個人と業務用で違うオフィス互換ソフトの利点と難点

2017年2月17日

Microsoft Office(以下、MSオフィス)と互換オフィス。

今年、2017年はMSオフィス2007のサポートが10月10日で完全に終わるタイミングで、私が現在自宅で利用しているバージョンが正にこれで2007という、10年くらい前のMSオフィスが現役。

無料の互換ソフトへ乗り換えたいが難点も。

MSオフィス2007とWindows Vistaは今年でサポート終了

IPAが注意喚起。

2017年10月10日(日本時間)にマイクロソフト社が提供しているオフィスソフト「Office 2007」の延長サポートが終了します。また、2017年4月11日(日本時間)にはOS「Windows Vista」の延長サポートも終了します。

source:延長サポート終了を控える「Office 2007」「Windows Vista」の速やかな移行を:IPA

Vista終了まで2ヶ月を切っているのでマジで速やかな移行を。今すぐ準備した方が良いレベルであり、私がXPから7へ移行したタイミングは終了の3ヶ月くらい前。

なぜ3ヶ月も余裕を見たかは、7への移行後に動かないソフトやハードがある場合にどう置き換えるか、または提供元へいつ対応可能か問い合わせる時間が欲しかった為で、XPを使いつつ7仕様のPCを自作した記憶がございます。

というわけで、個人で使うプライベートな趣味用PCならば3ヶ月もあれば良いけれど、業務用は半年以上の余裕を見た方が良いというか良かったかも知れない。

話をオフィスへ戻すと、2007終了まで8ヶ月を切ったところ。

個人的にピンと来ない事は、Windowsは悪意ある第三者に攻撃される可能性が高いとしても、オフィスを狙う攻撃が何なのか正直良く分からない。

考えられる事はマクロで仕込んだファイルを開かせるくらいで、私は知らない人から送られたファイルはマクロの有無以前に開かないので危険と言われても何がどう危ないのか不明。

しかし、友人や知り合いの全てが100%セキュリティソフトを利用しているとは限らず、知人経由でマクロウィルスに感染したファイルを受け取って開いてしまうやも知れず、そういう意味ならやや危ない感じか。

というわけで、以前ネタにしたLibreOfficeへ乗り換えたいのだけれども、本当にそれで良いのか、MSオフィスで無くとも困らないかを私のように迷っている人へ解説。

 

個人と業務用で違うオフィス互換ソフトの利点と難点

5つで。

1.互換の利点は経費削減のみ

逆に言うと、MSオフィスの難点は金がかかる事のみ。

私が利用中のMSオフィス2007はパワーポイント入りなのでパッケージは当時3万円は余裕で突破しており、そして今回悩んでいる通り、新たなMSオフィスへ数万円突っ込むのかという話。

または現在の最新オフィスは365なのでサブスクリプション(月または年払い)となっており、自作PC用のSoloは割高なので1.3万円くらい。これを毎年支払い続けるのか。

LibreOfficeへ乗り換えたなら恒久的に無料、サポート終了の設定は無いのでタダで使い続ける事が出来るわけですな。

但し、利点はそれだけ。

2.業務用ならMSオフィス

LibreOfficeのコメント欄や本文を読むと色々解る。

LibreOfficeに限らず、MSオフィスとの完全な互換性は無くあくまで似せたソフト。悪い言い方をするとニセモノとか類似品とか模倣ソフトウェア。

事務所内の全てが同じ互換オフィスソフトで社外との取引が一切無い、支店とのやり取りもしないなら統一されており問題は無いとしても、そのような組織は稀でしょう。

業務用としてまさか取引先が無料や他社の互換オフィスを使っているとは思わないはずで、私の職場でもMSオフィス、ファイルやり取りする相手も当然MS製品を使っているはず。

MSオフィスで作成したファイルを互換ソフトで開くと、関数が抜け落ちたりグラフやグラデーションが変わってしまうなどの不具合もあったので完全では無し。

3.完全な互換性の保証なし

上でも書いた通りで互換の保証は無し。

特に無料のLibreOfficeなどは開発者達が掲示板などで情報交換し改良して行く形なので、有料のオフィスソフトのような早い対応、個別のサポートはされないが普通。

