最近発売のBTOパソコン12月下旬分。
年末はBTOメーカーも新製品を出している場合ではなさそう、ニュース掲載するメディア側も連休に入ると予想し新製品情報は少ないだろう、と思いきやそうでもなく、7記事拾えたので紹介しつつツッコミ。
適当に見て参りましょう。
最近発売のBTOパソコン(2018年12月下旬)
5メーカー7記事分。画像は特徴的なモノや意味のある部分だけ。
パソコン工房
デスクトップ向けCPU搭載の15.6型ノート - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1160735.html
2機種あり、どちらも用途が違うはずなのに説明が全くないため、何用なのか私が解説を代行しましょう。
- CPU:Core i5-8400(Intel H310チップセット)
- メモリ:8GB
- SSD:240GB M.2
- GPU:GeForce MX150(VRAM:2GB)
- モニタ:フルHD表示対応15.6型非光沢液晶
- OS:Windows 10 Home
価格の100,418円はPC Watchがご丁寧に税込表記してくれており、パソコン工房としては92,980円、10万円を切れると言いたかった。だけではなく、この中途半端さは「予算10万円ならギリで行けるだろ?」という提案か。
SSDはM.2としか書かれていない場合はNVMe(PCIe)ではないSATA接続の方だと思えばよろしく、2.5インチではない縦長の小型基板が載っているだけの違いと解釈すればOK。
よくわからないところがGPUで、なぜオマケのようなGeForceを搭載しているのか、MX150ナシで税込10万切らない意味は何なのか。私の知らない用途向けなのだろうか。
使う人のイメージはパソコンの使用頻度が高い、これ1台で5年以上は使い続けてやろうと目論んでいる人向け。故障しないわけではなく、性能的に時代遅れになりにくいという意味で。
もう1機種はそういう人向けではなさそうなゲーミングPC。
- CPU:Core i7-8700(Intel Z370チップセット)
- メモリ:8GB
- SSD:500GB M.2
- GPU:GeForce GTX 1060(VRAM:6GB)
- モニタ:フルHD表示対応15.6型非光沢液晶
価格は167,378円、税別154,980円。
GTX 1060搭載ノートならばこのくらいの価格が標準的な相場と見ており、この製品の強みはモバイル用の省電力&クロック低めではないガチなゲーム用としてi7-8700が生きる。
10万の方はなぜデスクトップPC用CPUなのか理解に苦しむが、16万の方はバランス的に大アリな構成。GTX 1060ならばCore i5にしてもう少し安ければもっと良かったやも知れず。
パソコン工房は全然強調していないけれど、キーボードがアイソレーションでもストロークやや深めと思われ、NECとか富士通の見た目だけ重視なやつより、プラスチック感が安っぽいものの打ちやすいはず。
マウスコンピューター
第9世代CPU搭載で幅約10cmのスリムタワーPC - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1159008.html
ラブマシーン。セクシービームは出ていない模様。いやマジで。
クスっと来たならオッサンかババア、私と近い世代のはず。
そんなことはどうでも良いけれど、このスリムPCもどうでも良いというか、なぜそうしたのか理解に苦しむ構成。
BTOに対応し、Core i5-9600K(3.7GHz/ビデオ機能内蔵)またはCore i7-9700K(3.6GHz/同)を搭載した2つのベースモデルが用意され、税別価格はそれぞれ89,800円、124,800円から。
「グラボ搭載のゲーミングPCにしては安い、GTX 1050辺りか?」と思いきや、グラボ非搭載でございます。
ベースモデルのおもな仕様は、メモリが8GB(Core i7モデルは16GB)、ストレージが1TB HDD(Core i7モデルは240GB SSD+1TB HDD)、DVDスーパーマルチドライブ。OSはWindows 10 Homeを搭載する。
CPUだけ高性能、特徴は標準構成ではなくメモリのカスタマイズにあり、下位の10万円を切るCore i5モデルでさえ最大64GBまで増やせるため、ズバリこれはエンコード専用ラブマシーンか。
ツクモ
写真家監修のRAW現像処理向け写真編集デスクトップPC - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news_flash/1159788.html
RAW現像用なるピンポイントな提案のデスクトップ。
RAW現像とは、デジタル一眼レフのような高級なカメラ専用機で保存できる形式を編集ソフトで色とか光を調整し自然に近づけるやつ。
おもな仕様はCore i7-9700K、GeForce RTX 2070、DDR4メモリ16GB、250GB SATA SSD、2TB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、OSにWindows 10 Proを搭載する。
