2019年7月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
今回も最初から最後までマウス。
ノートPCはパソコン工房の方が若干安いなどの理由でそちらをおすすめとしたけれど、デスクトップの方は今のところ全て私が構成変更しつつ価格を据え置き、または安くしてもらったモノで型番末尾の「HS」はHitsuji Senpaiの略。
性能や特徴についてはマウスのページで詳しく書いているのでここでは簡単に説明すると、4万円台という価格を見て選ぶのではなく、CPUがインテルでいうPentium程度で良く、メモリ4GBとSSD 240GBでも足りる用途ならば。
オフラインの友人などでパソコン詳しくない人からの相談時、まず最初に聞かれることが、「6万くらいでいいパソコンない?」のような価格からの入り方。
その後に続いて私が、「何に使うのか用途全部言え」であり、予算の前に用途が来なければ何かが足りなくなるか、もしくは逆に無駄金をぶち込んでしまうため。
とは言え、何の用途に対してどのくらいのスペックが必要なのか、それがわからないからこそ完成品PCを求めているのだろうから、不安ならばこの後に出る性能も容量も価格も少し高いやつをどうぞ。
できるだけ安くしたい気持ちはわかる。しかし約2万円程度の差で何年、何時間そのパソコンを使うつもりかを考えましょう。
1日1時間、週4日ならば208時間/年。5年使うとすると1,043時間なので1時間あたり20円くらいの差。私のように毎日6時間パソコンの前に居るコアユーザならば10,950時間なので時給2円差程度。
という、予算を盛るべきか?な考え方もアリかと。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
この機種も私がカスタマイズした標準構成。
どこがノーマルなマウス仕様と違うかはSSD 480GBのピンポイントで、元の構成がHDDなのでSSDへ変更してもらった。
他のパーツを変更していない理由は、ゲームとかしないならこの程度の性能で良い、言い方を変えるとこれ以上の性能や容量は使いきれないだろうから「用途的上限」と考えております。
最近のマウスの傾向をいうと、ゲーム用ではないデスクトップはATX(ミドルタワー)ケースが消えており、スリムかミニタワー(いずれもMicro ATXマザーボード内蔵)のみ。
自作PCユーザ的には納得行かないと思われるものの、自作しないからこそBTOパソコンを選ぶわけで、そういう人にミドルタワーは無意味にデカいだけと気付いて納得。
スリムやミニタワーの方がミドルタワーより使用する原材料が少なく、電源容量も小さめになり、細かいことまで言えば容積が比較的小さいので梱包材や配送料も割安なのでその分を本体価格へ反映できるとも。
最近あまり見ないBTOメーカーのウリ文句として、「ミドルタワーは拡張性が高い」と時々言われるけれど、それはケースの中身いじってしまう人向けの話であり、ケースの外なら拡張性はUSBくらい、その本数はそう変わらない。
USB以外に何の拡張性が高いかわからない時点でBTOパソコンで拡張性を長所とするフレーズは的外れ。USB足りないなら固定設置なデスクトップPCなのだから遠慮なくハブ(USBのタコ足)を使えば良いだけの話でございます。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
ポイントはグラボが旧型番なGTX 1060なところ。
GTX 1660 Tiあたりにしてもらおうかと検索してみたものの、価格が約13万円なので2.5万円+消費税分高くなってしまうため、「最低でも」の条件から外れてしまう。
もっと「最低でも」が無いか改めて探してみたけれど、ストレージがHDDのみとか、SSDが240GBx1だけでHDDが無いなどで条件を満たさずスルー。
この機種がSSDは240GBながら約1,000GBのHDDを搭載、している理由は最近のゲームはインストールすると平気で二桁GB食ってしまうためで、SSDの消耗を避ける意味もありHDDの増設は必須と考えているため。
最近のGeForceは省電力化、言い方変えると性能上がれどもワット数あまり上がらないためミドルタワーではなくミニタワーでも良いけれど、ここはあえて「拡張性」を残すべきかとも。
実際の経験で、私も昔はサイコムのBTOパソコンでグラボ搭載ゲーミングPCを組み立ててもらい流用するパーツはせいぜいHDDくらいだったものの、グラボの寿命は意外と短いと気付き、ケースと電源はデカい方が良いと知った。
寿命とは故障する時はいつでもするのでそちらの意味ではなく、性能不足を感じたり、より高精細な表示を求め始めるとGTX 1060では物足りなくなる可能性アリとして、グラボだけ換装も考えつつ。
