障害物が多くなるに比例し届き難くなる無線LANの電波。
今回は私の環境では無く他人様の自宅の無線LAN設定を依頼され、焼酎に釣られてやって参りました。セキュリティ設定やDHCP辺りで詰んだのかと思い気軽に行くと、やった事の無い中継機器の増設。
何とか接続出来たので、こういう事も有るという一例として紹介。
2012.07.22 追記:文中に有るCTU(加入者網終端装置)は正しくはONU(モデム、光回線終端装置)。訂正はしないので脳内変換にて。何故、間違えているかはこちら。
無線LAN用の機器は同じメーカーで揃えた方が楽?
例として、Buffalo製品の場合はAOSSというワンタッチ接続が有り、最近の同社無線LAN機器には大抵これが付いているので楽と言えば楽。AirStation One-Touch Secure System の略。
具体的には、接続する機器のAOSS設定を有効にして無線親機のAOSSボタンを押すと2分程度で自動的にセキュリティ設定され接続完了。
普通はこれだけで終わるかも知れないけれど、AOSSで自動接続し自動でセキュリティが設定されると、MACアドレスなどの制限が出来なくなる弊害がございます。
私の環境ではAOSSを利用しておらず、今回設定に行った知人(以下Aさん)の環境でも使用せず。価格コムなどのクチコミを見ても結構使っていない人が居るようで。
こうなると全部手動なのでメーカーは違ってもやる事はほぼ同じ。というわけで、個人的にはメーカーは気にしなくて良いと思うけれど、簡単な方法で行くなら合わせた方が良いでしょうな。
前置きは以上とし、Aさんの無線LAN環境もBuffalo一色。
- 親機その1(WHR-G301N)・・IEEE802.11「n」倍速対応、ルータ付親機
- 親機その2(WHR-G301N)・・同上、今回はこれを中継用へ
- USB子機(WLI-UC-GNM)・・「n」の倍速に対応
親機は私が以前ここで「安過ぎて驚いた」と紹介し、その後実際に購入しており、それを見て買い替えと買い足しを決めたとの事。
子機はAmazonでnの倍速モード有りが800円だったとの事。ここまで値下がると、ノートなどに無線LANが内蔵されていても有り難みが無くなりますな。
Aさん宅内の環境はこんな感じ。手抜きにて失礼。
終端装置はCTUの事で、ここから外(インターネット、WWW)へ。横文字が嫌いなので強引に終端装置としておりますが気にせず、気になるなら脳内変換を。
その終端装置から直接無線LANの親機とPC1(デスクトップ、VAIO)は有線で繋がっており、PC2(ノート、VAIO)は無線LAN。
上に録画(機能)付テレビが接続されず載っておりますが後で出て参ります。部屋が別で無線LAN機能が無いとの事で未接続。
この状況で録画付テレビまでを無線LANで中継したいのかと思えば全然違い、マンションで1世帯離れた別の部屋へ飛ばしたいとの事でこれ。
左が現在のAさん宅。右は離れた別の部屋というか家。
間に無関係な人が住んでおり、右の親の家まで電波を飛ばしたいとの事。どう見ても面倒なので私からの提案は以下。
- 親の家でISPを新規契約する
- 真ん中の人と家を入れ替わって貰う
- 見なかった事にして諦める
5秒で却下され、仕方なく作業を開始。
元の目的は、右の部屋で親父さんがシンセサイザーとパソコンをネットワーク接続したいと申されており、それならパソコンでインターネットも出来るようにしようと親機を増設したとの事。
いずれもBuffalo、AOSSボタンが普通に付いているので、子機(以下、中継)になる右の家のボタンを押し玄関を出て左の家で親機のボタンを押すと接続完了。
任務完了と思いきや駄目出し。シンセサイザーがWEPにしか対応しておらず、MACアドレス制限を掛けてくれと。
シンセサイザーのデータを暗号化する意味が良く判らないけれど、納得されないならやったとは言えず、焼酎(魔王)は返したくないので続行。
そしてここから無駄に2時間以上要しております。1時間くらい経過した辺りで中継を左の部屋へ移動。早く気付けと。
親機を中継(子機)にするとMACアドレスが変わる
設定途中に撮らせて貰った親機のステータス画面。
MACアドレスが3箇所に書かれており、上2つは同じ。しかし下から2行目に「子機時のMACアドレス」なるものが有り、これを華麗にスルーしており接続出来なかったという。
MACアドレスは接続する端末以外に、親機と中継同士も接続する事になるので当然ながらMACアドレスの指定は必要。そこに中継(子機時MAC~)では無く、親機時のものを入れていた為、親機が中継機の接続を拒否していたわけですな。
指定するとあっさり接続が完了。
