デジカメの未加工データ、RAW現像用パソコンについて。
最近のデジカメは安くなっており、1万円くらい出せば普通の人には充分過ぎる画素数になっていたり、性能や機能も経年で向上しておりますが、そこから1ランク上の2~3万円を超えるとRAWファイルという形で保存出来る機種も有り。
ややマニアックな話では有りますが、知っておいて損は無いかと。
デジカメ画像の保存に使われるRAWファイルとは
私がデジカメに詳しく無いので簡単に一行で言うと、そのデジカメ性能や機能で保存出来る情報を未加工でファイルにする技術、とでも申しましょうか。
一般的に保存形式として使われるJPG(ジェイペク)は圧縮されており、元の画像より粗め。更に色などの情報もまとめられているので細かい変更は出来ず。
私が持っているデジカメ(FinePix HS10)も撮影データでRAW保存出来る機能が付いております。画像編集に詳しいならソフトウェアのインターフェイスを見た方が早いかも知れない。
良く解らないけれど、普通の画像編集と違う箇所は露光や色温度など、画像の詳細に対して調整が利きやすくなっており、写真のプロやマニアは使うのでしょう。
私がこれをやらない理由はいくつか有り
- ブログ用の参考程度な写真に編集はほぼ不要
- ファイルサイズ1枚約15MBとかデカ過ぎて無駄
- 縦横サイズが大きすぎて無駄に時間が掛かる
- RAWフォーマットが統一されず将来的に不安
RAWという言葉はファイルの拡張子やフォーマット(保存形式、規格)を指しておらず、各メーカーが好きに作っているもの。メーカーが撤退したり専用ソフトの更新が無くなると後々困るという不安が有るわけです。
これに対してAdobeが統一しようと言い出したDNG(デジタルネガ~)という形式が有り、RAWファイルをDNG形式に変換すると皆同じに。但し、DNGファイルは当社Adobe製品でお開き下さい状態なので、やたら高額なフォトショップなど導入は個人に無理が有りましょう。
しかしRAWは未加工状態という意味の通り、そのデジカメが撮った可能な限り自然な状態をデジタルファイルとして恒久的に保存出来る為、そういう意味では将来的に安心とも言えるでしょうな。
更に詳しくはAdobeのページをどうぞ。7ページ目にリンク。
Adobe - RAW形式で撮影するのはなぜ?
http://www.adobe.com/jp/designcenter/dialogbox/why_shoot_raw_07.html
DNG変換ソフトはこちら。
Adobe - Adobe Camera Raw and DNG Converter : For Windows
http://www.adobe.com/support/downloads/product.jsp?product=106&platform=Windows
これらを探している際、検索ワードに「RAW 編集 フリーソフト」のようなフレーズが出てきたけれど、先に書いた通りデジカメのメーカー毎に形式が違うので素直にカメラの付属品や対応している製品版アプリケーションを使いましょう。
または私のようにRAWモードは使わない。
価格.com口コミ掲示板を参考にRAW現像用パソコンを考える
価格コムの口コミ掲示板が面白かったので引かせてもらいます。
写真RAW現像に使用するBTOデスクトップPCの選び方-クチコミ掲示板
http://bbs.kakaku.com/bbs/-/SortID=14152001/
質問の書き方が上手く返信も丁寧、そこへカメラに詳しい人が集まっており盛り上がっておりますが、パソコンに詳しい人が少ないご様子。
私はカメラは素人なものの、パソコンに関しては普通の人から見ると微妙に変態掛かっているかも知れないので、外からネタにさせてもらいます。
質問の要点。
- 写真のRAW現像を快適にするための高性能BTOパソコン希望
- 今後の(RAWファイルの)高画素対策も踏まえて検討したい
- 使用目的は一眼レフによる写真のRAW現像と稀に動画編集
用途や希望が具体的で分り易い。
検討中の仕様が分かりづらいので勝手に変換し一覧。
- OS:Windows7 64bit版(エディション未定)
- メモリ:32~64GB
- マザー:USB3.0対応
- CPU:IvyBridgeを待つか迷っている
- 光学ドライブ:ブルーレイ対応
- モニタ:ナナオ(EIZO)「FlexScan SX2762W-HX」
- その他:無線対応(?)
