求人あるあるな「パソコン使える人」などについて。
Excel使える人、Wordできる人など表現は様々ながら、どれも「簡単な事務作業ができる人」を指していることが多い割に企業が求めるPC使い募集にビビって腰が引けてしまう人も多いようで。
そんなことは求めていない実例として。
会社でPCやExcelやWordを使えるかテスト
まず私が何者なのか前置きすると、中小企業の求人する側の立場であり、同時にパソコン使用歴がやたら長く、しかしプログラミングなど専門的なことはできるとは言えない程度のスキル。
なぜやらないかはデキる人に任せた方が話が早い、もしくは時給的に私がやるとコスパ悪くなるだけなのでやるつもりもない、中小企業のパソコンに詳しめな人事の人間と思ってもらえるとOK。
そのPC変態掛かった人事担当者がパートや社員を募集する際、どこまでを求めているのか具体的にわかりやすく解説申し上げたい。
3部構成にて、パソコン使える編、Excelできる編、Wordもできる編で参りましょう。事務仕事したことのない人は驚くほどハードル低い、もしくは少々高いと思われるやも知れず。
1.パソコン使える編
中小企業の求人あるあるが、「パソコンを使える人」というクソあいまいな表現で、どこまでをもって使えると言えるのかわからず不安になる人も居られましょう。
簡単に言えば電源入れて基本的な操作して電源切れることを指しており、具体的にはこれらができれば「パソコン使える」人と解釈して大丈夫。
- Windowsパソコンの電源を入れてシャットダウンができる
- WordとExcelを使ったことがある
- マウス操作のクリックとドラッグの意味がわかる
- コピー&ペーストができる
- 新規ファイルの作成ができる(WordやExcelなど)
- 手元を見ずにキーボードの数字入力ができる
- 手元を見ずにキーボードで文字入力ができる
「バカにしてるのか?」と思ったならそうでもない、せめて5番までできていればパソコン使えるとして良く、マジでPC使えない人は「コピペしてファイル名の日付変えて編集して保存」の意味さえわからない。
ご丁寧に上から参りましょう。
1.パソコンの電源はボタン押せばオンになりWindowsが起動。シャットダウンも電源ボタンを短く押せば良いけれど、設定変更されているなら違う動作をする可能性があるので、画面左下のWindowsロゴ押してシャットダウンが正解。
2.企業のOfficeは推定9割以上の高確率でフリーのOfficeソフトではなくマイクロソフト製品なので慣れていた方が無難ながら、インターフェイス(見た目、操作感)は慣れなのでExcelとWordまたは互換ソフトの仕様歴アリでOK。
3.クリック知らないならその時点で一から教えなければ、という基準になり、ドラッグも知らないなら「パソコン使える」とは言えない。
4.コピペと略されてもわかるなら全然大丈夫。
5.新規ファイルはできた方が良い程度。右クリックからどうぞ。
6.個人的に重視する点で、経理や企画など数値を扱う部署ならばとりあえずテンキーが手元見ずに打てるなら有能、0~9とEnterの11キーだけで良く+とか/は関係ございません。中途で事務ならこのスキルは必須と言えるほど。
7.実用レベルで言えば10分間に日本語300文字打てるなら手元見ても良いくらいの速さと感じており、1,000文字少々行けるならば私とほぼ同じくらいなので効率的にかなり優秀。さすがに1,000文字は手元見て打てないはず。
と言った感じで、特に変わったスキルは求められていないどころか、これら7つの内の5つでさえできない人でもパソコン使えていると思っている人が割と多いと感じる。
パソコン使える中級編
このくらいできてしまうなら少し驚く。但し、中途ならできて当たり前。
- メール受送信時の同報(Cc)が何かを理解している
- サーバー(共有フォルダー、ファイル)の意味を知っている
- Wordで「お詫び」文を一から書くことができる ※Web検索OK
入社していきなり単独でメール返信する機会はまずないだろうからCc(カーボンコピー機能)を知らないなら教えてもらえば良い。これミスると返信してもしなかったことになるほど割と重要。
