パソコンの故障が夏頃から多くなるというデータが公開。
ユニットコム(パソコン工房とかフェイスの会社)が調査したもので、気象状況とPC故障の関連性をグラフで表しつつ、5つのポイントとして注意喚起。内容を紹介しつつ突っ込んだりフォローしたり。
久々の修理ネタ、真面目に参ります。
PC故障と気温や台風発生数の関連性
プレスリリースらしき情報をITmedia、PC USERより。
夏場はPCが故障しやすい?ユニットコムが故障調査データ発表-ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1306/24/news084.html
良く見ておらず今気付いたけれど、この気温はパソコンの修理(サポート対応?)とは関係無いと思う。
ソースがどこに有るか調べるとこちらのページのようで、月平均気温偏差は2010年から過去30年間の各月毎で出しているので気温とPC修理との関連性を表現したいなら違う。
簡単に言うと、ユニットコムは気温とPC修理の関連性としているけれど、気象庁は「気温が年々上がっており、月単位でどのくらいの偏差値になるか」というデータを出している違い。
もっと簡単に言うと、気象庁のデータは「2012年は過去30年と比較し夏は暑く冬は寒かったようだ」と表現しているというものが上のグラフの気温の数値。
なぜユニットコム内で誰もこれを指摘しなかったのか、また、ITmediaも確認せず掲載したのか不思議。
もう一つ突っ込んでおくと、仮に全国の平均気温を測ったとしても、PCが設置されている場所の室温とは違うので、こういう比較は本当に意味が無いと思う。
というわけで温度は無視してサポート件数の比率のみで見て行くと、
- クリーニング系サポート・・5月から上昇し始め8月を過ぎると低下
- サポート受付件数総計・・5月が最も低く、12月まで上昇
ポイントは5月。私がとあるBTOパソコンメーカーの修理現場に居た頃、6月から修理依頼が多くなる事を思い出したので5月下旬、ネタにしております。
パソコン内部を掃除する方法と準備する物や注意する事 - BTOパソコン.jp
https://bto-pc.jp/repair/pc-cleaning-may.html
話を戻すと、なぜいきなりサポート受付件数総計なのか。
私が左の画像から拝借した為に上に来ただけで、こちらが先と推測。ITmediaの左右が違う、またはユニットコムが順序を伝えていなかったのか。
台風が発生すると強力な磁場が発生しPCがぶっ壊れる、わけでは無く、文章を読むと台風=落雷を直結しているわけですな。これも苦しい。
台風が来ても落雷が有るとは限らず、台風が来なくても落雷は発生するもの。そして、私が修理現場に居た当時、落雷と思われる故障は滅多に無かった。
但し、私がそう思っているだけで本当は落雷で電源やマザーボードが故障していたのかも知れないけれど、雷はそう落ちまくるものでもなく、影響が有ったとしても年間の故障PC全体の一桁%、または1%未満でしょう。停電も同じ。
だいたい、上のグラフを見ると11月と12月は台風1にも関わらず「電源周りのサポート」の折れ線は下がっていない。そして1月に急落している辺りも不自然。
なぜ1月に落ちるかは、私の経験を元にすると
- 修理工場が年末年始に休むなら、年を越させたくない
- 修理受付も止まるとすると1月は受付日数が少ない
例として、12月29日~1月3日まで受付を休むなら全部1月に影響。冬のボーナス、初売りセール、お年玉などで修理を諦め買い替える人が多少は増えるやも知れず。
というわけで台風関係無いと思うので無視し、月別比率のみ見ると
- バックアップ系サポート・・※意味が分からないのでスルー
- 電源周りのサポート・・2月から6月まで停滞、7月から12月まで多い
サポート全体をまとめると、6月頃から12月まで修理件数が比較的多い為、パソコンの故障もこの時期に多くなるのだろう、という事にしましょうか。サポート件数はユニットコム内の本当の数値と思われ疑わないものとして。
しかしこのようなデータの比較を高卒の新人とかアルバイトがやるとは思えず意図が不明。勘や妄想になるけれど、
- 気温や落雷が故障と関係していそうだからデータ出してみた
- 関連性無さそうだけど、せっかく作ったのだから撒いてみよう