「ただのゲーミングPCじゃないか」と思ったなら私も思った。
RAW現像にレイトレーシングが関係あるのだろうかと疑うも、そのような記事はヒットせず。単にGTX1千番台の在庫がなくなったので、後継となるRTXになっただけと推測。
PC自作できるなら、RAW現像用にはGTX 1070 Ti辺り方がコスパ良いはずながら、カメラが趣味の人が自作PC趣味とは限らず、用途とユーザ属性への提案としてはアリか。
7万円台でCore i5/8GBメモリ搭載の法人向けノートPC - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/biz/1160503.html
税別75,800円、込にすると81,864円なので買うなら8万円台。
- OS:Windows 10 Home
- CPU:Core i5-7200U(2コア/2.5GHz/ビデオ機能内蔵)
- メモリ:8GB
- SSD:M.2 SATA SSD
- モニタ:フルHD非光沢液晶ディスプレイ
- DVD:スーパーマルチドライブ
SSDの容量表記が無いわ、モニタのサイズ書いていないわ、ここまで売る気を感じない製品は珍しい。Core i5かつSSD搭載で8万円ならばマウスやパソコン工房と充分対決可能な構成なのにもったいない。
なお、このPCは完成品モデルのため、BTOによるカスタマイズには対応しない。
失礼、今気付いた。BTOパソコンではなかった。ならばSSD容量とかモニタサイズが抜けている意味がスーパー不明。ちなみに15.6型、240GB。
フロンティア
Core i7-9800X搭載の高性能ゲーミングPC - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1159674.html
税別約17万円、Core i7-9800Xだけで価格コム最安7.6万円もするので無理もない。いや、ムリがあったのかグラボがしょぼい。
GeForce GTX 1050、メモリは8GBで、ストレージはHDD 1TB、DVDマルチドライブ、Windows 10 Home、(中略)、マザーボードはASUS製のPrime X299-Aを採用した。電源の容量は850Wで、80PLUS Gold
こうですかな。
- ムリした・・・CPU、マザー、電源
- あきらめた・・・グラボ、メモリ、ストレージ
i7-9800XやるならグラボはせめてGTX 1080、バランスとしてはRTX 2080が合うと見ており、2080の2枚構成でも不自然ではないところGTX 1050はおかしい。今でもフロンティアの中の人はパソコンに詳しくないのだろうか。
悪い言い方をすれば、超高性能CPUの割に税別17万円は安いと見せかけてみるテストをしているのかも知れない。
フロンティアも量産系BTOメーカーなのでカスタマイズしてボッタクられるくらいならば、最初から高性能グラボ搭載のi7-9800Xパソコンを探しましょう。
サイコム
光る電源ケーブルも採用した“魅せるゲーミングPC” - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1159196.html
魅せるシリーズその1は、ほぼ全てのパーツが光るゲーミングデスクトップ。
サイコムの製品ページを見るとわかりやすい、以下の通常は光らないであろうパーツがことごとく光りまくり。
- グラボ
- 水冷ヘッド
- マザーボード
- 電源ケーブル
- ケース
メモリ、マウス、キーボード、ケースファンは当たり前のように光りモノを採用し、光らないのはCPUと電源とSSDくらい。ファンが光る電源ユニットは存在するものの、さすがに電源で遊ぶわけには行かなかったサイコム感。
サイコムは量産系とは違い組立代行系BTOメーカーなので、逆にカスタマイズしても損はしないというか、買うならカスタマイズする前提で行きましょう。できない、しない人は組立代をムダに払うだけともいう。
デュアル水冷ゲーミングPC2モデルをリニューアル - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1812/21/news120.html
魅せるシリーズその2。
どうリニューアルしたかはサイドパネルが標準構成で透明化したらしく、せっかく光るならば窓ナシは確かに頂けない。
ところで個人的に気になるところはパソコンの設置場所。
光る窓付きPCは良いとしても、私はメインPCを和室用ローデスク左側の畳の上、サブPCのデスクトップは右側の畳の上、どちらもデスクにほぼくっつけて設置しております。
こうすると右のサブPCが仮に光るとしても全然見えないし、左のメインPCは真っ赤に光っているし窓もあるけれど、その光は天板から漏れ出る程度で、左へ回り込み中身を鑑賞したことはない。
この記事書いた時くらいなので組み立て完成した時だけ。
大昔のパソコンはモニタの下にあるモノだった形式が、今はタワー型な縦長が主流となり、デスクトップと言いながらも実際にはデスクボトムになっている人が多いのでは。
