無料のHDDバックアップ用イメージ化ソフトが凄い

2010年10月22日

HDD(ハードディスク)のイメージファイルを作るバックアップソフト。

Acronisを初め、私は個人的にこの手のバックアップソフトが度重なるエラーによりトラウマのような状態。素直にお勧め出来ない気分では有りますが、私以外のPCマニアは長年愛用されている事も多くございます。

無料でイメージを作る事が出来るツール、初心者用で参ります。

HDDをイメージ化出来るフリーソフトと言えば一つしか思い当たらず。以前、GIGAZINEで大変丁寧に紹介されていたMacrium Reflect FREE Editionの事。 

Macrium Reflect FREE Edition - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090206_macrium_reflect_free_edition/

ダウンロードはGIGAZINEの解説中に有る為、一通り説明記事を読まれて必要ならどうぞ。強くお勧めはしませんが、有効なバックアップ手段の一つとして。

何が出来るのか簡単に箇条書くと。

  • ハードディスクを丸ごと簡単にイメージ化出来る
  • ネットワークや外付けドライブ、直接DVDに分割書込も可能
  • イメージの圧縮率指定も出来る
  • イメージ化したファイル内より、特定のファイルを抽出可能
  • スケージュールにより定期的にバックアップも出来る

この辺りまでは市販ソフトと同様。Macrium Reflectの特長は。

  • Windows上から操作可能
  • 利用中のファイル、例としてCドライブもバックアップ可能

フリーにしては上出来というか素晴らしい。その他は以下。

  • Windows XPとVista、32bitと64bitに対応
  • レスキュー(起動用)ディスクを3種類の方法から選べる

GIGAZINEでは下記の順序にて解説されております。

  1. ダウンロードからインストール、起動
  2. 実際に使用中のCドライブをDドライブにバックアップ
  3. インテリジェント セクター コピーでイメージ化
  4. 圧縮率、ファイルサイズ指定、など設定全般を解説
  5. 定期的なバックアップの設定(スケージュール機能)
  6. レスキューディスクの説明と作り方とLinux版の起動画面

これで充分と思われ、その証拠にはてなブックマークが1000を超えており良記事として私は脳内ブックマークしたわけですが、実際に使ってみると軽く数個の落とし穴が有ります。

GIGAZINEがやっていない所をここでやります。

  • イメージファイルでバックアップとは?(初心者用)
  • イメージ(バックアップ)作成は簡単かつ結構速い
  • イメージの復元は市販ソフト並にかなり遅い
  • レスキューディスク3種類を3台のPCで起動テスト
  • Macrium Reflect FREE Edition 日本語化

 

イメージファイルでバックアップとは?(初心者用)

GIGAZINEの画像付解説を読めば分かりますが、一応文字にて。

普通のデータコピーとどう違うか簡単にいうと、データのコピーはファイルのみを複写するものの、ハードディスク内のデータを全部写してもWindowsは起動不可

理由はWindowsをインストールする際、起動する用のシステムファイルが入る為。パソコンの電源を入れメイン基板が接続チェックをした後、WindowsがインストールされているHDDが自動的に起動する仕組みが働かないわけです。

Macrium Reflectのようなイメージというファイルを作るソフトウェアは、ハードディスクの情報を丸ごとファイル1つ、または分割してバックアップする物で、HDDのクローンをファイルとして作る事が可能。正常にWindowsが起動するHDDなら、もちろん復元後も起動出来ます。

DNA情報で生物のクローンが出来るような感じでしょうか。

 

イメージ(バックアップ)作成は簡単かつ結構速い

GIGAZIEもやっているものの今回と違う所は、HDDの使用量分では無く空き容量丸ごとイメージ作成。

推測ですが、GIGAZINEはSATA(シリアル、速めな)接続のCドライブ。私がやっている物はCドライブでは無くPATA(パラレル・IDE、やや遅め)な所。

実測で転送速度を比較。

  • GIGAZINE:約63GB->9分14秒・・・1秒間に約114MB(114MB/s)
  • 今回の記録:約35GB(空き約5GB)->約25分・・・約23MB/s

PATAだから、という理由も有りますが、空き容量が関係しているやも知れず。単純に比較は出来ませんが参考まで。当然ながらCPUやメモリなども全く違うかと。

Windows上という条件ではイメージ作成は結構速い方では無かろうかと。GIGAZINE側のデータで単純に10倍すると、使用量630GBが1時間半程度で完了という事に。

スケジュール機能が怪しいと思っていたものの、この速度なら充分実用出来るレベルというか凄まじいフリーソフトと言えましょう。

 

イメージの復元は市販ソフト並にかなり遅い

イメージファイルとしてバックアップすると、圧縮していないにも関わらず展開(復元)は遅いものです。

5年以上前の話ですが、当時のAcronisやGhostなどは無圧縮10GBの展開に1時間などザラ。更にエラーが出る確率も高かったと記憶。私はこれでイメージでのバックアップをやめました。

