Flactal Designより新製品。
DefineシリーズのPCケース、7が発売日2月28日となっており自作PCユーザの注目が集まっているところ、2chまとめで「何が良いのかわからない」とのコメントがあり、自作しないならそれもそうかと。
というわけで何が良いかご説明する回。
Flactal DesignよりDefine 7が4種類発売へ
店頭予想価格も出ております。
Define 7 Solidが25,300円、Define 7 TGが27,500円、Define 7 XL Solidが33,000円、Define 7 XL TGが35,200円前後の見込み。
source:Fractal Design、拡張性/メンテナンス性を向上させた「Define 7」シリーズ - PC Watch
せめて1万円台だろうと思いきや軽く2万円を超えて来るとか、強気さが斜め明後日すぎて驚いた。
ノーマルなSolidは普通のミドルタワー、2千円高価なTGはサイドバネルが強化ガラス、XLはフルタワー。
何が良いかはPC Watchのリンクタイトルの通り、拡張性とメンテナンス性なのだけれども、パソコンケース内いじらない人にはピンと来なくて当たり前。
というわけで、PCパーツで最も重要なモノはケースと言い切る私が適当に解説して参りましょう。
Flactal DesignのDefine 7は何が良いのか?
画像は国内代理店のアスク公式より拝借。
- Define 7 Solid | Fractal Design | 株式会社アスク
- Define 7 TG | Fractal Design | 株式会社アスク
- Define 7 XL Solid | Fractal Design | 株式会社アスク
1.見た目がスッキリ
まず見た目が良い。
多くの自作やBTO PCケースは中国や台湾製のところ、Flactal Designはスウェーデン、かつメーカー名にデザインの名が付くくらいなので見た目にこだわるは当然。
スウェーデンのデザインといえば思い出すのがIKEA。中国製ばかりのニトリとIKEAが同じ価格で似たモノを出していたなら、普通のセンスをお持ちならIKEAを選ぶかと。
フロントパネルは左から扉のように開く構造で、閉めておき、上面の端子に何も挿さなければ画像の通り、一見パソコンなのかどうかわからない人も居られるかと。
2.裏配線+バックプレート着脱前提
これは今どきの自作用ケースとしては当たり前ながら、安物を選ぶと表から裏へつながるケーブル通す部分が手抜きだとか、画像のような配線を留めるギミックなどはまず付いていない。
ケースが太い分、裏配線用の空間(ケース内スチールから左側板までの隙間)に余裕があり、24pinを裏で延長しても余裕で収まりそう。
完成品PCとは全く関係ないところが自作PCの場合は大きな意味を持つ良い例で、この設計が甘いと裏配線に苦労するし、剛性の低い鉄板でバックプレートの穴を思い切り抜くと歪みそう。
ちなみに私のメインPCのケースも裏配線できるようになってはいるものの、このDefine 7ほど良い設計ではなく、台湾(Cooler Master)デザインとの違いかと不利さを感じた。
3.天板が選べる+ファン420mmまで搭載可
ミドルタワーの方は画像が無かったのでXLの方がからパクって来た、天板は静音性を重視するノーマルの他、通気性を上げるメッシュパネルにも交換可能。見えている穴の下にフィルタが1枚入っております。
ファン420mmとは、14cmファン3連のラジエーター、または素で14cmファン3個付くという意味で、普通ここはせいぜい12cm3連になるところ。比較として私のケースは12cm3連、または14cm x2、もしくは20cm x1。
ケースの太さは大口径ファンの数量稼ぎ以外にも重要で、このケースなら高さ18.5cmまでの空冷クーラーが搭載できる。18.5cm超える空冷は滅多にないので選び放題。
4.オープン/シャドウベイ丸ごと取り外し可
録画か何かでストレージ満載にする人向けならば、右のストレージレイアウトで最大3.5インチ14台+2.5インチ4台の18台構成も可能。PC Watchより。
オープンレイアウト時は2.5/3.5インチ×3、2.5インチ×2が搭載できるが、ストレージレイアウト時はオプションのドライブ用アクセサリと組みあわせると、最大で2.5/3.5インチ×14、2.5インチ×4まで搭載可能
左が何なのかは、そこまで載せまくらない人向け、または本格水冷のタンクをケース内に内蔵する用として。もしくはクソ長いグラボ搭載するならオープンレイアウトでどうぞな設計。
5.グラボのライザー対応+本格水冷は内蔵で
暗いのでわかりにくい、画像右のやや右下にPCIeスロットが縦向きに2つ付いております。何をするスロットかは、マザーのPCIeからライザーケーブルやカードを伸ばして縦向きにグラボを搭載する用。
なぜ?と言われても縦にしてグラボのファン側が見えるように設置したい人が居るのでしょう。要らないけれどあっても困らない。
また、背面を見ると本格水冷用のチューブを通す穴が無く、なぜかは全部中でやれということらしい。この画像はフルタワー(XL)の方。
