2019年12月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
ギリ4万円切り。消費税10%となりわかりやすい、実質4.4万円くらい+送料なので5万円切れる程度のやつが量産系BTOパソコンのデスクトップ最安な価格帯。これより安いやつは何か裏があるある。
AMD、しかもAthlon 200GEと言われて性能をイメージできる人は少ないであろう、自作PCでも相当マニアな人でなければ選ばないと思われる低価格帯なコスパ重視CPU。
AMDユーザは自作PCに多く、彼らは高性能なRyzenがお目当てだろうし、私のようなすぐにインテル入ってしまう人間にはAMDの時点でよくわからない。
というわけで調べてみたところ、簡単にいえばPentium GかCeleron G相当のCPU性能+AMDなのでGPU(グラフィック)性能がインテルより上、そして価格は同じくらいという評価が妥当。
ならばCPU性能は問題なく、メモリは必要最小限な4GBを搭載し、SSD 120GBは少なめながら、この程度の性能のパソコンで120GBを超えるならば外付けやクラウドへ逃がすべし。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
Core i3でも約6万円で完成品。10年前と変わらぬコスパの良さがi3搭載機。
10年前との大きな違いはメモリ8GBでも今は市販価格4千円、並行してSSDの低価格化で240GBも4千円、なので6万円でHDD 2TBをおかわりできているわけですな。
修理現場に居た当時、多くのPC詳しくない人のパソコンと思われる2ndなHDDの使い方がおかしかったので説明しておきましょう。このPCの構成の場合で。
- C:SSD 240GB・・・Windows、プログラムファイル、ユーザデータ
- D:HDD 2TB・・・ユーザデータのバックアップ、その他データ倉庫
まず普段使いのファイルはドキュメント(ユーザ名の)フォルダを利用するだろうから、そのフォルダをDドライブへバックアップしておき、外付けHDDなどのデータを「その他データ」として内蔵HDDへコピーしていつでもアクセスできるようにしておく。
SSDが故障してもDドライブにバックアップがあり、Dドライブが故障してもSSDが生きており、その他データもコピーなので元の記録装置やクラウドにデータは残っている感じ。
Windows 10はバックアップがウルトラ簡単+昔のバックアップ機能ほどアホではなさそう=利用してみましょう。
- 左端の歯車を押す
- (開いた窓の下の方にある)更新とセキュリティを押す
- 赤枠のバックアップへ
- 右の赤枠ドライブの追加を押してHDDを選ぶ
後は日本語が読めるならば詳細設定は難しくはございません。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
10万円を超えてしまったけれど中身を見て納得、もしくは安いと思うはず。
何がそうかはグラボがGeForce GTX 1660、で終わらずSuperが搭載されており、このSuper付な1660は1660 Tiより性能面でわずかに低いだけのコスパ上等なやつでございます。
CPUのRyzen 5 3600はCore i5 9400よりやや上の性能な位置付けで、メモリが特盛な16GB、更にSSDが500GBなNVMeであり、ゲーム入門機としては贅沢。
安さの理由はここまでに書いた全パーツが関係しており、RyzenはAMDなのでインテルよりコスパが良く、Super付1660もコスパ重視で出たもの、加えてメモリとSSDはここ数ヶ月で更に暴落しているので10万少々。
とはいえ、10.5万なら税込11.5万円+送料もあるので12万円を切れるくらいまでは跳ね上がるため、予算的に厳しいならばもう少し下を目指す手もアリでしょう。
もしそうならば、ここまで性能落としてOKな基準を私なりで。
- CPU・・・Core i5、Ryzen 5と書かれているもの
- GPU・・・GeForce GTX 1660、1650 Super
- メモリ・・・8GB
- ストレージ・・・必ずSSD、容量はお好みで
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
攻めるパソコン工房、RTX 2080 Ti搭載でこの価格。
ここまでのグラボ性能をお求めになる人向けならばメモリは無駄に16GBあると良さそうなところ8GB、SSDのNVMeは良いとしても容量250GB、おまけのHDDは1TB、何かと容量控えめが安さの理由か。
何となくだけれども、とりあえず容量は抑えた状態なので気に入らないならば、パソコンに20万円以上も出せるなら、コスパは考えずSSDやメモリなどはカスタマイズしてどうぞ、と言われている気がしてならない。
私がゲーマーでこのパソコン買うならカスタマイズはしない。
メモリもSSDもHDDも交換はスーパー簡単な部類に入るため、自作の知識や経験が無くともYouTubeなどで交換方法を脳内へインストールして作業できるはず。
とりあえずこれで使用し、メモリ使用率やSSDやHDDの空き状況とか様子見しながらどうするか後で考えても良さそう。
メモリ増やしたいなら8GBx2を購入し増設して8GBx3の24GBへ。起動しないなど相性問題がもし出たならば8GBx2として1枚は予備の在庫で。多分、今どき相性問題は出ない、と言いたいけれどAMDはその辺りが厳しいらしい。