先に展開中の経過と設定をGIGAZINE風に解説。

まずは起動してドライブを確認。

01-hdd-image-drive.jpg

PCとノート用HDDは他人の物なのでモザイクしております。上から。

  • disk1:予備として借りた日立の60GB(空のHDD)
  • disk2:無関係
  • disk3:SAMSUNG 40GBのイメージを吸い取り済

ディスク3に保存したイメージをディスク1へ復元。

下の画像、D:¥20101017フォルダにイメージが入っており、選択するとNextのボタンが押せるようになります。フォルダは任意、どこに作っても結構。欲を言えば速いドライブにしましょう。

02-hdd-image-backup.jpg

下の画像より、イメージを確認。SAMSUNGの40GBで合っています。

03-hdd-image-samusung.jpg

次に復元先を確認。

04-hdd-image-backup2hdd.jpg

ここから設定。全部英語なものの読めなくともパソコン変態なら何が書かれているか何となく解るでしょう。Activeを選択し次へ。

05-hdd-image-partition.jpg

HDDが40GB(容量の内35GB使用)を60GBへ移すため、20GB以上の空きが出るがどうするかの設定。約37~56GBの間でリサイズ可能。親切ですな。目一杯右に寄せて次へ。パーティションを切るなら希望の数値で。

06-hdd-image-part-resize.jpg

マウントの必要は無いため、Do not~として次へ。

07-hdd-image-drive-letter.jpg

ベリファイ(照合)は嫌な予感がするため No Thank You

08-hdd-image-verify.jpg

MBRはどうするか、置き換えで。

09-hdd-image-restore-mbr.jpg

復元準備が整ったようです。確認しフィニッシュをポチります。

10-hdd-image-finish.jpg

分かりにくいですが、下に有る横長の灰色枠に進捗状況が黄緑のバーで現れます。単位は%にてゆっくり進みます。

11-hdd-image-replace-start.jpg

上の画像がラスト、Finishボタンを押した後です。

Starting Restoreの右、11:18は開始時刻。20分ほど経過し確認した所、何と4%しか進んでおりません。圧縮せず最速と思われる設定。

単純に4%(以上進捗)で20分とすると完了まで約8時間、夜7時頃の計算。

実際には16時頃に終わってはいるものの、容量約35GB(空き含め40GB)で約5時間は要する事に。展開速度がGIGAZINEの転送速度並に速かったとしても2~3時間は掛かる計算。

最近のイメージファイル事情は存じませんが、こんな事をするくらいならデュプリケータを使った方が速度も話も早かろうと。

イメージファイルの長所は圧縮によりサイズが小さくなる事で保存場所を取らない利点がございますが、そんな事をしたら更に時間を要します。

数時間が長いか短いと感じるかは個人次第。寝ている間に終われば良し、仕事や学校に行っている間に放置や、2台目デスクトップPCが有るならお任せしましょう。

完了を待つものではございません。

 

レスキューディスク3種類を3台のPCで起動テスト

結果から行くと、3台中1台ではLinux版が起動不可。

  • デスクトップA・・Linux:○、Linux互換モード:×、BartPE:○
  • デスクトップB・・Linux:×、Linux互換モード:×、BartPE:×
  • ノート・・Linux:○、Linux互換モード:○、BartPE:○

全てUbuntu(日本語版)は動くため、Linuxでは無くMacrium Reflectが動かないという事に。もちろんBIOSでWindowsに設定などやっておらず、念のため私よりパソコンに詳しい人間が確認しております。

ぼけていますが雰囲気を伝える為に。Linux版レスキューディスク起動。

Macrium Reflect rescue cd

起動はするものの駄目な場合はこの画面の直後、強制的に再起動。

続いてBartPEの起動画面。

bart pe起動

下はエラーが出て停止した所。

bart pe error

Linuxは原因不明ですが、BartPEはドライバなどオプションが揃っていない可能性有り、これ以上は時間の無駄としてやっておりません。

 

Macrium Reflect FREE Edition 日本語化

公式の日本語版は現在無いものの差分で日本語化する自作ファイル。

日本語化工房-KUP - Macrium Reflect
http://www.nihongoka.com/jpatch_dairi/macriumreflect

但し、残念ながらMacrium Reflect FREE Edition v4.2.2525専用となっており、別バージョンで強引にやれどCRCが一致せず使えません。

v4.2.2525を探せど既に無く、ここに上がっているように見えますが中身は別バージョン。運良くv4.2.2525をダウンロードしているなら日本語化してみましょう。

上記、日本語化工房は歴史が古く、日本語化パッチとしては有名所。ツールを使ったパッチファイルの作り方も説明されている為、興味が有るなら是非挑戦して下さい。

v4.2.2525を持っており日本語化出来たなら、そのファイルをツールで開き新バージョン用に日本語化パッチを作るは簡単。但し、配布するなら日本語化工房のパッチを改変し公開して良いかと許可を戴かねばノーマナー。

