マウスコンピューターより大画面モニタ付デスクトップの新製品。
27型は画面サイズで現在普及しているモニタより大きめ。解像度は聞きなれないWQHDでサイズはフルHDより上がり2560x1440となっております。表示出来る広さは一般的な安いネットブックの4~5倍くらい。
クリエイター用としてどうなのか、適当に見て参りましょう。
27型液晶セットクリエイター向けモデル5機種
見慣れない大きさの27型液晶モニタ。デスクトップPCユーザなら、その大きさがイメージからも何となく判りましょう。
PC本体は左がミドルタワー、右はマイクロ(ミニ)タワーで、モニタのスタンド部分を除くとミニタワーの高さとほぼ同じになる縦サイズ。
キーボードとモニタの比率も合っていると思われ、モニタの横が約60cmくらいなのでキーボードより15~20cmくらい大きめ。
5機種有る内の2種類が一般向け。安い方(MDV-ASQ8310B-WS-P27LP)の主な仕様を一覧。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i7-2700K(3.5-3.9GHz、4コア/HT対応、8MB)
- マザー:Z68 Express チップセット
- グラボ:Quadro 600(1GB)
- メモリ:8GB(4GBx2、DDR3 PC3-10600)
- HDD:1TB(SATA3)
- DVD:スーパーマルチドライブ
- 電源:500W
- ケース:ミドルタワー
- モニタ:27型液晶(解像度:2560x1440)※SAMSUNG S27A850D
リリース記事には16万円台と書かれておりましたが、液晶セットで169,890円、送料が6300円と超高額なので実際に購入するなら約176千円(176,190円)となり、かなり盛られる仕組。
マウスの送料はPC本体3150円、液晶モニタ3150円、とかやるので意味不明な程に高くなるわけです。その分、本体やセット価格は他社と比較し多少安い事多いけれど。
自作用のパーツ単品換算で2012年2月現在の最安価格を合計すると約16万円くらい。自作PCより安くならないライン(15万円前後)を越えている為かと。
送料含め1割増しという所。自作は不具合時に全てセルフサービスなので、完成品を購入するなら更に7350円盛って3年保証を推奨し、総額は約184千円(183,540円)。
上位機種(MDV-ASG9300B-WS-P27LP)も一覧。下位機種と違う箇所のみ。
- CPU:Core i7-3930K(3.2-3.8GHz、6コア/HT対応、12MB)
- マザー:インテル X79 Express チップセット
- グラボ:Quadro 2000D(1GB)
- メモリ:16GB(4GBx4、DDR3 PC3-10600)
- 電源:700W(80PLUS GOLD)
予算に余裕が有ったり仕事で使うならこちらでしょう。特にグラボ。
下位と同じように計算すると私の脳内価格コムで計235千円くらい。マウス価格は約24万円、送料込で約246千円、3年保証を突っ込むと254千円くらい。
今時のハイスペックなデスクトップPCなら12万円前後で充分と言えるものの、クリエイター用、主に設計やデザイン関係のパソコンが高くなる理由は
- CPUはクロック周波数が高い方が良い
- メモリとストレージ容量は多めの方が良い
- グラボはOpenGLに優れる限られた物になる
- CPUとグラボのお陰様で電源容量も大きめになる
- モニタは物理的に大きく、高性能で高解像度が良い
グラボの種類が変わる程度でゲーム用PCと似たような感覚。
大きく違う所はグラボの製造メーカーが限られておりELSA独占状態の為に高額。需要もゲーム用ほどでは無く全体的に高め。メーカー側で特殊パーツが売れ残り、在庫の価値が下がる前提で販売価格が盛ってあるとも考えられましょう。
通常のパソコンと違う特徴はモニタ。マウスにしては何故かサムスン製モニタがセットなので、どのような物かは次で。
Samsung製27型WQHD(2560x1440)PLSモニタとは
サムスンはモニタ以外にパソコンではHDD、家電はテレビや録画機器、最近はスマートフォンで有名になっている韓国の大企業。
27インチは2012年2月現在としては大きめで、主流は21~24インチ。解像度も現在は主流がフルHD(1920x1080)とするとWQHD(2560x1440)は大きい。
どのくらい違うか、フルHDモニタを使っている人用に比較用の画像。
左下の青枠部分がフルHDで、私が今これを書いている三菱の23型モニタをキャプチャしたもの。クリックすると拡大するけれど、実際のピクセル数では無茶なので30%に縮小しております。