LibreOfficeは世界中のボランティアのコミュニティーによって開発、改良、配布されています。

source:参加しよう | LibreOffice - オフィススイートのルネサンス

LibreOfficeのオープンソースとは、ソフトウェアになる前の状態、プログラミングされたソースコードが公開されているに対し、MS含む有料のオフィスはオープンソースでは無いので仕組が分からない。

手探りで真似ようとしているわけで、それはMSオフィスが変更を加えたり新機能などを付けて行くならば永遠に終わらないいたちごっことなるわけですな。

タダで使わせて貰うのだから文句は言えないし、助けてくれなくとも当然。

4.アップデートでの不具合

脆弱性への対策などで新たなバージョンが来たとし、その新バージョンで不具合があったならば、有料のオフィスソフトは早ければ数日で修正してくれるであろうところ、無料ならば1ヶ月以上も放置とか無いとは言えない。

なぜ無料のLinuxが普及せず、ライセンス料の高いWindowsが普及しているかは、MSが後ろ盾ならばPCメーカーが安心してOSとして採用出来る為と見ており、Linuxを入れて不具合が出たならハードウェア屋にはどうにもならない為でしょう。

WindowsならばMSが何とかしてくれる、メーカー製のOEMやDSP版はPCメーカーや販売店が基本的にサポートするものだけれども、メーカーが解らない、解決無理な不具合はメーカーがMSへ聞くか振れば良いわけで。

オフィスも同様、MSオフィスなら不具合が出てもMSへお任せ、無料の互換オフィスは自己責任な点はフリーソフトと同じ。

バージョン上げて不具合が出て長期間仕事にならないとか無茶すぎる。

5.開発終了時の移行の手間

LibreOfficeの前身はOpenOfficeorgという、やはり無料の互換オフィス。

2011年に、OpenOffice.orgの制作プロジェクトは解散した。

source:OpenOffice.org - Wikipedia

なのでOpenOfficeはもう使わない方が良く、しかしLibreOfficeが出来たので移行すれば問題無し。

これが1台のパソコンならば消して入れるだけで良いとしても、複数台になるなら担当者が大変。1年後に終了するなど猶予が有れば良いけれど、開発側にはそのような告知義務は無いので1ヶ月などになるやも知れず。

そして上記のようなスタッフが移ったならばOpen~からLibre~への移行はスムーズに行けるとしても、全く別のオフィスに移行しなければならない場合が問題。

LibreOfficeが解散して後継が無かったなら、MSオフィスへ戻るとしても、上で書いた互換性が完全ではない件により、LibreOfficeで作成したファイルがMSオフィスでは上手く表示出来ないかも知れない。

1つのファイルならばまだ良いものの、これが過去数年分のファイル群とか、数十種類、複数ページあるテンプレートなどを確認し修正とか気が遠くなりましょう。

開発終了は可能性としてゼロでは無し。仮にMSが破産しても、それを引き継ぐ企業が登場する可能性は大。

 

業務用以外なら無料オフィスで本当に良いのか?

ここまでは業務用の話をして来たけれど、では個人ならば、例として私の場合は無料のオフィスソフトで良いかと問われたなら、「おそらく」としか言いようがございません。

一時的に使ってみただけで、まだMSオフィスの2007が使えているので移行するまで猶予があり何より面倒。

移行後にすると思われる作業を想像すると、新規作成ファイルは問題無いとしても、過去MSオフィスで作成したファイルが正常に表示されているか全部確認しなければならない。

主に当サイトの記事用としてエクセルやパワーポイントを使う事が多く、Windowsシェア、JEITA統計のグラフ化、コメント希望者登録などは継続して利用しているので、全ての数値が本当に合っているかの確認は必須。

という感じにて、業務用として使うには難あり。個人で使う場合は良いけれど、移行時の確認が結構面倒そう。

それを踏まえると、この記事の読み方が変わるかも知れない。

「無料のLibreOfficeをやめて有料のWindowsとOfficeに戻すべき」という市議会の議論について開発元が反論 - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20170215-munich-libreoffice/

