ツクモとマウスコンピューターのデザイン用PCがリニューアル。
ツクモがQuadro搭載PCを販売していたとは知らず、原因は他社と比較し価格が高めな為にチェックしておらず、通販ページの導線が分かり難く私が気付かなかっただけ。今回はツクモにしては安めなので勝手に評価。
初心者向けとしてデザイン用PCの違いを解説。
型番が判るBTOメーカー、TSUKUMOは最安機種は約8万円
ニュースリリース掲載サイトが転載や引用するな系なのでリンク無し。ツクモのプレスリリースを参考に、画像は販売ページより。
珍しいかも知れない、クリエイターPCでスリムケース。
細く省スペースにしてもBTOパソコン、見た目はダサいのでどうでも良い気がするけれど、Quadro 600はエルザのみの販売でロープロファイル(スリムでも納まる基板の幅)なので合わせてみたのでしょうか。
私くらいの見積り変態になると、構成一覧と本体価格を見ただけで自作より高いか安いか見当が付くけれど、普通判るわけが無いので市販パーツ単品と価格を比較してみましょう。
全て2012年6月現在の最安で百円単位を四捨五入。OSはDSP版で換算、CPUはボックス、型番不明品は私の脳内価格コムより。
- OS:Windows Home Premium 64bit ・・12千円
- CPU:Core i5-3450(3.10-3.50GHz、4コア、6MB) ・・15千円
- マザー:インテル H77 Express(DH77EB ※MicroATX) ・・11千円
- グラボ:NVIDIA Quadro 600(VRAM:1024MB)ELSA製 ・・18千円
- メモリ:4GBx2(PC3-12800)SanMax製※スロット空き2 ・・3千円
- HDD:500GB(SATA3対応)WD5000AAKX ・5千円
- DVD:スーパーマルチドライブ LG電子GH24NS90 ・・2千円
- その他:ギガLAN対応、USB2.0x2 など
- ケース:スリムタワー(EX1/7302T/S)
- 電源:300W
ケースと電源を除く小計は約66千円。
電源付きスリムケースの相場が7千円くらいとすると、7千円くらい自作パーツより高くなる計算。
この価格はツクモにしては安い方で、特にQuadroという数の出ないパーツが混ざっている割に頑張っている方でしょう。
性能としては中の上、AdobeのCSシリーズ用とするならメモリがやや少なめか普通。気になる箇所はUSB3.0が無くHDDが500GBと、デザイン用途なら少なめ、かつ増設が難しい事。
ミニタワーやミドルタワーなら1~3TBのHDDを1~3本くらい後付けで内蔵しても良いけれど、これはスリムなので増設は入っても1本でしょう。
チップセットはインテル7シリーズ、マザーボードにUSB3.0は標準で付いているので、ツクモの書き忘れで無ければケースによる弊害でUSB3.0が無いと推測。
HDDをカスタマイズで上げなければ罠ですな。
BTO PCのカスタマイズは高いので、他の機種にした方が良さそう。
- QM7J-B41/S(i7-3770、Quadro 600、ミニタワー)・・約9万円
- QA7J-C41/S(i7-3770、Quadro 2000、ミドルタワー)・・約13万円
- QA7J-D41/S2(i7-3930K、Quadro 4000、ミドルタワー)・・約23万円
入門用なら9万円、仕事で使うなら13万円PCでしょう。23万円の最上位は、ツクモの場合延長保証がしょぼいので、他のメーカーや自作PCの方が安く付く可能性有り。
私のメーカー修理時代の経験かつ体感で行くと、故障し安いパーツは、HDD>マザー>=グラボ>電源、のような感じ。Quadroは性能が少し上がるだけで価格がアホのように高くなるので、保証の延長が安心。
自作でもELSAはオリジナルで標準3年保証なので、組立が出来るなら自作PCの方が後々交換や増設が自由なので良いかも知れない。
書き忘れそうになったけれど、ツクモは文字を緑にしているようにパーツのメーカーや型番が判る為、一部のマニアには好かれております。私には何故そこが重要なのか解らないけれど。
OEM多め量産系BTOメーカー、マウスの最安機種は約6万円
量産パーツで構成し、安く大量販売するマウスコンピューター。マウスはクリエイターPCを本気でやっており、年に数回モデルチェンジしております。