フルHDに対して、左下を基準に右上の緑枠部分までがWQHDのイメージ。フルHDでさえ大きいと感じるけれど、更に縦640、横360ピクセルでかいわけです。
2560を2で割ると1280なので、4~5年前までのXPユーザが使っていたモニタの2倍。縦は720なので、XP時代のノートで高解像度なくらい。昔のモニタをデュアル(2枚横並べ)にしているようなサイズへと進化。
PLSモニタという言葉を聞いた事が無かったので調べると
- IPS液晶より製造原価が安い割にやや高性能
- 視野角が広い ※この製品は水平/垂直いずれも178度
- sRGB対比100%表示
- 省電力
IPS液晶についてはWikipediaにて。普通のLCD(画面のパネル)と比較し特に優れていると思わないので何とも言えず。デスクトップで省電力もどうでもよろしい。
特長としては、視野角の広さとsRGB100%表示でしょうな。sRGBとは光の三原色(赤緑青)がきれいに全部表示出来、正面から見なくとも表現の精度が高いという事かと。
私がデザインや色に強いわけでは無い為、その辺りはプロの見方に任せるとして、気になる事が価格。
先にマウスのセットで価格を出したけれど、サムスンにしては高額。
source:価格.com - サムスン S27A850D [27インチ Matt Black] 価格比較
発売直後の価格、7万円弱からの値下がりは遅め。 満足度5になっておりますが評価数が2なのであてにせず。
私がニュースリリースのタイトルを見た直後に思った事は、「iiyama液晶セットにしては安くない」。マウスはiiyamaを子会社(MCJグループ)に持っている為、てっきりiiyamaモニタかと思いきや、27型は有れど特長となる解像度が追いついていない御様子。
source:iiyama 液晶ディスプレイ27型
リリース記事によると
今後もマウスコンピューターは、CAD/CG/AV 編集のクリエイティブ市場、文教市場に、最新のテクノロジーを搭載した高品質な製品を、低価格かつ豊富なラインアップとカスタマイズメニューでご提供し、(略)
クリエイター向けの低価格が何を指すか。
- 企業努力により自社の利益を削る
- 他社より安く見える販売価格にする
おそらく意図としては前者と思うけれど、今回の新製品は後者と解釈。
マウスのクリエイター向けモニタセットの新製品(まとめ)
疑問はPC本体の性能や機能では無くモニタ。iiyama製品なら利益を削る事が出来ると思うけれど、今回の新製品は全部サムスン製モニタがセット。
法人向け3種類の最上位機種でさえセット価格は約29万円と見た目は安くなっており、一般向けの上位モデルとの違いはケース以外にグラボがQuadro 4000(2GB)になった程度。
20万円を超える価格帯なら、これを付けても良さそうなもの。
source:価格.com - ナナオ FlexScan SX2762W-HXBK [27インチ ブラック]
モニタの差額は約37千円。それだけでモニタがもう1台買えそうな差になるけれど、ナナオ製品が入らない意味が解らない。
EIZOモニタはこれでも中の下くらいなので、上位機種にはこれとか。
source:価格.com - ナナオ ColorEdge CG275W-BK [27インチ ブラック]
CADなら良いかも知れないけれど、ナナオのモニタはsRGB以外にAdobe RGBの範囲に最適化出来る為、デザインで良い環境を目指すならこちらでしょう。
価格が2倍になると性能が2倍になるわけでも無いけれど、モニタは良い物を買えば10年くらい使えてしまう上、映像関係の作業ならPC本体はオマケでモニタが本体くらいの予算割当になりましょう。
以前私が絡んだデザイナ見習い用BTOパソコンは、モニタ>プリンタ>PC本体、の順で優先し予算を割いております。
知名度の高い国内の量産系BTOメーカーを売り方で分けると。
- ドスパラ・・とりあえずゲーム用とか新製品を出してみる
- マウス・・用途に対する提案が多く新パーツを搭載
- パソコン工房・・有る物で組み立ててみた
以上は私の感覚で見る限り。
マウスにしてはいつも通りの新製品発売。しかし用途がクリエイター向けなら量産するほど売れないと思われ、EIZOモニタをセットにして販売(通販で掲載)し、売れた時にAmazonとかで購入して梱包し直し一緒に送るとかでも良いのでは。
サムスンの27型が悪いとは言わないけれど、サムスンの良さはマウスと同じく安さ勝負。クリエイター向けに安い事が売りなブランドはどうなのかと思う次第。
モニタ無しの機種も有るので、モニタセットで購入する事も無いでしょう。
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