当然では有りますが、500W電源が常に500W使うわけでは無し。
とある企業に勤める人から、総務からの回覧で「パソコンは蛍光灯の10倍以上電気を使っている」と言われたらしく、私へ本当なのかと問合せ。違うので、他の電気製品と比較したりパソコンの節電について解説して参ります。
節電祭りになる前に先手ヒツジ先輩。私は非効率な節電が嫌い派。
電源ユニットが500Wでも常時100%消費はしない
例として、テレビが100Wや蛍光灯が40Wなら、動作している間は表記前後の消費電力になるもの。
しかし、エアコンやパソコンは常に表記通りの消費電力では無く、簡単にいうとエアコンは最大では、パソコンは定格の容量は、という違いがございます。
パソコンの電源ユニットに500W(定格)と書かれているなら、500ccは余裕で入る容器のような意味で、実際にその容器を使う量は100とか200ccなど。
以前、私のパソコン2台で消費電力を測ったデータ。
電源を入れた直後は一瞬だけ突入電流というものが発生しているので無視し、BIOS起動からがパソコンが起動した状態。
青い線のPCは500W電源、赤は400W電源。Windowsの起動からアイドル状態になるまで、いずれも200か100W以下で推移しておりましょう。
負荷を掛けてテストしていないけれど、500W電源PCの方でも300W行くかどうか。これはパーツの組み合わせで最大がだいたい決まる為、計算すると判るわけですな。
というわけで、本当の消費電力を知りたいなら、パソコンの場合はコンセントにプラグが挿さる方式なので、間にワットチェッカーなどを通して測りましょう。
パソコンを含む消費電力量ランキング
私の自宅内のみ、やや偏ってはおりますが、適当に測ってみたので参考まで。 消費電力量の多い順から、ナツメ球以外は1時間以上動作し計測。
- 高性能パソコン・・126Wh(構成:i7-950、HDD2台、HD6670 など)
- エアコン(送風)・・111Wh
- テレビ(32インチ)・・107Wh
- 蛍光灯(丸型2つ)・・76Wh(規格:40W+30W)
- 中性能パソコン・・76Wh(構成:i3-560、HDD1台 など)
- 扇風機(弱)・・46Wh
- 液晶モニタ(23型)・・19Wh
- ネットブック・・18Wh(構成:Atom N450、HDD1台 など)
- 空気清浄機・・9Wh
- ナツメ球(常夜灯)・・5Wh
1のPCは真の意味で高性能とは言えず、本当の高性能はこのバランスならグラボがプラス100Wくらい載るでしょう。5のPCも私に言わせると中程度な性能なものの、マニアから見ると低性能。
2のエアコンは、季節的に室温20度前後が限度な為、冷房で測る事が出来ず、クーラーにすると更に上るかと。
注目は7のPC液晶モニタで、三菱の安物(RDT232WLM)で輝度を落としてはおりますが約20Wと低め。メーカー公称でも33Wなのでテレビと比較するとかなりの省電力。
ノートPCのピークシフトと節電の矛盾
昨年から電力不足という嘘を盗電 東電が繰り広げて節電祭りをしておりましたが、同時に流行り始めたものが主にノートパソコンのピークシフト。
通常はコンセントを電源とし、ピーク時(14時前後)はタイマーで外部電源を切断し内部電源(バッテリ駆動)へ切り替え、ピーク時間を過ぎると元へ戻る仕組。
日本HPから超省電力PCが発売らしいので例として。
省エネ機器:消費電力わずか10WのデスクトップPC - スマートジャパン
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1206/22/news071.html
モニタは別、右の小型デスクトップがSSD搭載なら10W以下という凄まじい省電力。HDDでも12W程度らしく、アイドルや高負荷時では無く通常使用時の数値。
そしてノートはピークシフト用ツールも標準で入っているご様子。
今回発売するノートパソコン9機種には、ピークシフトの機能が加わった。HP Power Assistantで設定できる
ノートも企業用の性能が低い物なら30~40W程度。
蛍光灯1本分のピークシフトの為に高額なバッテリを消耗させる価値が有るのか。ピークシフトで精神衛生上、気分的に良いなら止めないけれど。
矛盾とは、バッテリと消費電力のバランスの事で、高性能ノートでピークシフトした方が効果は期待出来るけれど、性能が高過ぎるとバッテリがもたず、性能が低ければバッテリ駆動は長くなるけれど効果は微小。
私には遊んでいるようにしか見えない。
節電は結構、節約は嘘になる事が有る
ピークシフトで勘違いしそうな事は、節電にも節約にもなっておらず、ピークをシフト、ずらすという意味なので、終わればバッテリへ充電される仕組。
本当に電力不足な地域なら微妙に協力はしておりますが、コストダウンには繋がっておらず、むしろ高額なバッテリを消耗させておりましょう。
他にも私が見たり聞いた間抜けな考え方。主に企業。
- 蛍光灯(40Wx2本)を1本抜く・・約40Whの節電
- 明るすぎるとして丸ごと消灯・・40Whx消した蛍光灯の本数
- デュアルディスプレイの禁止・・30Whくらい
- 冷房設定温度を28から30度へ・・50Whくらい(ソース図1※PDF注意)
- そして扇風機を強で首振りへ・・50Wh以上の消費増加x台数
弊害として考えられる事は
- 暗所が原因の疲れ目による肩こり、頭痛など
- みすぼらしくなり社内の雰囲気も暗くなる
- デュアル標準だったなら作業効率低下
- 席を外す時間が増え仕事量が減るか時間外労働が増える
- エアコン設定温度>扇風機、という誤った知識
単純に、月給30万円の社員の仕事効率が10%落ちると約3万円の人件費が無駄になるとすると、電気代23円/kWhなら約130kWh(13万Whくらい)と同等。
40Wの蛍光灯なら14本くらい抜けば同等のコスト。節電と同時に効率を落として良い仕事内容なら、節電せずリストラした方が良いのでは。
不要なら電源を落とす、必要ならいつも通り使う(まとめ)
仕事に限らず生活も、誰もがより効率良く快適に過ごす為の改善をしているとするなら、無駄な節電は改善をやめており、相対的には改悪と言えましょう。
不要な電灯や空調は、効率も快適も無関係。しかし、必要なところで節電と称し改悪するとそちらの方が別の意味で無駄。
昨年、2011年の夏は私もすっかり東電に騙され、手動でのピークシフトや節電を推奨しておりましたが、彼らは原発を動かして利益をひねり出したいが為に他の発電をしたがらないように見えるので、足りないならもう勝手に原発動かせとしか思えない。
話を戻すと、本当に節電や節約になるのかを考え、効果測定し結果を出し継続すべきかを検討しましょう。
なお、私は電気関係に全然詳しくは無く当記事は調べつつ書いております。パソコンの電源装置に500Wと書かれていても、普通の社会人なら消費電力まで調べると思う。
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