サーバは少々デカい会社でなければ存在しないかも知れないものの、ファイルを共有する意味ではサーバもどきなNASやPCがある可能性は否めず。
詫び文までスタンドアロン(単独)で作成できてこそ社会人、くらいに思えば良いと同時に、中途ならばできて当たり前くらいの事務センスがコレ。
中級編は中途ならできて当然レベル、新卒やパートな元専業主婦なマダムとかならできなくても普通なのでビビらなくてよろしいかと。
2.Excelできる編
デスクワークならばExcel使わない部署を思いつかないほどOfficeソフトの中で重要なやつで、おっさんの中には何でもExcelもアリな人が少なくないようで、Wordでやれよと思うファイルでもExcel駆使する、言い方変えるとWord嫌いなExcel変態も存在。
Excelの必須スキルは3種類。
- Excelは基本的にマス目(セル)で構成されている
- 入力して良いセル以外を変更してはならない
- 他人作のファイルのシートはいじらない
2chのおっさんは、関数使えてこそとか、マクロ書けるならなど無茶振り上等な、お前ら本当に会社で働いているのか?と思えるアホが多い。「Excelが使える人」にそのようなスキルは求めておりません。
長方形な方眼紙状態の意味がわかっており、どこに何を入力すれば良いかの指示を受け、それ以外の余計なことはしない、この3つだけ守ればOK。
先日の記事での庶民Aさんのコメントが参考になる。
- フォーマットを崩すな。
- 数字の計算は手入力するな。
- 勝手に枠を増やすんじゃない。
- その行は無駄に入れてあるんじゃない消すな。
- 行間を調節して見栄えを良くする暇があるなら誤字脱字を減らせ。
- なんで上のセルは「1.0」なのに下のセルは「1」になるのか、分からなかったら質問してから資料を仕上げろ。
- リストから選ぶセルへ、コピペしてまで勝手に自作の項目を入れるんじゃない。
実体験から思いつくままに書かれたと思われ、ほぼ全て「勝手なことをするな」でまとまっております。2だけは関数でやれという意味なので少し違うけれど。
そしてこの一言がとても正しい。
基本的にそれらって指導不足、マニュアルの不備、確認不足といったいわゆる監督不行き届きなが原因なのですよね。
この指導不足の中にはテンプレも含まれており、採用されていきなり日計表をオリジナルで作れなどの無茶振りはまず無く、テンプレートのファイルをコピーするとか、既存のファイルへ入力するだけになっているもの。
いきなりマクロを使用してそのテンプレを変更したならば、「勝手なことをするな」に該当してしまうわけで、組織の1人としては「マクロ使える」は悪い意味でバカに刃物状態になりかねない。
Excelできる中級編
- 書式でセルに「01」と表示させることができる ※通常は0が消える
- 棒グラフと折れ線グラフが作成できる
- フィルタと並べ替え機能を使える
- 関数「=SUM(A1+B2)」の意味がわかる
- 関数「=IF(A1=1,2,3)」の意味がわかる
- ピボットテーブルを扱うことができる
- マクロ「Range("A1").Select」の意味がわかる
書き出してみたけれど、会計や一般事務ならば全部できなくても良いと思った、これらは私が過去に企画部署や営業サポートをしていたから、今は経営企画に参加しているからこそ必要になるだけ。
逆に言えば企画や営業系の部署ならば必要になる可能性の高いことばかりなので、上司とか先輩に教えてもらう前から「知っている」と言えるならドヤってOK。
ちなみに私がパート面接でExcel使えるか聞いた例。
- 私「エクセル使えますか?」
- パ「家計簿作るくらいなら」
- 私「合計などは関数で?」
- パ「サムとイフくらいは」
- 私「グラフ化したりも?」
- パ「やろうと思えば」
Excel使える度256点。
面接する側は具体的にどこまでできるか聞いているだけで、いきなり関数使用してテンプレ作れとか、マクロ駆使して印刷まで自動化しろなどは求めていない、そういうのは在籍中のできる人がやるもの。
3.Wordもできる編
「1のパソコン使える、2のExcelできる、この2つをWordの機能をできるだけ多く使い作成し何ができるかを表現してください。どこまでご存知か知りたいだけで、Wordが使えないならば手書きでも結構です。そのファイルを保存し下記メールアドレスへ送信してください。できない場合は印刷して持参で構いません。」で。