仕事しているふりをしたがる管理職者がやりそうな作業。これは私の妄想なので真に受けぬよう。
とりあえず下半期の修理件数が多い所には私も納得。データとか持ち出せず体感で申し訳ないけれど、私が居た現場では6~8月、11~12月の修理依頼件数が多かった気がする。
なぜ多いのか、想像でしかないけれど、夏場に湿気を含んだホコリが固まり冬にかけて放熱不良を起こすのでは?とか。年末の大掃除でPC内部も掃除して1月は件数減る?など。
何に気を付けると良いか、5つのポイントと称して具体的に書かれている為、次はそれらに突っ込んだり混ぜたりして参ります。
PC利用で夏場に注意する5つのポイント
同じITmediaでもこちらはニュースの方。
夏はPCトラブルにご用心─注意すべき5つのポイント-ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1306/25/news116.html
台風の方はグラフが省略されているけれど気温偏差の方は掲載されております。記事の内容が違うので担当が違うと思われるけれど、意味を考えず来たものを載せているのでしょう。
それは良いとして、1つずつ引かせてもらいます。
1.PC内部の温度を上げない
PCケース内のエアフローを確保し、ファンにほこりがたまらないよう注意
内部を見た事が無ければ良く分からないかも知れないけれど、ファンが回っているからホコリも吹き飛ばすわけではございません。
ケースや電源ファンなら1分間800~1200回転くらいの高速で動く羽が風を切りつつホコリも思い切りぶった切っており付着させ、CPUや電源とかグラボのファンは吸気なので内側へホコリを押し付けているようなもの。
放置するとケースファンは汚れ、電源ユニット内部はホコリのもこもこが溜まり、CPUやグラボの場合はファンの内側へ塗り固められる事も。
エアフローは市販や完成品PCのケースならファンが故障していなければ気にしなくて良いけれど、ホコリによる放熱不良で温度は簡単に上がってしまう為、ご注意有れ。
細かいけれどファンにホコリは溜まらない。
2.PC内の排気に注意することが重要
PCケース前面や側面などのすき間をふさいぐと気流を妨げたり、壁にぴったり近づけると排気した熱を吸い込んでしまう
これを書いたユニットコムの中の人は(デスクトップ)パソコンの構造を知っているのか、怪しくなって参りましたな。
まず、ケース前面や側面は吸気。直接、前や横にファンが付いていなくとも、ケース背面や電源のファンが排気しており、自然に吸気となる箇所。
「壁にぴったり近づける」という表現はPC前面なわけでは無いなら側面の事でしょう。これには誰もが同意する所。通常、PC向かって左側の側面から吸っているのでふさがないように。
という事は、本当にデスクトップ(机上)へ設置するなら、自分の右に設置する環境が多くなるけれど、喫煙者ならこの置き方はやめましょう。パソコン内部がベタベタになるエアフローが完成してしまう。
タバコの煙は上に行くものなので、足元に設置が正解。私のように和室ならデスクのトップにこだわらず左側に設置、更に床置きが正解。空気清浄機や換気扇を付けているなら尚よろしいかと。最も良いのは外で喫煙、または禁煙。
話を戻すと、側板を壁にくっつけてもそこから吸い込まなくなるだけで、設置環境によっては背面から排気した熱を吸い込まなくなるので良いかも知れない。引用の文章最後はおかしいという意味。
3.数日間、PCを起動しないことはNG
数日間起動しないとほこりや湿気が蓄積して故障の原因に。特に夏場の閉め切った部屋に放置するのは避けたい
目からうろこ、なるほどと納得。
蓄積というより接着や固まるという表現の方が良いと思われ、ホコリが湿気ると本気で固まるので要注意。
しかし突っ込ませてもらうと、パソコンを起動しない->ファンは回らない->ホコリを吸い込まない、になる為、一概に駄目とは言えないかと。
ファンが回っていればホコリは固着せず故障もしないというものでも無い為、やはりここは掃除でしょう。
関係無いけれど数日ならまだしも、1年以上電源を入れず放置はデスクトップPCに限らず危険。
私が過去に3~4回、自宅で経験した例という小さい範囲なものの、放置し過ぎたHDD(ハードディスク~)は電源を入れた直後(スピンアップ時)にクラッシュした事がございます。HDDが古過ぎるたのかも知れないけれど。
