RAMとは、完成品PCの仕様風に表現するとメインメモリ。
ここでは単にメモリとしましょう。そのメモリには容量以外にCPUのような動作周波数という主に処理速度、メモリの性能を表す数値が付いており、その値の違いどう影響するかを見て参りましょう。
PCハードウェア初心者の人にも解るように。
メモリの性能の見方
例としてBTOパソコンのカスタマイズ画面のスクリーンショット。
上がパソコン工房、下はマウス。説明不要なら次へ飛んでどうぞ。
容量と枚数:4GBx1、4GBx2
GBは容量、x2は枚数なので1枚か2枚挿さっている事を表しております。
規格や世代:SDRAM、DDR3、DDR4
デスクトップPCは超小型とか一体型のような特殊な物を除きSDRAM。ちなみにノートPCなどで使われる物は主にSO-DIMM。
DDR3とか4は世代を表しており、マザーボードに合う物を選ばなければ物理的に搭載不可。今は3と4の過渡期なので増設など考えているなら間違えないように。
動作周波数:2133、PC3-12800
今回主に関わる箇所がこの数値で、メモリの処理速度を表しております。性能は2種類の書き方があり、(DDR4)2133(MHz)ならば約8倍してPC4-17000と同じ意味、PC3-12800は8で割り算しDDR3 1600MHzと同じ意味。
規格は違うけれど上記を比較するとPC3-12800よりPC4-17000の方が高性能、高速に処理出来るはず。当記事では動作周波数をクロックと称する事に。
パソコン工房:厳選メモリ?
一応突っ込んでおくと、今時メモリ厳選する意味が分からない。※昔は粗悪品や国産(エルピーダ)などマジで厳選していた時代は存在。
何を厳選しているのか知らないけれど、普通に市販品と似た物や他のBTOメーカーで採用されている物と同じ安物が搭載されるはずなのでスルーしましょう。
では本題へ。
メモリ性能のベンチマーク
パワレポのこちらのリンク先が良記事するので見て欲しかった為、当記事を書いたようなもの。細かく書かれすぎており、文字を全部見る必要はございません。
source:DDR4メモリ 12製品を速度と消費電力でチェック - AKIBA PC Hotline!
全てDDR4、容量16GBでの比較で、上から高性能な順。最上段はPC4-25600となっており、3200MHzとか高性能過ぎるオーバークロック用。
最下段はPC4-17000と一般的な性能。現在出ている一般向けなCPUはCore i7-6700Kでさえ最高2133MHzまでの対応なので17000を超えても意味は無いはず。
ところが差が出ており、最下段の相性が出たとされる物を除外して下から2段目を見ると26.63GB/s、最大で1秒間に約26GBの転送が可能。最上段は38.12なので1.5倍くらいの開きあり。
なぜなのか調べてみたところ、現代のCPUはメモリと同期せず動作しているらしく、わずかに性能が上がるとの情報。しかし、「1.5倍がわずかと言えるのか?」という疑問。
実際には数十GB、またはそれを超える容量を一気に長時間処理しなければ体感では差が分からないだろうけれども、意外な結果に驚いております。
しかし、PCMark8でのスコア差はほぼ無し。
となると、逆にサンドラがなぜメモリのクロックの違いが判った、速度差を出せたのかという謎が生まれ、パワレポ筆者殿も触れていないどころかこのように、
若干のばらつきはあるものの、動作クロックが高い製品ほど高スコアというほぼ順当な値が出ている。
当然のような書き方をされているので意味が分からない。
例として私が所有している3万円の安物ノートはCPUがCeleronで、そのCeleronはPC3-10600(1333MHz)までしか対応していない為、12800のメモリが挿してあるものの10600で動作。
もう一つ、アドテックもメモリ違いで比較されているので参考に。
source:DDR3 vs DDR4 ベンチマーク結果 | ADTEC アドテック
DDR3と4が混在しており、「DDR4凄いよ」というアピールであり、CPUが違うのでメモリのみの比較は無理。世代が変わると全体的に見てメモリの性能が上図のように違うという話。
グラボ搭載時のRAMの意味
ハードウェア初心者、興味が無い人向けなのでこれも書いておきましょう。
グラボとはビデオカードの事で、主にはゲームをする人が高性能なグラボを搭載するもの。そのグラボにはVRAMというビデオメモリが搭載されており、ゲームする際はメインメモリでは無くVRAM容量の方が重要。
4年前とやや古いものの、まずはこちらの記事をご覧あれ。見なくても書くのでリンク飛ぶ必要は無いけれど。
TrinityのGPU特性をチェックしてみた、高クロックメモリで性能アップ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20121020/sp_review.html
DDR3の1333、1600、1866、2133MHz、4種類のメモリでゲームのベンチマークスコアやフレームレートを比較されております。
