日本人の約半数がタブレットPCを所有。
もちろんそんなわけは無く、価格コムが価格.comユーザから聞いた調査結果なので、大規模にズレているのでしょう。所有率は良いとして、他の調査結果が興味深かったというかネタ切れなので紹介。
OSの話も本文後半にて。
価格コム調査のタブレットPC所有率は46.9%
ソースはこちら。
タブレット端末アンケート!2013 - [価格.comリサーチ]No.072
http://kakaku.com/research/report/072/
概要より引用。
タブレット端末の所有率:1年で約20%上昇し、半数に迫る46.9%が所有。パソコン依存度が低い若年層ほど所有率が高い傾向に
1年前は27.9%とやたら高かった所有率が更に高まり、今回の調査では約47%という、おおよそ2人中1人がタブレットPCを持っているという事に。
中には2台以上所有しているユーザも居ると思われ、そうなると台数を人数で割ると50%超えそうな勢い。
何故、このように高い数値になるかはこちら。
回答者が価格.comのユーザーということを差し引いても、この割合はかなり高い。予想以上に、タブレット端末の普及率は上がっているといえるだろう。
差し引くという日本語が間違っている気がするけれど、価格コムで調査という事は、価格コムへログインするようなコアなデジタル家電マニアと思われ、数値が高くなり過ぎ所有率の参考にならない。
ちなみに、マニアな人が少し居るくらいの当サイトでのタブレットに関する調査より、高めに出ていると思われる所有率はこちら。
タブレットPC、1台以上の所有率は35.2%。
この調査は5月頃の結果なので、あれから3ヶ月くらい経過した現在ならもう少し上がっていると思うけれど、それにしても半数は行き過ぎかと。
所有率は総務省が今年1~3月にやったこちらが一般的でしょう。
source:総務省|平成24年通信利用動向調査の結果
左の折れ線グラフ、一番下のオレンジがタブレットPCで、今年春頃のタブレット所有率は15.3%なので、価格コムでの所有率は総務省調査の約3倍。
では無く、総務省の所有率は単位が世帯なので、価格コムのように1人単位にすると15.3%より更に下がるかと。
というわけで、価格コムの所有率は属性がマニアやオタクや変態過ぎるのであてにならない。しかし、ガジェットマニア達がどう感じているかは参考になるでしょうな。
その前に年代別の所有率もおかしいと思う。
20歳未満が6割を超えて優勝しており、20代以上からは50%前後。
総務省の個人単位の調査結果はこちら。昨年1~3月、オレンジがタブレットPC。
source:総務省|平成24年版 情報通信白書
タブレットPCは30代の所有率が最も高く、そこを頂点に20や40代が続く感じ。私が以前何かで見た割合もこのようになっていたと記憶しており、その結果に対し
「収入が増え晩婚化が進み30代の自由に使える金が多く、タブレットとか必需品とはいえない物も購入出来る為、所有率が上がるのでしょう」
のような事を書いたはず。価格コムの調査に参加した人は、スマホをタブレットPCに変換している人が居るのでしょう。または価格コムの20代未満が他の年代と比較しマニア率が高いとか。
ケチを付けるのはこのくらいにして、購入時期はいつか。
2011年以前は1年単位、2012年以降の4半期単位では無いので無視しましょう。
2012年で最もタブレットPCを買った人が多い時期は、マイクロソフト様から御Windows 8が出た2012年10~12月。
しかし8は無関係と思われ、9月にGoogleのNexus7、10月にAppleのiPad miniが新発売しており、7インチの需要が高いという事でしょう。約2万円の比較的安いAndroid端末、または高級なものの小型で軽くなったiPadが人気。
上のグラフを見る限りでは、毎四半期7~8%が底となっており需要は引き続き高いと見えるものの、価格コムのマニア属性を除くとそうでも無いでしょうな。
利用しているOSについて、文字で引用。
OS別に見ると、もっとも多いのはAndroid系という結果になった。54.6%と過半数を超えており、アップルのiOSの41.2%を13.4ポイントも上回っている。
現状、Android系が5割以上、iOSが4割くらいとなっております。価格コム変態ユーザの中では。
そのマニア達がタブレット選びで重視した事の10%以上部分を拝借。
ダントツで多い理由は約45%の価格が手頃。
iPadの価格が手頃とは言えないと思うけれど、ガジェットや新しい物好きなマニアには3万や6万でも手頃なのかも知れないものの、Nexus7などのAndroid系の事でしょうな。
2位の画質がキレイは主にiPad系の事と思われるものの、なぜ画質を求めているのか一般PCユーザな私には不明。
3~5番目は総じて「使い勝手が良い」に含まれると言える物理的な理由。6番目以降はタブレットの性能やブランドなどが入っております。
上位をまとめると重視される優先順は、価格>>画質>使い勝手。
以前の別の調査結果、確かMM総研と記憶しているけれど、タブレットPCはモバイルでは無く、室内でWiFi接続している人が8割くらいという結果に驚いた事がございました。
この調査でも似たような率になっており、
もっとも多かったシチュエーションは「自宅でくつろぎながら」で、85.7%とダントツの結果になった。
但しこれは複数回答のようなので別の箇所の数値を見た方が良く、通勤・通学が20.4%なので、やはり8割くらいが室内(WiFi専用が多い)と見るが妥当でしょう。この後の項目では、WiFi専用は67%との事。
