自作用のパーツ選びについて。
自力でパソコンを組み立てるならば最も重要で最もハードルが高いと思われるところがこのパーツ選び。パーツさえ決まればPC自作は7~8割終わっているといえるほどなので解説してみましょう。
2016年9月現在なので未来から来た人はご注意有れ。
超初心者向け自作PC用のパーツの選び方
1.PCケースを決める
「そこから?」と思ったならここから。
自作PCの醍醐味はケースとクーラーくらいしか無く、これら以外はBTOパソコンと何ら変わらないので厳選しましょう。選び方の基準は、見た目が気に入ったとか価格コムで人気があるなど何でもOK。
あまりにも安いケース、基準としては5千円を切るような物は何らかの問題があるのかも知れないのでレビューは必読。自作でメインPCならばケースは5千円以上、世代を超えて流用するなら1万円以上の物が後々遊べるのでおすすめ。
規格は、ATX(ミドルタワー)またはMicro ATX(ミニタワー、マイクロタワー)のいずれかで。スリムケースはパーツが限定され、キューブはもっと限定される上級者向けなので最初はミドルかマイクロを強く推奨。
メインPCのケースならばATXを激しく推奨。デカくて太くて(価格の)高いやつほどおすすめ。
2.グラボ選びは有無から入る
グラボ(ビデオカード)の有無は3D描画性能の必要なゲームをするか否かで、しないならば不要と思えばOK。自作ならば必要になった時に後で突っ込めば良いだけ。
ちなみに私のメインPCの仕様の一部はこちら。
- CPU:Xeon E3-1226 v3(3.3-3.7GHz、4コア、8MB、87W)※2.0GHzへUC
- FAN:CoolerMaster(Hyper TX3 EVO RR-TX3E-28PK-J1)※ファン撤去
- M/B:Intel Z97 Expressチップセット搭載(ASRock Z97 Extreme6)
- VGA:※増設無し(Intel HD Graphics P4600 ※CPUに内蔵)
- PSU:450W (CoolerMaster GXII PRO 450W RS450-ACAAB1-J1)
ゲームしないのでグラボ非搭載。
しかし、ヒツジ先輩のパソコンなのでネタ仕様にはなっているものの、上記XeonはCore i5相当でUC(アンダークロック)を解除すれば最大3.7GHzまで伸びる上、CPUクーラーのファンをまともに取り付け、場合によりOC(オーバークロック)してグラボを挿せばゲーム用としても使える性能になっております。
もしモンハン並に面白いゲームが出たならグラボ挿すかも知れないという、絶対に挿さないフラグを立てつつ待ち続けるゲームをしているところ。
もし電源容量足りないなら問答無用で600Wくらいおかわり。450Wをどうするかは予備として保管。自作PCは自力で修理する物なので電源の予備はいくつ有れどもよろしい。
規格は現在ならばPCI-Express 3.0ばかりなので気にしなくともOK。変な中古品など掴まなければ買えば挿さる。
性能と価格をおおよそで書くと、ゲーム用としてはNVIDIAならばGeForceで予算2万円以上、AMDはRadeonシリーズで1.5万円以上。最低限このくらいは見ましょう。
数千円のグラボを買う人は、マザーボード(CPU)に映像出力が無いとか、デュアルやトリプルディスプレイなど別の目的であり、ゲーム用に1万円以下のグラボは逆に金の無駄。
グラボ有りなら初心者ならばNVIDIA(GeForce)が無難。
3.CPUの性能と世代を選ぶ
マザーが先でも良いけれど、グラボの有無や性能が決まったならCPU。見るべき箇所は性能以外に規格とGPUの有無。
現在ならば規格はLGA1151またはLGA2011-3だけれども、何か理由が無い限りはLGA1151が一般的。LGA2011系はGPU(グラフィック)機能を内蔵しないCPUが多いのでグラボが必要。