その表現は番号を振った基本的な部分のみ。私が作るとこう。
このファイルから何が読み取れるか。
- 余白の変更
- 見出しの設定
- フォントをMSゴシックへ
- リストのフォントサイズ12へ
- 太字と色
- 番号付きリスト化
- リスト部分のインデント増
- 改ページ
という感じで、どこまで見易い文書作成ができるか、Wordの機能を知っているかわかる。本当は見出しは明朝体にするべきかも知れないけれど、私が明朝体嫌いなのであえてゴシック。
上の画像の文書は決してキレイとは言えない、もっと見出しを強調して色を変更したり下線入れたり、画像を使用して○や☓をもっとわかりやすく表現することもできる。しかし個人的に重視する点は、どこまでムダが無いか、この人は何分でこれを作成したのかを(私は)評価したくシンプルに。だいたいデザインセンス無い。
上の画像程度でも全然Word使えていると言い切ってOK。
また、Wordは罫線や画像の扱いが独特なため、それらをキレイにサクサク編集できないならWord使えていないとするならば、私でさえWord使えているとは言えない。
それがムカついておっさん衆はExcelで稟議書とか平気でやらかしているのだろうと推測しているほど私もWordムカつく。
ちなみにこのWord文書のファイル名をどうするか、メールの件名や本文は?なども試せるので一石二鳥。中途採用ならばそのくらいできて当たり前、新卒ならできれば優秀、できないなら教えてもらいましょう。
1~3の簡単版さえできないなら就活以前の問題
Wordの簡単番を書いていなかった。
- フォントサイズなどの変更ができる
- 見やすくレイアウトできる
- 印刷できる
この程度でOK。
だいたい一から文書作成させるような非効率なテンプレファイル無い会社なぞ滅多にないと思われ、Wordに限らずそのファイルを複製して編集すれば良いようになっているはず。
そして、「できない人にやらせようとする方がバカ」であり、「教えていないことをできないのか」とお怒りになるなら貴様の方がバカですねと解釈しましょう。
会社組織というものは、
- できる人がまずやる
- その人ができない人へ教える
- できなかった人ができるようになる
なので最初からマクロ書いて欲しい求人ならば、「ExcelでVBAできる人」と表現するだろうし、経理用テンプレ作成を一から求めるなら、「会計知識ありExcelの関数わかる人」とする、私なら。私に限らないとも思う。
「パソコン使える」「Excelできる」「Wordもできる」これらビビらず、基本的な機能を知っており、知らないことは教えてもらう姿勢で居るなら大丈夫。
ただ、論文までスマホで書いてしまう最近の若者が問題で、そういう時こそExcelとWordを駆使して学べる良い機会なのに、と思えばただのバカだとしか思えない。
統計データをExcelのピボットでグラフ化しWordへぶち込み、出典リンクを添えて提出。これ、すごくパソコン使えているので、その論文ファイルを激安USB棒に入れて面接に持って行けば「パソコン使える」「Excelできる」「Wordもできる」と伝えるには話早そうと思った。
>パソコン使える編、Excelできる編、Wordもできる編で参りましょう
一瞬「3記事に分けるとはHSPM発動か」と思いました。
>コピー&ペーストができる
けっこう面倒なのが、ファイルそのもののコピーとクリップボードへコピーの違いでしょうか。画像を右クリックしてコピーしても、エクセル上へ貼り付けることができない=クリップボードへコピーできていない、という相談を受けたとき、歯がゆさと無力感の合わさった微妙な感覚を味わいます。
>手元を見ずにキーボードで文字入力ができる
会議なんぞで議事録の担当になったとき、タイピングの速さはけっこう重要。自信がないならテープレコーダーお薦め。スマホで録音だと勝手に一時停止になったり保存を押し忘れて消えたりするため、5,000円くらいで売っている音声をMP3で保存できるタイプのレコーダーが良い感じ。
>メール受送信時の同報(Cc)が何かを理解している
