海外の論文で凄いデータが発表。
HDDの冷却を考えている人は多いと思うけれど、熱と故障は2007年Googleの統計で関係無い事が判明。では何が原因かは運のみと思っていたところ、何と湿度が高まると故障率が上がるという結果発表。
ZDnetが要点を翻訳してくれております。
HDDは温度では無く湿度の高さで故障率が上がる
ソースはこちら。Chrome+AdBlockを利用中の人はブラウザがクラッシュする可能性が有るので切る、または行かない方が良いかも知れない。
ハードディスクが故障する元凶は熱ではなかった - ZDNet Japan
http://japan.zdnet.com/article/35079294/
熱では無いとは言っていないので上記のタイトルは意味がやや変わってしまっていると思う。概要を引用。
- ディスクの故障に最も大きな影響を与える要因は、室温の高さや温度変化の大きさではなく相対湿度である。
- 相対湿度が高いと、主にコントローラやアダプタの異常によりディスクの故障が発生する。
- フリークーリングを使用した場合、故障率は上昇するが、ソフトウェアによるエラー対応によって費用を大きく節約できる。
フリークーリングの解説をWikipediaより。
フリークーリング(Free Cooling)とは、外気温度の低い冬期に冷却塔単独で空調や生産装置の冷却に使われる冷水を製造するシステムのこと
HDD故障の最も大きな原因が湿度というわけで、最も大きくは無いけれど室温や温度変化も関わっているかも知れないのでタイトルは少し違うという意味。
環境がデータセンターでの話なので、空調や使用時間などは私ら一般人が使うパソコンとは違う点も有るけれど、HDDは型番が違えども仕組は同じ。
故障はディスクがクラッシュしたりの方では無く、コントローラやアダプタが故障する点も意味を違えないようご注意有れ。
データセンターは大量の電力を消費する為、フリークーリング方式で空調した方が安くつく、しかしそれでは湿度も上昇してしまうのでHDDが微妙に故障し易くなるという話。
違いの一覧をスクリーンショットにて。
ZDnetの説明を分かり易くなるなるよう変換してみたけれど、クソ長くなりかえって見づらくなったので日本語で作り直した。一部和訳不能にて失礼。
チラーとかチラーレスって何だ?と思ったなら細かい事は気にせず温度と湿度で比較しましょう。どうしても細かい事まで知りたいならこちら。
確かに湿度が関係しており、温度も多少関連性が有る気がするけれど後で覆すので気にせず。湿度の高いフリークーリングは年間故障率が最大で3倍以上(200%以上)となっております。
どのような壊れ方をするかに分けたグラフ。
上から高温乾燥、低温乾燥、高温多湿の3種類。説明をZDnetより。
故障の種類別割合。HH1はコントローラ/接続の不具合の割合がHD1の約2倍になっている。
というわけで、HD1とCD1はチラー方式で年間故障率1.5~2.0%、HH1は3.1%なので分母が違う為、HH1は横へHD1の2倍くらいの長さにすると青い部分はHD1と同じくらいとなりコントローラやアダプタの故障率がクソ高い事が判る。
HDDの故障率と温度の高さは関係無い
ソースを2種類。上は2007年、下は2014年の記事。
いずれもデータセンターで使用される大量のHDDでの統計なので信頼性は高いはず。Googleによると温度以外に使用頻度まで無関係となっており、これ見て私は自作PCのフロントファンは外す事にしております。
修理現場に居た頃から何と無くそんな気がしていた、理由はHDD付近のエアフローが無いに等しいスリムケースと前面ファン搭載のミドルタワーなどでHDD故障の多いケースとか無かった為。
それでも冷やしたいとか信用しないなら気休めに付けても良いと思うけれど、私に言わせるとフロントパネル内がホコリまみれになり掃除が面倒になるだけ。
HDD故障率のメーカーや使用時間との関係
温度や湿度以外で過去に出ている記事を紹介。新しい順で4種類。
2014年1月。
ハードディスクはどこのメーカー製が一番壊れにくいか - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20140122-hdd-survival-rate/
さすが我らがSeagate、ぶっちぎりで優勝。2013年度の収穫は当たり年だったようで、1.5TBが13%超えとか意味が解らない。10個買えば1個壊れる、さすが名機ST3000を世に出したメーカーと言えましょう。
2015年1月。
信頼できるハードディスクメーカーの傾向に変化 - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20150122-best-hard-disk-2015jan/
その勇者ST3000シリーズが頭角を現したのがこの年の集計。打率4割とか余裕で巨人軍が金をヒジの高さまで積んでくれそうな勢い。意味不明失礼。博打過ぎてヒツジ先輩激おこ、はしていないネタ切れ補完に助かった。
2016年2月。
ハードディスク運用実績から壊れやすいメーカーが明らかに-GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20160217-hdd-reliability-2015/
そして2016年なので2015年時点での統計はWD製品隆盛。先ほどから勘違いしている人が居そうなので補足しておくと、%が高いほど駄目という意味なので間違い無きよう。
詳細を見るとWD製品の特定の型番、WD~EFRXの全容量が頑張っている御様子。とは言え、Seagateの打率4割には到底及ばず、SeagateのST3000シリーズは一覧に載っていないので全部捨てられたか何かでデータに出ていないのでしょう。
ラストは2013年11月。これだけメーカーでは無く使用時間。
ハードディスクの寿命傾向データ - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20131114-how-long-harddrive-survive/