OSは64bit版で良いけれどエディションは未定。メモリはかなり多め。USB3.0は外付けHDDなど用でしょうな。CPUのIvyBridgeは今年の春か夏頃に出る予定のインテルの新製品。ブルーレイは書込有りと推測。無線はLANの事と想像。
モニタが普通に高級品で、今価格コムを見ると最安でも11万7千円。さすがカメラや写真の趣味だけはございます。デスクトップPCの利点。
この時点で多分この辺り、とドスパラやパソコン工房の機種を出せるけれど、カメラマニアな皆様の意見も見て参りましょう。
RAW現像に使用するソフトは?
32bitで動くソフトだと、それだけメモリ積んでも意味が無いです
その通りな上手い釘刺しで、質問者は64bit版のWindows7と書いているものの、利用するアプリケーションとバージョンは記載無し。現在利用中のパソコンが32bit版ならソフトウェアも32bit版専用の可能性大。
64bit版Win7でも32bitソフトは動くけれど、それはWin7が32bit版ソフトを見付けるとCPUを32bit用に切替え、メモリを最大4GB割り当て。古いアプリケーションでは2GBまでなので、メモリ32GB~は現状では無駄が多い可能性有り。
メモリ64GB必要なら、メモリスロット8本ある、Sandy Bridge-E必須でしょう、 8GB×8本で64GBですね、(でも64bitのOSが必要です) でしたら、CPUは i7 3930Kか3960Xになりますね
現在一般向けに市販されているメモリは1枚あたり8GBなので、~64GBなら確かにその通り。CPUは最近Core i7 3820が出たので、予算を抑えるならコア数とキャッシュも抑えた高クロックが良いかも知れず。
しかし普通に考えて2012年2月現在、割高になる8GBを8枚載せたX79チップセット構成はBTOパソコンで出ておらず、マザーボードにより最大メモリ容量も変わる為、知識の一部としてですな。
先ず、メモリーはそんなに要らないでしょう。
64bitでもHomePremiumだと認識は16GBまでなので32、64GBを活かそうとすればProfessional以上が必要。LGA1155でメモリーは16GB(32GBならProfessional以上)で充分だと思います。
メモリを利用しRAMディスクを設定するなら有りかも知れないけれど、普通に考えるとやはり盛り過ぎとの事。LGA1155(SandyBridge)なら上記の通り、OSの話もその通り。
量産系BTOメーカーの高性能PCはメモリ8GB標準が多く、カスタマイズや一部モデルで16GB。32GBはカスタマイズでも相当高くなるので、余程金が余っていなければコストパフォーマンスが悪過ぎましょう。
となると、CPUは i7 2700Kあたりになりますね。
なりますな。i7-2700K未満は価格差がどんぐりの背比べ状態になっており、モニタに10万円以上出せる程の価値観を持っているなら、CPU(単品相場)約2.6万円は妥当。
普通はしないと思うけれど、ストレージ(HDDやSSD)、メモリ、グラフィックカードの換装は比較的簡単なものの、CPU交換はマザーボード並に面倒なので金や用途が有るなら性能は高めがお勧め。
質問者より追記。
あと現像ソフトはニコンの純正品です。 RAWの容量はまだ分かりませんが来月発売のD800を意識しての今回のPC選びです。
D800というカメラが判らなかったので検索すると
source:価格.com - ニコン D800 ボディ
この手の高級品はレンズ別売りが標準。本体よりレンズの方が高かったという冗談のような話も私の周囲で聞いた事が有るけれど、パソコンと似たようなものでしょうな。普通の人はPCケースに4万円とかCPUだけで10万円とか理解不能。
ニコン公式で詳細を見ると、3630万画素、記録画像は最大7360x4912ピクセル、TIFF形式最大100MB超え。焼酎を2秒くらい余裕で吹ける仕様。
編集はD-ライティングと書かれておりますが、これはカメラ本体で画像補正出来る機能のご様子。
あ、それと。 解像度2560×1440を確保するには別途グラボが要ります。