なおCcを入れた時は本文の冒頭にその旨を書いた方が良し。例としては以下。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
from:Aさん to:Bさん Cc:Cさん Dさん
本文
○○課 Bさん
Cc:Cさん、Dさん
お疲れ様で御座います。
○○課のAです。
△△に関わる納期の件で相談したくご連絡いたしました。
以下略
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私的にメールの長文化は防ぎたい。理由はおそらく誰しも読むのが面倒だろうから。
>Word嫌いなExcel変態
確かに居ますね。図形も数式もグラフも写真も使わず文字だけなのにエクセルを使う方。私見では未だに「xls」ファイルを編集して使い続けている方は該当率が高し。
>勝手なことをするな
この辺は調節がけっこう難しいのですよね。馬鹿でもできるようにフォーマットを整えると、いくら新人でも馬鹿にするなと苛立ちます。逆に多少の自由度を与えると、その方法は私も試したが遅いし確実性が低いから教えた方法がベターなんだよ、というやり方をされることも多々ありますし。
チャレンジ精神を否定している訳ではありません。ですが応用は基礎ができていてこそ。新人の方が思いつくことの99.5%くらいは私も既に思いついて試したことですから、せめて10回くらいは私がやっている方法でトライして欲しいと思う限り。
>マクロ「Range("A1").Select」の意味がわかる
初めて試すなら「Range("A1:B3,B5:C7").Select」くらいした方が感動できるやも。
>Word
あまり得意ではありませんけれど、文章ならワードがスタンダードですね。挨拶文なんぞテンプレがたくさんありますから、こういう場面ではどんな挨拶が適当だっけ、といちいち検索する手間が省けます。
私的にワードの登場機会は、名刺とか宛名シールとかテンプレートを使って印刷する必要がある場面ですね。ワード内で言う差し込み文書。特に使うのは「差し込み文書→ラベル→オプション→ラベルの製造元”KOKUYO”」です。
>Excelで稟議書
突き詰めれば職人芸でむしろワードより使いやすくなっている可能性も微レ存。
エクセルとワードは、確か2013からデフォルトでPDF変換ができて便利になりました。今までいちいちサードパーティ製のソフトを使い、印刷時に仮想プリンタを選んで~、とやっていたことを考えると画期的でしたよ。
>3記事に分けるとはHSPM発動か
そこまでの尺稼ぎ、カサ増しは無理だった模様。
>議事録の担当
これ。書紀その2とか居ないので使い所のなくなったiPod touchで録音したつもりが途中で切れており記憶力を総動員。
何でもできる機器は素晴らしい、けれど「それくらいしかできない」スタンドアロンな専用機器の重要性は依然高いと思い知った次第。
>Ccを入れた時は本文の冒頭
○○課 Bさん
(同報:各位)
>馬鹿でもできるようにフォーマット
私はこれ好き。
あらゆるセルが保護されており(逆に言うと最初から全部保護して解除したのだと思われる)Excelファイルで、一々細かくコメント入れているシート見ると、この人はExcel凄く使えている、真剣さも気遣いも素晴らしいと感動する。
> >Excelで稟議書
> 突き詰めれば職人芸
シート全体を5pxくらいの正方形にしてセル結合してA4サイズ似合わせて日報のテンプレ作っていたパソコン屋さんの部長を思い出さざるをえない。ちなみに関数もマクロもグラフも何もない。
>確か2013からデフォルトでPDF変換
2006からPDF保存OK、2003は標準では無理。
>「できない人にやらせようとする方がバカ」
パソコンができないのを見抜けなかった人事もバカですねw
そうならないためにパソコンができるかどうかインターンシップか実技試験で見るのが良いと思いますが、採用コストがかかりすぎるから無理なんでしょうねw
>ただ、論文までスマホで書いてしまう最近の若者が問題で、そういう時こそExcelとWordを駆使して学べる良い機会なのに、と思えばただのバカだとしか思えない。
>統計データをExcelのピボットでグラフ化しWordへぶち込み、出典リンクを添えて提出。
最近は論文を書かずに卒業できる大学もありますしw