2020年3月号デスクトップPC編。
量産系BTOパソコンはPC初心者向けと言いつつも、性能の見方不明とか用途への提案がないので選び方が難しく感じてしまう。そんな貴殿へBTOソムリエなヒツジ先輩が厳選したオススメPCを提案する月刊企画。
本記事は当サイトおよびヒツジ先輩(私)の独断と偏見によるもので、最終的な判断はご自身でされることを極めて推奨。他人の意見に流されると後悔することがあるのはパソコンに限らず買い物なら何でも同じかと。
※毎月同じテンプレ部分は文字を灰色でお送りしております。
BTOパソコン.jp推奨PCデスクトップ編
用途別で4段階。
金さえ出せば上を目指せるのは当たり前なので、ここではコストパフォーマンスを重視した「これ以下はないけれど、これ以上は無駄かも知れない」で厳選しております。
画像をクリックすると売り場へ飛ぶ仕様。
1.安さ重視のライトユーザ向けなPC
今回はIntelで参りましょう。税込して送料入れても5万円で釣りが来る。
そんな装備で大丈夫か?と聞かれそうながら、本当に大丈夫で問題ないので一番いいやつは不要。
CPUがCeleronと見ただけでニワカ自作PC変態が発狂するかも知れないけれど、冷静に性能を見ると3.2GHzのデュアルコアで足りないとか、一体何と戦うおつもりなのか級のそこそこ高性能。
メモリ4GBが少ないとか、SSD 240GBでは足りないと言われるならば、もっと金を出せば良いだけで、ブラウザ開いてExcelで家計簿を作り、年末に年賀状印刷するくらいなら全然平気。
私も毎日ブログ書いている程度なのでこれでも行けるけれど、使い方がブラウザ3個同時に開いてタブが全部で20くらい、同時にYouTube再生しつつ画像の加工もしなければなのでメモリ4GBでは物足りず8GB。CPU性能はこれでもOK。
といった感じで、デスクトップPCの場合、相当変なショップでなければ一番安いやつでも使い物になる時代、な原因はCPUの高性能すぎ化とメモリ系の値下がり。
用途としては、ブラウザで動画見るとか、フリーのオフィスソフトを入れて文書作成や表計算、iTunes入れてiPhoneを操作するなど軽い使いどころ向け。
使う人のイメージは、実家の両親へプレゼント、子どものプログラミング練習用、家族で共用しスマホの写真整理のようなライトユース。
2.だいたい何でもできる実用的本命機
廃版になるか構成変わるか値上がりでもしない限り、延々とこれが実用本命機として継続しまくりそう。
CPUのRyzen 5 3400GはCore i5相当な内蔵グラフィック機能がある単品価格2万円くらいのやつ。3400Gより高性能な3500が日本でも出る、1.6万円と割安と言われているものの、グラフィック機能ないので3500はグラボ挿す用途前提。
メモリは余裕の8GB、SSDはケチらず高速なVNMe 500GBを搭載、光学ドライブは今どき使わないとして、ACアダプタで動作する手のひらサイズなデスクトップ。
DVDは外付が2~3千円なのでそれで。私も一応「何かに使うかも」フラグを立てつつ所有しているものの、5年で2回くらいしか用が無い現状。
唯一の弱点としては拡張性がやや低い、ながらそういうことしないからBTOパソコンで完成品を買うならば弱点とも言えず。ちなみにグラボが入らないであろう以外、メモリやSSDなどの増設は可能。
最初にBTOパソコンを購入し、それをバラしたり増設前提で自作PC状態にするつもりなら全然おすすめできないケース。しないなら見た目がゴツくない分よろしいかと。
しかもASRockというメーカーのベアボーン(ケースと中身の一部+電源)なためか割安、なのでパソコン工房も6.7万円という安さで販売できるのかと。
用途は、1番のライトユーザ向けと同じ+パソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
使う人のイメージは自分用メインPC。もちろん子ども用とか家族共用としても、たいていのことはこれ1台でこなせるはず。
3.ゲームするなら最低でもこのくらい
先月ここで紹介したマウスのGTX 1650無印搭載で8.3万円が品切れ起こしていたため、1ランク上のグラボにあたるSUPER付GTX 1650搭載のこいつを推奨で。
先月書いたSteamでシェアのデカい順一覧を流用。
- NVIDIA GeForce GTX 1060 20.30%+5.66%
- NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti 9.23%+0.13%
- NVIDIA GeForce GTX 1050 4.50%-0.68%
- NVIDIA GeForce GTX 1070 3.82%-0.46%
- NVIDIA GeForce GTX 960 3.70%+1.17%
source:Steam ハードウェア & ソフトウェア 調査
GTX 1650 SUPERは1番の1060相当と思えば、安くSteamゲーを楽しもうとするなら8.7万円も出せばとりあえず何とかなる。
開発側もシェア高い性能のグラボを意識するだろうから設定を高くしすぎなければ動く。動くので皆が上記あたりの性能を買う、という流れかと。
ハイスペ厨な自作マニアに言わせるとCPUとSSD以外にケチが付き、グラボ性能全然ダメ、メモリ8GB少ない、(グラボ載せ替え前提で)500W電源ショボい、とか言いそうと妄想。