高級モニタに高級カメラ。そこまで有るなら、確かに可能な限りの高解像度が良さそう。グラボは要らないと思ったけれど、有った方が良いかも知れない。
質問者より追記。
すみません、あとひとつ肝心なことを聞き忘れていました。
パソコンの購入先ですが何処か信頼出来る店舗は御座いますか? もちろん安価であるに越したことはありません‥ 私の浮かぶところでは
- パソコン工房
- ドスパラ
- マウスコンピューター
などです。 初めてのBTOなので少し神経質になっています^^;
一般的なご選択。私も最近はこれら3メーカーから見る事が多め。
- 延長保証付、近くに店舗が有るならパソコン工房
- 延長保証は不要または高額でも良いならドスパラ
- 本体高め(約17万円以上)で延長保証ならマウス
しかし、これらは私が勝手に量産系と称しているBTOメーカーなので、専門用途での高性能PCをカスタマイズするには難しいかも知れず。
どこのメーカーが良いかは余計な世話と思っているのでスルーし
>RAWの容量はまだ分かりませんが
一枚当たり50MBは超えると思いますよ。
いや、恐ろしいまでの容量ですね。
先に挙げたD800の最大サイズは私が吹く用に書いたスペックなので盛っておりますが、確かにRAWでも50MB超えは有り。将来的、数年後のRAWサイズを考えると1ファイル100MB超える可能性は充分有りましょう。
予算的には15~20万くらいを想定しています。
これが先。パソコンは用途と予算から構成(仕様)を選ぶ物。
続きはカメラマニアの雑談やショップ選びになっているので省略。
予算15~20万円でRAW現像用デスクトップ構成案
BTOパソコンと自作PCを比較するように、パーツ単品の価格を付けて参ります。量産系BTOメーカーはパーツ単品最安の合計よりやや安くなる為。
ここまでの情報から構成を考えると。
- OS:Windows7 Professional 64bit版・・15千円
- CPU:Core i7-3960X(または、i7-3820、i7-2700K)
- マザー:自動的に、X79(または、Z68)チップセット
- メモリ:16GB(または、32GB)X79なら12800、Z68なら10600
- ストレージ:SSD 120GB + HDD 2TBx1(または、x2)
- グラボ:※2560x1440表示可能な適当な物
- 光学:ブルーレイ読み書き・・11千円
- ケース:ミドルタワー・・4千円
- 電源:600W以上くらい・・7千円
- 無線:IEEE802.11b/g/n・・1千円
- キーボード、マウス・・2千円
値付けした部分はこれで良いと思う構成で小計4万円。金額が端数になると面倒なので電源でごまかしております。
予算は15~20万円なので引くと残11~16万円。送料+延長保証を約1万円とすると小計5万円で残10~15万円。
可能な限りの高性能を目指し残予算15万円(全体で20万円)にすると。
- CPU:Core i7-3960X・・80千円
- マザー:X79・・20千円
- メモリ:32GB(4GBx8、DDR3 PC3-12800)・・13千円
- ストレージ:SSD 120GB + HDD 2TBx1・・27千円
- グラボ:※2560x1440表示可能な適当な物・・※1万円以内の物
現在、一般的に入手出来る性能のほぼ最高。
但しグラボは後回しにしており予算1万円しか残らず。しかし5千円程度の物でも2560x1440表示は可能なので、深く考えなくともよろしいかと。
この構成をBTOメーカーで探せば良いのかと言うとまず無い。
- メモリ32GBはカスタマイズになる為ぼったくり価格へ
- SSDもカスタマイズの追加になると思われ割高に
- i7-3960X搭載の組合せでグラボ1万円クラスは難しい
量産系はカスタマイズすると割高なので32GBが1.3万円になるとは思えず、適当に見て来ると、マウスの例では16GBから32GBへの変更で約3万円、ドスパラの8GBから32GBは7万円オーバーなど、えらいことになっておりました。
SSD標準搭載も機種が限られておりカスタマイズすると市販品より割高。2TBを追加する行為もカスタマイズなので高めに。
