。
私を例にすると、4月頃書いたように楽天レンタルが安いと歓喜しておりましたが、6月からはリッピングが罰則無しなものの違法となり以後利用せず、月に1~2回行っていたツタヤにも行っておりません。
また、違法化の前にリッピングしたと言いたくとも証拠が出せないので、見ていない映画も全部削除し金を捨てたようなもの。後味が悪くDVDは二度と借りない。
腑に落ちない点は、新聞やテレビなどでダウンロード禁止法の話を聞かない事。私が元からテレビを見ず新聞を読まない事も有るけれど、もっと多くの人へ刑事罰の対象と知らせた方が良いでしょう。私の周囲でこの違法化を知っている人は居らず、特にNHKは国民の為に真っ先に盛大に報道するべきかと。
なぜ報道しないかはNHKがこっそり法律を変更しているように、多くの人の目に止まると波紋が大きくなり、改正では無く改悪とバレて影響が出る為でしょう。
レンタルCDやDVD、インターネット普及によりCDやDVDが売れなくなったのは必然。安く簡単にそれなりのコンテンツを入手出来るのだから良かったけれど、提供側の金の都合で大幅値上げしても一部のマニアを除き消費者はついて来ない。
一度改正してしまった法律は、そう簡単に「やっぱやめた」は出来ないと思われ、音や映像で生きて行く人は今後厳しいでしょうな。
私が心配しているのは、権利を持ち金が欲しい音楽や映像の提供組織側では無く、職業歌手や俳優側の事。
将来歌手になりたいとか女優になりたいと子供に言われ「あれは趣味だからお金はもらえないのよ」と言う親子の姿が脳裏に浮かんだ。
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