業務仕様のPCを盗まれ情報漏えいのニュースは珍しくなく。
BTOパソコンに限らず、メーカー販売のPCには保証や保険の有無を選べる事が多く、期間や訪問修理など内容により金額も様々。メーカーによって違いますが、大きく分けると3種類。
- メーカー規定の通常保証(長期、延長保証を含む)
- 落下や水濡れなど物損が対象の保険
- 上記2種類が、訪問か引取りかセンドバックかの違い
1は普通に付いているメーカー保証で、5%や定額を支払う事で3~5年の延長へ。メーカーの規定で物損などは対象外となっており、それを補うものが2の保険。ツクモがそうですが、1年では通常のメーカー保証で延長にすると保険が付くようで物損も対象に。
但し、2は保険会社が決めているのか2年目以降の保険料は徐々に下がり、場合によっては免責なども設定されております。全ては見ていませんが、盗難は保険の対象外になっている事も有り、今回ネタにする事とはややズレる。
3は、訪問なら下請けや提携のサービスマンが来て修理または持ち帰り、引取りはメーカーが手配した宅配業者が梱包して修理工場へ送ってくれるもの。最後のセンドバックは、往復の送料を修理依頼者とメーカーが折半するという意味で、基本的に双方元払いです。
2の保険は物損や火災などと有りますが、盗難まではカバーしていない事も有り、金で解決するなら、今入っている損害保険の特約に無いか、家財保険に含まれていないか調べましょう。
無ければパソコンの盗難も面倒を見てくれるアスキーカードの保険という手も有り。
アスキーカード
http://ascii.asciimw.jp/top/asciicard/
免責2万円、補償上限額10万円。
アスキーカードで支払わなければ3割しか出ず。更に補償額は年々下がって行き5年目以降は10%となります。初年度は会費無料ですが翌年からは約2千円。
しかし、パソコンを盗まれ金が出て買い替えて終わり。なら良いですが、パソコンの中にはデータという情報がごっそり入っており、銭金では無く取り戻す方が先でしょう。
タイトルに有る通り、盗まれたPCを追跡する無料サービスが本当に動くのかをやってみました。元の記事(Computer World)の解説で私は解りましたが、英語嫌いな人のために補足ということで。
盗まれたパソコンを追跡出来る無料サービス「Prey」
何が出来るのか先に箇条書きます。
- 管理画面でスイッチを入れると追跡対象PCから定期的に現状報告
- 対象PCのデスクトップのスクリーンショットを撮る事が可能
- Webカメラで犯人を撮影してレポート
- IPアドレスとローカルアドレスも取得出来る
- 追跡ONは、管理画面以外にWebサイトのファイルで始動できる
- 盗まれたPCにポップアップや壁紙で警告可能
- 最大3台まで追跡対象パソコンを登録できる
機能としては充分でしょう。
早速ダウンロードしてインストール。普通は追跡したいPCに入れますが、面倒なので今これを書いているデスクトップに入れて見ました。ファイルは4MBくらいです。
Track down your stolen laptop – Prey
http://preyproject.com/
右にある緑のボタンをクリックで実行ファイルをダウンロード。プログラムファイルを実行してインストール。そして、右上の隅に見えるSign upでサインアップします。メールアドレスと名前、パスワードの登録。
インストールが完了すると設定画面が出ますが後で結構。
スタンドアローンと書かれているemailの方は使いません。
やるならFTPでファイルをアップし、それを消すとトリガーになるという仕組みのためComputerWorldの最終ページを御覧あれ。
Preyの設定は5分で出来るほど大変簡単
サインアップ後にログインしパソコンを登録。
- Title:パソコンの名前、何でも良くVALUESTARとしました。意味は無い。
- Device type:デスクトップ、ラップトップ(ノート)でアイコンが変わります
- Operationg System:Win、Mac、Ubuntu(Linux)を選択
- OS platoform /Version:Win7にも対応
この設定が終わると、APIとデバイスのキーが表示されます。
中央の灰色、ぼかして有る所にデバイスのキー。右下のぼかし入りがAPIで、プログラムをインストールした後に表示され放置している窓の左2枠にコピーペーストしてローカル(追跡される)パソコンの設定は完了。
オレンジでVALUESTARと書かれている自分で決めた名前をクリックすると、更に詳細を設定出来ます。
赤で書いた3箇所が重要。他は好きに変更するか、解らなければ画像の通りどうぞ。
追跡スイッチをONにすると開始し、中央辺りの設定時間ごとに報告して来ます。右下のオフになっている2つは、犯人に警告をするか否かのため、遊びやいたずらでは無いならオフにしてこっそり行きましょう。
最下のUpdateで変更完了。追跡オンにすると開始します。
スイッチが入ると、このようなメールが届きます。
Your device VALUESTAR has been marked as missing. Sorry to hear the bad news.