量産系の難点はバランスを取ろうとする事で、ハイエンドPCでグラボ無しはまず無く、性能が高くなるに比例しグラボも何故か性能が高めに。ハイエンドな組合せで1万円グラボは選択出来ない可能性大。
また、上の構成は予算の上限に合わせただけなので無駄が多く、言い換えるとコストパフォーマンスを無視しております。どう考えても約8万円のCPUが問題でしょう。
ここまでの情報より、私が考えたRAW編集用PCの性能を最適化。
- CPU:Core i7-3820・・25千円
- マザー:X79・・20千円
- メモリ:16GB(4GBx4、DDR3 PC3-12800)・・7千円
- ストレージ:SSD 120GB + HDD 2TBx1・・27千円
- グラボ:※2560x1440表示可能な適当な物・・15千円くらいの物
計94千円なので、保証の延長や送料も考慮した合計は144千円。
CPUの為にX79マザーで高くなってしまうのでLGA1155(Z68)にすると。
- CPU:Core i7-2700K・・26千円
- マザー:Z68・・10千円
LGA2011(X79)より9千円安くなり合計135千円くらい。
SSDを起動ドライブ、2ndでHDDを載せているのでやや高額になると思われ、約14万円とすると予算の下限15万円より1万円安くなっております。
マウスやドスパラ、工房でこれと指定しても良いけれど、疲れたのでこの辺りで。探せば似た構成の予算内は有るはず。i7-3820は出たばかりなので搭載機種が少なくD800発売(3月)まで待った方が良さそう。
予算が1~6万円余ったので大容量かつ高速なCFカードを購入したり、レンズ代の足しに出来ますな。
RAW現像用BTOデスクトップPCの選び方まとめ
構成例をやり始めた辺りから良く判らなくなっているけれど、RAW現像用PCを構成する為のポイントを適当にまとめると。
- メモリの認識容量に注意・・OS以外にマザーボードの仕様も確認
- CPUはクロック周波数重視で・・一般的にコア/スレ数より高クロックで
- ストレージにSSDは予算次第・・容量単価がHDDと比較し超高額
- RAWファイル満載なら大容量HDD内蔵・・SATA3で内蔵の方が高速
- BTOパソコンなら長期保証推奨・・自分で修理出来るなら自作推奨
メモリはOSの制限(Win7 Home~は16GB、Pro以上は192GB)によると言われるけれど、現在192GBも搭載出来るマザーボードは無く、1枚24GBメモリなども存在せず。BTOパソコンなら16GB搭載の標準構成を探すのが最も割安。
CPUは上の構成例2種類で選択している通り、i7-3820はターボブースト最大3.9GHzで標準3.6GHz、i7-2700KもTB最大3.9GHzの標準3.5GHzと数値では最高クラス。6コアや12スレッド有っても使わなければ意味無し。
ストレージは現在のパソコンを構成する上でボトルネックというやつになっており、起動や一時ファイルの読み書き高速化用に1.5万円前後出せるならSSDを。容量重視なら2TBx2本とか良いかも知れず。
最後はいつも通り保証を延ばしましょうという事で、PC本体15万円として掲示板に書かれていたメーカー3社を比較すると各社の保証と送料は。
- ドスパラ・・約3万円(3年保証:3万円+送料:無料)
- マウス・・約10500円(3年保証:7350円+送料:3150円)
- PC工房・・約8130円(3年保証:7500円+送料:630円)
ドスパラはどうしてもなら。マウスと工房はこの価格帯になると大差無いと感じる為、後はどこのメーカーが構成例のような希望に最も近いかで選ぶと良いかと。
今回はRAW現像用として書いておりますが、基本はいつも同じ。
- 「目的(用途)」と「予算(上限)」から「構成(仕様)」を考える
掲示板などで質問する場合は目的と予算を書いてみましょう。用途は詳しく書けば書くほど、的を射た良い回答が貰えるもの。
以上、ネタ切れ補完記事でございました。
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