下の絵を見て「雷サージのことか」と解っても、上手(美味)い修理の出し方が
ありますので、ガガっと読んでください。
落雷していないのにパソコンが故障した
例えば、自宅でPCを使っていたとして、別の場所に落雷があったとします。その約1秒後に不具合が出た場合は、落雷による故障かも知れません。
梅雨時や夏になると、落雷っぽい症状での修理がダンゴになって入って来ることがあり「雷ってこんなに落ちるものなのか?」と疑問に思っていたのですが、上の絵にある通りです。
木に限らず信号機や避雷針に落ちたとしても、落雷による電圧(電流)は地面だけでなく、サージという現象が起きます。
落雷地点から各方向に、雷の電気エネルギが減衰(熱変換)されるまで、瞬間的あるいは断続的に、不均一な減衰振動電流を生じる。
※wikipedia「 雷サージ」
避雷針があるから安心、ではなく、その周辺で別の何かが拾ってしまうと、電気回路(電線)を伝ってパソコンまで届いてしまうということです。(多分)
落雷で多い不具合症状
最も多いのは「勘違い」
PCは故障していないのに、修理依頼されることです。
これは、DSL(インターネット用の)回線などが一時的に停止したり、基地局そのものの不具合ということもありますが、ISP(インターネットサービスプロバイダ)が原因であるということ。
周辺で落雷があり「インターネットに繋がらない」症状。
この場合はしばらく待ってください。1日経って繋がらないなら、ローカルで弱小なISP(地元のケーブルテレビ会社)などで無ければ故障の可能性があります。
手っ取り早い調べ方は、別のPCを持ってきて接続。
(同じ建物内ではなく、何も接続していなかったPCなど)
これで繋がれば、PC故障の可能性は高いです。
モデル、ルーターやハブの故障も考えられますので、PC故障と決めつけず、可能な限り自分で検証してみましょう。何でも修理に出すなという意味でもありますが、一番困るのはユーザーであり時間の無駄だからです。
次に多いものは「LAN不良」
直撃を喰らったと思われるものの、症状としては軽い方です。
しかし、昔のデスクトップでなければ、ほぼ間違いなくLANはマザーボードに直付けです。ノートPCは横からPCMCIAなど挿していなければ100%マザーです。保証が切れていれば修理代は高額コースへ・・・
手っ取り早く修復するなら、デスクトップの場合はPCIに挿すLANボードを2,000円程度で買い増設。ノートはPCカードスロットへ挿すものを買えば繋がるかも知れません。無線カードやボードも有りです。
最後に一番ヤバイのは「マザーボード故障」
かなりデカイ直撃を喰らったものと思われます。
マザーだけなら良いですが、この時メモリが高確率で故障。
そこまで行くとCPUも動作がおかしくなっていることがあります。
更に電源も故障していることがあり、ここまで来たら修理代は覚悟が必要。バラして個別にパーツを検査(動作確認)できるなら、修理依頼して見積る前にどの程度か見ておくと良いです。
マザーとCPU、電源の3点セットが不良ならば買い替えを考えましょう。安く見ても4万は超えます。
ウマイ修理の出し方
先に書いておきますが、やれと言っているわけではありません。
この点、ご注意ください。全て自己責任でどうぞ。
まず、保証書の記載を確認します。
これに「天災、自然災害は除く」とあったらアウトです。
PC本体の保証とは別になっていることが多いのですが「ワランティ」や「物理破損に対する保険」という保証があれば、その内容を確認。
ノートが特に多いですが、物損の保険(保証)には自然災害にも対応していることが多くあります。その場合ははっきりと地震や落雷にも対応すると書かれているので、それを使えばOK。
では、自然災害に対応していない保証の場合はどうするか?
これは、落雷による不具合と申告しないことです。
簡単に言えば、原因不明で突然起動しなくなった、と言えばOK。
OKと言ってもやれと言っているわけではありません。
自宅や勤務先のビルに直接落雷したなら解りますが、サージならば電気に聞かなければ判らない。これを利用、というより自然に受け止めます。そう、あなたは知らない(コラコラ
修理の検査で大きな電圧による故障と判ったとしても、雷かどうかまではまず判りません。それに似た不具合と判断できたとしても、落雷の証明はできないからです。
こうなれば「自然災害による故障」とは断定できないため、原因不明の不具合となり、保証内で修理されてしまいます。
では逆に自然災害の保険があった場合はどうするのか?
これは自己申告です。但しウソはダメです。
この手は保険会社が絡んでいることが多く、10万円を超えると現地調査に来たり、ウソがバレると当然詐欺罪となりますので、どえらいことになります。
しかし、周辺で雷が鳴っていた。落ちたと思われる。
そして偶然にも同じタイミングで故障した。
こうならば「落雷による故障」として修理依頼してみましょう。
HDDの理論障害など、それは関係ないだろうと思われるものでなければ、修理依頼者の申告で通ることが多いです。また、先に書いた通り、落雷の時はダンゴになって入荷することがあり、一時的に申請窓口の仕事量が増えるため、混ざってしまうわけです。
保証内容は全額ではないこともあるため、よく内容の確認を。
落雷(雷サージ)による故障と、PC内部で何かが起こった故障
この2つを見分けるためには、相当な条件と検査設備が必要です。
左に並べているBTOメーカーに限らず、サージは判断しづらいもの。
悪用してはいけませんが、保証は上手に使いましょうという話でした。
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