オタクが「デュアルチャネルが~」とか言うかも知れないけれど、DDR2頃からデュアルの恩恵はたいしてございません。
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
ノートPCの記事でも書いたけれど来月までパソコン工房一色になるのだと思うコスパの良さがWindows 7終了間際なナウ。
マウスは最近強気な価格設定、ドスパラとフロンティアとDELLは私が友人知人へ勧めたくないメーカーなので除外、ツクモは弾数少なすぎ、HPは個人向けデスクトップPC弱い、サイコムはカスタマイズ前提な中~上級者向け。消去法でパソコン工房。
どこのメーカーでも中身そう変わらないので仕様が同じなら価格勝負となり、好きなところでどうぞであり、しかし数あるメーカー全部見て回り比較できるほど知識がある暇人もそう居ないとして毎月おすすめPCを提案しております。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
サーバ用途で使用中のデスクトップPCのハードディスクが逝ってしまった。
そこで、Windows10への移行がてらパソコン工房で手配しようと思っていたら、台風で組み立て工場被災のため、納期が大幅遅延中のことだった(※今は復旧しています)。
仕方がないので、メーカーを選ばず仕様だけ見ていくつか候補を絞り、何パターンかWeb見積もりした結果、価格と性能と納期で折り合いがついたのがフロンティアだった。
結果的に、以下の構成のデスクトップPCが7万円台(光学ドライブ無しのベースモデルは5万円前後。)。
OS :Windows10 Pro
Office :WPS Office Standard
CPU :Ryzen 3(3.6-4.0GHz/4コア/4スレッド)
Graphic:CPU内蔵
RAM :8GBx1=8GB(※納品後に8GB追加)
SSD :SATA-240GB(Apacer AS340-240GB、※納品後にM.2-512GBに入れ替え)
HDD :なし(※納品後に6TB追加)
FPD :なし(※既存のモニタを流用)
Optical:Blu-ray
フロンティアになった理由は、下記の通り。
1.マザーボードの素性が明らかになっている(Asrock A320M-HDV R4.0)
2.ケースの仕様が明らかになっている(空きベイの場所や数など)
3.電源が必要最低限ではなく、余裕がある(メーカー未確認だが定格600W)
光学ドライブ無しでWindowsのメディア付きという標準構成はいかがなものかと思うけれども、自由度が高いのは悪くないかと。
>Athlon 200GE
確かにグラフィック性能は少し高いですが、ドラクエ10がフルHDの低画質で遊べる程度ですよ。フルHDではなくHDなら中画質くらい。フォートナイトならフルHDの最低画質で50~60FPSを維持できる程度。HDなら常時60FPSオーバーが狙えるくらい。GPU性能の高さが生きる場面が極めて少ないでしょう。
Athlon 200GEはTDPの低さ、つまり低発熱であることを活かすべきかと。TDPが35Wですから「無音の事務用PC」だって狙えます。
>2ndなHDDの使い方がおかしかった
「Cドライブ:80%使用、Dドライブ:0%使用」はよく見かけました。というか今でも見かけます。ストレージがHDD×1でパーティションが切ってある環境だとなおさら。
長々と書きすぎて言いたいことが見えなくなっている悪いパターンでした。
1.納期に注意。お急ぎなら即納モデルなど。
2.時間に余裕があるなら見積もり比較してみよう。期間限定セールは良くある話。
以下は蛇足。
メモリについて
Windows10で、メモリ4GBで普通に使えるのか懐疑的だったので、2010年発売のAthlonIIX4 640(4コア/4スレ-3.0GHz)の自作デスクトップPCで、2本刺さっている4GBのメモリの1本を外してテスト。
Windows Updateを仕掛けながらChromeを立ち上げ、動画サイトを見てみる。
動画を再生しながらもメモリの使用量は4GBを超えず、Windows Updateも滞りなく完了。
Windows Updateの処理が完了した状態で動画を連続再生してみるが、CPU使用率は常時10%以下、メモリ使用量も3GB未満安定で特に問題なし。
結論と考察
・Athlon200GEは2コア4スレで3.2GHzなので、ローエンドとは言え、さすがに10年近く前のCPUには負けないだろう。
・気になるのは、例えばRyzen3の場合、内蔵GPU用に2GBのメインメモリを確保してしまうので、Athlon200GEでも同様に、Windowsから見たメモリ量は4GBより減ってしまうのでは?
・したがって、メモリはやはり8GB以上に増設しておいた方が無難かもしれません。
しつこくてすいません。
蛇足がてら・・・
手元のRyzen3機はAsrockのマザボ(A320M-HDV)で、UMA Frame buffer Sizeは(おそらくDefault設定の)『Auto』になってました。
マザーボードによって最小設定値は異なるようですが、Ryzen3機が16GB搭載で2GBを自動確保しているので、4GB搭載なら512MB辺りが自動確保されそうです。
その場合、メインメモリは3.5GBになるので、ライトユースならギリ大丈夫かも・・・大丈夫かな?