そしてご多分に盛れず余計な一言が付いております。
この結果から見ても、多くの人は、タブレット端末を自宅内でパソコン代わりに利用していることがわかる。
全然分からない。
しかし次の項目、何にどのくらい時間を割いているかランキングで判るかも知れない。20%以上の部分のみ。
最多は約50%のネットサーフィン(ウェブ・ブラウジング)で、次は大きく離れメールが34%くらい。これらを見てパソコン代わりと言っているのか。
私はiPod Touch(4型電話無しiPhone5)を購入し、GALAXY Tab(7型タブレット)を全く使わなくなったけれど、何をしているかはネットサーフィン、時々動画鑑賞、主に無料漫画やTwitter用。
本格的にサイトを巡回したりメールを返信する際はパソコンを使っており、今までパソコンの前に居なかった時間にもネットを利用する時間が純増した感じなので、一概に代用とはいえないでしょう。
具体的には、パソコンを1日6時間利用しているなら、プラス1時間iPod~利用時間が増えたという意味なので、多くの人がPCの代用にしているとは限らない。
価格コムの調査結果はまだ続くけれど、ここでのラストは購入予定について。
注目する点は中間の「買う予定はないが欲しいと思っている」の50.2%。
もう一度、当サイト5月の調査結果。
価格コムの「買う予定は無いが~」の人達がタブレットPCを購入するのはいつなのかは不明。
単に「タブレットPCというデカいスマホもどきの使い道が今後出て価格が安くなれば」という意味なら、「買わない」と同じ。
私の予想では、今後5~10年くらい掛けてガラケーが全てスマホに置き換わり、スマホが5インチクラスになり小型タブレットを吸収。タブレットPCは10型以上が残り、タブレット普及率は下がると妄想しております。
更に予想しまとめると、価格コムの数値は一般(総務省、世帯普及率)の3倍以上とするなら、マニアでは無い一般の人の「買う」は7.5%以下、「欲しいけれど未定」は17%以下、計25%以下。
パソコンの世帯普及率は2013年の春頃74%まで低下。阿呆なメディアや専門家がPCと重ねているけれど、タブレットPC世帯普及率の天井が30%行くのか疑問。
先に書いたように、スマホに統合(融合、吸収)されるインチ数までサイズが下がるなら、タブレットPCの普及率は今後明るくは無いと思う。
ちなみに7型のタブレットPCは350gくらい、10型クラスは700gくらい。
これらを携帯し持ち歩こうとするなら、スマホやガラケーを別に1台持ち歩くとして、7型なら携帯電話4個くらい、10型は7個分くらい持ち歩く事になるので、タブレットPCはやはり常用出来る携帯端末とは言えない。
携帯端末界のWindowsがAndroidになりそう
話は代わり、世界規模でのタブレットPCの市場調査より。
source:第1四半期を下回ったタブレット市場、Appleはシェアほぼ半減 | マイナビ
マイナビのタイトルでは、Appleのシェアが落ちているように解釈出来るけれど、実際にはApple以上にAndroidで端末を売りまくるメーカーが増えている為と思われ、その根拠は上位5メーカー以外の割合が増えている為。グラフの空白部分がそれら。
昨年第二四半期にAppleが6割くらい占有していた原因は、iPadが売れまくった事も有ると思うけれど、Android端末の本命と言える物や種類がまだ出揃っていなかった為も有りましょう。
もう一つ、米IDCによるOSシェアの推移。こちらはスマホ。
source:IDC - prUS24257413
世界規模ではAndroidが伸び続けており、iOSが低下。
このグラフは割合なので分母が見えておらず、iOSが数として減っているわけでは無く、iOSも増えているけれど、それ以上にAndroidの増加する勢いが凄いというグラフ。
なぜこうなるかは簡単、iOSはAppleにしか出せない為。以下は私が感じている携帯OSをパソコンOSに置き換えたイメージ。
左が携帯端末、右がPC。
- Android=Windows ・・1社がOSを作り、複数他社が端末を製造
- iOS=Mac OS ・・OSも端末もAppleのみ
- Windows系=その他 ・・Ubuntuとかのレベル
Windowsと同じように推移するなら、携帯端末の成熟期にはAndroidが90%以上、iOSが5~10%くらい、その他のWindows含むザコOS複数合計で5%未満になるでしょう。
Windows 8系やRTに入る余地は皆無(まとめ)
日本ではApple端末が比較的人気が有るものの、上で紹介したように世界規模になると現状ではAndroidのシェアが上昇中。
Android90%超えの時が来るとしてもiOSはApple1社独占で5~10%くらいは維持するでしょう。しかし、故スティーブ・ジョブズ氏が居なくなってからの新製品がどうなるのかまだ分からず、現在のAppleに彼ほどの創造力が無ければ10%は難しいかも知れない。
ここへWindows(8やRTやPhone)が参入するには既に遅く、Windows全盛期にLinuxで何かてきとうなOSをリリースするようなもの。
今からでは時期的に競合出来ず、タブレット市場が今後縮小するならマイクロソフトはどう見ても自爆。
Windows 8以降をMac OSのような普通のパソコン用にいつ戻すかが見どころ。二兎を追う者は一兎をも得ずということわざがございます。
捕れない上に食えないウサギを追うマイクロソフトという印象。
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