1年半で1割弱、3年になると1割のHDDが故障し4年目には2割強が故障したという貴重なデータ。
データセンターなので24時間運用、自分のパソコンは1日数時間の利用なのでもっともつはずと思う事無かれ。電源オンした直後のHDDはスピンアップにより数秒でプラッターが5千回転を超えるという無茶な動作をしているので電源を切る方がHDD寿命が長いとは言えず、逆に負担を掛けているやも知れず。
温度湿度メーカー使用時間無関係にバックアップを(まとめ)
湿度により故障率が1.5%から5%へ上がるとか、24時間営業で使用すると4年後の故障率は20%だとか興味深いけれど、バックアップしている人には結構どうでも良い話。逆にしていない人は戦々恐々かと。
BTOパソコン含む完成品の場合、4年も経てば保証期間は過ぎているだろうから故障すると痛い出費になるけれど、自作の場合は実は4年くらいで故障してくれた方があきらめが付くので良いという考え方の違いも有るので、自作ユーザは故障率とか結構どうでも良い人も居られましょう。
バックアップ用HDDを内蔵出来ないなら今はUSB3.0以上の高速な接続があるのだから外付でも苦にならないはず。自作なら内蔵してストレージがいつ故障しても良いよう備えているはず。
私は修理現場で泣く泣くデータ消した人を多く見て来たのでどうにかしたい。バックアップしましょうというより、頼むからしてくれというのが多くの修理担当者の心情と心得、データは2ヶ所以上の保存を推奨というかしろ。
おまけ:湿度が関係しているとは思わなかった
過去どこかの記事で2~3回書いたと思う、私が「6月と11月はなぜか修理依頼が多かった」という謎。11月は分からないけれど6月と言えば夏の始まり、梅雨時。
もし湿度がHDDに限らずPCパーツ全体へ悪影響が有るとするなら、6月のPC故障が増える理由が判明したのかも知れない。
また、2chまとめで「HDD故障は夏の方が多いのだから温度は関係有る」という書込を見たけれど、それはもしかすると温度では湿度なのでは?と考えると今回の論文が答えになっている気がしないでも無し。
いずれにせよバックアップはしましょう。いや、しろ必ず。
>信頼できるハードディスクメーカーの傾向に変化 - GIGAZINE
>打率4割とか余裕
10%超えもたいがいだけど、4割とか売っちゃいかんでしょw
>さすが我らがSeagate
う~む。打率4割ワロタ。
前々から故障が多い気がしていたけど、いつぞやのファームウェア不良によるヘッドロック事件が起きてから、ここのは使ってないですね。最近どこぞやのメーカーを買収したのもあります。
温度より湿度。部品側とファームウェア側での温度対策がしっかりしてきた、ということでしょうか。湿度対策は相変わらず、パーティクル(塵)対策された綿のような吸湿素材なのでしょうか。
今回、東芝製のHDDの故障率データが見られたのは大収穫でした。日立は故障率が少ないみたいですけど、経験的に実際少ない感じですけれど、時々派手で致命的な壊れ方をしますから、バックアップは必須ですね。
>データは2ヶ所以上の保存を推奨というかしろ。
>いずれにせよバックアップはしましょう。いや、しろ必ず。
□.内蔵のOS(Win7)入りのハードディスクと、内蔵のOS(XP)入りのハードディスク2台を、接続すると、設定が変わり、再起動すると、どちらのOSを、起動させますか ?
と、なってしまい。・・・ 処理方法が判らず ・・・ 困ってしまった。
ので、
重要なファイルは、全部、外付ハードディスクに保存する事にした。
この場合は、
1.別のパソコンに、接続しても、仕事が継続出来る。
2.ウイルスソフトで、ウイルスの駆除が簡単に出来る。
・・・・ 上記の2点の為、データ保存は、全部、外付ハードディスクに保存する事にした。
内蔵のOS(Win7)入りのハードディスクのCドライブで、ファイルを、作成します。
データ保存は、毎日 Cドライブで作成した重要データーは、Dドライブと、外付ハードディスクにも、バックアップしているので、
テータ ファイルは、3ヶ所>に、保存しているので、多分無くなる事は、無いです。
□.上記の外付ハードディスク(USB)に、保存したデータは、4ケ月に一度、別の外付ハードディスク(IEEE・ 2テラ)3台に、永久保存しています。
・・・・ これで、多分、ファイルが無くなる事は、無いです。
相対湿度ということは、温度を上げれば故障率が下がるのですかね(温度が高いほど飽和水蒸気量は大きくなる。相対湿度=水蒸気量÷飽和水蒸気量)。これは最近の低発熱なCPUやGPUに対するアンチテーゼ。爆熱GPUである GeForce GTX 480が勝利する予兆やも。
パナソニック エコシステムズ株式会社:湿度の基礎知識
http://panasonic.co.jp/es/peses/products/iaq/h1.html
>フリークーリング
初耳だったため何だそれと思ったら、黒く塗ったペットボトルに水を入れ屋外へ放置することでお湯を作るエコ作業の逆バージョンですか。「冷却塔」で画像検索すると、巨大なヒートシンクの画像がたくさんヒットして面白い限り。
>フロントファン
無くても排気方向にファンがあるなら、勝手に隙間から空気は入って来ますしね。私も「外して掃除するのが面倒だから」という理由から付けていません。付けてもPC内部の温度は全く変わりませんでしたし。
DOS/V POWER REPORT:ケースファンの重要性を検証する
http://www.dosv.jp/other/0810/03.htm
>HDD故障率
2015年までのデータ、使用台数が「237台」という桁違いの少なさですから、TOSHIBAは外して欲しかったですね。WDの「1,681台」も、HGST&Seagateの1/10以下。素直に受け取って良いものか不安がつのる統計。
>データは2ヶ所以上の保存
バックアップするなら雷の直撃や物理的な損壊を警戒し、1つ目は常時接続のストレージへ、2つ目は遠隔地や外付けのストレージが良さそうですね。