海外だけでの話、というわけでもござらない。

山形県がMicrosoft Officeを再導入 無料ソフトから切り替え : J-CAST
http://www.j-cast.com/2013/09/05183085.html?p=all

しかし限定的で、他県の自治体では使い続けている模様。自治体以外に福岡のJAとか、海外では防衛省がLibreOfficeを使っているという話も。

経費削減を取るか不具合を避けるか、割とギャンブルだと思う。

コメント(5)

もう3年ほど業務で LibreOffice使っています。
会社のPCは7台ありますが、MSオフィスはマクロ用に1台だけ入れてます。

主にCalc、たまにWriterとBaseを使用してますが、
MSオフィスと比較して困るのは次の2点。

1.マクロ
 これは互換性がまったくないと思ったほうが良い。

2.エクセルファイルで段組み幅高さが変わる。
 このため、エクセルでちょうど1ページに入るように作ったはずのものが、
 1ページで入らなくなったりします。

1.についてはマクロ使わないのならOK
2.については最新のバージョンで解決したとかなんとか
まだ安定版がでてないので未確認です。

アップデートはしばらく様子を見て安定版がでてからしてますね。
総じて快適に使えているので継続使用してくつもりです。

懸念事項は今後MSがLibreOfficeを使えないような嫌がらせをしないか?かな。

自宅のPC用に購入したOfficeは2007が最後ですね。妹が大学に入るときにライセンスごとあげてしまったのではいまは手元にありません。しばらくOpenOfficeを使用していましたが、やはり互換性に難ありで、特にレイアウトの乱れが気になりました。
以前にもコメントしましたが、去年あたりからOfficeOnlineを利用しています。機能縮小版ではありますが、私が自宅で使う用途(オンラインゲームのデータ整理、麻雀の成績集計、筋トレ記録、旅行のしおり作りなど)程度ならなんら問題ないですね。

ただし、作成したファイルは自動的にOneDriveに保存されるため、外部に出せない個人情報や機密事項などを扱う作業には不安が残りますし、業務で頻繁に必要とされる機能もばっさり削られているので、仕事にはまったく不向きだと考えています。

私は自宅には絶対に仕事を持ち帰らない主義ですw

最近は互換オフィス、全く利用していません。ファイルが正常に表示され動作するか、確認するのが面倒になったため。仕事ではMS オフィス 2010と2013、自宅では2016を利用中。Professionalは相変わらず高いです。6万はPCが買えるレベル。

>Soloは割高なので1.3万円くらい
MS公式サイトからは「12,744円」ですが、Amazonから購入すると「11,581円」と少しお得になります。SoloはProfessional相当ですが、WordとExcelしか使わない方は、それぞれ単体購入した方が結果的に安く上がるはず。

>真似ようとしている
パクリ、ではなく再現性の高さにかけては、格安のKINGSOFTが抜きん出ていますね。表示が崩れる場合は、該当のファイルをKINGSOFTまで送れば解決して貰える可能性もあり。

All About:KINGSOFT Office 2016はMS Officeの代わりになるか?
https://allabout.co.jp/gm/gc/462586/

KINGSOFT サポート - Microsoft Office で作成したファイルを Kingsoft Office で開くとレイアウトが崩れます。どうしたらいいですか?
https://support.kingsoft.jp/kso/compatibility_ms/kso_1712.html

Vistaとオフィス2007、自宅のPCがまさにソレです。
自宅では、文章作成と基本的な表計算しかしないので、このままネット非接続ワープロもどきとして利用していこうと考えています。
どうしても対応出来ないものには、USB経由で娘のマック(パラレルズで7・2010稼働)に頼る予定。
貧乏くさいけど、使えるなら使って行きたい。

困るのは誰なんだろ?

独ミュンヘン市、Linuxから「Windows」に回帰へ--市議会の目指すべきITの形とは - ZDNet Japan
https://japan.zdnet.com/article/35096820/
ミュンヘン市、Linuxもやめるそうですよw Linuxをやめなければいけない理由は?w

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