しかもPentium 4の爆音Prescott辺りからは従来のパソコンデスクのモニタ右へPC設置するのはうるさい、更に時は進みモニタが4:3ブラウン管から16:9の横長液晶が主流となり、ますますデスクトップしなくなった気がする。
なぜ大昔のパソコンがモニタの下にあったかは、フロッピーディスクの出し入れが頻繁だったためで、今ではDVDドライブさえ搭載しないという理由もあるでしょうな。私を例にすると、キーボード叩いて電源を入れシャットダウンするまでPC本体に触れさえしない。
要するにデスクボトムPCを左に設置している人が多いならば、光ろうが透明だろうが普段は見えない場所にあるのでは?説。
後でアンケートしましょう。
サイコムはただ光らせて遊んではいない
独断と偏見で勝手に評価。
- 用途次第で大アリ・・・サイコムの電源ケーブルまで光るやつ
- 納得の構成・・・PC工房のデスクトップCPU+グラボGTX1060
- ワケガワカラナイヨ・・・フロンティアi7-9800Xアンバランス
今回のフロンティアのような変なバランスで他意がありそうな妙な構成と価格設定をやらかすと問答無用で叩く、その理由は量産系BTOパソコンはPC初心者向けであるべきと考え、価格だけ見て買えばきっと後悔するため。
パソコン工房の1060搭載ノートは、しれっと出している割に良く考えてみるとそこにデスクトップ用CPUは大アリ、GeForceの10シリーズからはデスクトップもノートも性能そう変わらないのでCPUがデスクトップ用ならば性能が全体的にノートなのにほぼデスクトップPCと同じ。価格は別の話。
サイコムがなぜ用途次第で大アリかは、自作PCならまだしも、ここまで徹底的に光る完成品PCは珍しく、外から見える場所や店内でのディスプレイ用として何か使えそうと思った。
例としてデザイン事務所ならば来客の印象に残るだろうし、もちろんPCショップや修理業者の店舗でもアピールなどの材料になるはず。
他には熱帯魚の水槽の裏側に置くとか、不動産屋のガラスに物件貼られた紙の下へ置けば「何だあれ?」と目を引けるはず。
ケースにフラクタルデザインを採用し始めた頃からのサイコムは見た目にこだわりを持ち始めており、それが派生して光りまくらせても良かろうという明確なコンセプトがある。
なぜそう来たか憶測すると、BTOパソコン=見た目がダサい、これを覆しつつあるのがサイコムというブランド、のような方針にしたのなら上手い。サイコムのBTOならばダサくない、のような。
但し、光る=カッコいい、とは言っていない。
というわけでアンケート行きましょう。メインPCの置き場所について、押入れとか別の部屋とか、足元直下に設置しているような特殊な置き方は「その他の場所」で。
投票後に経過表示、投票せず経過のみ見るなら View Results をどうぞ。※2019.02.06 締めて画像へ差し替え
>デスクトップ向けCPU搭載の15.6型ノート
シンプルすぎるリリーズ記事ですね。型番、スペック、価格を羅列して終了。嫌いでは無いです。いくつか最近のリリーズ記事を見比べましたが、本記事のライターだけが短い訳では無し。同じくらい短い記事も散見されるため、あえて余計な情報を与えないリリース記事の書き方があるのやも。
>第9世代CPU搭載で幅約10cmのスリムタワーPC
メモリ8GBにi5-9600Kとは私が事務用途に欲しい。スリムタワーですし「将来性を考えて省スペースながら高性能なコレを買いましょう」とか提案して買わせたい。ただしスリムケースですから騒音がやや問題やも。
>グラボ非搭載
スリムケースですから最大でもGTX 1050が限界でしょうね。それよりスリムケースで光学ドライブ搭載ながらストレージ3台の構成OK(うち1つはM.2)は魅力的。最大に積むとこっちに電力を取られるからグラボ無しにしたのではと疑る次第。
>写真家監修のRAW現像処理向け写真編集デスクトップPC
写真家の名前は礒村浩一。この方PCに詳しいですね。
PC Watch|TSUKUMO、Core i7-7820X搭載の写真編集向けデスクトップ ~写真家・礒村浩一氏監修
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1094538.html
デジカメ Watch|写真家 礒村浩一のPCプロデュース、第3弾は薄型実用系エントリー!
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/738250.html
デジカメ Watch|5,000万画素時代のPC構成を考える
Watch https://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/hires/721051.html
>光る電源ケーブルも採用した“魅せるゲーミングPC”
発光パターンを制御できる点も良し。価格もお高く輝いていますが、非常に高性能な構成ですから落とせば良し。光らせたいけれど何を選ぶと上手くマッチングするか分からん人は嬉しいやも。