CPUが2個、グラボ3枚、そしてオープンレイアウトの方にしたストレージ空間にタンクが2本。変態すぎて笑いを通り越す。
6.吸気部分は全面フィルター完備
ここまでバラバラになるケースも珍しいですな。
私が注目したところはフィルターで、上/下のx状の長方形とフロントの格子状のモノがフィルタと思われ、吸気になるであろう前・下・上からのホコリはここで止めてしまうスタイル。
逆に、これらを掃除しない人はフィルタ使うとホコリが詰まり窒息ケースに早変わりしてしまうため、ケース少しバラしてでもクリーニングする人向け。
7.重量が尋常ではない
目を疑う重さ。
- Solid:13.49kg
- TG:13.45kg
- XL:16.53kg
- XL TG:16.64kg
中身入れた状態かと思った。
比較例として、私が使用しているCooler Masterのミドルタワー(HAF 912 Advanced)が8.7kg。サイドパネルがアクリル板なので多少軽いとしても、カラの状態で13kg超えは凄まじい。
何が利点かは、ここまでの重さとなると静音用の吸音材の他、単純に鉄板が厚いのだろうと推測でき、厚みがあれば何度パーツを入れ替えようと歪まないだろうし、防音効果としても有利なはず。
また、6番でバラバラになっていた通り、そこまで骨組みが少なくなれども剛性を保てるように軽量化なぞされていない点は多くの自作ユーザには好印象かと。
まとめ:要するに何でもアリなケース
弱点が見当たらない、見た目も拡張性もメンテ性もパーフェクトを目指したPCケースはこうなるという手本のような素晴らしさ。
他にも細かなところでは、サイドパネルのスクリューレス構造は頻繁にサイドパネル開け締めするPC変態には好都合、私のような面倒くさがりが側板閉めなくなることも無くなりそう。※普段は閉めております
問題は予算、価格設定の一点でしょうな。
10年以上乗るつもりでレクサス(のフレーム)を選ぶのか、そこまで金出せないのでアクアを乗りつぶして買い替える前提か。
上の方で4種類と書いたけれど、厳密にはケース内外の色違いや、ガラスの色違いで9種類あるので買うなら迷いましょう。
Define シリーズ — Fractal Design
https://www.fractal-design.com/ja/products/cases/define/
ミドルとフルタワーとの価格差が8千円程度なら、長期間に渡り遊び倒すならば、「何かに使うかも知れない」という絶対に必要ないフラグを立てつつフルタワーという選択肢は大アリだと思った。
PCケース内いじらない人にはムダに高いだけ
どう考えても自作PC用、かつ年に何度も中身をいじる人向け、そして組み替える時はケースを流用する前提な方向性として。
サイコムがFlactal Designのケースをよく採用しているけれど、もしDefine 7まで採用されたなら良く考えるべき。単純にケース代が2~3万円以上もするのだから、普通のケースより1~2万くらい本体価格も高価になる。
最初にサイコムでBTOパソコンで購入し、そこからパーツ交換し始めて自作PCを目指すならば良いけれど、本体丸ごと買い替えてしまうとか、クリーニングやパーツ交換/増設しない人には見た目が良いだけの割高PCになってしまう。
自作PC変態が「(量産系)BTOはケースがダメだ」と言うのはいじる前提なのだろうか。中身さわらない人にとってPCケースは全然重要ではない、今どきの普通のケースなら普通に使えるので気にしなくてよろしいかと。
フルタワーが高価なのは仕方ないとしても、それにしてもミドルタワーで初値2.5万は厳しいですな。
19,800円待ちしてみるか、勢いで買ってしまうか。私はもちろんそんな金出さない、今のケースで良いけれど。
高級キーボードRealforceのような高耐久性の何かを購入すると、こいつ私より長生きしそうと思えば、迷っている時間の経過が値引きになっているだけで、必要なら必要な時こそ時期が良いのだと最近気付いた。
これは良いケースだねぇ。組みたくなってきた。
>裏配線
ついでにこの電源使うといい感じかも(値段は知らん)
Seasonic CONNECT SSR-750FA
https://seasonic.com/connect
『自作とゲームと趣味の日々』に紹介載ってた
http://blog.livedoor.jp/wisteriear/archives/1077125149.html
>Define 7
前モデルは「R6」だそうで。価格.comでは2014年発売のR5が4位、2018年発売のR6が5位という快挙。無骨な見た目ながら外見ではなく内部のギミックと頑健さに高ポイントが与えられているようで。
価格.com|2020年3月 PCケース 人気売れ筋ランキング
https://kakaku.com/pc/pc-case/ranking_0580/
>ニトリとIKEAが同じ価格で似たモノを出していたなら
憧れでもあるのか、日本ではデンマークとかスウェーデンとかフィンランドとか、北欧が人気ですね。体格が小さい人はアジア系の家具を買った方が身体に合うと思いますがね。
>最大で2.5/3.5インチ×14、2.5インチ×4まで搭載可能
過剰すぎだろと思いはしますが、スペースが許す限りベイを作る姿勢は好感を持ちます。