ウイルスバスターfor Home Networkを導入する意味

2017年2月21日

トレンドマイクロより新たな提案。

セキュリティ用としてソフトのみ入れるのでは無く、ハードウェア丸ごと導入して家庭内のLANへ接続し、自宅内にある端末を攻撃から守るとか詐欺サイト被害を防いだりアクセスを制限するという物。

社長している友人より相談されたので1記事。

ウイルスバスターfor Home Networkとは?

公式はこちら。

ウイルスバスター for Home Network - トレンドマイクロ
http://safe.trendmicro.jp/products/vbhn.aspx

ウイルスバスター for Home Network - トレンドマイクロ

画像の上にある黒い物体がウイルスバスターfor~のハードウェアで、ルータへ接続しスマホのアプリでネットワークを管理するという今時な製品。

私の説明が要らないならマイナビの製品概要とレビュー記事をどうぞ。下段は中々の辛口評価でハードウェア詳しい人のようなので信頼できそう。

価格は最初の1年間は税別17,800円、込で約2万円。翌年からは年間税別6千円になるので、単純計算で機器代が1.2万円くらい。

しかし1年でやめる前提で導入する人はまず居ないと思われ、2年目以降の利用も見越して初年度2万円切れるよう価格設定したのだと思う。

セキュリティ専用とはいえどもホームサーバーに近いとするなら初年度が2万円を切るという設定は良心的、元が取れていないかも知れないレベル。

何が出来るかは主に5つ。

vbhn-5

更にまとめると3種類。

  1. 端末の使用状況監視
  2. 自宅内LANへの攻撃抑止
  3. 悪意あるサイトへの接続防止

forホームネットワークと命名されている特長としては、子ども用の端末利用制限も可能な点。

vbhn-child-lock

時間帯の制限以外にも、アダルトや出会い系、違法と思われるサイトへのアクセスなど制限可能という付加価値であり、最近の一部無線LANルータの管理画面からできるような事も可能に。

攻撃から守る意味のセキュリティ以外にも、子どもを守るとか制限したり監視するという見守り機能もあるわけですな。

Windows PCならばマイクロソフトの無料サービス、ファミリーセーフティで時間帯やアクセス出来るサイトを制限したり監視可能。しかしWindowsではない子どもが使う端末、ゲーム機は無理なところ、これさえあれば大丈夫な感じ。

 

セキュリティソフトの100%代替えではない

友人から何を聞かれたかは、これを導入すれば会社で使用中のパソコン十数台分のセキュリティソフトはライセンス料を毎年払わなくて良いのでは?という質問。

結論から言うと、そういう役割をする物ではございません。 

ボディーガードに置き換えると、今回の製品は家の玄関から外を見張る仕事をする物で、家族が出かける際にSPとして同行したり、空き巣の侵入を発見したなら止める感じ。

従来のセキュリティソフトは家族それぞれには同行せず、主に家の中から外を見張りつつ、侵入者が宅内へ入ったなら撃退。そして既に宅内へ侵入している犯人を発見したなら抹殺する感じ。

話を戻すと、公式で小さく書かれているこれがポイント。

USBメモリや、メールに添付されてくるウイルスなど、ネットワーク上の攻撃でないものやご家庭のネットワーク外での端末ご利用時は本製品の保護対象外となりますので、PCやスマートフォンには従来のセキュリティソフトが必要です。

セキュリティソフトが必要な例として、私が持っているサンプルというか本物のトロイの木馬がローカルのHDDに保存されているのだけれども、こういうファイルはウイルスバスターfor~(以下、VBHN)は監視していない。

保存しているだけなら標準設定のESET(従来のローカル用セキュリティソフト)も無視しているけれど、もし私がそのトロイをダブルクリックしようものなら、直前でESETが待ったをかけて自動で削除してくれる流れ。VBHNは宅内の事なので完全にスルー。

何がまずいかは引用の通りで、USBメモリやメールに添付されて来たウィルスなどは関知しないのであり、極端に言えばWAN(外部、インターネット)とLAN(自宅)のIPアドレスが関係する場合にのみ機能する仕様。

外部の攻撃者が無差別にIPアドレスを指定しているところへ自分が当たったならばVBHNが防御。家族が外部の危険なIPアドレスや禁止されているアダルトサイトなどへアクセスしたなら抑止。

機能一覧のWebレピュテーションより。

ホームネットワーク接続時において、接続URLをリアルタイムに評価。

これが何をしているかは、外部サイトへアクセスする直前にトレンドマイクロが持つクラウドと通信し、危険なサイトとして登録されていないか、アダルトや出会い系では無いかなどを判定。