私のようにYouTube再生しながらブログ書く程度ならば数千円のPentiumで充分。少し見栄を張りたいなら1万円台のCore i3、ゲームするなら最低限Core i5としてGHzの数値が高めな2万円台の物、OC(オーバークロック)遊びまでするつもりなら3万円以上のCore i7で6700KのようにKの付いたCPUを。
性能と価格が高くなればなるほどCPUクーラーのファンがうるさくなる可能性が高まり、冷却性能も高めなければならない諸刃の剣。自作するならCore i5以上でしょうな。
なぜかは、「いつかこの性能を使うかも知れない」という、絶対に使わないフラグを立てるあたりも自作の醍醐味。なお、AMDはややマニア向けなので最初はインテルから入ってしまう事をおすすめ。
4.CPUクーラーを決める
空冷ならば規格と性能と高さを見ましょう。
特に高さは重要で、安くとも高性能な空冷クーラーはデカい、12cmファンなど搭載で背の高い物が多いのでケースの幅からはみ出てしまう場合がございます。ケースの側板(サイドパネル)開けっ放しでも良いなら構わないけれど見た目が悪い。
規格については最近のクーラーは汎用性が高く、LGA1151でも2011どころかAMDでも5年以内の規格ならば何でも使える物が主流。しかし合わない物は合わないのでLGA何かを見てCPUに合わせましょう。
性能についてはCPUが3万円以下なら大抵の物は大丈夫。3万円を超えるとCore i7-6700Kのように発熱がヤバい物もあるので価格コムなどのレビューやメーカーの公式ページを見て判断を。
どうしても気に入ったクーラーがデカすぎてケースに入らないとか、どうしても水冷にしたくてラジエーターがケースに付きそうも無いなら、ケース選びをやり直し。
5.マザーボードの選定
これも規格がまず重要で、CPUとクーラーがLGA1151ならばマザーボードもLGA1151。これさえ合えばCPUは取り付け可能。
もう一つの規格はマザーボードの大きさで、ケースをMicro ATXにしたならATXマザーは物理的に入らない。逆にATXケースならMicro~も入る。
次に見る箇所はチップセットの性能。LGA1151を例にすると、Z>H>Bの順で拡張性や機能性に優れており、オーバークロックしたり、いずれグラボ2枚挿そうとか思っているならZ、というかメインPC自作するならZでしょう。
いつか使うかも知れないし、もしかするとOCやUCなどでクロックいじるかも知れないという夢は大切。UC(アンダークロック)するのは私くらいかも知れないけれど。
その他の見どころとしては、
- メモリスロットはいくつか?
- SATAコネクタは何本あるか?
- USB3.0や3.1の対応状況と本数
- M.2スロットの有無と、有るなら長さ
- 映像出力の種類とマルチディスプレイ可否
- CPU周りのコンデンサの配置やヒートシンクの高さ
- 対応しているCPUをメーカー公式や代理店ページで確認
など、言えばきりが無い。
私ならばPS/2コネクタが無ければお気に入りのキーボードが付かない、のように、実は自作の場合はマザーボード選びは結構重要。BTOならどうでも良いところ。
6番は、ヒートシンクやヒートパイプの低いCPUクーラーの場合、マザー側に干渉してしまい物理的に搭載出来ない可能性。
7番は、あまりにも安いマザーの場合はCPU用の補助電源のコネクタのピン数が少ないとかで高性能なCPUが載らない可能性が無きにしもあらず。
マザー用の専用ユーティリティ(ソフトウェアオーバークロックツール)にまでこだわる人も居るけれど、そこまで見始めると決まらないので最初は無視でOK。私はそういうものは使わないので全然こだわらない派。
メーカーはどこでも。2chではASUSが人気のようだけれども、GIGABYTEやMSIも良いと思うし、個人的なおすすめはコスパの良いASRock。この4メーカーのいずれかの中で自分の必要な機能や端子を持つ物を。
