CPUとビデオカード(以下グラボ)の組合せについて。
高性能なグラボならば高性能なCPUを選ばなければCPU側がボトルネックとなる事があるけれど、中程度の性能ならばCPUはどのくらいの性能が良いのかを考えてみましょうという話。
パソコン工房の新製品から見て参りましょう。
パソコン工房より10万円を切るGTX1060搭載PC
プレスリリースをPC Watchより。
ユニットコム、9万円台からのGeForce GTX 1060搭載PC - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1025157.html
上部の約1/3が浮いているのかと思った。ケースを見ても意味皆無なので主な仕様をリンク先より引用。
CPUにCore i3-6100(3.7GHz)、メモリ8GB、240GB SSD+1TB HDD、DVDスーパーマルチドライブ、OSにWindows 10 Homeを搭載し、価格は95,018円。
上位の「Stl-M012-i5-RNR」は、CPUをCore i5-6400(2.7GHz)に変更し、価格は103,658円。
共通してグラボはGeForce GTX 1060(3GB版)、チップセットはH110。
価格表記は税込であり、Core i3の方なら余裕で10万円を切れており、送料を乗せても釣りが来る安さ。
Core i3ながらクロックが高く、メモリ8GBも充分な量。SSD+HDDの2ストレージは個人的にお気に入りであり240GB+1TBも価格を抑える為ならば妥当。
Core i5の方は約8千円の差で10万円オーバー。
税別表記で10万円を切りたかっただけちゃわないと思われ、i5-6400では微妙なのでプラス3~4千円くらいで6600(TB最大3.9GHz)が良かったと思うものの、10万円超えるのでそうしなかったのでしょう。知らないけれど。
GTX 1080級になるとCPU側がボトルネックに?
GTX 1060では差が良く判らないと思う為、1080でのCPU違いによるベンチマーク各種を海外サイトで探して来たので紹介。
その前にGTX9シリーズまでのあるあるなベンチマーク。
source:Intel Core i3 vs. i5 vs. i7: A Value and Performance Analysis - TechSpot
ゲームにより違いはあるけれど、グラボが同じならばCPUがCore i7でもi5、i3でもスコア変わらないという結果が結構多い。それどころかi7よりi5の方がわずかに上回るモノも存在。
しかし、どういうわけか、PascalからなのかWindows 10+DirectX 12が効いているのかGTX 1080ではこのような結果が多い。
source:NVIDIA GeForce GTX 1080: CPU Performance Preview - Back2Gaming
水色とオレンジの曲線を比較しましょう。どう見てもCore i3よりi7のfpsの方が高くなっております。
こちらのサイトでもそう。
source:Attention au CPU Limited avec la GTX 1080 ! | Overclocking Made in France
見づらいので書き換えると上から、Core i3、i5、i5、i7、i7、i7の順。
クロックによる差とは言い切れず、コア数やHT対応による差とも言い切れない、しかし高性能なCPUの方が明らかにfps高め。
もう一つ。縮小すると見づらいのでそのまんま、横1千px超え注意。
source:Total War: Warhammer benchmarks strike fear into CPUs | PC Gamer
同じCPUならば性能の高いグラボが上、同じグラボならCPU性能の高い方がfpsが上という結果に。
見づらいので青のNVIDIA製品のみで見ましょう。
上から行くと、Core i7-5930KのGTX 1080,970,950はかなり差が出ており、特に950はどこにあるのか探すほど下の方。
次にCore i5を見ると、1080と970が同じくらいのスコア。という事は、1080はCore i5の方が足を引っ張っている、ボトルネックになっているという意味になるかと。
Core i3が顕著で、3種類のグラボが同じくらいの数値となっており、1080や970を搭載するくらいなら950で充分と言えるほど大差無し。
同じサイトよりもう1枚、DirectX 12ならばどうなるか。
こちらはグラボの性能の方が重視されるようで、グラボが高性能ならばDirectX 11ほどCPUによる差は狭い、しかしCPUが高性能ならばやはり上になるという当然。
平均ではほぼ差が無くとも、97パーセンタイルの方では結構大きめに差が出ている辺りもDirectX 12ならでは。
上の画像2枚は設定がウルトラになっており、別の2枚のミディアムになるとCPUによる差が出にくくなっているけれど、見づらいと思うので次行きましょう。
ゲーム用PCのCPUはグラボ性能に合わせる(まとめ)
さて、実はここまでのGTX 1080話は尺稼ぎであり、こちらのリンク先にてパソコン工房と似た組合せでのベンチマークが紹介されております。
「GeForce GTX 1060」とマッチするCPUは? - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/dosv/1013652.html
これは重いゲーム、高いグラフィック性能を必要とするのでCPUによる差が大きめに出ており、Pentiumの最低fpsとなる14程度ではコマ落ちがひどく生死に関わるレベル。Core i3の24やi5の34も結構ひどいとは思うけれど。
価格コムを見て来ると上のPentium~が7千円、i3が1.5万、i5が2万円くらい。
CPUの予算をビデオカードに回し、Core i3とGTX 1060を組み合わせることをオススメしたい。
私もこの考え方に賛成。
fpsの比較を見てしまうと5千円差ならばCore i5の方が良いような気がするけれど、価格を抑えたいからこそGTX 1060とCore i3の組合わせなのであり、パソコン工房が販売しているような、「10万円を切れる」が重要。
現在のグラボの最安付近の相場は上から、GTX 1080が7.2万、1070が4.5万、1060(6GB)2.8万、3GBが2.3万円くらい。
というわけで、一見するとパソコン工房のCore i3+GTX 1060は罠構成に見えるけれど、実は10万円を切る事の方が重要なバランスの良い仕様と言えましょう。CPUのみi7にしても、グラボのみ1080にしてもコスパ悪くなるはず。
ところで実は最初、「ゲーム用でCore i3はアリなのか?」と疑惑を持っていたのだけれども、GTX 1060の性能を中心に見ると、いくらでも金出せるわけでも無いと考えるとバランス良いと思い直した。
- GTX 1060 + Core i3
- GTX 1070 + Core i5
- GTX 1080 + Core i7
- それ以上 + Haswell-E
辺りがおすすめ。CPUは1ランク上げても良さそうですな。CPUのみ2ランク上げるくらいなら、CPUとグラボを各1ランク上げた方がよろしいかと。
GTX 1060はGTX 980と同じくらいの性能な訳ですから、GTX 980でもそれなりに重いゲームでないと、CPUがボトルネックでスコアが上がらない事態にはなりませんね。DirectX 12のマルチタスクがフルで生きるゲームは激重な気がしてなりませんから、個人的にはGTX 1060ごときでCPUのボトルネックなんぞ気にする必要は無いと思います。
ただしCeleronやAtomは除く。
>Windows 10+DirectX 12が効いているのか
The Witcher 3もFallout 4もDirectX 11を使っていますから、CPUによる差はそのままCPUへの依存度を表しているのでは。CPUがボトルネックになるというよりは、GPUへの負荷割り当てが上手く行かないからCPUに負担が掛かっている、というような。
>最低fpsとなる14程度ではコマ落ちがひどく生死に関わるレベル
FPSゲームならば、最低時でも40FPSを上回って欲しいですね。自分だけゆっくりになる利点はゼロですし。
グラボを年末にGTX670からMSIのGTX1070 ARMOR 8G OCに換装予定(安いので)。悩んでいたのがCPUで、マザーまで換える気はないので換えるとしたらCore i7 4790Kになります。現在Core i5 4670ですが、どうやらこの記事で背中を押されたようです。本当にありがとうございますw