というわけで、感染あるあるの主な2種類と思われる、メールの添付ファイルを実行してしまい被害を受ける場合はVBHNはスルー、もう1つの悪意あるファイルをダウンロードしようとした場合はストップしてくれるかも知れない程度。

あくまでセキュリティソフトを入れようとしても入らないネットワークカメラとかIoTデバイスを守り、トレンドマイクロのデータベースによるフィッシングサイトなどの判定、そして子どものアクセス制限がこの機器の担当。

従来のセキュリティソフトの代替えでは無く、これによりプラスα可能なセキュリティシステムと解釈すべきかと。

 

端末多数な家庭で年間6千円ならありかも知れない

私の場合は過去にウィルスとか(自らの故意を除き)感染した事は無く、危険なサイトには行かないし最近はブラウザがヤバいと知らせてくれるお節介機能もあるのでVBHNは不要。フィッシングサイトも見たら判る。

また、ネット接続している端末は主にパソコン、他はWindowsスマホとiPod touchくらいなので毎年6千円も支払う価値はほぼ無し。

しかし、以前ネタにさせてもらった金持ちAさん邸の場合。

ネットワーク接続状況を見ると端末らしき何かが24個も表示されヒツジ先輩余裕の白目。

source:進化しすぎに驚いた最近の家庭内LAN接続10個 - BTOパソコン.jp

ポイントを書きましょう。

  • Aさん、奥方、子ども複数人がネット接続
  • PCスマホ以外にFAX、ドアホン、ゲーム機などもLAN参加
  • 金持ち

ならば月あたり500円程度で24台近いの端末のセキュリティ強化は価値がある、コスパとしても良さそうと見ております。

加えて高齢の両親などが同居の場合でパソコンとかスマホを使われる場合、うっかりフィッシングに釣られてしまいそうな際もVBHNがあれば安心を強化できる可能性。

というわけで会社の事務所などの場合、比較的若い世代の大人が多く、外部サイトで遊ばない前提、攻撃されるようなサーバーとか置いていないならVBHNがいくら年間6千円だろうと6千円分の働きをしてくれるかは疑問。

逆にパスワードがゆるいとか余計な世話機能が発動して鬱陶しくなるマイナス面も考えられ、マイナビのレビューに書かれていたこれも気になる。

「ポケモンGO」がインストールされているスマホを自宅のWi-Fiに接続すると、アプリにログインできなくなり、Wi-Fiを切ってLTEで接続すると問題がない。一旦ログインするとWi-Fi接続しても動作するので、ログイン処理時に問題が発生していると考えられる。

ポケモンに限らず、Wi-FiではVBHNの機能により遮断されログイン出来ないけれどキャリア回線ならできる、のような不具合も考えられるので、LTE通信とか無縁なPCならば詰んでしまうので頻繁にVBHN無効にする手間が想像容易。

締めの一文より。

一方、アプリやサイトの認識精度は現状、今一歩のところもある。ユーザーの声に今後どう応えるのか、今後を楽しみにしたい。

らしいので、今後のファームウェアのバージョンアップ、修正などの更新や進化に期待として、今すぐの導入は早いと言えそうなので待ちが正解でしょう。

価格コムにはまだなのか今後もなのか登録されていない為、Amazonのレビューを参考に待ち続けるとよろしいかと。

難点としては、管理画面がスマホのアプリのみらしいのでスマホを持っていなければ使えない。逆にスマホのアプリなので、高齢な親の実家へVBHNを設置し、離れた場所でも状況を確認できるなら利点。

コメント(2)

機能的にファイアウォール系統のソフトと大して変わらない装置に、ウイルスバスターの名を冠するのは、相談者さんのような勘違いを生みやすいため、控えた方が良いと思いますね。「for Home Network」が特に悪質。私なら「トレンドマイクロ for Home Network」で行きます。

>悪意あるファイルをダウンロードしようとした場合
ウイルスバスター for Home Networkに、それをブロックする機能は無いですね。物理的なセキュリティ機能は「外部からの不正なアクセスを遮断」と「危険なサイトへの接続をブロック」のみ。根本的にPC向けのソフトではなく、セキュリティソフトをインストールできないネットワーク機器のセキュリティレベルを上げる装置です。

ネットワークにこのような機器をはさむと、オンラインゲーム時に操作遅延やカクツキの原因になることがあるので、導入には慎重にならざるをえないですね。格ゲーなどは、わずかな遅延が命取りになりますので、警戒してしまいます。

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