勝手にやるは自由ですが、自分用として。

関係有りませんが別のソフトウェアで私も日本語化に挑戦した事が有り、3割程度出来た頃に英語でも読めるようになってしまいツール丸ごと捨てました。

かなり手間なので、私のような根気の無い人間はやめておきましょう。

 

Macrium Reflect は使い方次第で強い味方or罠になる

悪いというかマズイ所を書き出した為、今回の記事を前置いて使うなら市販のイメージ化ソフトを買わなくとも、Macrium Reflect FREE Editionで充分かと思われます。

有料版はGIGAZINEによると約40ドルと有り、差分バックアップや暗号化、メールお知らせ、パスワード保護など機能が大量に増えるようです。但し英語。

注意する事のまとめ。

展開時間を考えてバックアップする容量を決める

バックアップは速いため良いとしても、それを展開するには相当の時間を要します。展開するタイミングは滅多に無いとするなら難点とはなりません。

Macrium Reflectの実用前にレスキューディスクの起動を確認

私(と友人)のPCではLinux版のレスキューディスクが起動しない事も有りました。レスキューディスクは数分で作る事が出来るため、前もって起動するか必ず確認しましょう。

BartPEでのレスキューディスク作成は初心者には無理

Linux版はMacrium Reflectで起動ディスクを作ってくれますが、BartPE用は定義ファイルのみで起動ファイルはBartPE公式よりダウンロードする所から。

以上3つ。

GIGAZINEの記事を読み、現在Macrium Reflectのイメージでバックアップしているなら、必ず復旧用のPCでLinux版のレスキューディスクが起動するか試しておく事を強くお勧めします。

英語という敷居の高さから有料版が日本で売れるとは思えず。しかし価格は他の市販品より安価かつ高機能な為、イメージでバックアップを取る習慣が有るなら時々アップデートして言語が追加されていないか確認してみましょう。

本文ではフリーソフトというキーワードにしておりますが、フリーエディションは完全に無料で期限なども無いため、まずはフリーの方から。永遠に無料版でも充分実用可能なレベル。

英語が読めても専門用語が多めなので取扱にはご注意有れ。

コメント(2)

自宅では普通にAcronis使ってるんですが、職場の端末はコレ使ってるんですよ。
いや、だってBackup取りたいからソフト買ってくれ言っても支給してくんないからw
参考までにその環境で40GB/160GB(2partition)のBackupに23分くらい
リストアはまだしたこと無いんで不明。
ちなみにAcronisだと40GB/250GBのリストアで40分くらいだったかと
すいませんちょっと記憶が定かじゃないです。

とりあえずフリーでスケジュール機能付いてるのはMacriumだけだと思います。
業務端末なんで週イチで日曜日の夜中に外付HDDにとらせてます。
他に「EASEUS Todo Backup」てなインタフェースがモロAcronisライクwなのがありますが、フリーはスケジュール機能無いんで却下。

WDやseagateとかのHDならそれぞれ自社製のHDDにだけ使用可能なOEM版劣化Acroniswをフリーで提供してます。
WDは知りませんがseagateのこれにあたる「DiskWizard」は使ったことがあります。
これもスケジュール機能なしですが、ディスククローンはできるので、デュプリケーターとしては使えます。

実はイメージ取る際には他にも罠がありまして、内臓のSATAでとる分には問題ないですが、USBの外付HDDでフォーマットがNTFSでなくてFAT32な場合、1ファイルサイズ上限が4GBになるので、強制的に分割されてしまいます。
数百GBのイメージだと何十ファイルもできるので笑えます。
リストアどんだけ手間だよwそれなんて罰ゲームw

Backupイメージ保存先のファイルシステム違いによる罠なんで、「Macrium Reflect」だろうと「EASEUS Todo Backup」使おうと同じです。
外付HDDは買ったままだと意外にFAT32のヤツ多いんですよね。
メーカーが対応OSの汎用性出そうとしてるのでしょうけれど。
大きいサイズでイメージ取るなら自分でNTFSにフォーマットするようです。

でもUSBでTBサイズのフォーマットとかどんだけ時間かかんだよっていう・・・
そんなことやってられないっていう・・・
USBェ・・・

内蔵かeSATA使えってことだよ。言わせんな恥ずかしい。
異論は認めるw

レスキューCDが起動しなくてググッてこちらにたどり着きました。
詳細な記事をありがとうございます。
MBはDP55WB、Win7Pro 64bitのバックアップをしましたが
LinuxのレスキューCDで起動できませんでした。
BIOSのSerialATAのモードをAHCI→IDEに変更してみましたが
NGでした。かわりにWindowsが起動できなくなりました。
今使用している古いPC、Dell Dimension8300で試してみると
正常に起動できてレストア設定画面を進んでいくことができました。
新しめのMBは駄目なんでしょうかね。
1、2年前発売の、SerialATAのノートPCには問題はなかった
ように思います。
ちなみにCentOS5.5のインストールDVDは正常に起動しました。
あと、私にとっての落とし穴だったのは、容量がより少ないHDDには
リストアできない点です。

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