質問する前提ならば人気ある+新製品を選びましょう。
6.メモリの規格と組合せ
メモリは今のところ激しく過渡期でDDR3とDDR4が混在。
例としてLGA1151ならばほぼDDR4で、これを間違えるとメモリが物理的にマザーに挿さらないので合わせましょう。
メモリは2枚セットが基本になっているものの、デュアルチャネルの効果はゴミみたいな状態になっており、同じ8GBならばx1枚でも良いし4GBx2でもよろしいかと。
なお、クロック(何MHz、PC4-何とか)は気にしなくて結構。体感では判らないレベルまで向上しており、高クロックはOC遊びする人用。
更に、「メモリとの相性が~」と言う人が(私のように)未だ居るけれど、価格コムの人気上位ならば相性問題とかまず無いといえるほど、昔のようには気にせず適当に選べば良いと思う。
7.電源選び
CPUのTDP+グラボのTDP+200Wくらいで。CPUが80W、グラボ130W、+200Wくらいならば500~600Wほど有ればよろしいかと。一説によると総消費電力の2倍が良いという話もあるにはあるものの、私はそこまで要らないと思っております。
また、昔は電源重要とか言っていたけれど、現代では変な物はすぐにレビューで叩かれて消えるので妙な物は出すに出せない状況になっているはず。
但し、KEIAN(恵安)は避けるべし。駄目とは言わないけれど逃げて。
8.ドライブ類を適当に買う
起動ドライブ用としてSSDの250GBクラス、予算を数千円盛れるなら500GBクラスで。起動用にSSDはCPU選びより重要と言えるほどで今時HDDはクソ構成。但し、データ用はHDDが現役なので全てSSDにしろとは言わない。
DVDドライブは2千円程度なので無いよりは有る方が良く、ブルーレイは本当にパソコンでそれ使うのか考えるべき。
PC自作は失敗を恐れること無かれ(まとめ)
間違えて購入したならヤフオクで売れば数千円~数万円の損で済むし、手順を誤りぶっ壊してしまえども勉強代と考えましょう。
自作の面白さは、
- 何か間違えて散財
- 故障した時に自力で何とかなる
- パーツの流用で次のPCが安く完成する
高くつくか安くなるかは自分の知識、技術、そして運次第。
パチンコなどギャンブルする人は確実に勝てるならハマらないはず。そういう損しつつも楽しむ辺りは自作PCは似ている気がするけれど違う気もする。
やってみて、組んでみたなら火を入れる、失敗せねばパソコン動かじ。
最初から自作が成功すると思うならば甘い。いくら慣れていようとも、私は他人のパソコン組み立てないしパーツの交換もしたくないのは運の要素や失敗の可能性がある為。
組み立てキットのセットで購入する意味は皆無(おまけ)
2chまとめで、「一からの自作は自信無いのでキット買う」のような1が居たけれど意味不明&意味皆無だと思う。
冒頭で書いた通り、PC自作はパーツの選定で7~8割終わっているので組み立てるだけでは何も面白くは無い。
>PCケース
軽いけれど強度を出すには厚くなるアルミ製、頑丈だけれど重いスチール製、スケスケで冷却重視だがうるさい、密閉型で静かだけれど中身が熱くなるなど、ケースによってコンセプトや特徴が違いますから、自分がどんなPCを作りたいのかはっきりさせてから選ぶべきですね。
>CPUの性能と世代を選ぶ
新世代の方が内蔵のGPU性能も高いですから、CPU内蔵GPUでオールマイティに軽いゲームも遊ぶなら、世代はなるべく新しい方が有利ですね。
>CPUクーラー
まずは「トップフローかサイドフローか」ですね。次は「冷却重視かバランス型か低騒音重視か」で。個人的にはケース内のエアフローをあれこれ考えなくても良く、CPUと共にチップセットやメモリもついでに冷やせるトップフローがお勧め。
>マザーボード
私が使用中のマザーはIntel製ですけれど、お勧めできる点がひとつも無いため、特に選ぶメリットは無いと思います。他人と少し違うPCが欲しいなら、Intelマザーはお勧め。