ゲーミングPCならばミニタワーでも電源は500Wあるので容量足りるとしても、ケースがデカい方が改造作業がしやすい。グラボのみ交換する場合を申しております。
具体的には配線がウザい。
「そこ?」と思われたならマジでそこ。私はメインがミドルタワー、サブPCをミニタワーにしており、ミニな方のケース内は配線どう整理して良いのかわからないほどケース開くとケーブルまみれ。
マウスに限らず多くのBTOパソコンはケースの中身は自作PCとほぼ同じ。私のようにBTO->グラボ交換->全部交換できるようになる->自作PC、この流れを考えているならミドルタワーおすすめ。
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
「最低でも」の反対、コスパ考慮しつつ「最高クラスなら」がこれ。
もっと最高ならばRTX 2080 Tiが当然なところ、市販価格でいうとRTX 2080 Tiは落ち着いて来たとはいえ15万が相場。対して2080無印は10万円を切れたところ。
この5万の差があると思うならばTi付にしても良いだろうけれども、性能差を見るとそこまでの価値があるだろうか?と疑問を感じる。
2chなどで2080 Tiがもてはやされる、あれは常に最高性能を求めたいハードウェアマニアが多く、ゲーム用というよりベンチマーク(性能)スコアの上を目指している人ばかり。
そういう人が今後どうするかは、2080 Tiの上と言われるSuperの付くRTXシリーズが出たならそちらが欲しくなる属性。
コスパ重視なら2070や2060の方が良いとも感じるけれど、どこまで下げるのかきりがなくなってしまう。2080 Ti~2060の4種類の差は、1ランク変わると性能が8~9%、単品価格は1.5倍くらい。
グラボの性能も用途、要するにやるゲームで選ぶが正しいとしても、それは今やっているだけで今後何をプレイしまくるか未知数。最低限で行くか、最高クラスを選ぶかは財布と相談を。
また、この価格帯になるとマウスの場合は保証を+2年の3年オプションも検討するべきで、+7千円は破格の保険。10万円級グラボ搭載PC、本体価格の2.8%で+2年は頭おかしいレベル。
更に+3千円のピックアップは宅配業者が梱包材を用意して箱詰めしてくれるのか?と思いチャットで聞いてみたところ、このページを案内された。
お客様にて箱詰めや梱包箱の用意が難しい場合、弊社契約運送会社の梱包サービスを利用した パソコンの回収を手配することも可能です。(中略) \2,000-(税別) でお申し込みいただけます。
source:マウスコンピューター 修理ご依頼時の梱包について
ということはマウスが片道ではなく往復の送料を持ってくれるだけなので、送料が激高な沖縄以外では無意味ですな。※沖縄は120サイズの時点で2,981円
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
先月と全く同じ機種で違うコメントを書けるとか我ながら凄いと思った。
マウス公式に私のおすすめページを制作してもらえたのは、BTOパソコン.jp的に最適としみじみ思う。個人的にはパソコン工房などでも良いけれど、比較することを考えるとマウスの方。
以前、マウスの偉い人から聞いた話を再びすると、MCJグループ内のパソコン工房はややマニア寄りな人向けで、自作面倒なのでしないからBTOにするような属性。マウスは家電量販店でパソコン購入するようなPC初心者向けらしい。
何が最適かは、先月に続き今回も当サイト用特設ページの中からデスクトップ全4機種を紹介したけれど、別にこれらに限定するものではなく、他のマウス製品や性能などわかるなら他のBTOメーカーとも比較してみるべきで、その際にマウス内ならばページのレイアウトや仕様詳細の形式が似ていたり同じなのでPC初心者な人でも比較が容易、とまでは言わないとしても見やすいはず。
しつこいけれど、他人(私)の言い分を鵜呑みにして選び決定すると後悔するやも知れず、決断は必ずご自身でどうぞ。「私(ヒツジ先輩)ならこれを勧める」という4例だとして見てもらえばOK。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
>約2万円程度の差で何年、何時間
だからキーボードも良いヤツ買えよ、とは言いづらい所がありますね。スペックに不満あるPCを強制使用する苦しみは、職場で絶賛体感中。
>ミドルタワーは拡張性が高い
自作視線なのは明らか。ケースが大きいからCPUクーラーやグラボの増設で大きさを考えなくて良い、ストレージの増設時に空いているベイで悩まなくて良い、ミドルクラスまでのグラボ増設時は基本的に電源の交換は不要、などが利点でしょうかね。
>ゲーミング
重量級のゲームですと情報量が多くなるためか、OCメモリの効果がそこそこあるそうで。FPSが10くらい向上する実験例もあり。グラボに大金を掛けられないならゲーミングメモリを選ぶのも手。