後は、右の家の無線端末から親機、左の家の無線端末から中継へ繋がらないよう設定し、セキュリティ設定をして終わり。
Buffaloのマニュアルは基本的にオンラインなので、詰まったら検索して探しましょうという話でございました。
ちなみに、中継する前に親機の背後にアルミホイルを置いてみたものの、電波強度を示すアンテナのアイコンは0~1が0~2本になる程度で支障有り。
中継を置くと、親機と両方から電波が出る為か、中継側の右の部屋でもアンテナは全て3(100%)まで上がっております。シンセサイザーは不明。
中継の子機を増設し家電製品も含め全てLAN接続
中継が繋がったので、図は変わり以下。
赤の実線が有線、オレンジの点線が無線。
右のテレビと録画機が繋がっていない理由は、中継やパソコン、シンセサイザーの部屋から離れている為。
中継はACアダプタとPC3にしか繋がっていないので、PC3を無線にしてしまえば中継はテレビの部屋へ移動が可能。その為にUSB接続の無線子機がございまして、更に変更した図が以下。
親機を移動した事でテレビと録画機がネットワーク入り。PC3は有線から無線になったけれど、元から中継が無線なので速度は大して変わらず問題無し。
最終的に左上に録画付テレビが残っているので、これを接続するなら更に中継を入れるだけで解決するはず。これは私は作業しておりませんが、こんな感じ。
イーサネットコンバータという、有線を無線LANにする機器が6千円くらいで有るけれど、今回の実験でG301Nが中継用として充分と分かった為、1台2500円出せば増やし放題。
設定はAさん立ち会いで説明しつつ作業したので、次回は自分で出来るでしょう。ちなみにAさん用メモとして手順を書いておくと
- 中継2のルータ機能をオフにして電源を入れる
- 設定用PCを中継2へ有線接続しIPアドレス固定(例:192.168.1.50)
- 中継2のIPアドレスを固定(例:192.168.1.102)
- 親機に中継2の子機時MAC~、中継2に親機のMACアドレスを設定
- 中継2に録画付テレビを有線で接続
書き出すと結構面倒ですな。
無線「n」の等速/倍速と有線の速度を比較しグラフ化
nとは言え所詮は無線LAN。
分かり難いので上から補足すると。
- 終端装置・有線・・この環境で最速な接続方法
- 親機・無線n倍速・・親機で無線nの倍速モード
- 中継・無線n倍速・・中継で同上
- 中継・無線n等速・・中継のnを等速にした場合
- 中継・有線・・中継へ有線で接続した時
表示される速度は、nの等速で65Mbps、倍速なら150Mbps、と出るものの実際にはそんなに出ておらず上記の通り。
速度を求めるなら有線ですな。ちなみに上のようなナメた速度でも、ウェブブラウジングには支障無く、YouTubeも普通に鑑賞出来ておりました。
無線LANの中継増設で電波を強くする方法(まとめ)
今回は中継を入れて初めての設定で、更に元からネットワークや無線に弱い私がやっているので時間を要しておりますが、ネットワーク設定は専門用語が多くPC初心者にはハードルが高め。
しかし、普通に親機1台とパソコン複数を繋ぐだけならBuffaloの場合は初心者用の設定ソフトとAOSSが有るので、一応お勧めとしておきます。しかもバッファロー製品は安い。
今回は中継した上に家電を接続しておりますが、その理由は最近のテレビやレコーダは意味が判らない程に高機能な為。
私もいつの間にかテレビとレコーダが新しくなっており、レコーダをネットワーク接続しており、インターネット(ブラウザ)からレコーダの操作が可能。外出先からスマホや板PCで電源を入れたり録画予約が出来るという。使わないけれど。
ちなみに私の環境は現在このような感じ。
PC1が今これを書いているデスクトップで、2は仕事用デスクトップ。
3はネットブックで、敢えて無線親機を置いている理由は借り物PCを接続する用。ケーブルの出し入れや着脱が面倒なだけで無くても困らない有線信者。
特徴は、録画機(DIGA)とNASが有る事でNASがメディアサーバになったり、NASにプリントサーバ機能が有るのでプリンタがネットワークになり全PCから録画機やプリンタが操作可能な辺り。
Aさん宅も家電が繋がっているので、仮にAさんが左の家からPCで右の家のレコーダをいじり番組予約が出来たり、Aさん宅にNASを置けば右の家のレコーダでNASの動画が鑑賞出来たりするという。
更には、外から自宅へ接続し携帯端末で自宅のNASに保存している動画が見えたり、時代は変わっております。
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