どこで聞いたか忘れたけれど、HDDは放置し過ぎるとヘッドを動かす油が固まり故障の原因になるとか。
何の根拠も無いけれど、パソコンは1週間に1回1時間くらいは動かしてやりましょう。放置でも問題無いとは思う。
4.雷サージガードタップ
PCと関連機器に雷サージのダメージは致命的。2000円前後で販売される雷サージガード付きタップの導入検討を
これは気休めで、無いよりは有った方が良いかも程度。
雷サージは必ず電線から来るとは限らず、電気に詳しい人の中には雷ガード付タップは全く意味が無いと言い切っている人も居るほど。私は電気素人なので知らない。
雷が聞こえたならコンセントからプラグを抜く、だけでは無く有線LAN接続しているならLANケーブルも抜く。
デスクトップPCならモニタも有線で繋がっているはずなので、モニタのプラグも抜く。あらゆる配線を抜きまくりましょう。
ちなみに光は一瞬、音は1秒間に340mくらいの速度なので、光って3秒後に音が聞こえたなら雷までの距離は1kmくらい。
こういう時にノートPCが有ると捗りそうなものの、無線LANだろうと元は有線なのでネットワークの配線は抜いておきましょう。
気が休まるなら、多少高い雷サージ対応タップは精神的には有効。
5.絶対にブレーカーを落とさない
PCが動作中にブレーカーが落ちて最悪HDDがクラッシュする事故を避けるためにもUPS(無停電電源装置)の導入検討を
パソコンの電源が突然落ちると、HDD内部のヘッドがプラッタ(ディスク)に着地してぶっ壊れるというイメージで書かれているのかも知れない。
10年以上前のHDDならそういう事も有るのかも知れないけれど、最近のHDDは電源が突然切れてもヘッドをアンロードする為、クラッシュの原因とは直結しないはず。
ロード/アンロード方式とは 【load/unload】 - IT用語辞典
http://e-words.jp/w/(略)
脱線するけれど、遥か昔のハードディスクドライブ、SCSI接続で240MBの時代なら、先にPCの電源を切り、HDDのアクセスランプ消灯を確認し電源を切るとかはございました。
話を戻すと、UPSの購入も家庭用としてなら個人的にはお勧め出来ない。
無停電電源装置(UPS)の価格と選び方「長時間」は無理 - BTOパソコン.jp
https://bto-pc.jp/select/uninterruptible-power-supply.html
理由を書き出すと
- 本体が高額(3万とか)
- バッテリも高額(1万円など)
- バッテリ寿命の問題(3~4年で交換)
- 廃棄も高額(メーカー引取り1万円とか)
- 駆動時間はバッテリ新品時で数分程度
大雨や雷鳴の中でどうしてもパソコンを使いたいなら、やはりノートPCを購入した方が良いと思う。
以上。グラフでやられた感が半端無く暴れてしまった為、私の突っ込みを鵜呑みせず、ユニットコムの注意も取り入れてみましょう。
パソコン故障は夏に始まり冬に終わらない(まとめ)
ユニットコムの締めの一言。
「PCはやはり精密機械」と注意を呼び掛けている。
それはそうだけれども、未完成なとか不完全なや進化途上にあるを付けた方がより最適と感じております。
性能は一部を除き多くの用途を超え、機能は出尽くした感が有るけれど、CPU、GPU、電源、そしてPC内部全体を冷却する為の装置が必要。
そう考えるとタブレットPCやスマホの方がハードウェアとして完成されている印象。パソコンは不完全な精密機器なので
- 内部の掃除が必須
- バックアップも重要
- 数年で買替が必要
回線速度が早まりいずれは大容量のバックアップもクラウド化、最近は何でも高性能なので故障しなければ買い替え頻度が低くなるとしても、空冷している現状で必ず掃除は要るわけですな。
水冷なら良いのかと考えるかも知れないけれど、結局ラジエーターは空冷。電源ユニットの水冷とかマニアック過ぎましょう。
パソコンは、ある日突然故障するもの。定期的に内部を掃除し、頻繁にバックアップしつつ、買い替えるなら(今ならまだWindows 7が有る)BTOパソコンをお勧め。
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