コスパ厨な私に言わせると、学生や20~30代、またはゲームあまりしない人がこの構成で購入していたなら素直に賢い、上手いなと思う。
用途はもちろん3Dゲーム。
使う人のイメージは、これ以上の予算はひねり出せない学生やフリーターや自宅警備員、高画質にこだわらないゲーマー、またはあまりにもな高性能を要しないゲームをする人。
4.ゲームが趣味で予算あるならこれで
これも数ヶ月連続でおすすめ状態。
パソコン工房はゲーミングPCコーナーが独立していないのでピンと来にくい、ここまで盛られて税別ながら20万円切りは圧倒的コスパOK。
CPUがPC変態ではない一般向けとしては最高クラスの性能、そのCPUがK付でマザーがZなのでCPUで遊ぼうと思えば遊べ、SSDは高速な500GB、おまけに最初からHDD 2TBも搭載するのでSteamでゲーム積みやすい。
そしてグラボが高性能かつ比較的コスパよろしいGTX 2080 SUPER、一般的なGeForceの上から2番めにあたるモデル。
ゲーミングPCは数年でグラボがネックになるものなので、金があるかグラボ単体で交換予定なら盛るべし。そういうことしないなら、完成品の安物を維持して買い換えるべきか。
なお、このクラスのグラボ辺りから4K解像度でゲームという変態行為もお楽しめるようなので、余裕があるなら4Kも。私ならフルHDでOKとしてリフレッシュレート高めモニタを試してみたい。いや、要らないけれど。
用途は当然3Dゲーム、精細な描画やフレームレート、高解像度にまでこだわるゲーマー向け。
使う人のイメージは、大人の趣味の道具として普通のパソコンではなく、わからない人には意味不明なほど高額でもOKなゲーマー。または単なる金持ち。
BTOパソコンの購入時に関するQ&A
以下、テンプレ。
- Q. カスタマイズしなくていいの?
A. 「しない方が良い」が正解。量産系BTOはカスタムすればするほど割高になる。するなら長期保証、オフィス、(自力で増設できないならバックアップ用に)内蔵HDDおかわり、の3つくらい。 - Q. 静音パーツにしたい
おそらくコスパ悪くなるだけ。最近のCPUは発熱が低め、ケースファンはメーカーがエアフロー考えて最低限で構成、高性能グリスにしても体感で差はわからないレベルなはず。 - Q. パーツのメーカーや型番を知りたい
A. そういう人は自作しましょう。普通の人はメーカーとか型番にこだわらなくてOK。メーカー側も保証期間内に故障すると損なので変なパーツは使わない。自作する人が型番見るのは、電源の系統と12Vの容量とか、メイン基板の対応CPUや機能などを知る必要があるから。 - Q. やはりもっと性能や容量を上げたい
A. そういう時はカスタマイズはせず、標準構成で希望に近い機種を選びましょう。量産系BTOのカスタマイズはとにかく割高。上で書いた通りカスタマイズは、長期保証、オフィス、内蔵HDD追加くらい。 - Q. 助言はいいけどアンタは何者?
A. BTOメーカーの修理工場でデスクトップとノート合わせて数千台修理した後、営業部署へ異動したパソコンのことやメーカーの内情を知っている元社員で、BTOパソコン.jpブログをほぼ毎日10年以上続けてPC業界を見続けている、というハッタリが当サイトのウリなヒツジ先輩。周囲にPC詳しい人いるなら「ヒツジ先輩って知ってる?」と聞いてみればわかる。知らないかも知れないけれど。
今回オススメとしたBTOデスクトップ所感
久々にパソコン工房一色になってしまった。
マウスがやたらと品切れを起こしているのは平常運転なのか、CPUを切らせたのか後継機種への移行が下手なのか、シリーズ全機種品切れを最近よく見る。
パソコン工房は1つ注意点があり、昨年末頃から納期が「4週間以内」となっており、金を払ったからには1日でも早く的な性格の人は気を付けましょう。
おそらくだけれども安全圏な期間として「4週間は超えない」という意味で、実際には数日で出荷するパターンと予想しており、詳しくは機種を指名し「カスタマイズしない場合の納期は?」とチャットなどで聞いてみましょう。5営業日とか返って来そうな予感。
全体的な影響としては、昨年末からRAM(メインメモリ)とSSDが徐々に値上がりして来ており、韓国のセルフ制裁による不景気や中国の米国制裁+ニューコロナのダブルパンチが効いているのやも知れず。
日本はMicronや台湾のメモリ工場を頼っていると思っていたのでやや意外。中韓がアレなので、今まで中韓に発注していたものが台湾などに流れているのだろうか。
以上。BTOパソコン=三流でも低品質でもノンサポートでもございません。コスパ重視の賢い後悔しない買い物をおすすめするためBTOパソコンを推奨。
>性能を見ると3.2GHzのデュアルコア
Coffee LakeのCeleron G4930。確かにライトなゲームを軽く遊ぶ程度の性能はありますね。
ひとつ注意点としては映像出力。ライトユーザ向けの低価格モデルのためか、相変わらず映像出力は「DVI」と「DisplayPort」の2種しかありません(USB除く)。安価なディスプレイを組み合わせようと思っている方は少しだけ注意が必要。
>だいたい何でもできる実用的本命機
特にGPU内蔵CPUを使う際に、メモリが「8GB×1」でシングルチャネルな点は少し勿体ない印象を受けてしまいますが、自作派の悪い癖でしょうか。