Well, now is the time to keep your eyes open! You can check if new reports arrive at:
http://control.preyproject.com/devices/9rxxxx
Best of luck and hope you can recover your computer. Remember there's always a chance!
--
The Prey Development Team
http://preyproject.com
こんな感じの意味かと。おそらく。
悪いニュースで申し訳無いけれど、あなたのVALUESTARが無くなったらしくマークされています。新しい報告が到着しているか、下記でチェックできます。
http://control.preyproject.com/devices/9rxxxx
運でパソコンを取り戻せるかも知れないので希望を持ちましょう。チャンスはいつもお前のそばにあるぜ!
--
Prey開発チーム http://preyproject.com
ログインして見ましょう。
レポートが来て2分経過したようです。クリックして内容を確認。
犯人はネグロックさんのサイトを見ているようです。犯人は私ですが。
予算の都合でインテルSSD3台でRAID0(単価最安24千円)という、いつも通りなネグロックさんですが、それは良いとして。(良いのか?
右中央のNetwork infomationより、上からIPアドレス、ローカルアドレス、Macアドレスが表示されております。Webカメラが無いため、撮影するとどうなるのか分かりませんが、おそらくスクリーンショットの場所に表示されるのでしょう。
レポートを新しく受信すると更にメールが来ます。
Good news hitsuji!
A new report has arrived for your missing device VALUESTAR.
You can check it out at:
http://control.preyproject.com/devices/9rcvhd/reports/265673
Happy hunting!
--
The Prey Development Team
http://preyproject.com
良い知らせだ、ヒツジ先輩!
無くなったPCの新しいレポートが到着したぜ。
このURLをチェックしな
(略)
良い狩りを!
(略)
と、まあこんな感じですが、勘の良い方なら私と同じ事を考えているかと。
Preyは大変優秀なトロイの木馬
これは私のPCにインストールしていますが、盗難対策として自己所有のノートに入れるという考え方は普通。他人のPCに入れ、上で解説したように警告を出さなければ見られている事が判らないトロイ(ウィルスみたいなもんです)。
高機能な素晴らしいサービスを提供されているものの、使われ方次第では悪用の可能性は充分有り得る。疑う訳では有りませんが、レポートが保存されるという事は管理側(Prey)からはスクリーンショットを見る権限が有り、私のように迂闊に遊ぶのはどうかとも思います。
twitterでは積極的にサポートをされており、作者のブログで開発状況が公開されているため、作者は信用するとしても、やはり使われ方が気になりましょう。
漏洩してはならないデータなら最良の選択は自爆
ノートPCを爆発させるという意味ではもちろん無く、第三者が使うとデータが消去されるよう仕込んでおくわけです。悪用されるとマズイため書きませんが、バッチファイルに一行書くだけで数秒でデータを破壊する方法も存在します。(フォーマットでは無く)
盗まれ漏れるなら消えた方がマシなデータなら、富士通が半年程前にそういうノートを発売しております。電源が入っていなくとも遠隔操作で消せるという辺りは凄いですね。
富士通、HDDデータの遠隔消去機能「CLEARSURE」搭載ノートPC - Enterprise Watch
http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/news/20090824_310401.html
遠隔操作としては、HDD内のデータを解析・復元不可能にする「データ消去」と、PCを起動させない「PCロック」に対応。データ消去機能は、暗号化機能付きHDDの暗号鍵を瞬時に消去して、復号不可能とする仕組みとなる。
Preyは、盗人がオンラインにしなければ報告は受信出来ず、起動する前にHDDをフォーマットしたり交換してしまえばPreyは起動しない。
この記事を上げるべきか迷いましたが、ComputerWorldのみでは無く、どこか忘れましたが1件日本のニュースでもやっていたため、警告の意味としました。悪用は厳禁。
機能や手軽さでは無料という事が信じられない程の内容なので、気が向けば作者へ寄付どうぞ。PayPal決済なので簡単に送金出来ます。
Track down your stolen laptop – Prey
http://preyproject.com/
iPhoneアプリにすれば などと妄想しましたが、犯人が阿呆でカメラ機能を使うようなら、撮った画像を自動でアップロードされるという、海外では普通に聞く無料サービスも有ります。
Androidケータイ、窃盗犯を捕まえる
http://japanese.engadget.com/2010/01/13/android/
人の家から盗んだAndroid端末でなぜか自分自身を撮影、サーバへ自動バックアップされた写真を持ち主に発見されて身元発覚、逮捕、ワールドワイドに愚行が報道されることとなりました。
Ittousaiも好きですが、Haruka Uedaも文章のセンス良いですね。
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