いつもはQuadro搭載で固めて来るものの、今回はGeForce搭載機種も有り。ノートは当然ながらGeForce。
敢えてQuadroを外して最安の機種を引かせて貰いましょうか。ノートとデスクトップ、それぞれ1種類。仕様一覧が面倒なので手抜きで。
ノートは約6.7万円。
- OS:Windows7 Home~
- CPU:Core i5-2310M
- グラボ:GeForce GT640M(1GB)
- メモリ:8GB
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチ
- モニタ:15.6型(解像度:1366x768)
デスクトップは約5.9万円。
- OS:Windows7 Home~
- CPU:Core i5-3450
- グラボ:GeForce GT520(1GB)
- メモリ:8GB
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチ
デスクトップ側のCPUとグラボの性能が若干上な程度。
いずれもCPUは中の上としても、グラボはVRAM(ビデオメモリ)容量稼ぎとして、メインメモリを節約したような構成。
マウスは今回の新製品以外にも常に十数種類くらいデザイン用として並べている為、用途から性能、価格の優先順で選びましょう。
ビデオカードは、Quadroか、GeForceか、無しか
私はデザインや設計のプロでは無いので、それを目指している人の方が詳しいと思うけれど、簡単にいうとQuadroは3Dで動くデザインをする用。専門用語でいうと、Open GLの処理をする専用と言ってもよろしいかと。動くとは、動画以外に編集中に立体図を動かしてデザインをする場合もこれが該当する事が多め。
GeForceは上でも書いたように、VRAM容量稼ぎなので、メモリを満載しつつインテルCPUの内蔵GPU(インテルHDグラフィックス)を信じるなら無しでも良いかも知れない。実際、私が仕事で関係するデザイン事務所では、Core i3 540(インテルHD~無印)と16GBメモリで仕事をしている現場もございます。
パソコンが安くなったとは言え安い買い物とは言えず、どのような仕事をするか将来を考えて構成を選びましょう。
または、Open GLの処理を使わずQuadroが載っていても問題は無い為、パーツの換装を前提としないなら約2万円盛っておいても良いかも知れない。
Adobe CS6用PC3種類の販売例で初心者向け解説(まとめ)
上でまとまった気がするので、私が今からデザイン系の仕事をするならとして、自作PCをやるとどうなるか妄想。
- OS:Windows7 Home~かPro~※仕事場の環境による
- メモリ:4GBx4枚
- ストレージ1:SSD 120GB
- ストレージ2:SSD 120GB
- ストレージ3:HDD 3TB
- ストレージ4:HDD 3TB
- CPU:上から3番目くらいの性能で(Core i7の何か)
- ケース:ミドルタワーでメンテし易い物
- 電源:500Wくらいの安物
- グラボ:Quadro 600で
メモリはWin7がHomeなら16GBが上限、とは言え4GBメモリが安いのでスロット4本なら満載しても良いと思うだけで特にこだわりは無し。
グラボはとりあえず「デザインやってる」という気分になれるかも知れないとしてQuadroの安物を載せるでしょう。自作は換装が基本なので、2000や4000は型落ち値崩れした後で。
こだわりはどう見てもストレージ群、インテルのSSDでさえ速度や新製品に偏らねば1万円を切っており、HDDは現在3TBが最も割安。
ストレージ1は起動やシステム用、2はデザイン用アプリケーションのキャッシュ用、3にデータを保存し4へ同期でバックアップ。
以上、妄想は楽しいのでPCオタクなら先に理想の構成を考えてみましょう。どうしてもBTOメーカーの既成品が嫌なら自作、または高額になるけれどショップブランドのBTO(オーダーメイド)も推奨。
普通の用途やゲーム用なら量産系BTOメーカーがコストパフォーマンスに優れるものの、デザインや音楽用は需要が少ないので割高になったり構成を選びにくく、BTOパソコン.jpとは言え、何でもBTOパソコンを勧めるわけではございません。
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