上の図では明らかに違いが出ており、なぜかはこの記事はAMDのCPU(正確にはAPU)に内蔵のグラフィック機能を試されておりグラボは非搭載。VRAMとか無いのでメインメモリの一部をグラフィック用に使っており、スコアに差が出る。
クロックでは無く容量による違いをGIGAZINEより。
本当のところPCにメモリを何GB積めば良いのか - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20150819-how-much-ram-need/
こちらはグラボ搭載。
- Intel Core i7-6700K (4.0GHz - 4.2GHz)
- Asrock Z170 Gaming K6+
- Dual-Channel: 16GB DDR4-2666 RAM
- Dual-Channel: 8GB DDR4-2666 RAM
- Single-Channel: 4GB DDR4-2666 RAM
- GeForce GTX 980
- Crucial MX200 1TB
- SilverStone Essential Gold 750w
- Windows 10 Pro 64-bit
source:How Much RAM? 4GB vs. 8GB vs. 16GB Performance - TechSpot
他のゲームのベンチマークでも上のグラフと似た感じで差が出ておらず、グラボありならメインメモリ関係無い事が判りましょう。ゲーム専用機ならメインメモリを盛れども意味は無いので、ゲームしかしないなら盛り過ぎ注意。
ゲーム以外の用途でメモリ容量が必要なら、な感じ。
完成品PCでメモリ性能は気にしなくて良いと思う(まとめ)
メモリの性能が高ければ高いほど処理速度は速くなる、しかし完成品でパソコンを買うならクロックは気にしなくてよろしいかと。
注意点を3つにまとめましょう。
- ゲーム専用機ならメモリ容量は割とどうでも良い
- 長時間処理を行うなら容量は大きめで
- 体感での差は今後益々不明になる
ここに速度、クロックの話は出て来ない。CPU内蔵グラフィック機能で無理やりゲームをするなら関係あるけれど、そういう私のような人は稀でしょう。
パワレポのベンチマークでは転送速度がおおよそで最高38、最低26という数値が出ており、2倍近くの性能差があると言えるものの、単位がGB/s、という事は1秒間に何GB転送できるか。
1GBの処理ならば、1/38秒と1/22秒で終わると思えば体感で判るわけが無いレベル。しかも今後更にクロックが上がったとしても昔のようにPC2-3200が6400のような2倍になるまでには長期間要すると思われ、DDR5になれどもPC5-43200とかは無理なはず。
自作でオーバークロックするならクロックにもこだわりが必要、しないなら特に気にする箇所では無く、私も気にしておりません。価格差が無ければ高クロックを選ぶ程度。
長時間処理を行うとは、簡単にいうとデザイナーが巨大なファイルを生成し上書き保存時にHDDが延々ガラガラ言うとか、撮り溜めた動画ファイルをエンコードしまくるような特殊な作業。
多すぎるメモリ容量はバケツで牛乳を飲むような無駄であり金も無駄なので、多すぎず少なすぎず、多少余裕がある容量を選びましょう。というか、量産系BTOパソコンならば最初の標準構成から変えなくて良いと思う。
こだわりの厳選メモリー~キンモクセイの秋風にのせて~
中の人が朝市をはしごして見て触って鮮度抜群脂がのってるやつを長年の経験で組立ってとこをもっと強調せんとな
ヒートシンクが付いたメモリもありますから、負荷を掛けると発熱する訳で。ならば動作周波数が高いモデルは、動作が速い代わりに発熱が大きい、と考える事もできます。体感できるかは不明ですが。
>パソコン工房:厳選メモリ?
全数をエラーチェックでもしているなら、厳選と名乗っても良さそうですね。
>内蔵のグラフィック機能を試されてお
理論上、AMDに限らずIntelでも内蔵GPUの差は出るはずですね。
>オーバークロックするならクロックにもこだわりが必要
基本的にCPUのクロックと連動してメモリのクロックも上がって行きますから、クロック比率を下げるかクロックを固定するかで対処する必要が出て来ますね。
ゲーム専用機ならメインメモリはそれほど必要無いというのは既に過去の話です。
現に今世代の代表的なFPS二つを挙げてみるとBattlefield1は10GB程度のメモリを消費し、Call of Duty:Infinite Warfareに至っては12GBに達します。
メインメモリを使い切るとゲームの動作が非常に不安定になるので、できるだけ余裕があったほうが安全です。
また、GPUではなくCPUがボトルネックになるゲームの場合、メモリのクロックがフレームレートに直結する場面もあります。
まぁしかし、これに関しては高クロックにつぎ込むくらいなら容量のグレードアップを考えたほうが良いでしょうね。